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最大で同時に4人を操作する(ついでに振り子も振れる)サイドビューアクション「Hidden Deep」を試遊してみた
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印刷2017/10/11 13:20

プレイレポート

最大で同時に4人を操作する(ついでに振り子も振れる)サイドビューアクション「Hidden Deep」を試遊してみた

 上下左右に画面がスクロールするサイドビューのアクションゲームは,その筋ではしばしばメトロイドヴァニアと呼ばれ,インディーズゲームにおける定番ジャンルとなっている。
 しかしながら,インディーズゲームが大量に発表されることによる明確な過当競争が指摘される昨今,「インディーズゲームの定番ジャンルで勝負」というのは,それだけで大きなチャレンジとなり得る。
 そんななか,かなり真正面からこのジャンルに挑み,かつゲーム的に面白い試みをしている作品がPoznań Game Arenaに出展されていたので,紹介しよう。

キャラが容赦なく小さいが,実際にプレイしているとこれくらい先が見えるほうが楽。また「広大な洞窟」感も実感できて面白い
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直に撮影したのがこちら。周辺の状況や,やろうとしていることに応じて,画面が自動的に拡縮する
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メトロイドヴァニアのRTS風味?


 ポーランドのCogwheel Softwareが開発中の「Hidden Deep」と題されたこの作品は,ジャンルとして言えばメトロイドヴァニアの一種として分類できる。プレイヤーはキャラクターを操って複雑なマップを踏破し,ゴールを目指す。実に一般的なデザインである。移動もWASDで行う,癖のないUIだ。だが「Hidden Deep」には,いくつか興味深いアレンジが加えられている。

 まず最初に,シチュエーションが面白い。「Hidden Deep」の舞台は,海底のさらに下に広がる洞窟となる。この洞窟には先遣隊が派遣されており,さまざまな調査を行ったり,また部分的にはエレベーターなども設置したりしているのだが,彼らとの連絡は突如途絶えてしまった。
 そこでプレイヤーの部隊が現地に向かい,一体そこで何が起こったのかを突き止めようとする……これが「Hidden Deep」のあらすじとなる。
 ゲームのイメージとしては制作者自ら「『エイリアン』のような,1980〜90年代のクラシックな映画やゲーム」をそのモチーフとして掲げており,実際,ゲームの雰囲気はSFスリラーといった趣きが強い。

ロープで降下中ですが,なんか変なのが足元にいますね
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 このシチュエーションにあわせて,ゲームシステムもよく考えられている。「Hidden Deep」においてもっとも特徴的なのは,プレイヤーは同時に複数のキャラクターを操作する可能性があるということだ(試遊版では最大4人)。海底洞窟の調査に送り込まれたのは個人ではなくチームであり,プレイヤーはそれぞれ異なる能力を持ったキャラクターを操作して,困難な状況を突破していくことになる。

 もっとも,「Hidden Deep」はあくまでアクションゲームだ。複数のキャラを操作するといっても,原則的には「誰を操作するかをキーボードショートカットで選び,そのキャラで先に進む」といったシーンが(今のところ)多い。
 ただし,移動UIには「このまま指定した方向に移動し続ける」といったメカニズムが組み込まれている。従って,高難度ステージにおいてはアクションとRTS的操作が同時に要求される可能性もある。このあたり,好きな人にとってはたまらない仕様と言えるだろう。

重機の上に「GO RIGHT」の文字が見える。つまり現状この重機には「右に動き続ける」という命令が入っている
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 もちろん,キャラクタの役割分担もはっきりしている。現状のビルドでは,キャラクタは機動性に優れたスカウトと,機械を扱えるエンジニアが存在する。
 スカウトは射出式のワイヤを使って洞窟内を自在に移動できるほか,ドローンを飛ばして偵察したり,地中に空洞がないかスキャンしたりできる。このため,まずはスカウトが先行して先に進み,状況の把握とルートの確保をする,というのが基本になるようだ。

 一方でエンジニアは大型の機械を自在に操れる。機械の中には掘削機も含まれており,これを用いれば洞窟の壁に穴を開けて先に進んでいくことも可能だ。「マップを自由に破壊できる」というのは本作の大きな特徴のひとつであり,同時にプレイヤーの創造力が問われるギミックとも言えるだろう。

わりとザクザク掘れる
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海の底で振り子が振れるとなれば……


 さて,そのうえで筆者が「どうしても「Hidden Deep」を日本のゲーマーに紹介しなくてはならない」と感じたのは,スカウトが持つワイヤ射出装置の存在がゆえである。

 この射出装置は,かなりの遠距離までワイヤを射出できる。そして射出したワイヤの先端が洞窟の壁に命中すると,そこで固定される。
 いったん先端が固定されれば,プレイヤーはワイヤを巻き取って(一般的な状況においては[W]キーを押す)いくことで上昇していけるし,逆にワイヤを伸ばす(一般的な状況においては[S]キーを押す)ことで下降してもいける。

 射出装置の使いどころは,「縦穴の底に立って,天井に向かってワイヤを打ち込み,ワイヤを巻き上げて縦穴を登る」というのが,おそらくはもっとも分かりやすいシチュエーションだろう。だがもちろん,これがすべてではない。
 例えば遠くはなれた足場に向かって移動したい場合,足場の真上の天井を狙ってワイヤを射出し,それからワイヤを巻き取っていけば,安全に足場まで移動できる。広大な空間を移動するにあたっても,俗に言う「ターザン」のスタイルでワイヤを活用すれば,素早い移動が可能だ。

写真は地中センサを使っているところだが,ロープが左右に揺れているのがわかるだろうか
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 そのうえでさらに重要なのは,キャラクターがワイヤで空中に浮いている状態であっても,[A]と[D]キーを使って「振り子を振る」ことができる,ということだ。これを駆使すれば,垂直にワイヤで登ったのでは着地する足場が得られないような場所においても,うまく横にジャンプできる。

 もう察しの良い人であれば気付いただろう。そう,本作はかの「海腹川背」で読者諸賢が培ったであろう技術を駆使できる余地を持った作品なのである。
 もっとも,今のところ「空中でワイヤを射出する」ことはできないように思えるので,「海腹川背」ほど超人的な操作(そして移動)が要求されるということはなさそうだ。また筆者が軽く振り子を振ってみせたところ,横で見ていたデザイナーが「それは難しい技術のはず……」と驚いていたので,どうしても振り子が必要になるシーンも少ないかもしれない。
 だがともあれ本作は,かなり気持ちよく振り子が振れる。「海腹川背」プレイヤーであれば,それだけでも本作をプレイする価値があるはずだ。

なおスカウトのウリは振り子だけでない。こういう狭い場所にも侵入できるなど,実に機動性に富む。ただ現状ではちょっとできることが多すぎて,キーボードショートカットが混乱するかもしれない
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SFスリラーな冒険活劇を楽しむ


 ついつい妙な角度から「Hidden Deep」の魅力を語ってしまったが,本作は現段階においてSFスリラーの魅力と冒険活劇の楽しさを存分に味わえる作品になっている。また,物理エンジンを前面に押し出したゲームならではの意外かつ珍妙なハプニングも(とくにキャラクタが死ぬときには)起こりがちだ。
 ゲームは開発中で,リリースは2018年の中頃を予定しているという。プレイヤーが取りうる選択肢の幅が広く,かつワイヤによる移動を練習すれば相当無理な移動ができそうなだけに,ステージのデザインは大変そうだが,いち「海腹川背」ファンとして大いに期待したいところだ。

開発チーム。右からŁukasz Kałuski氏,Paweł Kumor氏,Mateusz Guz氏
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「Hidden Deep」公式サイト

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