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西川善司が見た「E3 2014のゲームグラフィックス最前線」(2) 最新世代で大量のゾンビはすべて異なる外観を持ち,黄金の壺はより豪華になる
前編を読んでいなくても,読み進めるにあたってとくに問題はないが,可能であれば一度目を通しておいてもらえれば幸いだ。
西川善司が見た「E3 2014のゲームグラフィックス最前線」(1) 最新世代のゲームは自動生成で宇宙を作り,物理法則どおりにボールを動かす?
※注意
本稿では技術解説の都合上,グロテスクな内容が含まれたスクリーンショットをいくつか掲載しています。その種の表現が苦手な人は注意してください。
The Order:1886
〜日本よ,これがゲームグラフィックスだ!
Ready at Dawn Studios(以下,Ready at Dawn)というゲームスタジオの名前は聞いたことがなくても,PSP向けのGod of War(邦題 ゴッド・オブ・ウォー)シリーズなら知っているという読者は多いだろう。PSPのハードウェアスペックを大きく超えた出来映えで高い評価を集めるシリーズだが,同シリーズを手がけているのがReady at Dawnだ。
The Order:1886の舞台は,19世紀末の英国ロンドン。蒸気機関が全盛を迎えた第二次産業革命時代にあって,秘密騎士団「The Order」と,正体不明の獣人種族,そして反乱軍との戦いを描いたアクションアドベンチャーとなる。
グラフィックスエンジンは物理ベースレンダリング(Physically Based Rendering)を採用。ゲームを開発する主要なエンジニアやアーティストの多くがハリウッドの映画制作経験者で構成され,徹底してリアリティにこだわっているとのことである。
レポート前編で「Uncharted 4: A Thief's End」を取り上げたときにも書いたが,実際,The Order:1886では,物理ベースレンダリング特有の「素材感のリアリティ」がすごい。
革具や銃器の質感は,暗い間接光主体のライティングによる陰影からもリアルに伝わってくる。また,主要メンバーが着ている衣服の質感はとくにリアルで,やや毛羽立った感じの布でできたコートや上着,つるりとした質感のシャツ,ふわりとした毛糸生地などの材質を,はっきりと見て取れるのだ。
上に示したムービーを見てもらうと分かるが,アニメーションも非常に柔らかで自然なものになっている。
自然すぎてゲームグラフィックスだということを忘れさせてくれるのが,衣服の動きだ。主要なキャラクターは袖や裾の長い服,丈の長いコートを着ているのだが,それら衣服の動きに破綻はない。
ゲームグラフィックスにおいて,「動きが堅い」と感じられてしまうことの大きな要因に,「キャラクターの着ている衣服がキャラクターの動きと連動しない」というものがある。それに対してThe Order:1886では,長袖のシャツを着ているキャラクターが腕を下に下ろしたときと逆に上げたときと,肘を曲げたときとでは,重力や動きによって衣服の引っ張られる量が変わり,手首の見える量も変わる。本作ではそうした衣服のシミュレーションがかなり正確なのだ。
「衣服を破って獣人化する」キャラクターの存在がThe Order:1886における重要なテーマなので,必然的にこだわることとなったのかもしれない。
もう1つ,顔面のアニメーションがリアルであることも指摘しておきたい。各キャラクターの持つ,高い“顔面演技力”を活かした結果,イベントシーンもすべてがリアルタイムグラフィックスで実現できるようになっており,ゲームシーンとの相互移行は当然のようにシームレスなものとなっている。
ちなみに,キャラクターの動きはモーションキャプチャベースだが,ゲームプレイ時の移動アクションや,周囲に存在するオブジェクトとのインタラクションでは,一部でプロシージャルアニメーションを用いているとのことだった。
Ready at Dawnによると,E3 2014版は「ポストα版」的な位置づけだそうだ。2015年2月の発売に向けて,今がまさに開発の佳境だという。
グラフィックス仕様は解像度1920×1080ドットの30fps固定。可変フレームレートではなく30fpsで固定化したのは,映画の雰囲気を意識したためだとTurndof氏は述べていた。
PsychoBreak
〜ホラー表現,ここに極まれり
バイオハザードシリーズやディノクライシスシリーズなど,数々のホラーゲームの開発を手がけてきた三上真司氏。そんな氏による最新作が「PsychoBreak」(PC / PS4 / PS3 / Xbox One / Xbox 360)だ。英題は「The Evil Within」となっている。
E3 2014でプレイできたのは2つの章で,筆者は両方ともプレイしてきたのだが,かなり引き込まれてしまった。
彩度を落とした色調や,時間方向にやや強めに出るフィルムグレイン(Film Grain)ノイズ効果などは,ホラー映画を意識した造りになっており,独特な雰囲気がある。
環境光主体のぼんやりとしたライティング,あるいはキーライトから生成されるソフトシャドウ表現など,近年のグラフィックストレンドは一通り網羅したビジュアルになっているのも印象的だ。とくにこだわりが感じられるのはブヨブヨとした肉片の表現や切断表現,流血表現で,Epic Gamesはかつて「Gears of War 2」で,バイオレンス表現のために「流血流体物理シミュレーション」(Blood Fluid Simulation)やら「画面座標系血しぶき処理」(Screen-space Blood Splatter)やらといった独創的な技術を開発&実装していたが,見る限りPsychoBreakにもユニークな技術が盛り込まれていそうである。
そんなPhychoBreak,開発スタート時はPlayStation 3(以下,PS3)とXbox 360をターゲットとしていたのが,途中でPS4とXbox Oneの発表があり,そこから開発の主なターゲットを新世代機にシフトしたため,グラフィックス技術的には前世代機向けのものと新世代機向けのものとがハイブリッドになっているそうだ。
PCとPS4,Xbox Oneではテクスチャ解像度を引き上げ,一部では3Dモデルも高品位なものに引き上げてあるので,この3プラットフォームであれば,本作のビジュアルを最大限味わえるとのことだった。
地味ながら凝った作りになっているのがAIで,PhychoBreakに登場するモンスターのうち,複数の個体による群れで行動するものは,プレイヤーの動きを認識しつつ,相互に連携しながらプレイヤーを追い詰めるように攻撃を仕掛けてくるようになっているという。AIはゲームの難度設定と連動しており,難しい設定にすればするほど連携して襲ってくるようになるとのことなので,ホラー好きは難度設定を高めてみるといいかもしれない。
発売は今秋の予定。タイトルどおり,サイコーにブレイクすることを期待したい(※ダジャレ)。
Super Ultra Dead Rising 3 Arcade Remix Hyper Edition EX Plus Alpha
〜独創的なアイデアで作り出されたビジュアルの裏側
タイトルはもちろん,その内容までもがカプコンからこれまでに登場したさまざまなゲームタイトルのパロディとなっている「Super Ultra Dead Rising 3 Arcade Remix Hyper Edition EX Plus Alpha」は,Xbox One専用タイトル「Dead Rising 3」のダウンロードコンテンツ(以下,DLC)として提供されるものだ。
Super Ultra Dead Rising 3 Arcade Remix Hyper Edition EX Plus Alpha(以下,Dead Rising 3 DLC)は,Dead Risingシリーズの主要キャラクター達が,カプコン製タイトルに登場した歴代人気キャラクターのコスプレをしながらゾンビに挑むというものになっている。「ゾンビを500体倒せ!」などといった“お題”をクリアしながら次のエリアに移動し,最終的にはゴールを目指すという,ストーリーはあってないような,徹頭徹尾アーケードタイプのゲームだ。
コスプレ対象は,ストリートファイターシリーズのようなメジャー級人気作はもちろん,ディノクライシスシリーズのようなマイナー級マニアック作,ロックマンシリーズのようなクラシック作品など多岐にわたる。
そんなDead Rising 3 DLCにおいて,コスプレ3Dモデルは新規開発したものである一方,そのほかの3Dモデル類やテクスチャ類は基本的に,すべてDead Rising 3からの流用になっているという。「すでにあるコンテンツをどう料理し,新しく見せて面白いゲームにするか。これがチャレンジングだった」とGodin氏は振り返っていた。
本編となるDead Rising 3では,グラフィックエンジンに「ポストカラープロセス」(Post Color Process)と呼ばれる色調変換マトリックスが実装されており,彩度を落とすチューニングが行われていた。これは本家カプコンのバイオハザードシリーズでも最近用いられているカラーチューニングで,殺伐とした雰囲気や,ホラー映画っぽいテイストを演出するのが目的となっている。全体的に青味が強くなり,夕闇下のような見映えになるのが特徴だ。
それに対して今回のDead Rising 3 DLCは,Dead Rising 3から一転して,明るく彩度の高い色調に変更されているのだが,これはいま述べたポストカラープロセスの色変換マトリックスの差し替えによって実現しているとのことだ。 Godin氏によれば,テクスチャ類はDead Rising 3本編そのままながら,このポストカラープロセスによって彩度をサチュレーション(=飽和)させたところ,偶然,イラスト風の見映えにできたので,そのまま正式採用したとのことだった。法線マップなどはDead Rising 3本編と変わらず適用され,画像テクスチャも本編と同じレベルでディテールが描き込まれているため,単なるイラスト風ではなく,「かなり描き込まれたイラスト風」に見えるのが面白い。
さて,「塗り」がイラスト風に見えてきたことで,「なら,輪郭線も追加せねば……」ということで,Dead Rising 3 DLCでは,Dead Rising 3のグラフィックス処理系をそれほど弄ることなく線描を加えられる「ポストプロセスによる線描」を採用した。これは「輪郭線は深度が大きく変移しているところに出る」というアルゴリズムに基づく線描で,シーンのレンダリング後に残る深度バッファを探査して「奥行き段差」を検出し,そこに輪郭線となる黒色ピクセルを打っていく手法によるものだ。
Godin氏いわく,「深度バッファの特性上,この手法では,シーンの奥にまで線描すると得られる輪郭線がとてもノイジーで汚くなってしまう。そこで,プレイヤーに近いオブジェクトに対してのみ,線描を行うことにした」。また,大外の輪郭しか線描されないとのことで,たとえば胸の前で組んだ腕には輪郭線がつかないといった制限もある。ただ,「飛び出す絵本的なテイストにしたかったので,これで十分だった」(Godin氏)そうだ。
ゲームエンジンは,Dead Rising 3がXbox One専用になった時点で,内製の新型となる「Forge Engine」へ移行済み。Godin氏は「レンダリングエンジンは,シーン内における動的光源の数にほぼ制限がない」と述べていたので,ディファードレンダリング(Deferred Rendering)系のグラフィックスエンジンだと思われる。
空について続けると,雲テクスチャのαチャネルには雲の濃淡値が書き込まれているそうで,ピクセルシェーダで与えた閾値と,このαチャネル部の濃淡値を比較して,閾条件を満たした雲ピクセルを描くようにすると,この閾値を変化させるだけで雲の形状が有機的に大きくなったり小さくなったり変化しているようなさまを表現できるという。このテクニックは「GRAVITY DAZE」でエフェクト表現で用いられていたものと同じだ。
間接光関連だと,背景などのオブジェクト表面は,事前にAutodesk製3Dアニメーションツール「Maya」上で大局照明(Global Illumination,大域照明ともいう)計算した結果をライトマップに焼き出し,これをランタイム時に適用しているという説明があった。動的なキャラクターへの間接光照明は,シーン内に設置された無数のプローブ(probe,環境光情報を持った球体)で事前に取得しておいた,全方位の間接光情報(※球面調和関数かキューブマップかは不明)で与えているそうだ。これは近年広く用いられている,現実的な間接光照明の実装法そのものといえる。
Godin氏自ら「イチオシ」としていたのは,ゾンビのプロシージャル生成で,この技術のおかけでDead Rising 3 DLCに登場するゾンビは,同一モデルがゲーム上にまず登場しないのだという。衣服や顔,身体がランダムの組み合わせで生成され,傷の位置や,外れた顎,腕のあるなしといった部位の欠損も,かなりの自由度をもって自動生成される。歩行アニメーションも,与えられた身体的特徴に見合ったものになるよう,プロシージャル補正されるそうだ。
Dead Rising 3 DLCは,「限られたコストと時間内で,魅力的なDLCを作り上げる」のを,アイデア勝負で実現した好例となりそうである。
Assassin’s Creed: Unity
〜新世代機のベンチマークとなるグラフィックスに刮目せよ
「Assassin’s Creed: Unity」(邦題 アサシン クリード ユニティ,PC / PS4 / Xbox One)は,国内でも人気の高いAssassin’s Creedシリーズの最新作だ。「Assassin’s Creed IV: Black Flag」(邦題 アサシン クリード4 ブラック フラッグ,PC / PS4 / PS3 / Xbox One / Xbox 360 / Wii U)に続く5作めで,ナンバリングされていないのがポイントだ。外伝という位置づけでもないのにナンバリングされていないのには,「新世代機向けとして初のAssassin's Creed」という意味が含まれているようである。
レンダリングエンジンのコアは物理ベースレンダリングに置き換わっており,実際,作中に登場するすべての材質パラメータは現実世界に即した陰影を返すようになっている。
上に示したのはE3 2014におけるMicrosoftのプレスカンファレンスで披露されたプレイ映像だが,忍び込んだ貴族の邸宅内で屋内に散見される,贅を尽くした調度品の数々は,非常にリアルな陰影を見せている。カーテンや絨毯,ソファ,木製フローリングといった材質の陰影は言わずもがなで,とくに目を見張るのは黄金の質感だ。鏡面反射ハイライトが映り込んでいるだけでなく,周囲を鈍く映しているために,この質感が出ているのである。
Therien氏は,この見栄えを実現できたのには,物理ベースレンダリングの導入効果だけでなく,リアルタイム大局照明技術による恩恵も大きいと述べている。
Assassin’s Creed: Unityで導入されている大局照明技術は,シーンの制作を行うとき,事前に設定しておいたプローブで全方位の情報――キューブ環境マップのようなもの――を取得しておき,それを,動的なオブジェクトに対して全方位の光源としてライティングする「イメージベースドライティング」(Image Based Lighting)がベースとなっている。これは,GDC 2014でシリコンスタジオが発表した新しいレンダラーのリアルタイム技術デモでも採用されている手法だ(関連記事)。
プローブは,屋外ではかなり大ざっぱに,屋内では逆にかなり細かく設定されているという。
この手法は,非常にデータ量を“喰う”実装法だが,実際,本作では,二層Blu-ray Discの全容量比でほぼ半分に当たる約25GBが大局照明用のデータだというから驚かされる。まあ,広大なゲーム世界の要所要所で全方位のリフレクションデータを持っているわけだから,それも納得のいく話ではあるのだが。
この膨大な「局所的な全方位環境マップ」は,HDR(High Dynamic Range,ハイダイナミックレンジ)対応データであり,間接光照明だけでなく,鏡面反射をする素材の映り込み効果にも用いられる。映像中に登場する花瓶の表面に周囲の様子が映り込んでいるのを見て取れるが,これもその効果なのだ。
ここで注意したいのは,正確を期すと,「花瓶の表面に,その全方位環境マップを適用した」というより,「花瓶の表皮素材が鏡面反射の特性を有しているため,物理ベースレンダリングとイメージベースドライティングの結果としてそう描かれている」ことになる点である。
PS3やXbox 360の世代だと,こうした全方位の情報は,球面調和関数を用いて求めた,周波数の粗い(≒解像度の低い)大ざっぱなデータとしてしか持てなかった。なので,間接光表現をやろうとしても視線に依存しない拡散反射しか再現できなかったのだが,新世代機ではメモリ容量の増大もあって,大局照明における鏡面反射も,かなりいいところまで再現できるようになったというわけだ。
こうした鏡面反射をする調度品や水面にプレイヤーキャラクタなどの動的オブジェクトを近づけたらどう見えるのか。気になって聞いてみたが,さすがに,動的なオブジェクトは映り込まないとのこと。こうした動的オブジェクトの映り込み表現を簡易的に実装する手法としては,PS4用タイトル「DRIVECLUB」にも採用された,画面座標系のリアルタイム・ローカルリフレクション(Realtime Local Reflection,以下 RLR)があるが(関連記事),Therien氏は「RLRを実験的に導入したことはあったが,品質的に納得がいかず,負荷に見合う効果も出なかったので,最終仕様から省いた」と述べていた。
そのほか,事前計算の環境光効果としてはアンビエントオクルージョン(Ambient Occlusion,環境遮蔽。以下 AO)も導入されているという。
AOとは,凹んだ部分や,何かと何かが交差設置されている部分に「遮蔽度」のパラメータを焼き込んでおいて,ライティング時にはパラメータに依存した“影色”を付ける仕組みのこと。キーライトからのしっかりした影だけでなく,環境光が作り出す淡い影も作り出せる。
本作の空模様は,Therien氏いわく「物理ベースのスカイドームを採用している」。おそらくは,光散乱シミュレーションを実装した天球レンダリングのことだと思われる。
「光散乱シミュレーションを実装した天球レンダリング」とは,地球上にある大気の光散乱特性に配慮しながら,太陽と月の位置に応じて空の色の分布をレンダリングするという手法で,近年,オープンワールド系のゲームグラフィックスにおいて採用例が増えている。要するに,Assassin's Creed: Unityにおける昼間の空や朝焼け夕焼け空,夜空は,アーティストが描いた空ではなく,プロシージャルに動的生成されたものというわけなのだ。
アニメーションおいては,体の動きデータと顔面の動きデータを同時に取得する「パフォーマンスキャプチャ」(Performance Capture)を採用する。顔面アニメーションでは,ドットマーカーを打たないイメージベースの手法を用いているようである。
ちなみにAssassin’s Creed: Unityで,顔面のリグ(=ボーン)数は約60個と,シリーズ従来作比で大幅な増量を実現しているという。
Therien氏は,5000人におよぶ膨大なNPCを表現できたことや,降雨によって水位が変わる水面レンダリング,雨粒単位で服が濡れる表現など,ありとあらゆるディテールをAssassin’s Creed: Unityでこだわれたことに大変満足していると述べつつも,背景で若干のポッピング(popping)が生じている点には未練も覗かせていた。
本作では約100m先を境界にして多ポリゴンモデルと低ポリゴンモデルとの切換処理を行っているのだが,タイミング次第では,その「切り替える瞬間」が見えてしまうのだそうだ。この現象がポッピングで,テッセレーション技術を用いてそうした現象を低減させるというのが定番の対策なのだが,まだまだ乗り越えるべき課題があり,今回は採用に至らなかったとTherien氏は述べていた。
いずれにせよ,本作はAssassin's Creedシリーズ史上最高のゲームグラフィックスを見せてくれることだけは間違いない。
なお,Assassin’s Creed: Unityの公式Webサイトを見ると,PS3とXbox 360,Wii Uのロゴも掲げられているのだが,今秋発売予定なのはPC版とPS4版,Xbox One版のみだ。従来世代機向けが追ってリリースされるとしても,そのグラフィックス要素は大幅に削減されるはずである。
おわりに
ともあれ,E3 2014で発表された最新のゲームグラフィックスを可能な限りまとめてみたわけだが,こうして列挙してみると,いくつか明確な傾向があったことに気づかされる。
1つは物理ベースレンダリングの採用だ。PS3世代やXbox360世代でいうところのHDRレンダリング並みに,今世代のゲームグラフィックスではトレンドになっている雰囲気がある。
2つめはプロシージャル技術である。現時点では「使えるところから使っていく」といった感じで,現実に目を向けながらプロシージャル技術と付き合おうとしているゲームスタジオが目立っていた。具体的には,アニメーション(と一部のAI)に応用するところが多いようだ。
もちろん,前編で紹介した「No Man’s Sky」のように,プロシージャル技術に壮大な夢を託すタイトルが再び登場してきたことにもワクワクさせられる。
PS3&Xbox 360世代の最後期には「たとえ新世代機になってもゲームグラフィックスはあまり変わらないのでは?」という声も囁かれたが,なかなかどうして。新世代機登場から1年も経たずに,ゲームグラフィックスはここまでジャンプアップしてしまった。これからまだまだ進化していくに違いない。
4GamerのE3 2014特設ページ
SCEのThe Order:1886公式ページ
Bethesda SoftworksのPsychoBreak公式サイト
Xbox公式サイト内のDead Rising 3情報ページ
Ubisoft EntertainmentのAssassin’s Creed: Unity公式ページ
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- ライター:西川善司
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