インタビュー
アニメ「ドルフロ」戸松 遥さん&小松未可子さんにインタビュー。M4と指揮官は,ハッピーエンドを迎えられますか?
これに先駆け,2021年12月28日に公開されたアニメ特番には声優陣が出演し,アニメ版の魅力などが存分に語られていった。
そして先日,本特番の収録現場にお呼ばれし,主人公である「M4A1」役の戸松 遥さん,新人指揮官「ジャンシアーヌ」役の小松未可子さんに話を聞くことができたので,ここではその模様をお伝えする。
なお,4Gamerではアニメ関係者へのインタビューも掲載中だ。
気になる人はあわせて読んでみてほしい。
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映像でも,硝煙立ち込める「少女」たちの前線へ。アニメ「ドールズフロントライン」が2022年1月7日から公開されることを受け,サンボーンジャパンとワーナー・ブラザース ジャパンの担当者らに,アニメドルフロの魅力を聞いてきた。
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アニメはハッピーエンドな感じに?
4Gamer:
ドルフロのアニメ化について,率直な感想を聞かせてください。
戸松 遥さん(以下,戸松さん):
私はゲームからずっと「M4A1」(えむふぉーえーわん)を演じさせていただいて,ドルフロとはけっこう長いお付き合いになるんですよね。それがついに本編のアニメ化ということで,すっごくうれしいです!
ゲームを遊ばれている方々はもちろん,ドルフロを知らなかった人にはいい出会いの機会になるなと思いますし,ミニアニメ「どるふろ」から楽しんでくれていた方々にも「本来のドールズフロントラインとは,こういうものです!」と伝えられるいい作品になっています。
4Gamer:
アニメからのキャスティングとなる,小松さんはいかがですか。
小松未可子さん(以下,小松さん):
はじめは事務所の人に突然,「小松さん! ドールズフロントラインのジャンシアーヌ役が決まりましたよっ!」って言われまして,「えー! やっ……たー? なんだろう?」という心境でした(笑)。
しかも,キャラクター説明もとくに受けないまま収録に臨むことになってしまい,現場に行くまで何者を演じるのか知らなかったんです。第1話では最後のほうに意味深に登場するだけで,めちゃめちゃ前線に立って戦術人形(※1)を率いるのは第2話以降だったので,後々になってようやく「あっ,私ってほんとに指揮官(※2)なんだ」と分かりました。
※1:銃器を持つ人型のロボット。詳しい設定はすごく深い
※2:戦術指揮官。人形を率いる存在(ゲームではプレイヤーのこと)
戸松さん:
あ,そうだったんだね。
小松さん:
それから「ドルフロとはなんぞや?」を焦って調べることになりまして,ゲームやコミック「ドールズフロントライン 人形之歌」(一迅社)に触れました。この作品は“戦術”という面に重きを置いていて,そのあたりが巧みに描かれているのが面白いんですよね。
それに,ドルフロを知っている人たちは「愛着のある人形たちがどんな活躍をするんだろう」と楽しみにしていたかなと思いますので,アニメーションから入った新米指揮官としては,早急にドルフロの世界観を吸収しつつ,がんばって演じさせていただきました。
4Gamer:
脚本や台本をご覧になったときの印象はどうでしたか。
戸松さん:
ドルフロ本編らしく,ド頭からシリアスな展開ではじまるので,基本的に戦場で戦っているか,生存のかかった作戦会議をしているか,緊迫感のあるシーンがとても多いんですよね。台本のト書きとかも「うわー,エグいな……」という表現が少なくなくて,収録時は毎話どこかしらで圧倒されていました(笑)。全体をとおしてみても「ここ笑えるよね」みたいな場面はそんなにないかもしれません。
ただ,M4をはじめとする戦術人形は,人間のような生物じゃない機械ではありますが,私がM4の声を当てているときは人間の感情に近い気持ちで演じさせてもらっています。それでも収録時は用語が難しいものばかりで大変でした。とくにM4とジャンシアーヌはそうなんですけど。
小松さん:
いや,そうだよねー。
戸松さん:
リーダーシップを取って部隊を指揮するキャラクターは,なかなか今まで口にしたことのない難解な専門用語をよく喋るんです。M4は戦術人形のなかでも“人形への指揮機能がある特殊な人形”ですので。
でも,彼女的には言い慣れている言葉のはずだから言いよどんではいけないと,お家ですごく,すっごく練習しました(笑)!
小松さん:
あはは(笑)。それと「戦術人形たちの名前の呼び方」(※)は,英語の銃の名前がどう発音していいのか分からなくて。だから「ST AR-15はえーあーるじゅうご。M16A1はえむいちろく。M4 SOPMOD IIはそっぷつー」とイチから尋ねて覚えました。
ちなみに私の第一印象は,第1話から繰り広げられる激しい戦いが,どんな理由でなぜ起きているのか,それらが物語が進むにつれちょっとずつ見えてくるところに魅力を感じました。登場人物の名前と見た目が結びつくと,少しずつ明らかになる背景も気になっていきますし。それに全体的に緊張感のある内容ですが,人形たちがホッと一息つく場面でそれぞれの関係性が見えてきたりもするのは楽しみでしたね。
※戦術人形の名前が,銃器特有の難しい読み方であることから
4Gamer:
それぞれが演じるキャラクターの印象はいかがでしょう。
戸松さん:
M4はゲームで描かれた人格をきちんと再現していますが,アニメならではの呼吸もあって,人物像がより豊かになったと感じます。
彼女はすごく仲間思いの優しい子で,正義感と責任感の強さから「私はあの選択をすべきだったのだろうか?」と悩んでしまう迷いの弱さがありますが,それでも戦闘時は即決断し,ハッキリと物を言い,ときには意見の違いでジャンシアーヌに食ってかかることすらあります。一方で,アニメではAR小隊(※)の仲間とすごしている場面が増えて,みんながワチャワチャしているときに一歩引いてほほ笑んでいるような,そういう柔らかな表情が増えました。
だからこそ,仲間を傷つける鉄血には容赦しないという,M4ならではの冷徹さのギャップがアニメでより映えている印象です。
※主人公の小隊。「M4A1」「ST AR-15」「M16A1」「M4 SOPMOD II」の4人。いずれも実在するアサルトライフルをモチーフとするキャラクター名であるが,読みはアサルトライフル小隊ではない
4Gamer:
アニメ化ならではの深掘りが見られるんですね。
戸松さん:
ええ。私も長くM4と付き合ってきましたけど,「こんな顔を見せるんだ!」とビックリしたシーンもたくさんあって。そこは今までドルフロを追ってきた人にも,新しい一面として伝わる気がします。
4Gamer:
小松さんについては人形ではなく,人間の指揮官とのことで。
小松さん:
ジャンは新人の女性指揮官ですが,迷いなく指示を下せる戦術的なセンスが光ります。あと,彼女は人形への接し方がほかの人たちとは違くて。戦術人形はいわば「戦いのための兵器・武器」みたいに扱われがちなんですが,ジャンは人形を単純なモノとして見るのではなく,彼女たちになるべく傷ついてほしくない,自分と同じように話して,動いて,考える存在であることを尊重したいという意識を持っています。
でも,戦闘中とオフモードのときの差が激しいです(笑)。第1話を見てもらうと分かりますが,ジャンはいつもボヤーッとしている自堕落でだらしない女性に見えるのに,指揮をはじめると人が変わるんです。
4Gamer:
昼行灯の天才のような?
小松さん:
そうですね,まさしく!
4Gamer:
おそらく,アニメの主役として出番も多いであろうAR小隊に関しては,それぞれの立場から見て,どのような印象を持ちましたか。
戸松さん:
AR小隊のみんなは,私が演じるM4も,お姉さん的な「M16A1」(CV:山根希美)も,クールな「ST AR-15」(CV:加藤英美里)も,末っ子的な「M4 SOPMOD II」(CV:田村ゆかり)も人格や個性が際立っていて,小隊で戦うときは一致団結しますが,戦術人形としてのあり方という価値観一つとっても,それぞれ考え方が違っているんです。
ただやはり“人間じゃない人形”である彼女たちの存在は,この作品における命題やテーマといったものだと思っています。人形だから壊れたら修理すればいい。でも,壊れて直されたあとの自分は以前と同じ存在なのか? 人形たちを取り巻く考え方は,一歩引いて見るとどれも分かるもので,納得できるもので,正解というのもきっとないのでしょうが,それだけに登場人物の考え方の違いにハッとさせられます。
■「M16A1」 (CV:山根希美) |
■「ST AR-15」 (CV:加藤英美里) |
■「M4 SOPMOD II」 (CV:田村ゆかり) |
4Gamer:
人形に命はあるのかないのか,的な?
戸松さん:
そういうのですね。戦術人形たちは生物ではないけれど,感覚的には血がかよった女の子にしか見えない。だけど人形ごとに覚悟の仕方も違っているところが,ドルフロですごく考えさせられる部分です。
この作品はただ仲間がいて,友だちがいて,「私たちズッ友ー!」みたいな,これはちょっと古い言葉かもしれませんけど。
小松さん:
ズッ友って(笑)。
戸松さん:
ごめん,死語だよねもう(笑)。とにかく,見た目のかわいらしい女の子たちが銃を持って戦うだけ,っていう感じではない!
生まれ持っての存在意義とどう向き合うのか。アニメではAR小隊をとおして,そういうものが表現されていくので期待してください。
4Gamer:
では,ジャンシアーヌから見たAR小隊はどうでしょう。
小松さん:
ジャンはM4には最初から一目置いていて,いろいろと個性があるのが戦術人形だけど,なかでも彼女の悩み方や迷い方から“普通の人形っぽくないなにか”を感じていて,どこか引かれていきます。とくにAR小隊はアニメの主役で,物語の核心に触れていく存在なのもありますし。
AR小隊の子たちはちょっとした休憩シーンでも,何気ないガールズトークをしているように見えて,表向きの会話の裏側でそれぞれの思考や信念のようなものを見せてくるんですよね。そこがぶつかり合ったときに物語が生まれてくるので,絆が強くもあり,脆くもある。ドルフロらしいさまざまな事情が垣間見えるチームなんじゃないかなと思います。
4Gamer:
ちなみに,アニメはハッピーエンドでしょうか。
小松さん:
おーっ? あーっ(笑)!
戸松さん:
もうこれ収録おわっちゃってるからなー(笑)。
小松さん:
ハッピー? ハッピー。ハッピーの概念。
戸松さん:
「ハッピーの概念とは」だよね。難しいね。
小松さん:
難しいね。
4Gamer:
なら,スッキリ終わる感じでしょうか。
戸松さん・小松さん::
あー(↑)ー(↓)……。
小松さん:
結末としてはー,スッキリはー,するんですけどー。
皆さんに託される感情はたくさんあるんじゃないかなーと。
戸松さん:
ほんとそうなんですよー。
4Gamer:
なるほど。とても参考になりました。
それでは最後に,お二人からのメッセージをお願いします。
戸松さん:
アニメはもうすぐ,1月7日から放送されますので,2022年は年明けから「ドルフローっ!」って感じの年になります。アニメ収録もちょうど昨年の2021年1月ごろにやっていたので,その1年後に放送がはじまるというのも,なんだかめでたいなー! という気分です。物語の内容的には,ちょっとめでたくもなんともないのですが(笑)。
それでも,やっとやっとドルフロの本編が皆さんに届けられますので,2022年はドルフロからスタートしてみてください!
小松さん:
私からは,ゲームを遊んでいる人たちはお忙しいと思うのですが。
戸松さん:
そうだね。年末年始のログインボーナスとかあるからね。
小松さん:
ですから,ゲーム内でのお年玉はもちろん,ドルフロ自体のお年玉としてアニメを受け取っていただければ……もらえる期間を考えるとちょっと長いですが(笑)。幸先のいいドルフロイヤーな1年を,アニメやゲームともども楽しんでいただけたらうれしいです。
ゲームからの先輩指揮官も多いかと思いますが,これからはジャンシアーヌのことも,皆さんの心のドルフロに加えていただけたらなと思っています。皆さんどうぞ,これからよろしくお願いします!
ここは,硝煙と感情渦まく──少女たちの前線
【放送情報】
TOKYO MX:1月7日(金)25:00〜
ABEMA:1月7日(金)25:00〜
BS11:1月7日(金)25:30〜
AT-X:1月10日(月)23:30〜
※リピート放送:毎週(水)11:30〜/毎週(金)17:30〜
【配信情報】
1月8日(土)正午12:00より順次配信スタート
ABEMA/Amazon Prime Video/dアニメストア/Hulu/U-NEXT/アニメ放題 他
【WEB関連】
公式サイト:https://gf-anime.com/
公式Twitter:https://twitter.com/gf_animePR
【著作権表示】
(C)SUNBORN Network Technology, Mica Team/GRIFFIN&KRYUGER
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