「ぷよぷよ」の仁井谷氏が手がけるパズルゲーム「にょきにょき」新作のクラウドファンディング発表会をレポート

　コンパイル○は本日（2017年6月22日），東京都内でアクションパズル「にょきにょき」新作のクラウドファンディングに関する発表会を開催した。同社の代表取締役である仁井谷正充氏が登壇し，Nintendo Switch用新作ゲーム「にょきにょき 宇宙征服編」や，キャラクターをかたどった「にょきまん」についての構想を発表した。

コンパイル○の代表取締役，仁井谷正充氏

　仁井谷氏はコンパイルを創業し，「ぷよぷよ」シリーズの制作に携わった人物で，2016年11月に配信された「にょきにょき」シリーズの第1作「にょきにょき たびだち編」でゲーム業界に復帰した。氏の思いについては「こちら」のインタビューを合わせて確認していただきたい。

　「にょきにょき」は，そんな仁井谷氏が考案した落ち物系アクションパズルゲームだ。フィールドに落下してくる5色の「にょき」を揃えて消すというルールになっている。

　発表会で仁井谷氏は，コンパイルの経営破綻後，「『ぷよぷよ』シリーズ以上の作品を生み出したい」という思いを胸に，同シリーズの問題点である「連鎖が組めるところまで習熟するのに時間がかかる」「対戦で初心者が上級者に勝てない」という点を解決すべく，新たなパズルゲームの制作を開始し，「ぷよぷよ」コミュニティのプレイヤーらによるテストプレイを経て「にょきにょき　たびだち編」の発売にこぎ着けた……と制作の経緯を語った。

　今回，クラウドファンディングサイトのCAMPFIREで出資を募るのは，Nintendo Switch向けの「にょきにょき 宇宙征服編」（以下，「宇宙征服編」）の開発費だ。Nintendo Switchについては，ゲーム機が1台あれば2人で遊べること，そしてインターネット経由で通信プレイができるといった点に期待を寄せているという。目標金額は1000万円で，無事，目標額に達した場合の発売時期は2018年10月が予定されている。また，ストレッチゴールは2000万円〜5000万円の4段階となる。

CAMPFIRE「仁井谷社長、命を燃やしてぷよぷよを超える！プロジェクト！！」ページ

●「にょきにょき　宇宙征服編」ストレッチゴール

• 1000万円：ニンテンドー3DS用「にょきにょき　たびだち編」を高解像度移植
• 2000万円：インターネット対戦，ローカライズ対応（英語，繁体字）を追加。サウンドクリエイターチーム「INSPION」が制作に参加
• 3000万円：「パズル史上最強のコンフィグ設定」「マップモード」を追加
• 4000万円：「様々なキャラクター登場のストーリーモード」「ひたすらモード」を追加
• 5000万円：「積絵モード」（にょきでお絵かきができる）を追加

　「宇宙征服編」の世界観は，“石のタブレット”や“石の空飛ぶバイク”が存在する「IT石器時代」を舞台に，人間や「善霊」「悪霊」，本作のために仁井谷氏がデザインした新たな「にょき」など，さまざまなキャラクターが登場する独特のものになるそうだ。森には“あの魔導の塔”もあるというから，コンパイルファンには要注目だろう。


　本作の制作には「ぷよぷよ」「魔道物語」のキャラクターデザインを担当したイラストレーターである壱さんが参加し，キャラクター，パッケージ，ポスターを描き下ろすという。
　なお，「宇宙征服編」というタイトルは，かつて仁井谷氏が手がけた「ぷよぷよ通」のCMソング「灼熱のファイヤーダンス〜とりあえず世界征服編〜English version」の歌詞にちなんでいるのだとか。

INSPIONの倉持武志氏

　今回のプロジェクトでは，ストレッチゴールの2000万円達成で，倉持武志氏が率いるINSPIONがサウンド制作に参加する。倉持氏は「仁井谷さんの“あきらめない”“生涯クリエイター”という心意気に共鳴して参加しました。キャラクターソングやBGM，そして気持ちいい効果音で作品世界を彩っていきたいと思っています」と意気込みを表明した。

　また，3000万円達成で実装予定の「パズル史上最強のコンフィグ設定」では，プレイ中に「おじゃま」が落ちてくるタイミングを0.1秒単位で調整したり，フィールドの広さを縦横6〜16マスの範囲で変えたりと，かなり細かなところまで設定が可能になるとのこと。
　4000万円で実現される「様々なキャラクター登場のストーリーモード」は全80ステージ構成，そして5000万円の「積絵モード」は，にょきを自由に配置して絵を描くというモードで，作品をスクリーンショットとして保存することもできるという。

　出資者へのリターンに関しても，ユニークなものが用意されている。「オープニングのタイトルをしゃべる権利」は，自分がしゃべったタイトルコールがゲームに収録されるというもの。通常は出資者の数だけランダムに再生されるが，自分の声だけをタイトルコールに設定することも可能だという。
　「にょきまん」はその名のとおり，にょきの形をした饅頭。かつて仁井谷氏が開発に携わった「ぷよまん」のレシピを再現したものが10個1セットで届けられる予定だ。

●リターン内容（一部抜粋）

• 3000円：オープニングのタイトルをしゃべる権利
• 5000円：200人限定で，Nintendo Switch版の発売1か月前に早期ダウンロードキーを提供
• 5000円：「にょきまん」10個入り1箱をお届け
• 1万円：発売日にNintendo Switchパッケージ版と限定取扱説明書をお届け
• 3万円：1万円のリターンに加えてスタッフロールにあなたの名前が載る権利
• 1億円：オリジナルバージョンのパッケージ版を1万本生産する

5000円コースのリターンとして用意されている「にょきまん」

　びっくり仰天の1億円コースのリターンは「オリジナルバージョンのパッケージ版を1万本生産する」というもの。こちらは企業向けと位置づけられており，「出資企業がデザインした“にょき”6種が登場する」「企業名の入った寄り道エリアが10個収録される」など，かなり特殊なものとなっている。

　このほか，「ぷよぷよ」の原型となったパズルゲーム「どみのん」のMSX2用ROM版がもらえたりと，さまざまなリターンが存在するので，気になる人はサイトを確認してほしい。

会場では「ホリエモン」こと堀江貴文氏からの応援メッセージも披露された

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