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[CES 2016]「VR Ready」ロゴプログラムを開始したNVIDIAのブースに行って,最新のVRコンテンツを「Rift」と「Vive Pre」で体験してきた
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印刷2016/01/07 00:00

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[CES 2016]「VR Ready」ロゴプログラムを開始したNVIDIAのブースに行って,最新のVRコンテンツを「Rift」と「Vive Pre」で体験してきた

Riftの製品版「CV1」と,Rift専用コントローラ「Oculus Touch」でデモを体験中の筆者
画像集 No.002のサムネイル画像 / [CES 2016]「VR Ready」ロゴプログラムを開始したNVIDIAのブースに行って,最新のVRコンテンツを「Rift」と「Vive Pre」で体験してきた
 NVIDIAは,北米最大の家電見本市であるCES 2016の開催に合わせ,会場近くのホテルにプライベートの展示ブースを用意している。
 CES 2016本会場にあるNVIDIAブースは,Jen-Hsun Huang(ジェンスン・フアン)社長兼CEOによる講演そのまま,自動車関係に特化しているそうなのだが(関連記事),プライベートブースのほうは仮想現実(以下,VR)関係の説明やデモが中心。Oculus VRの「Rift」や,CES 2016に合わせる形でHTCが開発キットとして発表したVR対応ヘッドマウントディスプレイ(以下,VR HMD)「Vive Pre」を装着し,VRコンテンツを体験できるようになっていた。

 筆者もそこで実際に体験してきたので,今回は具体的な説明とデモの内容をレポートしてみたい。


「VRには従来比で7倍の描画能力が必要になる!」


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 まずは,NVIDIAが北米時間1月5日に発表した「GeForce GTX VR Ready」(以下,VR Ready)プログラムの話題からだ。

 いわゆる3D酔いをしにくいVRコンテンツを実現するには,解像度1920×1080ドットで30〜60fpsといった据え置き型ゲーム機の描画能力を超える,高い解像度とフレームレートでの表示が必要になるというのは,よく言われる話だ。実際,Riftの最終製品版「CV1」と,HTCとValveの共同開発により2016年4月に発売予定のVR HMD「Vive」は,いずれも片目あたり1080×1200ドットで垂直リフレッシュレート90Hzという,高いスペックになっているわけだが,なかでもViveは片目あたり1512×1680ドットのフレームバッファを持つ(※Riftも同じようなことをしていると思われるが,情報が明らかになっていない)。そのため,両製品のスペックを満足させる場合,解像度は両目分で3024×1680ドットに達するわけだ。
 据え置き型ゲーム機の仕様を1920×1080ドットの30Hzとすると,それを描画するのに比べ,VR HMDの「3024×1680ドット/90Hz」を描画するためには,7倍の描画能力が必要になるというのが,NVIDIAの言い分である。

1920×1080ドット/30Hzという据え置き型ゲーム機と比べた場合,3024×1680ドット/90Hzで必要なピクセルレンダリング性能は7倍以上になると,NVIDIAは主張している
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 さらに,NVIDIAは,「表示遅延を小さくして,ヘッドトラッキングに応じた違和感のない映像を表示するためには,ユーザーの動きを検出して,それを映像に反映するまでの遅延を20ms以内に収める必要もある」としている。
 どちらも非常にハードルの高い要求であり,実現には強力なGPUが必要だ。たとえばRiftの場合,推奨GPUは「GeForce GTX 970」もしくは「Radeon R9 290」以上と,かなり高い(関連記事)。ちなみにCPUは「Core i5-4590」(定格3.3GHz,最大3.7GHz,4C4T,共有L3キャッシュ容量6MB)以上が推奨となっている。

動きを検出してから,それを画面に反映させるまでの遅延時間は,20ms以内に収める必要もあるという
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 そこでNVIDIAでは,ハードウェアとソフトウェアの両側面から,VRに適したプラットフォーム構築を行う取り組みを行っている。その1つが,CES 2016のタイミングで発表となったVR Readyプログラムである。

NVIDIAのVR Readyプログラムにおける最小スペック。デスクトップPCではGeForce GTX 970以上だが,ノートPCでは「M」の付かない「GeForce GTX 980」がVR Readyの要件となる
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 VR Readyプログラムは,上で挙がった「GeForce GTX 970以上」「Core i5-4590以上」といった推奨スペックを基に,それを満たす性能のグラフィックスカード単体ならびにPCを認定するというものだ。VR Readyのロゴバッジがあれば,「VR HMDを満足に動かせる性能がありますよ」と判断できる,というわけである。

 発表時点で,PCメーカーやグラフィックスカードメーカー各社が,VR Readyプログラムへの参加を表明しており,その中には,日本でゲームPCを展開しているメーカーやブランドも多い。そういったメーカーから,順次,VR Readyバッジの付いたグラフィックスカードやゲームPCが登場してくることになるのだろう。

VR Ready対応PCの要件。PC本体だけでなく,グラフィックスカードにもVR Readyバッジの付いた製品は登場する予定だ
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 また,ソフトウェア面では,NVIDIAが2015年に提供を開始したソフトウェア開発キット「GameWorks VR」を,プライベートブースでは強くアピールしていた。説明員によれば,GameWorks VRを統合したゲームエンジンである「Unreal Engine 4」(以下,UE4)を利用すれば,もともとのプログラムをそのまま実行したときと比べ,VR対応ゲームのフレームレートを50%向上させることさえ可能であるという(関連記事)。

GameWorks VR対応のUE4で,用意されたAPIを使えば,使わないときと比べて50%ものフレームレート向上を実現できるとNVIDIAはアピールしていた
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NVIDIAが定義する「VRプラットフォームの構成要素」。ハードウェアだけでなく,「Game Ready Driver」や「GeForce Experience」,あるいはAndroidやLinux用ドライバソフトも含んでいる点に注目してほしい
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RiftとVive Preで最新VRデモを体験


 説明の後は,会場に用意された3種類のVRデモを体験することができた。

Bullet Trainをプレイ中の筆者。写真右側に見えるディスプレイには,筆者が目で見ている映像が表示されている
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 1つめのデモは,Epic Games製のRift向けVRデモ「Bullet Train」である。Bullet Trainとは何か,という話は2015年9月25日掲載の記事で詳しくレポートしてあるため,詳細はそちらをチェックしてもらえればと思うが,今回は,Riftと,Rift専用の入力デバイスである「Oculus Touch」で,実際にプレイした次第である。

 というわけでインプレッションだが,Oculus Touchを握った手を敵に向け,あたかも本当に銃を握っているかのように引き金を引く感覚や,敵が撃ってきた銃弾をバレットタイム中につまんで投げ返すというゲーム内容が,シンプルながら実に面白い。ステージやギミックを増やせば,そのまま短いゲームにできるのではと思ったほどだ。

飛んでくる銃弾をのけぞって避けながら,右手の銃で反撃している筆者(左)。飛んでくる銃弾は,左右の手で握ったOculus Touchを駆使して,つかんでは投げ返して敵を倒すという痛快なプレイが楽しめた
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 2つめは,Three One Zeroという開発スタジオが制作中のSFアドベンチャー,「ADR1FT」だ。
 こちらはRiftと「Xbox 360 Controller」の組み合わせでプレイし,破壊された宇宙ステーションから脱出するというデモ。宇宙服の酸素がどんどん減っていくので,プレイヤーは酸素を補給できるアイテムを拾いながら,宇宙船内を探索していくというものになっていた。

ADR1FTのデモ(写真右)。左側のディスプレイには,プレイヤーが見ているのと同じ映像が表示されている
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ADR1FTを体験中の筆者。酸素がなくなれば死ぬというプレッシャーがかかるうえに,ゲームパッドでは思うように動くことさえ難しいので,かなり3D酔いしやすいデモだった
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 筆者はプレイ時間が短かったこともあって無事だったが,正直なところ,ADR1FTはかなり3D酔いしやすい印象がある。無重力の宇宙空間で,移動するだけでも苦労するという内容のうえに,酸素のボトルや,ゲームを進めるための要素を探すべく,あちこちをキョロキョロと見回さなくてはならないからだ。思い通りに動くのが難しいことと,あちこちを見回す操作が必要ということが合わさると,かなり酔いを招きやすくなってしまう。実際,デモ会場を見渡してみると,デモを体験して3D酔いしたと述べる人が何人か確認できた。
 ADR1FTは目下開発中とのことだが,製品化にあたっては,もう少し3D酔いしにくくする工夫がほしいところだ。

 最後は,Vive Preでエベレストの登山を体験するというデモだ。ゲームというよりも,一種のバーチャル登山,あるいはバーチャル観光的なコンテンツである。なお,ゲーム画面の撮影は許可されなかったことをお断りしておく。

第2世代のViveであるVive Pre。ただ,今回はVive Pre自体の説明は行われなかったので,詳細は不明だ
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 開発者向けイベントのレポート記事で触れているが,そもそもViveは,高精度なポジショントラッキング機能によって,Riftよりも広い範囲を動き回るVRコンテンツを実現できるという特徴がある。
 Vive Preでも基本路線は同じで,今回のデモも,対角線の長さが15フィート(≒3m)ほどある部屋全体を使って,VR空間内で表現した雪山の上を歩き回ることが可能になっていた。

Vive Preの問題点は,やたらとケーブルが多いこと(左)。VR HMDからは,太いケーブルが3本も伸びているので,歩き回るプレイヤーがケーブルに足を引っかけたりしないよう,ケーブルの取り回しを行う担当者が1人は必要だった。右はViveシリーズ用のモーションコントローラで,RiftにおけるOculus Touch的に使う
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 実際のエベレストで撮影された千枚単位の写真を組み合わせて,3Dモデルを作ったというだけあって,ヒマラヤ山脈の風景は壮大なもの。クレバスの上をはしごで渡るシーンなどは,VRデモと分かっていても,恐くて渡れないという人が何人もいたそうなので,高所恐怖症の人にはお勧めできないかもしれない。ゲームではないものの,広い空間を使うVive系HMDの可能性を感じさせてくれる内容だった。

雪山の上を歩き回って物を拾ったり(左),金属の梯子を使って崖を登ったり(右),ちょっとした登山の疑似体験ができた。しかし,どうしてもプレイヤーの写真だけだと間抜けに見えますな
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 なお,Vive Preについては別途詳しくレポートする予定だ。

VR Readyプログラムの情報ページ(英語)

  • 関連タイトル:

    GeForce GTX 900

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    Rift

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    Vive

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