そうだ アニメ，見よう：第110回「ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld」の最終章が開幕。黒の剣士の目覚めはいつ？

　AIによる仮想世界を舞台にしたTVアニメ「ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld」。ご存じ川原 礫氏の小説「ソードアート・オンライン」（電撃文庫刊/既刊24巻 以下，SAO）のアニメシリーズ最新作となる本作は，「SAO」の《アリシゼーション》編（関連記事）の後半を描いたもので，2019年10月から12月まで1stクールが放送された。
　というわけで，「そうだ アニメ，見よう」第110回のタイトルは，2020年7月にスタートした同作の最終章（2ndクール）をピックアップ。制作はA-1 Pictures，監督は1stクールから引き続き，「魔法科高校の劣等生」や「学戦都市アスタリスク」の小野 学氏が務めている。

「ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld 最終章」

　デスゲーム《SAO》の生還者である“キリト”こと桐ヶ谷和人（CV：松岡禎丞）は，《死銃事件》の実行犯“ジョニー・ブラック”の襲撃を受け，脳に損傷を負ってしまう。昏睡状態に陥ったキリトは，治療のためベンチャー企業《ラース》の作り出した仮想世界《アンダーワールド》へダイブし，そこで，村の少年ユージオ（CV：島﨑信長）と出会い，意気投合する。
　2人は，ユージオの幼馴染みの少女アリス（CV：茅野愛衣）に会うために，《人界》の中心にそびえる《セントラル・カセドラル》を目指し，そこで《整合騎士》となったアリスと再会。《人界》の支配者アドミニストレータ（CV：坂本真綾）の野望を知り，彼女を倒すことに成功するが，ユージオがその戦いで命を落とす。


　アドミニストレータを打ち破ってから半年後，《最終負荷実験》という名の，アンダーワールド全土を巻き込んだ《人界》軍と闇の軍勢の戦争が勃発。戦局は，《光の巫女》アリスの奪取を目論む《ダークテリトリー》軍のガブリエル（CV：石田 彰）一派と，アンダーワールドを守ろうとする《人界》軍との戦いへと様相を変えつつあった。


　アドミニストレータとの戦いで，精神世界の奥深くで眠り続けることになったキリトを救うべく，恋人のアスナ（CV：戸松 遥）は，《創世神ステイシア》のスーパーアカウントで《人界》軍に参戦するが，ガブリエルは現実世界から数万もの米国プレイヤーをログインさせ，《人界》軍の一挙殲滅を狙う。

　圧倒的多数で襲い掛かる米国プレイヤー達に，たちまち劣勢に立たされるアスナ達。そんなとき，《太陽神ソルス》のスーパーアカウントで現れたシノン（CV：沢城みゆき）が敵の一部を一掃するのだった。


　と，ここまでが1stクールまでのざっくりとしたあらすじで，今回はいよいよ“シリーズ最大規模”と謳われる《アリシゼーション》編の最終章が描かれる。究極のボトムアップ型AIであるアリスの奪取を狙うガブリエル一派と，それを守ろうとする《人界》軍の壮絶な死闘が，最終章では待ち受けているのだ。


　そもそもSAOは，川原氏の個人ホームページで頒布されていたWeb小説をベースに，商業作品として加筆・修正が加えられ，世に送り出されたものだ。《アリシゼーション》編はWeb小説版の最後を飾る，文字通りクライマックスとして描かれたもので，これまでの「SAO」の物語は，ここに集約されているといっても過言ではない。
　物語の発端となる《SAO》で使用されたVR機器「ナーブギア」は，開発者・茅場明彦の恋人だった神代凛子博士（CV：小林沙苗）の手によって医療用VRマシン「メディキュボイド」（《フェアリィ・ダンス》編に登場）に転用され，その発展形ともいえる「ソウル・トランスレーター」が《アンダーワールド》を生み出したのだ。


　現在は，小説版で完全新作《ユナイタル・リング》編がスタートしているが，もともとの「SAO」の物語は，ここで一端の区切りとなる。仮想世界をめぐる主人公キリトの数奇な運命がどのような結末を迎えるのか，その目で確かめてほしい。

シノンとリーファが参戦

　1stクールの後半で，ガブリエル一派は，アメリカのVRゲームプレイヤーを新作VRゲームのベータテストと偽って《アンダーワールド》にログインさせ，それを戦力に転用するという荒業を見せた。数万という軍勢になすすべなく蹂躙されそうになる《人界》軍だったが，そんな彼らに救いの手が差し伸べられる。


　それが《アルヴヘイム・オンライン（ALO）》のプレイヤー達だ。キリト達がプレイしているVRMMOのプレイヤー達が，仲間のリズベット（CV：高垣彩陽）のひたむきな檄に応え，鍛え上げたキャラクターをコンバートしてくれたのだ。さらに，《地神テラリア》のスーパーアカウントを得たリーファ（CV：竹達彩奈）も新たに参戦している。
　それでも人数は，まだまだガブリエル一派のほうが上回っている。劣勢だった《人界》軍の逆転劇が今後の見どころとなりそうだ。

アリスをめぐる攻防戦

　《人界》軍と《ダークテリトリー》軍，そして米国プレイヤー軍の三つ巴の戦いが行われている一方で，《暗黒神ベクタ》ことガブリエルに連れ去られたアリスをめぐる攻防も激化している。スーパーアカウントの力を操るガブリエルに，最強の《整合騎士》ベルクーリ（CV：諏訪部順一）が挑み，壮絶な戦いを見せてくれた。
　援軍として，アスナの要請を受けた《太陽神ソルス》シノンが戦いの場に急いでいるが，シノンの主戦場は，銃器を扱う《ガンゲイル・オンライン》。剣と魔法のファンタジー世界で，その力がどこまで通用するか気になるところだ。



　《人界》軍の戦いやアリスの奪還戦，そして《ラース》の人工島《オーシャン・タートル》を舞台にした現実世界サイドでの戦闘と，さまざまな攻防が同時に展開されている本作。すべてのカギを握るのは，やはりキリトなのだろう。
「もし私が倒れて，最後の力であなたを呼んだら，きっと立ち上がってその剣を抜いてね」と願うアリスの気持ちに，いつキリトが応えるのか。フラクトライトが傷つき心神喪失状態となっているキリトが回復するには，彼をよく知る人の協力が必要になるようだ。


　1stクールから動かない主人公にヤキモキしている人も多いと思うが，その瞬間こそ，本作のクライマックスとなるのは間違いない。筆者も“黒の剣士”の帰還を待ち望んでいるファンの一人として，10周年を迎えた「SAO」シリーズの集大成を最後まで見届けたい。

「ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld」公式サイト

「ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld」公式Twitter

放映データ
2020年7月〜

キャスト
キリト(桐ヶ谷和人)：松岡禎丞
アスナ(結城明日奈)：戸松 遥
アリス：茅野愛衣
リーファ：竹達彩奈
シノン：沢城みゆき

スタッフ
原作：川原 礫（「電撃文庫」刊）
原作イラスト・キャラクターデザイン原案：abec
監督：小野 学
助監督：佐久間貴史
キャラクターデザイン：足立慎吾 鈴木豪 西口智也 山本由美子 戸谷賢都
総作画監督：鈴木豪 山本由美子 戸谷賢都
プロップデザイン：早川麻美 伊藤公規
モンスターデザイン：河野敏弥
アクション作画監督：菅野芳弘 丸山大勝
美術監督：小川友佳子 渡辺佳人
美術設定：森岡賢一 谷内優穂
色彩設計：中野尚美
撮影監督：脇顯太?
モーショングラフィックス：大城丈宗
CG監督：織田健吾
編集：近藤勇二
音響監督：岩浪美和
効果：小山恭正
音響制作：ソニルード
音楽：梶浦由記
プロデュース：EGG FIRM ストレートエッジ
制作：A-1 Pictures
製作：SAO-A Project

■Blu-ray＆DVD情報

ソードアート・オンライン アリシゼーション
War of Underworld 5
2020年9月9日(水)発売


Blu-ray完全生産限定版
\7,800＋税　ANZX-14429〜14430
DVD完全生産限定版
\6,800＋税　ANZB-14429〜14430
収録話
第13話
第14話
第15話
完全生産限定版特典
■キャラクターデザイン・総作画監督描き下ろしジャケット仕様
■特製ブックレット（12P）
■特典CD：Symphonic Alicization Orchestra War of Underworld #5
■音声特典：オーディオコメンタリー収録
店舗共通購入特典

Blu-ray＆DVD 1〜8巻 連動購入特典
abec描き下ろしイラストB2タペストリー

対象店舗
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