「デビル メイ クライ 5」発売前夜イベントレポート。「ブラッディパレス」の新情報が明かされ，豪華ゲストがシリーズへの熱い思いを語った

　カプコンは2019年3月7日 ，東京都内において「デビル メイ クライ 5」（PC / PS4 / Xbox One 以下，DMC5）の発売前夜イベント「SSS Devil Night」を開催した。イメージソング「MAD QUALIA」を歌うHYDEさんやダンテのモーションアクターであるルーベン・ラングダンさん，声優の森川智之さん，石川界人さんらが出演し，大いに盛り上がったイベントのレポートをお届けする。


　本イベントはカプコンの新作アクションゲーム「デビル メイ クライ 5」の発売を記念（3月8日発売）するもので，事前の抽選に応募し，当選した人のみが参加できた。会場にはネロやダンテ，Vのコスプレをしたファンも訪れており，本イベントを全力で楽しんでいる様子がうかがえた。

「デビル メイ クライ5」×「トライアンフ」スペシャルコラボバイク「BONNEVILLE BOBBER Dante MODEL」の展示も

コトブキヤのARTFX Jシリーズ「ネロ」＆「ダンテ」。監修中の原型がこちら

千値練のアクションフィギュア，ネロとダンテの原型。ネロはデビルブレイカーを取り外すことができるという

等身大のネロと衣装も展示されていた

■「SSS Devil Night」出演者一覧
伊津野英昭氏（「デビル メイ クライ 5」ディレクター）
岡部眞輝氏（「デビル メイ クライ 5」プロデューサー）
吉田亮介氏（「デビル メイ クライ 5」ゲームデザイナー）
平井善之さん（アメリカザリガニ）
池田ショコラさん
たくやさん　かずやさん（ザ・たっち）

左から，池田ショコラさん，平井善之さん，岡部眞輝氏，伊津野英昭氏，たくやさん，かずやさん

吉田亮介氏は実機でのプレイを披露

■ゲスト
HYDEさん（アーティスト）
森川智之さん（声優：ダンテ役）
石川界人さん（声優：ネロ役）
ルーベン・ラングダンさん（英語版声優 モーションアクター：ダンテ役）
野田一夫氏（トライアンフモーターサイクルズジャパン 代表取締役）

左から，平井善之さん，伊津野英昭氏，HYDEさん，森川智之さん，石川界人さん，伊津野英昭氏

ルーベン・ラングダンさん

野田一夫氏

　イベントステージでは，「デラックスエディション」に付属されるものを含む，さまざまなデビルブレイカーを駆使してのゲームプレイが吉田氏によって実演された。ロックマンの「ロックバスター」や，フォークとお玉を組み合わせた「パスタブレイカー」など，風変わりなデビルブレイカーを巧みに操る開発者ならではのスーパープレイを披露。ステージボスのゴリアテをスタイリッシュに撃破していた。

　なお，ロックバスターはジャンプのモーションがロックマン風のものに変化し，パスタブレイカーは“デビルブレイカーの順番を入れ換える（次に装填されているデビルブレイカーを最後尾に送る）”など，ユニークな性能を持っていることが明かされた。通常版を購入した人でも，デラックスエディションへアップグレードできるため，これらのデビルブレイカーが気になる人はぜひ利用してみよう。

「パスタブレイカー」は食器を組み合わせたユーモラスなデビルブレイカー

「ロックバスター」を装備するとジャンプモーションがロックマンのものに

「デラックスエディション」の特典である「プレミアム実写ビデオコンテ」。カットシーンを開発で使われたビデオコンテに差し替えられる

　続いて，ダンテのモーションアクターかつ英語版の声優であるルーベン・ラングダンさんが登場し，収録秘話を明かした。
　ラングダンさんは「DMC3」「DMC4」でダンテを演じている俳優。今回「DMC5」を開発するにあたって，そのまま続投が決定……したわけではなく，改めてオーディションを受け，晴れてダンテ役を勝ち取ったのだというから，まさに妥協のない現場だと言える。会場ではダンテが登場するシーンをモーションキャプチャで収録する様子も公開されたが，椅子に座って脚を投げ出し，物憂げに電話を取る姿はまさにダンテそのものだった。

　ラングダンさんは「ビーファイターカブト」「KAMEN RIDER DRAGON KNIGHT」といった特撮作品にも出演しているが，アクションシーンに使うマットなどをCG加工で自由に消せる分，モーションキャプチャで行う今回の撮影のほうがやりやすいと語っていた。なお，ラングダンさんはダンテだけでなく，1面ボスのゴリアテも演じている。スタイリッシュなダンテと肥満悪魔のゴリアテではイメージが真逆だが，ラングダンさんは「カイジュウ，面白い！」とノリノリで取り組んでいたそうなので，ゲームを遊ぶ人はゴリアテの動きにも注目してほしい。



　無料アップデート「ブラッディパレス」の最新情報も明かされた。ブラッディパレスはシリーズファンにはお馴染みのエンドコンテンツで，群れなす悪魔と連戦していくゲームモードだ。伊津野氏曰く，今回も「フルパワーアップしたプレイヤーを想定した，力試しのモード」に位置づけられているとのこと。
　なお,「DMC5」のブラッディパレスは“中断しても続きから再開できる”，“一度チャレンジしたステージは何回でも練習可能”といった仕様となっている。また，ネロのデビルブレイカーは，ステージの合間に全種類が2個ずつ落ちているので，自由な組み合わせで次のステージに挑戦できるようだ。

配信開始は4月を予定。続報に期待したい

　イベントの後半ではHYDEさん，森川さん，石川さんが登場し，作品への思いを語った。HYDEさんは前作でもイメージソング「DRINK IT DOWN」を手がけており，シリーズとは縁が深い。今回の「MAD QUALIA」も，「デビル メイ クライ」をコンセプトに，本編と引き立て合う曲として制作を開始。その甲斐あり，岡部氏も「できあがってきた曲を映像に乗せただけでデビル メイ クライの主題歌としてマッチするものになっていた」と驚くほどの完成度になっていたという。

　そんな「MAD QUALIA」のPVはHYDEさんとゲームの映像をミックスした構成。岡部氏と伊津野氏は「HYDEさんが4人目の主人公なんじゃないかと思えるくらいにマッチしている」「HYDEさんの右手がデビルブレイカーに見えた」と2人そろって大絶賛していた。森川さんが「HYDEさんのパフォーマンスとゲームの世界観のシンクロがすごく，マイクがまるで銃のように見えた。HYDEさん用のデビルブレイカーをマイクスタンドで作っても格好いいかも」と提案すると，HYDEさんも「作ってください」とラブコール。果たしてデビルブレイカーマイクでのパフォーマンスが見られるか否か，今後の展開に注目したい。



　続いて，森川さんと石川さんのアフレコ現場について語られた。「DMC5」のアフレコ台本は，まずは英語版が作られ，その後に吹き替え専門の会社がキャラクターの口の動きを考慮しつつ日本語版を作成したそうだ。世界展開を視野に入れた作品ならではのプロセスといえるだろう。森川さんは「（こうした手法を使っていない）『デビル メイ クライ 4　スペシャルエディション』と口元を見比べて楽しんでほしい」と語っていた。

　また，2人が特に苦労した部分は，ダンテやネロがダメージを受けた際のやられボイスだという。何十パターンも叫び続けるので喉の負担が非常に大きい上，英語版のやられボイスにニュアンスと長さを合わせなければならないというから大変だ。ほかにもシリーズ名物である挑発のセリフも種類が多く，収録に苦労したと語られていた。ここでHYDEさんが「（お気に入りの）挑発セリフを演じて欲しい」とリクエストすると，これに応えて石川さんは「Let’s Rock！」，森川さんは「JackPot！」と披露。場内のファンも大喜びしていた。

「Bar Rhythm」では，3月30日までコラボレーションバーが開催中

公式コミカライズのスタートも

JOYSOUNDでは楽曲の配信が行われる

「MAD QUALIA」のCDは3月20日に発売

イベント終了後はクラブタイムとなり，来場者たちは思い思いに発売前夜を楽しんでいた

　イベント終了後，岡部氏と伊津野氏への合同インタビューが行われたので，その様子をお伝えして本稿の締めくくりとしたい。

伊津野英昭氏

岡部眞輝氏

――よろしくお願いします。11年ぶりのナンバリング新作ですが，シリーズを初めて遊ぶプレイヤーに向けた施策などはありますか。

岡部眞輝氏（以下，岡部氏）：
　ゲーム内やYouTubeで過去作品のストーリーをまとめてあるので，物語をより楽しんでいただけます。


伊津野英昭氏（以下，伊津野氏）：
　体験版をプレイしていただければ，特典として「レッドオーブ」が30000個手に入りますので，これで体力を増やせばスムーズに進められます。ボタンを連打するとスタイリッシュに技を出せるオートマチックアシストがありますので，活用してください。
　また，1日1度，コンティニュー用の「ゴールドオーブ」がもらえるので，エンディングまでは問題なく進められるでしょう。ジャンプの出かかりに無敵時間があるので，まずはジャンプで敵の攻撃を避けることを意識してみてください。

――3人の主人公，ネロとダンテとVの見所を教えてください。

伊津野氏：
　ネロはいろいろなデビルブレイカーを試してみてください。ダンテには今回も真魔人化というシステムが存在し“真魔人化してからすぐに元に戻ればゲージを消費しない”という特性があります。コンボの途中に真魔人の技を組み込めますので，試してみていただければと。Vはほかのキャラクターとは使う脳みその場所が違うので，新しい刺激を感じてもらえればと思います。

――シリーズの魅力として，スタイリッシュな技と厨二感がありますが，お気に入りの厨二的な部分を教えてください。

岡部氏：
　ダンテが両手をクロスさせて銃を撃つところですね。自分は「バイオハザード」でもプロデューサーをしているのですが，あちらではこうしたシーンはなかなか見られないですから。

伊津野氏：
　物語の終盤に，すべてをかけて作った厨二感爆発のシーンがあるので楽しみにしていてください。

――最新PVのラストにはバージルらしき人物が出てきましたが……。

伊津野氏：
　バージルみたいですね（笑）。すごく格好いいので，ご期待ください。

――今後，新たなDLCの展開はありますか。

岡部氏：
　DLCの計画はありますので，続報を待っていてください。

――改めてプレイヤーにメッセージをお願いします。

伊津野氏：
　今作れる最高のゲームを作りました。ハンカチを用意して楽しんでいただければと思います。

岡部氏：
　平成最後，最高峰のアクションゲームを作りました。買っていただいて損をするようなことはないはずなので，ぜひ楽しんでください。

──ありがとうございました。

「デビル メイ クライ 5」公式サイト