Jonathan Smårs氏といえば,北欧神話をモチーフにしたサバイバルクラフト「Valheim」(PC / Switch2)のリードエンジニア兼デザイナーである。そして新作のジャンルは“宇宙オープンワールドサバイバルゲーム”であり,なんと個人で開発を進めているというのだ。
遊べるとなれば,やってみるしかない。というわけで,今回は「Starpath」のプレイレポートとともに,本作を開発するJonathan Smårs氏へのインタビューの模様をお届けしていく。
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なお,会場で用意されたバージョンに実装された日本語訳は仮に用意されたもので,正式な内容ではないとのこと。実際にリリースされるバージョンでは適切な翻訳が行われる予定なので,そちらにも期待しておこう。
宇宙服の向こうにある“宇宙”
リアリティある宇宙表現が最大の魅力
ゲームをスタートすると,宇宙船の操縦席に座った状態から始まる。眼前には大量のブラウン管モニタが並び,窓の先には星々がきらめく銀河が見える。事情は分からないが,プレイヤーは宇宙船に残ったコールドスリープポッドから目を覚ましたばかりのようだ。
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はっきりとした目的は設定されておらず,主人公がどうしてここにいて,これからどうすればいいのかも分からない。どうしたものかと悩んでいたら,画面に操作ガイドが提示された。それに従って動いてみると,ツイーッと慣性のまま体が流されていく。
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ちょっと探索してみると,どうやらこの宇宙船は前部と後部に分かれているようで,後部の壁面が損傷していることが分かる。十分な資材があれば修理ができるとのことなので,壁に掛けられた宇宙服を着込んで船外活動を開始することにした。
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当然,外に出るならエアロックを通る必要がある。気密室に入ってバルブを開き,減圧が完了したことを確認したうえで外に出ると,その瞬間に環境音が消滅。聞こえるのは自分の呼吸音だけで,ひどく心細い。ヘッドホンをがっちり装着していると,この感覚もより強く感じ取れる。
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おっかなびっくりしながら破損箇所に到達すると,船体の一部が完全に破損していた。適切な素材さえ持っていれば,船体を構成するパーツの破壊・追加を行う「ビルドモード」を起動できる。どうやら,この機能を使って自分の宇宙船を建築できるようだ。
探索によって素材を収集し,建築で自分なりの拠点を作り上げていくのが,現状の本作の楽しみ方になる。現時点では詳細は不明だが,各所には記録が刻まれたフロッピーディスクがあり,それを収集することでストーリーを追う要素もあるらしい。
全体的なデザインはややレトロ調で,グラフィックスもローポリ風のデザインが採用されているが,キャラクターやオブジェクトの挙動にはリアルな“宇宙感”がにじみ出ている。まだまだ開発途中のプロジェクトだが,向かっている方向性ははっきりと感じ取れた。
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最後には,本作を手掛けるクリエイターのJonathan Smårs氏へのインタビューを掲載する。本作の開発に至った経緯や,Smårs氏が参加している「Valheim」についても語られているので,興味がある人はぜひチェックしてみてほしい。
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4Gamer:
日本でも本作の発表は驚きをもって受け止められていました。「Valheim」ではリードエンジニア兼デザイナーを担っていますが,具体的にはどんな仕事をしていたのでしょうか。
Jonathan Smårs氏(以下,Smårs氏):
プログラミングなどを中心としたロジック開発とエンジニアリング業務,プレイヤーが探索する世界のレベルデザイン,ビジュアルを構成するグラフィックスデザインなどを担当していました。といっても,ビジュアルの担当をしたのは一部で,メインは遊びに関わる部分です。
4Gamer:
1人で開発を進めているとのことですが,どういった経緯で作り始めることになったのでしょう。
Smårs氏:
私は「Valheim」のコアメンバーではあるものの,それは“私個人の作品”ではありません。もっと個人的で,オリジナルな作品を作りたかった,というのが動機として大きいですね。
ただ,「Valheim」の開発はとても楽しいものですし,私がチームから離れたわけではありません。今回のプロジェクトは,あくまで私が個人的な時間を使って作っているものだと考えてください。
4Gamer:
ある程度時間が空いたから,こちらのプロジェクトに着手できるようになった,というイメージでしょうか。
Smårs氏:
そうですね。「Valheim」はすでに正式版に近い段階にあり,残す作業はマルチプラットフォーム展開に向けた審査などです。以前ほどつきっきりで作業をする状況ではなくなったので,以前から温めていたプロジェクトを動かせるようになりました。
4Gamer:
今回は予想外にハードなSF作品になりました。なぜこの題材を選んだのかを教えてください。
Smårs氏:
私は北欧のバイキング文化も,SFも大好きなんです。「Valheim」を何年も作ってそちらの欲求は満たせましたが,今度は同じく好きなSFへの熱が高まってきたんです!
私はずっと,個人的な夢として「宇宙に行きたい」と思っていました。その体験をゲームの中で再現するため,今は「Starpath」の開発に注力しています。
4Gamer:
リアル寄りなプレイフィールは“宇宙を体験する”というコンセプトから来ていたのですね。いろいろと納得です。
Smårs氏:
ええ,無重力空間で体と物が浮く感覚や,宇宙空間に出て音が消える瞬間を感じられるように作りました。自分の呼吸と「シューコー」という酸素ボンベの音だけが宇宙服の中に響いて,ヘルメットからは宇宙が見えるんです。
小島秀夫監督が語った「宇宙でプレイできるゲームを作りたい」という言葉に共感している部分もあります。個人でそれを成し遂げるのは容易なことではありませんので,まずはゲームの中で“宇宙に行く”という感覚を再現したい,という気持ちでゲームを作っています。
4Gamer:
今回の体験版はゲームの基本要素を紹介するものでしたが,実際には探索要素や物語要素も登場するとうかがっています。プレイヤーはどのようにそれらを行い,ゲームを進めていくことになるのでしょうか。
Smårs氏:
基本的な考え方は「Valheim」と大きく変わりません。探索を中心に据え,プレイヤー自身が物語を紡いでいくことになるでしょう。そうした冒険の中には,謎の惑星への降下や,打ち捨てられた宇宙船の探索も含まれます。行く先で物語を感じさせるテキストを発見し,そこから世界観を読み取っていくようなイメージです。
4Gamer:
宇宙を舞台にするオープンワールド作品となると,個人開発ですべてのリソースを賄うのは難しいようにも感じられますが,そのあたりはいかがでしょう。
Smårs氏:
ビジュアル部分については,私自身に3Dアーティストとしての技能があり,レトロチックなピクセル3Dスタイルを選んでいるので,個人でも対応可能と考えています。プログラムは可能な限り自分で進めたいですが,どこかの段階で厳しくなった場合は外部に頼るかもしれません。音声については,すでに友人の力を借りている部分もありますしね。
4Gamer:
この段階で,すでに相当な仕事量だと思います。このプロジェクトはいつ頃から動いていたのですか?
Smårs氏:
10年以上前からアイデアがあって,プロトタイプは作っていました。そこからしばらく動いていませんでしたが,今から1年半ほど前から本格的なリビルドを開始して,ようやく世に出せるようになりました。子供が5人いるので,なかなか大変な開発でしたね(笑)。
4Gamer:
今後の予定について,決まっている部分はありますか? 正式リリースに至るまでの期間などで,想定されているものがあれば教えてください。
Smårs氏:
影響を与える不確定要素が多く,今のところはなにも言えません。ただ,完成度を最優先しているので,長い時間をかけてでも自分が納得いく作品を目指したいと思っています。
4Gamer:
では最後に,本作を楽しみにしている日本のファンに向けたコメントをいただければと思います。
Smårs氏:
なにより,皆さんの熱意に対して感謝をお伝えさせてください。私は日本が大好きで,いままでに何度も来ています。食べ物も文化も素晴らしく,将来的には日本に移住したいと思っています。日本のゲームファンとより深くつながりを持てる環境を目指し,活動を続けていきたいです。
4Gamer:
ありがとうございました!
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