インタビュー
「ハースストーン」最新拡張版“リッチキングの凱旋”合同インタビュー。新クラス“デスナイト”をはじめとする新要素の詳細を開発チームに聞いた
「ハースストーン」,最新拡張版“リッチキングの凱旋”を12月7日にリリース。新クラス“デスナイト”は“死体”や“ルーン”といった新システムが特徴
Blizzard Entertainmentは本日,デジタルカードゲーム「ハースストーン」の最新拡張版「リッチキングの凱旋」を12月7日にリリースすると発表した。新クラス「デスナイト」が登場し,203種類の新カードが追加される。また,本日からリリースまで,「凍てつく玉座の騎士団」の全カードがスタンダードに復活する。
本稿では,新クラス「デスナイト」をはじめとする新要素の詳細を,リードデザイナーのChadd Nervig氏,ゲームデザイナーのLeo Robles Gonzalez氏に聞いた合同インタビューの模様をお届けしよう。
今回はリッチキングとブラッドエルフの戦いが描かれる
新クラス「デスナイト」の専用システムにも注目
――「リッチキングの凱旋」はどんなストーリーですか。
Chadd Nervig氏(以下,Nervig氏):
本拡張版は再びリッチキングを題材としています。「Warcraft」で最も重要なキャラクターを酒場に呼び戻すことができて興奮しています。今回は,リッチキングとその軍団「スコージ」がブラッドエルフの首都「シルバームーン」を攻撃する話になります。
――「World of Warcraft」で「Wrath of the Lich King Classic」をリリースしたばかりですが,タイミングを合わせる狙いはありましたか。
Nervig氏:
数年前,「ハースストーン」チームと「World of Warcraft」チームで「このままいくと同じ時期に出しそうだね」と笑いながら話したことがあります。狙っていたわけではありませんが,嬉しい偶然となりました。
――今回のトレイラーはこれまでと異なるアニメーション作品でした。どういった経緯で制作しましたか。
Nervig氏:
かっこいいトレイラーに仕上がりました。今回の拡張では大掛かりなことをやりたいと思っていたので,力を入れて作りました。コミュニティからの反応も非常に良かったです。
――「デスナイト」は専用システムを持つ複雑なクラスになっていますが,上級者向けクラスとしてデザインしたのでしょうか。
Nervig氏:
初心者お断りというわけではありませんが,リリース当初と比べるとプレイヤーの全体的なレベルも上がってきているので,ゲームをより深くするために,これまでより複雑なクラスとしてデザインしました。今後はそれを最大限に生かせるような仕様やバランスを考えていきます。
――「デスナイト」のヒーローパワーにほかのアイデアはありましたか。
Leo Robles Gonzalez氏(以下,Gonzalez氏):
「デスナイト」の追加を決めたときからずっと,ヒーローパワーについて試行錯誤していました。ヒーローパワーは強すぎても弱すぎてもいけないのです。「急襲」がついていた時期もありましたが,使用した時の気持ちよさを重視して,最終的には「突撃」をつけました。
Nervig氏:
「突撃」が危険なメカニズムだということは理解しているので,単体バフなど,OTK(One Turn Kill)になりそうな要素には気をつけています。安心してください。
――ルーンの仕様について教えてください。「血」のトリプルを選択すれば,すべての「血」のカードを何種類でもデッキに入れられますか。
Gonzalez氏:
その通りです。まずは,3種類のルーンから3つのルーンを選択してデッキの方向性を決めます。「血」を3つ選択すれば,すべての「血」ルーンのカードをデッキに入れられますし,「凍気」を2つ,「不浄」を1つ選択すれば,すべての「凍気」ルーン1,2個のカードと「不浄」ルーン1個のカードをデッキに入れられます。
――「血」のトリプルを選択した場合に,「凍気」「不浄」ルーンのカードを発見することはできますか。
Nervig氏:
自分の選択したルーンに関わらず,3種類のルーンすべてから発見することができます。カードの中には「不浄」ルーンのカードを発見するなどと指定されているものもあります。
――新システム「死体」について教えてください。
Gonzalez氏:
「デスナイト」は死を司るクラスで,特に「不浄」ルーンを選択した場合は,たくさんのミニオンが生まれて死ぬようにしたかったのです。そこで,死んでいくミニオンに対して何かできないか考え,リソースにすることに決めました。次に,そのリソースの使い方を考えていき,最終的には「ロード・マロウガー」のような巨大で楽しいミニオンが生まれました。
――「デスナイト」を追加することはいつごろ決めましたか。
Nervig氏:
最初の追加クラス「デーモンハンター」が好評だったため,約1年半前に「デスナイト」の追加を決めました。これは「リッチキングの凱旋」のデザイン開始よりもかなり前だったので開発に苦労しました。
――「モンク」の実装も期待していいですか。
Nervig氏:
まだ,お伝えすることはできません(笑)。開発陣も「モンク」が好きなので将来的にはあるかもしれませんね。
――新種族「アンデッド」のコンセプトについて教えてください。
Gonzalez氏:
「『デスナイト』なら『アンデッド』をやらないとダメだ」とNervigが言ったのが始まりです。「ナーガ」といえば「呪文」のように,「死」をコンセプトとした種族としてデザインしました。「味方のアンデッドが死んでいたら」効果を発動するカードを用意しているので,リリース後には種族を有効活用するデッキが出てくると思います。
――「デュアル種族」は「アンデッド」限定ですか。
Nervig氏:
「デュアル種族」は私たちにとって大きな進歩です。これまでは「アンデッド」だけれどもタグがついていないミニオンが多かったのですが,ようやく「アンデッド」になりました。「アンデッド」と複合する場合が多いですが限定というわけではなく,「海賊パッチーズ」は「悪魔」と「海賊」を,「コックのクッキー」は「マーロック」と「海賊」を持ちます。
――新キーワード「マナ渇望」は過去の拡張版で登場した「ランク付き呪文」と似ているように感じますが。
Nervig氏:
「リッチキングの凱旋」は,「デスナイト」の追加が大きな変化なので,そのほかの要素は複雑にならないようにしました。今回のストーリーでリッチキングの軍団と戦うことになるブラッドエルフ側の能力も作りたいと思い,種族に深く関連する「マナ」の能力になりました。
――「レジェンドヒーロースキン」の開発について教えてください。モバイル端末での負荷についても気になります。
Nervig氏:
プレイヤーにとって見た目は重要です。「ダイヤモンドカード」はうまくいったと思っているので,似たことをヒーロースキンでやりたいと思いました。もちろん,モバイルで動作することも重要ですので,問題なくプレイできるようになっています。プレイした時,エモートをした時などいろいろなアニメーションを用意しているので楽しんでください。
――今後も「レジェンドヒーロースキン」を実装していきますか。
Nervig氏:
今回は,「デスナイト」と「ハンター」のスキンが登場しますが,皆さんのフィードバックを取り入れて,ほかのクラスにも実装していきたいと思っています。
――これまでTwitterでコミュニティの質問に答えていたDean Ayala氏が退職されましたが,開発チームの誰かが代わりにQ&Aを行う予定はありますか。
Nervig氏:
Deanがそのような形でコミュニティとつながっていたことに価値を感じています。今後も何かしらの形で続けていきたいと模索していますが,まだ具体的なことはお伝えできません。
――NervigさんはAlliestraszaさんと一緒に告知動画に出演していましたね。撮影の際に苦労されたことはありますか。
Nervig氏:
あの撮影はとても楽しかったです(笑)。Blizzardの本社がある温かいカリフォルニアに,5トンもの雪を運んできていろいろな挑戦を彼女にやってもらいました。Alliestraszaが撮影の裏側についての動画(リンク)を投稿していたので,そちらもチェックしてみてください。
最後に,今回の新カードの中には,日本のプロプレイヤーに関連する「不浄」デスナイトカードがありますよ。楽しみにしていてください。
「ハースストーン」公式サイト
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(C)2017 BLIZZARD ENTERTAINMENT, INC.
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