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「ゲームアプリ満足度ランキング」の発表を機にオリコンに聞く――“スマホゲームのヒットを可視化”するということ
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印刷2015/11/13 12:00

インタビュー

「ゲームアプリ満足度ランキング」の発表を機にオリコンに聞く――“スマホゲームのヒットを可視化”するということ

画像集 No.001のサムネイル画像 / 「ゲームアプリ満足度ランキング」の発表を機にオリコンに聞く――“スマホゲームのヒットを可視化”するということ
 2015年10月27日,オリコンが展開する「オリコン日本顧客満足度ランキング」公式サイトで,「ゲームアプリ【スマートフォン・タブレット】2015年 秋」のランキングが発表された。
 評価項目総合1位に輝いたのは,「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル」iOS / Android)。夏ランキングでは2位に順位を落としたものの,項目別「音楽」での高評価やゲームシステムの再評価を受け,春ランキング以来の3度めとなる1位に返り咲いたのは既報のとおり。
 ほかにも,リリースされたばかりの「アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ」iOS / Android)といった,アイドル育成型のリズムゲームがベスト10入りを果たしたこのランキング。11月末には「年間ゲームアプリランキング」の発表も控えており,そちらの結果にも要注目だ。

 さて,同社がスマホゲームの顧客満足度ランキングを調査し始めてから1年となる。日本で流通しているサービスや商品を,実際に利用したことがあるユーザーのみを対象にデータを集めてランキングにしている「オリコン日本顧客満足度調査」(Oricon CS Report)の一環だ。
 ランキングについては,これまで4Gamerもニュースとして取り扱ってきてはいるが,設けられた項目や,ランキング上位に並ぶ,4Gamer的には「え?」と思ってしまうタイトル達を見ると,いったい誰を対象にどのように集計したデータなのかと毎回疑問に思ってしまうというのが,正直な感想だ。
 その“実に変わったスマホゲームランキング”について,oricon MEの代表取締役副社長である染谷光廣氏に話を聞く機会を得た。染谷氏といえば,かつてエヌシージャパン(NC Japan)でMMORPG「リネージュ」の事業責任者を務め,セガのオンラインマーケティングではSEGA linkの立ち上げを,そしてエイチームでモバイルコンテンツの運営などに携わっており,およそ“オンラインゲーム”と呼べるもののほとんどを経験してきた人物だ。
 はたして同社が何を意図してスマホゲーム業界のヒットを“可視化”しているのか,そして今後どのように展開させていくのか,いろいろと気になる部分について聞いてみた。

画像集 No.002のサムネイル画像 / 「ゲームアプリ満足度ランキング」の発表を機にオリコンに聞く――“スマホゲームのヒットを可視化”するということ

「オリコン日本顧客満足度調査」ゲームアプリ部門 2015秋


4Gamer編集部(以下,4Gamer):
 お久しぶりです。本日はよろしくお願いします。
 今回は,「オリコン日本顧客度ランキング」(以下,OCS)についてお聞きしたいと思ってお時間いただきました。

oricon ME 代表取締役副社長
染谷光廣氏
画像集 No.004のサムネイル画像 / 「ゲームアプリ満足度ランキング」の発表を機にオリコンに聞く――“スマホゲームのヒットを可視化”するということ
染谷光廣氏(以下,染谷氏):
 4Gamerさんなら違う意味で食いつくだろうと思ってました(笑)。

4Gamer:
 “あの”オリコンが,2015年の1月からスマホのゲームアプリランキングを公開しているので,これはなんじゃらほいと思って見てみたら……。App StoreやGoogle Playのランキングとは違う切り口であることは確かなんですが,その結果があまりにも,なんというかほかでは見ない“素っ頓狂”なものだったので,いったいどうやって作ってるんだろう? と。

染谷氏:
 素っ頓狂ですか(笑)。たしかに私も,初回の2015冬ランキングの集計結果を見たとき,予想外の結果に「これ,本当に合ってるの?」と口にしてしまいました。実際,App Storeのランキングなどに比べると意外な結果が出ていると思いますが,細分化された各項目のデータを見ていただければ,なぜこれらのゲームが総合ランキング上位になったのかが納得していただけるはずです。

4Gamer:
 先ほどいただいた,200ページ近くあるこの資料を拝見すると,いったいこれらの項目が,どのように集計され,ランキングが作られているのかとても気になるところですが……そうですね,まずはOCSとはなんぞや? というお話からお願いします。

染谷氏:
 はい。OCSを説明するうえでまず話しておかなければならないのが,弊社のランキングに対する思い入れについてです。まず,ランキングとひと言で言っても,世の中にはいろいろなものがありますよね? 集計方法も違えば,調査方法もさまざまです。

4Gamer:
 調査会社が作るランキングなんかはもちろんですが,TV番組でよくある「渋谷で100人に聞きました」みたいなものや,ショッピングサイトの口コミランキングなど,ちょっと思い浮かべただけでもいろいろありますね。

染谷氏:
 それらも確かにランキングではありますが,調査方法が分からないものもありますよね。弊社がランキングを発表する場合は,それぞれの調査ごとに定義を設けており,「どうやってn数(サンプル数)を集めているか」「どうやって調査しているか」「集計は統計的に裏付けされているか」ということが明確でなければならないという大前提があります。

4Gamer:
 信頼できる情報か否か,という話であれば,例えば先ほどの「渋谷で100人に聞きました」というランキングがあったとしても,「答えている人達ってサクラじゃないの?」とか「そもそも本当にちゃんと100人に聞いたの?」という疑問が生まれるし,実際そういった操作が可能なわけですよね。それはネットの調査やマーケットのランキングであっても同様で。そういう,どう調査したか説明できないようなものは,オリコンはランキングとして作らない,と。

染谷氏:
 なぜそこまで精微な調査を行うのかといえば,弊社には音楽ランキングがあるからです。

4Gamer:
 御社のイメージの根幹を成す事業ですね。

染谷氏:
 ええ。“オリコン”と聞いて皆さんがまず思い浮かべるのは,やっぱり音楽ランキングだと思うんですよね。そしてみなさんのイメージどおり,音楽ランキングは弊社の事業の中心であり,50年近くの歴史とそれだけの年月をかけて築いた信頼があります。だからこそ,別の分野であっても,いい加減な調査や集計でランキングを作ってしまうことがあれば,それは音楽ランキングはもちろん,“オリコン”という企業グループ全体のイメージに関わる問題になるわけです。

4Gamer:
 企業としての信頼がかかっているということですね。たとえ些細なことであろうとも,不透明なことや恣意的なことは許されない。

染谷氏:
 はい。これは当たり前の話ではありますが,たとえ「莫大な広告費を払う」と企業に言われても動かない。比較にならないほど大きな,守っていかなければならない歴史や信頼がありますから。その,長い年月をかけて築き上げたものを守っていくためにも,間違ったことはできないという意志を強くもっていて,それがアプリランキングにも体現されているわけです。


ユーザーの本音を数値化するために生まれた「OCS」


4Gamer:
 アプリランキングに到達できなくて申し訳ないんですが,そんなオリコンが「オリコン日本顧客満足度ランキング」という調査を始めたのはどういった理由なんでしょうか。これまでの音楽チャートといったランキングとは,かなり違うもののように思われますが。

画像集 No.012のサムネイル画像 / 「ゲームアプリ満足度ランキング」の発表を機にオリコンに聞く――“スマホゲームのヒットを可視化”するということ
染谷氏:
 元々のコンセプトに“ヒットを可視化する”というものがあるんですが,これまで音楽ランキングを中心に培ったこのノウハウを,もうすこし横展開できるのではないかという話になったとき,この“見えない価値を可視化する”需要は,ほかになにがあるのかというところにフォーカスをあてました。
 そこで,巷に溢れる「実際使ってどうだったか」という口コミやうわさ話といったユーザーの生の声を数値化すれば,それを顧客満足度という有益な情報として提供できるのでは? というのが見えてきたんです。

4Gamer:
 なるほど。ただデータを集めるだけではなく,その集計結果をランキング化するというところがオリコンらしいですね。しかし,“見えない価値を可視化する”作業って,言うのは簡単ですが結構大変な作業なのでは……?

染谷氏:
 そうですね……分かりやすい例として「進学塾」を挙げましょうか。
 塾とひとことで言っても,ユーザーさん――この場合は塾に通う子供とその保護者にあたりますが――が求めるものによって,合格率の高さ,基礎学力を上げるのが得意なところ,難関校や特定の学校に強いところなど,評価項目というのがまったく違うわけですよね。
 なのでOCSは本調査の前に,常に調査ロジックを研究しているチームと調査をかけるチームで,まずその「塾という業界の評価項目とはなんだろう」というところから事前調査を行います。

4Gamer:
 まずは何をデータとして打ち出すべきか徹底的に洗い出す,と。

染谷氏:
 そうやって事前調査を進めて,評価項目と成りえるであろう要素をまとめたら,今度は「ランキングを作ろうと思います。私たちはあなた方の業界の定義をこう定めて,調査項目はこう仮定したのですが,違和感ないですか?」といった感じで,その調査対象となる企業に実際にヒアリングして回り,集めた意見をフィードバックします。

4Gamer:
 なるほど,実際に聞いて回ってるんですね。

染谷氏:
 それを確認しておかないと,ランキングとして形になったときに「ここの業者は教材を売っているだけの会社だから,うちの塾の競合ではないぞ」みたいな認識の違いが生じてしまって,データ自体の価値や信頼性が損なわれる可能性があるからです。

4Gamer:
 確かに“ランキング”という(企業にとって)クリティカルなものを作るにあたって,不必要な要素が入っていたり,関係ない企業がランク入りしていたら,それだけでそのデータに疑問を抱くでしょうね。

染谷氏:
 はい。なので新しいランキングを作るとなったら,調査対象となる企業はこれらで,それぞれのサービス内容はこうで,といったことをすべて事前調査して,さらにヒアリングした結果をまとめて調査票を作ったのちに本調査をかけ,集計して発表する。というのがおおまかな流れです。
 調査対象も,実際にその製品なりサービスを使っているユーザーが対象で,そしてサービスを提供する側に必ず話を聞きに行く,と。両方の声を聞くのが大前提ですね。

4Gamer:
 さすがですねえ。

染谷氏:
 ありがとうございます。そのようにいろいろなニーズを切り出した上で項目別のランキングを公開して,それぞれのユーザーの価値観に合った情報を提供して,サービスを選ぶうえでの指標にしてもらうというのがユーザー側への目的です。
 一方企業側には,これは冷静に解析された信頼性の高いデータなので,これを見て自社のプロダクトがユーザーにどう思われているのかをしっかり把握してもらい,なおかつ競合と比較してくださいと。

4Gamer:
 各項目別でランキング化されているというのは,企業側としても自社の長所/短所がとても分かりやすくて良いですね。

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