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東京レトロゲームショウ2015:第22回 「Command&Conquer」で,リアルタイムストラテジーの歴史を振り返ってみる
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印刷2015/10/08 12:00

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東京レトロゲームショウ2015:第22回 「Command&Conquer」で,リアルタイムストラテジーの歴史を振り返ってみる

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今週のテーマ:昔は「タイベリウム」って言ってた気がする

 PCゲームにおける最初のリアルタイムストラテジー(以下,RTS)はどのタイトルか? という素朴な疑問に対しては諸説紛々あるようだが,個人的にはやはり“コマコン”の愛称で知られる「Command&Conquer」がそうではないかと思っている。リリースは今を去ること20年前の1995年で,対応機種というか対応OSは,MS-DOSだった。当時,日本国内ではまさにDOS/Vパソコンブームのまっただ中にあり,海外のさまざまなゲームが,移植を待つことなく日本でも容易にプレイできるようになっていたのだ(表示はもちろん,英語のままだが)。これもその1つで,内容も分からないまま秋葉原のDOS/Vショップで買ってきた。

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「Command&Conquer」公式サイト


 ちなみにDOS/Vパソコンとは,IBM PC/AT互換機のことで,ようやくソフトウェアだけで日本語表示が可能になったことから,寡占状態にあった国産パソコンのシェアをすごい勢いで切り崩し始めたのだ。価格も安かったし。1995年はちょうど「Windows 95」がリリースされた年にあたるが,普及にはしばらくタイムラグがあったようで,個人的にはまだ「Windows 3.1」を使っていたと記憶している。「Windows 3.1」のインストールにはMS-DOSが必要で,フロッピーディスクを何枚も入れたり出してOSをインストールしていたが,途中で原因不明の失敗が起きることもしばしばあり,そうなるとまた最初からやり直すしかなかった。インストールに半日かかることも普通で,なんか牧歌的ですね。
 いきなり話が脱線したが,そんな「Windows 3.1」のDOSモードでプレイしていた「Command&Conquer」は,プレイした途端に,こ,これは新しい! さすがは海外ゲーム,と驚いたりしたのだ。

オープニングムービーは,テレビをザッピングしているような感じで,重要な情報がときどき混じってくる。クールでカッコイイ,と思った
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 釈迦に説法だとは思うが一応書くと,それまでのストラテジーゲームはボードゲーム時代から連綿と続く伝統と格式を誇るターン制が採用されており,こちらのターンで部隊を配置したり攻撃をしたりしたあと敵のターンに移るという手順が繰り返されるわけだが,RTSではそれがリアルタイムで進んでいく。まさにコンピュータ時代の,コンピュータでしかできないゲームだ。マップの移動はフリーで,ヘックスなどはない。
プレイヤーはGDIかNOD,いずれかを選んでキャンペーンを進めていく
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 ゲームの舞台となるのは近未来で,イタリアのテヴェレ河畔で発見された「Tiberium」(ティベリウム)をめぐるストーリー展開になっている。Tiberiumは,のちに宇宙から来たことが分かるのだが,希少な物質を地下から集めて蓄える自己複製機能を持った金属っぽい物質であり,今や世界経済の中心になっているが,人間に対して強い毒性がある。このTiberiumの独占を狙っているのが,Tiberiumを使う独自技術を開発したカルト教団NOD(Brotherhood of Nod)で,危険なTiberiumがNODの手に渡るのを防ぐために設立された軍事組織GDI(Global Defense Initiative)と鋭く対立している,というのが,たぶん,だいたいの設定だ。

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 かくしてプレイヤーは,GDIかNODのいずれかを選び,さまざまなミッションに挑んでいくことになる。こういうゲーム内のミッションの命令シーンは,シリーズの伝統ともいえる実写とCGを合成したムービーによって紹介され,それも筆者的には新鮮だった。ちなみに,のちにはハリウッドの有名スターなども登場するようになる恒例のムービーシーンだが,第1弾となる本作ではデベロッパのWestwood Studiosのスタッフが出演したという情報を,どこかで聞いたことがある。

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 GDIでもNODでも,プレイヤーはマップ上のTiberiumを専用の車両で刈り取り,それを回収してその資金で建物を設置する。建物を作ると,そこで兵士を訓練したり,技術開発を行ったり,さまざまなユニットを生産したりできるようになるのだ。登場する兵器はいずれも未来的なものばかりで,強力なユニットほど生産に時間がかかり,お値段もお高めになるのはお約束だ。一番安いのは,鉄砲を持ったただの兵士で,兵隊さんはかわいそうだなあ。
 そして,敵の散発的な攻撃をしのぎつつ,Tiberiumをあらかた刈り取って必要なユニットを揃えると,いよいよ敵の本拠地に向かって総攻撃をかけるのだ。

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 プレイヤーの腕前も重要かもしれないが,勝敗はだいたいユニットの数で決まるので,作ったものを惜しみなく敵にぶつけていく。ほんの数ドットで描かれているが,兵士達のアニメーションは細かく,やられると悲鳴と共にその場に血を流して倒れる。かくして,クライマックスはあちこちから断末魔の悲鳴が聞こえる阿鼻叫喚の戦場に。ああ,なんてすごいんだ。さすがアメリカだ。

 という感じでキャンペーンが進んでいくのだが,ほかのRTSと同様,ゲームの醍醐味はやはり,ほかのプレイヤーを相手にしたマルチプレイにあるだろう。しかし現在,残念ながらマルチプレイはできないという。これは,オンライン対戦に使われていた「GameSpy」のサービスが2014年に終了したためだ(関連記事)。現在,マルチプレイの復旧を検討中とのことで,詳しくはOriginの公式サイトをチェックしてほしい。

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 さて,1995年にスタートした「Command&Conquer」シリーズは,拡張パックなどを含めて2003年までは毎年のようにリリースされてきた。1996年には,アインシュタインがタイムトラベルを行って若き日のヒトラーを排除し,別の歴史を持つ地球における米ソの戦いを描いた「Command & Conquer: Red Alert」がリリースされ,Tiberiumモノとは別のシリーズになったし,2002年には「Command&Conquer」の世界観を使ったFPS「Command & Conquer: Renegade」がリリースされたりしている。

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 しかし,シリーズ作品を作ってきたWestwoodが1998年,北米の大手パブリッシャであるElectronic Artsに買収されると,それを嫌ったベテラン開発者達が次々と退職し,シリーズは次第に勢いを失っていく。Westwoodは2003年にEA Los Angelesに組織変更されて消滅し,その後もいくつかのシリーズ作品をリリースしたものの,2013年にリブートとしてFree-to-Playタイトルになるはずだった「Command&Conquer」がキャンセルされて(関連記事),一時代を築いたシリーズも終わりを告げた。このまま消えてしまうのは惜しいと思う反面,半端なゲームになるくらいなら美しい思い出の中にしまっておきたいという気持ちもあり,筆者を含めたファンの心情は複雑だろう。

 「Command&Conquer」シリーズは現在,Electronic Artsが運営するオンライン配信サービス「Origin」で購入可能だ。ただし,第1弾の「Command&Conquer」は単品では発売されておらず,「Command&Conquer The Ultimate Collection」に同梱されている。シリーズ17作品をひとまとめにしたという大変ボリューミーな1本なので,オリジナル版を試したみたいという人は選んでみよう。

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 さらにここで,重要なお知らせ。原稿執筆時点でOriginでは,2000年に発売された「Command&Conquer Red Alert 2」と,2001年の拡張パック「Command&Conquer Yuri’s Revenge」の無料配布を行っている。歴史的重要性を鑑み,記事では初代をピックアップしたが,普通に遊ぶなら最近の作品のほうがいろいろとプレイしやすいのも事実だ(それでも15年ぐらい前だけど)。一度、ライブラリに入れてしまうと,無料配布が終わったあとでも遊べるので,コマコンを知らないという人はこの機会にぜひどうぞ。

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「Origin」公式サイト

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