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Razerが触覚フィードバック機能「HyperSense」をゲーマーへ熱く提案。ヘッドセットではAmazon Alexa対応も実現へ
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印刷2019/01/10 13:50

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Razerが触覚フィードバック機能「HyperSense」をゲーマーへ熱く提案。ヘッドセットではAmazon Alexa対応も実現へ

 Razerは2018年9月に,新しいヘッドセットシリーズとなるRazer Nariの最上位モデル「Razer Nari Ultimate」(以下,Nari Ultimate)に,触覚フィードバックシステムとしての「Razer HyperSense」(以下,HyperSense)を搭載していた。ゲーム内での銃撃音や爆発音などに合わせてヘッドセットが振動し,音と振動の組み合わせによって,音だけの状態よりも深い没入感が得られるというのがアピールポイントだったわけだが,RazerはCES 2019で,そんなHyperSenseの大幅な拡充方針を示した。
 いわく,ヘッドセットだけでなく,キーボードのリストレスト(パームレスト),そして椅子にHyperSense機能を埋め込むことで,さらなる没入感を実現するとのことである。

Razerが公開した,HyperSenseコンセプトのイメージ図
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 HyperSenseコンセプトでRazerは,触覚フィードバック用のハプティックアクチュエータとソフトウェアを提供する独Lofeltや,着用したり椅子に取り付けたりできるサブウーファのメーカーとして知られる米SUBPACらとの提携を発表している。
 そもそもNari UltimateでRazerは音を振動に変換する技術としてLofeltの「Wave」を採用済みだが,CES 2019のデモを見る限り,RazerはリストレストとマウスにもこのWave技術を採用しつつ,椅子にはSUBPACの技術を採用し,それをRazerのHyperSenseで一元的に管理しようとしている,という理解でいいようである。

Razerブースにあった,HyperSenseコンセプトの体験スペース
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 なお,今回のコンセプトはあくまで提案であって,デモ機も(少なくとも現時点では)販売予定も立っていないという。展示機のリストレストは「Razer Huntsman Elite」の付属品,マウスは「Razer Basilisk」にそれぞれ振動機能を埋め込んだもののようだが,そういう製品が出ると決まったわけではない。また,「Razerがついにゲーマー向けチェア市場へ参入!」という話でもないので,その点は注意してほしい。

Razer Huntsman Eliteのリストレストに触覚フィードバック機能を追加したと思われる展示機。キーボード本体とリストレストの左側面側で短いケーブルによる接続が行われているのが製品版との違いだ。振動に必要なデータを伝送するためのものだろう
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Razer Basiliskベースと思われる振動対応マウス(左)と,SUBPACのサブウーファ搭載シート機能を組み込んだと見られるチェア(右)。チェアはRazerロゴ入りだ。SUBPACは「S2」というサブウーファ付きチェアを発売しているので,おそらくそれベースと思われる
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 今回のデモシステムで面白いのは,たとえば左から音が聞こえるときにはリストレスト,右から音が聞こえるときはマウス,背後から音が聞こえるときは椅子といった具合に,音源の場所に合わせてリアルタイムで「振動させる場所」を変えられるところだ。
 HyperSenseで重要なのは,いま紹介した機能を利用するのに,ゲーム側の対応がとくに必要ないことだそうで,Razerの担当者も,銃声などの発射音や爆発音,殴打の音がどこから音が鳴っているかに応じて触覚フィードバックを生じさせる機能自体はどんなゲームでも利用できると述べていた。ただし,ゲーム内における特定のイベントなどと連係させるにはゲーム側での実装が必要で,現在,Razerではゲーム開発者に対してHyperSenseの採用を呼びかけているところだという。


Nari Ultimateヘッドセット
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 なお,Razerブースで体験できたのは新版「DOOM」を用いたデモだったが,試してみると,音が聞こえるのに合わせて,ヘッドセットだけでなくパームレストやマウス,チェアが振動しているのは確かに把握できた。ただ,Nari Ultimateヘッドセットの振動は,Razer製の統合ソフトウェア「Synapse 3」から20〜100の範囲を10刻みでしていできるところ,50に設定されていたのだが,この状態だとヘッドセットの振動が相対的に強すぎて,途中から,ヘッドセット以外の振動には意識がいかなくなってしまった。仮に製品化するのであれば,HyperSenseシステムから振動の強さを一括して調整する機能は必要という印象である。

 また,これはコンセプトモデルにかかわらず,ほとんどのゲーマー向けチェアに共通の問題だが,とくにPCゲームのプレイ中は身体が前傾姿勢を取ることになって背中が背もたれに触れないため,背中側の振動はほとんど感じられなかった。SUBPACといえば「着るサブウーファ」で知られる企業だったりもするので,デモはそちらを使ったほうがよかったかもとは思う。

 遅延らしい遅延は感じなかったので,「アイデアとしては面白い」と言えるが,全体としては,製品化までもう少し練り込みが必要ではないかというののが素直な感想だ。

HyperSenseコンセプトに関するRazerのニュースリリース(英語)



Chromaも拡張。他社製品のLEDイルミネーションを制御できるようになり,Amazon Alexaとの連係も果たす


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 RazerはCES 2019で,独自のLEDイルミネーション制御機能「Razer Chroma」(以下,Chroma)に関するアップデートも行っている。
 最近,PC周辺機器やPCパーツのLEDイルミネーション機能を,メーカーの垣根を越えて連係させられる製品が増えてきたが,Razerもその波に乗った。Razer製品以外のカラーLEDイルミネーションをSynapse 3から制御できる「Chroma Connect」という機能を発表したのである。
 現在のところ,AMDやASRock,MSI,Thermaltake,ZOTAC Technologyなど15社が賛同しており,今後も対応メーカーの数は増える見込みという。

 できることはシンプルで,Chroma Connectに対応する「Chroma Connected Device」がPCに取り付けられていると,Synapse 3がそれを認識するので,その制御を有効にするか無効にするか選ぶだけである。
 Synapse 3からの制御を有効化したデバイスは,Synapse 3のにした機器は,Chromaの設定で発光色や発光パターンをカスタマイズできるというわけだ。

Synapse 3にあるChroma Connect設定メニュー(左)。Chroma Connect機能をまとめてオン/オフしたり,機器ごとにオン/オフを設定したりできる。右はSynapse 3のホームタブでChroma Connect関連の項目に寄ったカット。ASRockやMSI,ThermaltakeのLEDイルミネーションを認識できている
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 ブースではいくつかデモがあったので,以下,写真で簡単に紹介してみたい。

Chroma Connect対応のPCパーツを組み込んだPC。これだけだとただ光っているだけに見えるかもしれないが,簡易液冷CPUクーラーやケースファン,マザーボード,グラフィックスカード,SSDのLEDイルミネーションをすべてSynapse 3から一元的に管理したものになっている
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こちらはNanoleafという照明メーカー製のLED照明。Chroma Connect以前にRazer Chromaも対応だ。タッチ操作が可能で,ブースでは「照明の一部をダブルタップすると,サウンドに合わせて発光パターンや色が変わる」というデモを体験できた
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 さて,Chroma Connectと同時にRazerは,Razer製のヘッドセットやマイクを使ってAmazon.comの音声アシスタントサービス「Alexa」(アレクサ)を利用できるようにするSynapse 3のアップデートを2019年第2四半期に提供することも予告している。

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 この機能を利用すると,Alexa対応のスマートスピーカーやデバイスがなくても,ヘッドセットやマイクに向かって音声で命令を発することで,Alexaの機能を利用できるようになるそうだ。
 使えるAlexaの機能やスキル(※Alexaで使えるアプリのようなもの)に制限はないそうで,Razer製ヘッドセットがあればAmazonの音声アシスタントサービスを使えるようになるというのは,とくにAlexa対応のサービスや機器が急速に普及している北米市場でのインパクトが大きいだろう。

 さらに,Synapse 3とAlexaの連携で面白いのは,Razerが提供する開発者向けキット「Chroma SDK」を利用すれば,音声コマンドでゲームを起動したり,ゲームの操作を行ったりできるという点になる。たとえば,ゲーム中に「Alexa,現在の体力は?」と問いかければ――現状では英語での発話が必要だが――音声で「体力はいくつです」と返答を受け取れたりするのである。まさに,2017年に掲載したスマートスピーカーの記事で予告していたような,ゲームにおける音声UIの活用に扉を開くものと言えよう。
 音声アシスタントサービスで先行するAlexaの音声認識機能を利用できるのだから,認識精度の高さや実現可能なことの幅広さには期待できそうだ。

 現状では,北米以外の地域でAlexa連携機能を提供するのかどうかは明らかになっていないが,Alexa自体はすでに日本語対応を果たしているので,技術的な基盤は整っているはずだ。今後の展開に期待したい。

Alexaとの連係に関するRazer特設ページ(英語)



Razer Blade 15 Advanced Modelが「GeForce RTX 20」搭載に


 なおRazerはこのタイミングで,15.6型のゲーマー向けノートPC「Razer Blade 15 Advanced Model」(以下,Advanced Model)と,ホワイトカラーの「Razer Blade 15 Mercury Edition」のアップデートも発表している。北米市場では1月29日から,搭載GPUがノートPC向けGeForce RTX 20シリーズになるとのことだ。

Razer Blade 15 Advanced ModelがGeForce RTX 20シリーズを搭載
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 選択できるGPUは以下のとおり。GPU以外のスペックや筐体デザインはそのままだそうなので,順当なマイナーチェンジと紹介していいだろう。

  • GeForce RTX 2080 with Max-Q Design(※Advanced Modelのみ。Mercury Editionでは選択不可)
  • GeForce RTX 2070 with Max-Q Design
  • GeForce RTX 2060

Razer Blade 15 Advanced Modelの展示機はGPUにGeForce RTX 2080 with Max-Q Designを(左),CPUには「Core i7-8750H」を採用していた(右)
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RazerのRazer Blade 15シリーズ製品情報ページ(英語)

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