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Nianticの新作アプリ「Peridot」を遊んでみた。スマホで楽しめるARを活用した新たな育成ゲームの内容をお届け
Peridotについて簡単に説明すると,本作は,「Ingress」(iOS / Android)や「ポケモンGO」(正式名称はPokémon GO,iOS / Android),「Pikmin Bloom」(iOS / Android)など,位置情報を利用したAR(拡張現実)ゲームを多数手がけるNianticの新作アプリだ。
Nianticの新作ARアプリ「Peridot」が発表に。幻想的なペットを育成・繁殖して,世界の美しさを再発見しにいこう
Nianticは,スマホ向け新作ARアプリ「Peridot」を発表した。本作はペットシミュレーションゲームとなり,AR機能を通じて幻想的な生物“ペリドット”を育成・繁殖する。本稿では,その内容が明かされた発表会をレポートしていく。
プレイヤーは,ペリドット(愛称ドット)と呼ばれるARで可視化される生物を孵化して育成し,一緒にミッションに挑みながら新たなパートナーを見つけて,子孫を作り上げていくことになる。
なお,本作はシンガポールとマレーシアでβ版が公開されているものの,日本を含むそのほかの国や地域におけるリリース時期は明らかにされていない。
それでは,本作のインプレッションを開始しよう。今回プレイできたバージョンでは,ペリドットの卵を1つ付与された状態でゲームがスタートした。卵の色は緑とオレンジのグラデーションがかかっており,そこから産まれた子どもは体毛が緑とオレンジとなっていた。
この子には,メタリックというアーキタイプが与えられており,顔が銀色だったり,首の周りにナイフのような突起物があったりと,ユニークな姿をしていた。アーキタイプはペリドットが持つ属性のことで,ピーコック(クジャク)やイエティ(雪男)といった実在もしくは架空の生物を連想させるものから,グリッター(キラキラした)やキンツギ(金継ぎ)など,おそらく成長後の見た目を現すものまで,10種類以上が存在するとのこと。先述した体毛の色や,体型,尻尾の形,性格などがプロシージャルに変化するため,1匹1匹がすべて異なるという多種多様なペリドットをペットにすることが可能という。
この後には,「撫でてあげる」「サンドイッチを食べさせる」といったミッションをこなしていくとチュートリアルが終了となった。ちなみに,サンドイッチは画面右下のバックパックにストックできるほか,画面中の地面にサークルを指でなぞることでも生産できた。
Peridotにも,ポケモンGOでゲーム内アイテムを獲得できる「ポケストップ」に相当する地点が設けられる。さまざまな色に分けられており,「青=水辺」「砂色=砂漠」のようなバーチャルハビタットという設定になるようだ。ペリドットはこうした場所に出かけることで良い効果や経験値を得られ,それを積み重ねていくことで,赤ちゃんからティーンエイジャー,アダルトへと成長し,見た目もゴージャスなものに変化していく。
そして,アダルトまで成長したペリドットは繁殖活動を行えるようになる。今回は特別に,開発者向けのチートコードで赤ちゃんを一気にアダルトまで進化させ,パートナー探しを体験してみた。
パートナーになるのは,プレイヤーの周囲に出現した他人が育てたペリドットで,任意のマッチングが可能という。ただし,交配の成功確率は低めで,失敗するたびに“何か”を消費して,確率を上げていく。この“何か”に関する詳細は現時点では伏せられたが,フォーゲル氏曰く「ゲーム内アイテムで購入できる物のひとつ」になるそうだ。筆者の場合は最初25%の成功確率で2回失敗して,45%まで上げたところでマッチングに成功し,新たなペリドットの卵を入手できた。
本作でプレイヤーが育成できるペリドットは常時1匹だけになるという。育成を保留するか,十分に成長させたとプレイヤーが判断したペリドットは,新しい者に変えた時点で,生まれた時に設定した住処に戻っていくという。仮に自宅の観葉植物に住処を作ったとすれば,そこでペリドットがプレイヤーの手を離れて,気ままに暮らしていると言えそうだ。
なお,ペリドットがプレイヤーの好みでない成長をする場合は,以前に育てていたペリドットを呼び戻し,育成を再開できるとのこと。
このほかにも,過去にリリースされたNianticの作品と比べて,ARの技術が格段に進化している点が見どころに挙げられた。ペリドットは異なる種類の観葉植物や鉢植えのサイズが違うことを認識したり,葉っぱの後ろに隠れて覗き見たりするという。
また,ペリドットとは遊具を使って遊ぶこともできる。今回はボール遊びを体験してみたが,カメラがオブジェクトの形や高さなどを認識しており,ボールが物に当たると跳ね返ることなどを確認できた。こうしたテクノロジーの進化を感じられる点も楽しみなポイントになるとのこと。
今回のイベントでは,フォーゲル氏にゲームシステムに関する部分も尋ねてみた。同氏によると,本作にはペリドット同士を戦わせるバトルはなく,育成を中心としたデザインになっているという。ソーシャル機能は作り込んでいる途中だが,今後の計画として,複数のプレイヤーが自身のペリドットを持ち寄り,ドッグショーのように障害物競走をしたり,ビューティーコンテストで競ったりできるようにしたいと,抱負を述べていた。
以上のように,収集や対戦には大きな焦点は置かれておらず,個々のペリドットに愛着を感じられるよう育成主体のゲームデザインを全面に押し出していることから,「たまごっち」のようなプレイフィールを味わえるのではないかと筆者は感じた。
先述したとおり,リリース時期は明らかにされていないものの,ゲーム公式サイトでは事前登録が受け付けられている。興味のある人はこちらに登録しておき,今後の動向に注視しておこう。