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Logicool G「G303」レビュー。これは「G502」の小型軽量&メインボタン強化版マウスだ
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印刷2015/04/23 00:00

レビュー

G302の筐体にG502の光学センサーを搭載した軽量級ハイスペックマウスを試す

G303 Daedalus Apex Performance Edition Gaming Mouse

Text by BRZRK


G303 Daedalus Apex Performance Edition Gaming Mouse(国内製品名:G303パフォーマンスエディションゲーミングマウス)
メーカー:Logitech
問い合わせ先:ロジクール カスタマーリレーションセンター
電話:050-3786-2085
メーカー直販価格:7250円(税別)
画像集 No.002のサムネイル画像 / Logicool G「G303」レビュー。これは「G502」の小型軽量&メインボタン強化版マウスだ
 2015年4月23日,Logicool G(日本以外ではLogitech G)の新製品となる右手用の光学センサー搭載ワイヤードマウス「G303 Daedalus Apex Performance Edition Gaming Mouse」(国内製品名:G303パフォーマンスエディションゲーミングマウス,以下 G303)が国内発売となる。
 小型軽量の右手用ワイヤードマウスである「G302 Daedalus Prime MOBA Gaming Mouse」(以下,G302)に,2015年4月時点におけるGxx2世代のフラグシップモデルとなる「G502 Proteus Core Tunable Gaming Mouse」(以下,G502)と同じ光学センサーを搭載し,小さなハイスペックモデルを狙った製品だが,今回は,その実力をじっくり見ていこうと思う。

 なお,形状や持ちやすさ,設定用ソフトウェアの話は,いずれもファーストインプレッション記事でお伝え済みなので,本稿では繰り返さない。以上のポイントが気になった人は,掲載済みのファーストインプレッションを先に読んでもらえれば幸いだ。

Logicool Gの新型マウス「G303」ファーストインプレッション。4月23日に国内発売の「軽量級ハイスペック機」に触れてみた



センサー性能は非常に高い

キャリブレーションの効果も抜群


画像集 No.003のサムネイル画像 / Logicool G「G303」レビュー。これは「G502」の小型軽量&メインボタン強化版マウスだ
 というわけで,まずはリフトオフディスタンスの計測だ。今回は下に示したテスト環境と設定で検証を行ってみたい。なお,リフトオフディスタンスというのは,マウスをどれくらい持ち上げるとセンサーの出力がカットされるかを示す距離値のこと。ローセンシ(≒低いDPI設定)でマウスを大きく動かすタイプの人だと,頻繁にマウスを持ち上げてマウスパッド上のホームポジションへ戻すことになるが,そのとき,センサーが無駄に反応すると困るので,リフトオフディスタンスは短いほうがいいのである。

●テスト環境
  • CPU:Core-i7 4770(定格クロック3.4GHz,最大クロック3.9GHz,4C8T,共有L3キャッシュ容量8MB)
  • マザーボード:GIGA-BYTE TECHNOLOGY GA-Z87X-UD4H(Intel Z87 Express)
    ※マウスはI/Oインタフェース部のUSBポートと直結
  • メインメモリ:PC3-12800 DDR3 SDRAM 8GB×2
  • グラフィックスカード:GIGA-BYTE TECHNOLOGY GV-760OC-2GD(GeForce GTX 760,グラフィックスメモリ容量2GB)
  • ストレージ:SSD(CFD販売「CSSD-S6T128NHG5Q」,Serial ATA 6Gbps,容量128GB)
  • サウンド:オンボード
  • OS:64bit版Windows7 Ultimate+SP1

●テスト時のマウス設定
  • ファームウェアバージョン:95.1.24
  • 「Logicoolゲームソフトウェア」バージョン:8.58.183
  • DPI設定:200〜12000 DPI(主にデフォルト設定の800 DPIを利用)
  • レポートレート設定:125/250/500/1000Hz(※主にデフォルト設定の1000Hzを利用)
  • Windows側マウス設定「ポインターの速度」:左右中央
  • Windows側マウス設定「ポインターの精度を高める」:無効

テストにあたってはマウスパッドごとにサーフェスキャリブレーションをやり直した。その方法はファーストインプレッション記事を参照のこと
画像集 No.004のサムネイル画像 / Logicool G「G303」レビュー。これは「G502」の小型軽量&メインボタン強化版マウスだ
 リフトオフディスタンスの計測では,厚さの異なるステンレスプレートを重ねながら,センサーの反応が途絶える距離を計測している。計測にあたっては,組み合わせるマウスパッドごとに,Logicoolゲームソフトウェアから,サーフェスキャリブレーション機能で最適化を行った。
 その結果はのとおり。リフトオフディスタンスは最短0.6mm,最長でも1.4mmと,極めて優秀な結果だ。G502のレビューで,同製品におけるサーフェスキャリブレーション機能が素晴らしいという話をしたことがあるが,同じセンサーを搭載するG303でも,その恩恵に与れるわけである。

画像集 No.005のサムネイル画像 / Logicool G「G303」レビュー。これは「G502」の小型軽量&メインボタン強化版マウスだ

画像集 No.006のサムネイル画像 / Logicool G「G303」レビュー。これは「G502」の小型軽量&メインボタン強化版マウスだ
 お次は「MouseTester」を用いたセンサー性能の検証だ。ここでは,マウスパッドを「ARTISAN 隼XSOFT」,レポートレートはデフォルトの1000Hzでそれぞれ固定。その状態から,初期プリセットDPI設定である800/1600/3200/6400/8200DPIを選択し,センサーの挙動を確認してみることにした。

 下に示したグラフは,Y軸のプラス方向が左への移動。対するマイナス方向が右への移動時におけるカウント数,横軸がms(ミリ秒)をそれぞれ示している。青い点が実際のカウントで,青い波線は点を正規化したものとなる。ざっくりいえば,波線が青いラインの上にあればあるほどセンサー性能が良好ということだ。以下,テスト結果を並べてみよう。

400DPI設定時。グラフの頂点部分は若干ブレ気味であるものの,青い線が綺麗に点の間を通過しており,全体としては優秀と言っていい
画像集 No.007のサムネイル画像 / Logicool G「G303」レビュー。これは「G502」の小型軽量&メインボタン強化版マウスだ
800DPI設定時。400DPIと比べると,頂点付近のブレが収まり,相当に優秀な結果となった
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1600DPI設定時。800DPIと同じく,キレイにまとまっている。これといった問題は見られない
画像集 No.009のサムネイル画像 / Logicool G「G303」レビュー。これは「G502」の小型軽量&メインボタン強化版マウスだ
3200DPI設定時。頂点付近のブレが,より少なくなったように見えなくもない。安定感がある
画像集 No.010のサムネイル画像 / Logicool G「G303」レビュー。これは「G502」の小型軽量&メインボタン強化版マウスだ

 G302のテスト結果とは,明らかに異なる,優秀なスコアが得られたといえるだろう。センサーの挙動に不安や不満を持つことは,まずないのではなかろうか。

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 センサー検証の最後は直線補正だ。そのマウスが直線補正の有効/無効を切り替えられる場合,Logicoolゲームソフトウェアでは,メインメニューから呼び出せる「設定」ウインドウにある「アングルスナップを有効にする」のチェックボックスから,直線補正の有効(チェック入れ),無効(チェック外し)を切り替えられる。今回はこの設定を切り替えながら,Windows標準の「ペイント」で線を引き,挙動を比較してみる。その結果が,下に示した4枚の画像だ。

画像集 No.013のサムネイル画像 / Logicool G「G303」レビュー。これは「G502」の小型軽量&メインボタン強化版マウスだ 画像集 No.014のサムネイル画像 / Logicool G「G303」レビュー。これは「G502」の小型軽量&メインボタン強化版マウスだ
直線補正有効時の結果。若干の補正がかかっている。決して強くはないものの,ゲームをプレイしていると,ときおり「アレ?」と,わずかな違和感があった
画像集 No.015のサムネイル画像 / Logicool G「G303」レビュー。これは「G502」の小型軽量&メインボタン強化版マウスだ 画像集 No.016のサムネイル画像 / Logicool G「G303」レビュー。これは「G502」の小型軽量&メインボタン強化版マウスだ
直線補正無効時の結果。直線的なものであっても補正を感じることはなく,入力どおりのラインが引けた


G302と似て,少し異なる内部構成

センサーはカバー付き


 最後に,G303の内部をチェックすべく,分解していこう。

では最後にG303の内部を暴くべく分解をしていこうと思う。底面部に貼られている上下方向のソールを2枚はがすと4つのネジが露出する。このネジを取り払うと,上面部のパーツが取り外すことができ,内部を拝むことができる。

上面カバーを開けたところ(左)。ぱっと見はG302そのものと言っていいほど,よく似ている(※G302のレビュー記事では,向かって手前側の側板を残してあるが,今回は見やすさを重視し,外した)。右は取り出したメイン基板(と,リボンケーブルでつながったサイドボタン用サブ基板)。マイクロコントローラと,光学センサーのカバーにQRコードと文字列があった。スマートフォンからQRコードを読み取っても反応しなかったので,おそらくは内部でのロット管理用ではないかと思われる
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左右メインボタンのスイッチはオムロン スイッチアンドデバイス製の「D2FC-F-7N」。センタークリック用は水色のタクタイルスイッチだったが,ブランドや型番の判別はできなかった。スクロールホイール手前側のボタンとサイドボタン用のスイッチはKaihua Electronics製で,こちらも型番は分からず
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光学式センサー(のカバー)とマイクロコントローラに寄ったところ。カバーを貫通するように,本体両サイド用のLEDユニットが基板にハンダ付けされているため,取り外せなかった
画像集 No.022のサムネイル画像 / Logicool G「G303」レビュー。これは「G502」の小型軽量&メインボタン強化版マウスだ
代わりと言ってはなんだが,マイクロコントローラに貼られているシールを剥がしてみた。G302に搭載されているのと同じ,STMmicroeclectronicsの「STM32L100R8」だ

左右メインボタン部のテンションシステム。G302から変わっていないようだ
画像集 No.023のサムネイル画像 / Logicool G「G303」レビュー。これは「G502」の小型軽量&メインボタン強化版マウスだ
 今回は撮影用カメラの不調と,小破した三脚の不安定感により,写真がイマイチで申し訳ないが,G302の内部構造と比べてもらうと,基本的な内部構造に違いがないのは分かると思う。
 光学センサーはメイン基板にハンダ付けされているため,実際にその型番を確認することはできなかったが,ここまで確認してきた挙動からして,Logitech/ロジクールが言うとおり,G502と同じく,PixArt Imaging製の「PMW3366DM」が搭載されているはずだ。

 なお,ファーストインプレッション記事で,G303,G302と比べて公称本体重量が5g増えていることを指摘したが,ケーブル込みの実測重量でG303が約132g,G302が約127gなのに対し,ケーブルを物理的に取り外した状態だと順に約81.5g,約86g。G303のほうが軽いのだ(※ケーブルの重量はG303が実測約50.5g,G302が同41g)。4.5g程度の違いを体感できるかどうかはともかく,公称重量だけを見て「重くなった」と判断するのは誤りということになるので,この点は押さえておきたい。


高いが,「G502のプレミアム版」としてはアリ

その総合性能は文句なし


画像集 No.012のサムネイル画像 / Logicool G「G303」レビュー。これは「G502」の小型軽量&メインボタン強化版マウスだ
 以上,G303の性能面を掘り下げて見てきた。個人的には,センサー以外の完成度が非常に高く,とくに左右メインボタンが素晴らしかったG302が,最大の弱点を解決し,ついでにG502と同じサーフェスキャリブレーション機能が使えるようになったというのは,非常にありがたい。

 「G302のバリエーションモデル」と見ると,7200〜8000円(税込)という実勢価格は明らかに高価だが,「G502の小型軽量化&メインボタン強化済みプレミアム版」として見れば,まずまず手を出しやすい価格帯にあるといえる。小ささと操作のしやすさ,そして性能にも優れるマウスを探している人には,ぜひともお勧めしたい製品だ。

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