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そんな彼らに残されたのは錆びついた一本の爪。それでも借りを返さねばならない。
深く暗いダンジョンの底で,揺れる魔法の爪が運命をつかみ取る。
本日は,スイスのStray Fawn Studioが手掛ける「ダンジョンクロウラー幸運ウサギと魔法の爪」を紹介しよう。
本作はクレーンゲームを題材にしたデッキ構築型ローグライクだ。プレイヤーは借金のカタに体の一部を奪われたウサギを操作し,ダンジョン最深部に潜む取り立て屋の撃破を目指していく。
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本作の特徴は,何と言っても戦闘にクレーンゲームを採用したところにある。
バトルが始まると,画面には魔法の爪がぶら下がったマシーンが登場する。中には武器や盾,ポーションといったアイテムがごろごろと転がっていて,プレイヤーは爪を操作してこれらをつかみ取り,敵にぶつけていくわけだ。
剣をつかめば攻撃,盾をつかめば防御,毒瓶なら状態異常。何が手に入るかは,腕前と運次第。
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もちろんデッキ構築の要素もしっかりある。道中で新しいアイテムを入手してマシーンに投入していくと,徐々に自分だけの戦い方が固まっていく。
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コインを稼げばアイテムの強化や改造もでき,思いがけない相乗効果が生まれることも。
20体以上いる個性豊かなプレイアブルキャラクターには,それぞれ初期デッキも能力も異なる。誰でどう戦うかは,プレイヤー次第だ。
手札が残り続ける戦略性
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一般的なデッキ構築ゲームでは,ターン終了時に手札は捨てられてしまうが,本作では違う。つかみ取らなかったアイテムはマシーンの中に残ったままなのだ。
つまり「今このターンで何を取るか」だけでなく「次のターンに何を残しておくか」まで考える余地がある。
今は盾より剣が必要だから先に剣を取りに行くか。それとも,あえて見送って次に備えるか。一手の重みがぐっと増す仕組みになっていて,戦略の幅がかなり広い。
手札を切れるかは腕前次第
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戦略を立てたところで,狙ったものをつかめるとは限らないのが本作のおもしろいところ。爪には慣性があり,揺らしながら寄せたり,あえて勢いをつけて引っかけたりと,現実のクレーンゲームで使うテクニックがそのまま通用する。
つまりプレイヤーの腕前が結果を大きく左右するのだ。「絶対にこの剣が必要」というときに限ってツルッと滑って落としたりして,思わず声が出る。逆にギリギリの場面で狙い通りに取れたときの気持ちよさは格別だ。
頭で考える戦略と,クレーンゲームの腕前。両方が問われる感覚は,ほかのデッキ構築ゲームではなかなか味わえない。
個性派ウサギと壊れシナジー
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プレイアブルキャラクターは20体以上。初期HPに優れる「バナロット卿」,二本目の爪が磁力を帯びる「スクラッピー」,被弾を防げない代わりにダメージで回復する「クロウキュラ伯爵」など,どれも能力にしっかりとした個性がある。
これに加えて,アイテムとアイテムの組み合わせで生まれるシナジーが本当に多彩だ。コインを稼ぐ系のアイテムを集めまくる金ビルド,毒で削り倒す毒ビルド,攻撃力をひたすら盛る脳筋ビルド。なかにはゲームバランスをぶっ壊しかねない強烈なものもあり,思いつくたびに次の周回が走り出してしまう。
「ダンジョンクロウラー幸運ウサギと魔法の爪」は,戦略性と運と腕前という,ともすれば噛み合わせの悪そうな三要素を,クレーンゲームというモチーフで見事に束ねたタイトルだ。
手描きの可愛らしいウサギたちと,借金まみれのハードな世界観のギャップもクセになる。デッキ構築ローグライクが好きな人はもちろん,少し変わった手触りのゲームを探している人,スマホでサクッと遊べる中毒性の高い一本がほしい人にも自信を持っておすすめできる。




























