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「STARLY GIRLS -Episode Starsia-」の中国展開と気になるアニメ化について,角川ゲームス代表取締役社長 安田善巳氏に聞く
Alpha Gamesが北京で開催した発表会では,同社が中国国内で展開するさまざまな新作タイトルが発表されているが,「STARLY GIRLS」はそのなかで最も注目を集めるトップバッターとして紹介されており,Alpha Gamesが同作にかける意気込みの高さがうかがわれる。
角川ゲームス初のスマホゲームで,同社のタイトルとしては初となる中国展開,そしてこちらも初めてのゲームと同時でのアニメ化の発表を行った,角川ゲームス代表取締役社長の安田善巳氏に,短い時間ながら現地で話を聞くことができたので,その模様をお伝えしたい。
「STARLY GIRLS -Episode Starsia-」公式サイト
中国のユーザーに喜んで遊んでもらえる“カルチャライズ”を目指して
4Gamer:
よろしくお願いいたします。
さっそくですが,中国でのパートナーにAlpha Gamesを選んだ決め手となったのは何でしょうか。
いくつかの会社さんとお会いして話し合いをしたなかで,Alpha Gamesさんが最も真摯に,「自分達にできることは,こういうことです」というお話をしてくださったんです。そのことによって,いい出会いができましたし,この先も長く,良い関係を築いていけるだろうと感じられたのが大きいですね。
4Gamer:
Alpha Gamesは2015年の設立ということで,ゲーム会社としてはまだこれからの部分もありますが,その点についてはいかがですか。
安田氏:
必ずしも中国で実績のある会社で,というのではなく,ゲームの魅力をしっかりと引き出して,中国のユーザーさんに喜んで遊んでもらえるような“カルチャライズ”をしていただけるところを探していましたので,そうした点をきちんと分析して,指摘してくれるAlpha Gamesさんは頼もしいパートナーだと感じています。
4Gamer:
Alphaグループ全体がIPを中心としたビジネスを展開しており,ゲームだけでなく,アニメやコミック,玩具まで含めた展開をフォローできるという点にも魅力を感じたのでしょうか。
安田氏:
実は,Alpha Gamesさんとの提携の話がほぼ固まった頃にそのことを初めて知ったので,あらかじめそうした点を考慮して決めたというわけではないんです。
提携の合意をしたあとに,初めてAlphaグループの代表である蔡 東青さんとお会いして「STARLY GIRLS」の映像をお見せしたところ,「非常に魅力的なゲームなので,5〜6年かけてしっかりと育てていきたい」と言っていただき,そこですぐにアニメ化のご提案をいただきました。そのとき初めて,Alphaグループがどんな企業なのかを実感した次第で,こちらとしても驚きでした。
4Gamer:
なるほど。しかも今回の発表会では,多数の新作タイトルが発表されたなかでトップバッターとして紹介されるという,メインタイトル級の扱いをされていましたね。
安田氏:
それについては角川ゲームスの力というより,日本のアニメ業界やゲーム業界がこれまでに築き上げてきたものが,中国で評価されるようになってきたことの,一つの側面の現われだと感じています。とは言え,非常に嬉しく思いますし,中国でしっかりと成功できるように,Alpha Gamesさんと手を携えてやっていきたいという気持ちになりましたね。
4Gamer:
日本から有名なIPをただ中国に持っていくだけでは,成功に結びつかないというケースも多くあります。まして,「STARLY GIRLS」は新規のオリジナルIPですので,中国で成功させるためには何が必要だとお考えですか。
安田氏:
そうですね。10年ほど前に,盛大さんとPCオンラインゲームでの協業をさせていただいたことがあるのですが,そのときの反省やその後のマーケットの変化などを踏まえて,パートナーさんが成功するために,こちらも幅広い柔軟性を持った対応が必要になると考えています。
4Gamer:
つまり,具体的にはどういうことでしょう。
安田氏:
相手のことを信じて,託すというところまで踏み込んで「STARLY GIRLS」を“料理してもらう”ということです。その際に,僕自身が「STARLY GIRLS」のディレクターを務めているということが大きな意味を持っていて,現場のハンドリングとパートナーであるAlpha Gamesさんとのやり取りを一貫性を持って行うことで,お互いの良いところを取り込み,どうすれば成功できるのかをしっかり見極めていきたいと考えています。
アニメにはヤマサキオサム監督を始め,日本のトップクリエイターが集結
4Gamer:
では,今回の発表における,もう一つの大きなトピックであるアニメ化についてもお聞きしたいのですが,どのような制作体制になっているのか教えていただけますか。
これはAlphaさんからの要望でもあるのですが,ゲームを日本で開発していることもあって,アニメのほうも日本のトップクリエイターによるメイドインジャパンで制作します。今回は,監督のヤマサキオサムさんの起用を発表しましたが,そのほかのスタッフも日本のSFアニメやロボットアニメの名作を手がけた方達が集結していますので,ぜひご期待ください。
4Gamer:
アニメは全12話と,いわゆる1クールぶんに相当する話数ですが,配信もしくは放映の形態についてはどのような予定になっているのでしょうか。
安田氏:
実際にアニメが完成するのが2018年の予定ですが,これからいろいろな方向性を検討していきたいと思います。今はとくに決めてはいないですね。
4Gamer:
一般的にスマホゲームのアニメ化というと,ゲームの宣伝に特化したものが多いように思えます。アニメの内容についてもこれからだとは思いますが,どういったものにしていくつもりですか。
安田氏:
アニメの原作はゲームとなりますので,もちろんゲームの持つモチーフをうまく生かしてもらうことが大前提になると思います。ただ,メディアが違いますし,エンターテイメント作品として面白いことが何よりも大切ですので,料理の仕方はヤマサキ監督にお任せしたいと思います。
4Gamer:
たとえば,「星娘(ほしむす)」という共通のモチーフを用いた,まったく別のストーリーになるといった可能性もあるということですね。
安田氏:
ええ。ただ,中国で反応が非常に良かった声優陣などは,そのまま引き継いでほしいという感触でした。それ以外の部分についてはAlphaさんも日本側のクリエイティブに期待していると思います。
4Gamer:
安田さんご自身としては,アニメの方向性についてどのような希望をお持ちですか。
安田氏:
今回は著名な監督と,優れたクリエイターやスタッフが集結していますので,僕自身はAlphaさんと現場がうまくコミュニケーションを取れるように努めて,実際の制作は監督にお任せしたいと考えています。
4Gamer:
一方,ゲームのほうですが,現在の開発状況や今後のスケジュールについてはどのようになっているのでしょうか。
安田氏:
ゲームについては,10月14日からクローズドβテストの募集を行っているところです(関連記事)。今回のCBTでは負荷テストだけでなく,ゲームの仕様についてもユーザーの皆様からアンケートを募集しようと考えています。それが終わったら,いよいよ2016年内の正式サービスに向けて動いていくという流れで進んでいるところです。
4Gamer:
個人的には,東京ゲームショウ2016のステージで,竹達(彩奈)さんやユーザーの皆さんに約束した,新規の星娘を制作するという話が進んでいるのかも気になるのですが。
安田氏:
竹達さんの希望で,皆口裕子さんにボイスをお願いして「サターン」という星娘を制作することになりましたが,こちらについても現在,着々と準備を進めていますので,もう少しお待ちいただければと思います。
4Gamer:
それは楽しみです。
では最後に,日本の読者に向けてメッセージをお願いします。
安田氏:
スマホゲームという,角川ゲームスにとって新しい挑戦となりますが,こだわりを持って良いゲームにしていきたいと思いますので,ぜひご期待ください。
4Gamer:
ありがとうございました。
「STARLY GIRLS -Episode Starsia-」公式サイト
- 関連タイトル:
スターリーガールズ -星娘-
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(C)Aeria Games/KADOKAWA GAMES
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