これまでクローズドβテストを何度か開催しているのだが,ブースには試遊台がなく,「メイの雑貨店」をモチーフにしたアンティークカフェ風の空間と,コンパニオンさんたちのフォトスポットだけだった。
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「キングスレイド」は,2018年3月に日本でサービスを開始したキャラクター収集型RPGだ。開発はVespa。
同社はこのタイトルでかつて上場を果たしたが,日本でのサービスは2025年3月に終了している。
そのIPを取得し,PCとスマホ向けに再始動させようとしているのがMasangsoftだ。同社はPCオンラインゲームを主に手がけてきた会社で,キャラクター収集型RPG,いわゆるサブカルチャー系のタイトルは今回が初挑戦となる。
サ終した「キングスレイド」をもう一度。エースオンラインで縁があった,韓国・釜山のMasangsoftと出会った[G-STAR 2025]
G-STAR 2025に,MasangsoftがPC版「キングスレイド」を出展していた。本作はもとはスマホゲームで,2025年3月にサービスを終了した別会社のタイトルだ。そこで同社がIPを取得し,復活に向けて準備中というステータスにある。
なぜサービスの終わったIPをわざわざ買ったのか。そして何を作り直しているのか。来日していたMasangsoftの副社長クォン・ドンヒョク(Donghyuk Kwon)氏に話を聞いた。
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4Gamer:
本日はよろしくお願いします。まずは,自己紹介をお願いできますか。
クォン氏:
「キングスレイド」の開発全般と,サービスの総括を担当しています。クォン・ドンヒョクです。
4Gamer:
「リバース」としての再始動には,最初から携わっているのでしょうか。
クォン氏:
はい,最初からすべて関わっています。
4Gamer:
ありがとうございます。プロジェクトの成り立ちからお話を聞きたいのですが,いつ頃から動いているんですか。
クォン氏:
IPを習得したのが,去年の2月か3月くらいです。そこから検討を始めて,今で1年半くらい経ちましたね。
4Gamer:
その買収のきっかけは何だったのでしょう。
クォン氏:
代表が,このIPの価値が高いという判断をして,買収することになりました。
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4Gamer:
なるほど。当時「キングスレイド」について,代表が何と言っていたか,覚えていますか。
クォン氏:
まず,成功したという実績があること。それが大きな理由の一つだと。それと,ゲーム自体の完成度は非常に高いのに,運営でちょっと残念に思うところがあった。
だから運営をちゃんと回したら,よくなるんじゃないか。そういう判断をしたという経緯です。
4Gamer:
Masangsoftは,PCのオンラインゲームを主に手がけているイメージですが,こういったキャラクター収集モノも,もともと手がける会社なんでしょうか。
クォン氏:
まず,弊社は非常に多くのタイトルを手がけているので,いろいろなゲームに対して経験が豊富だということがあります。
それと幸いに,今,社内の企画担当の方でサブカルチャーへの理解がすごく深い方がたくさんいらっしゃるんです。
実際に,「キングスレイド」がサービスされていたときに頑張ってプレイしていた方もたくさんいるので,そこに対しては自信があります。
4Gamer:
では会社としては,サブカルチャーというジャンルは今回が初挑戦だと考えていいですか。
クォン氏:
そうですね。弊社自体は初めてです。
4Gamer:
割と今までと路線が違うじゃないですか。代表に「これを買う」と言われたとき,率直にどう思いましたか。
クォン氏:
正直,このゲームを買おうと思ったときに見てみたら,ストーリーがすごく膨大で。大丈夫かな,と思いました。
しかし,先ほど申し上げたとおり,社内にこのゲームが好きな社員がたくさんいたので,自信を持ってできるんじゃないかなという考えも同時にあり,楽しみにしています。
4Gamer:
買うとなった時点で,社内にもう「行けそう」という手応えがあってから買った,という感じですか。
クォン氏:
もともとIPをたくさんサービスする会社なので,全部のリアクションがいいわけではないんですけれど,「キングスレイド」に関しては,皆さん,かなり期待が高かったです。「いいじゃん」という。
4Gamer:
クォンさん自身は,Masangsoftでどういったタイトルに携わってこられたんですか。
クォン氏:
最初は,飛行機のシューティングゲームに携わりました。その後は,MMORPGを2つくらい手がけました。
4Gamer:
社内にサブカルチャーに強いスタッフがいるといっても,クォンさん自身はそこまで詳しいわけではないと思うんです。その方たちから教えてもらったことで,何か気づきや,いいアドバイスはありましたか。
クォン氏:
私は細かい企画まで深く関与してはいなくて,大きな枠で方向性を設定しています。細部は社員の意見を聞いていて,「私がこうしよう」というほど得意なわけではないんです。
だからアドバイスをもらうというよりは,社内にサブカルチャーに明るい企画者が多いので,大きい方向性をちゃんと作ったり,社内の企画のなかで意見の食い違いがあったらそこを調整する,という役割です。
私自身はサブカルチャーにもともと詳しかったわけではないので,そこに強みがある会社の力を生かす役割を担当しています。
4Gamer:
そもそも「キングスレイド」は,韓国ではどれくらい人気があったのでしょう。買収する前の時点での手応えというか。
クォン氏:
私はサブカルチャーゲームをあまりプレイしていない人間ですが,それでも目に留まっていたくらいのレベルです。
以前の開発会社であるVespaは,「キングスレイド」のおかげで上場までしています。かなり流行ったタイトルです。
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4Gamer:
私自身も,広告で見て「触ってみよう」と思った記憶が残っているんですよね。それくらい露出が多かった印象があります。
ちょっと答えるのが難しいと思うのですが……あえてうかがいますが,「もっとうまくやったらよかったのに」と思った部分は,実際どういうところだったんですか。
クォン氏:
他社の話なので(笑)。
4Gamer:
ですよね……。では,MasangsoftとしてはこのIPをどう育てたいのか,という話をうかがえますか。
クォン氏:
その部分は内容がいろいろあるので,長く説明してもいいですか。準備した資料があるので,見ながら話しても。13ページくらいあるんですけど(急遽資料を翻訳機にかけて見せてくれた)。
大きく3つの方向があります。取り戻す「RESTORE」,加える「ENHANCE」,再び築く「REBUILD」です。
まず1つ目ですが,「キングスレイド」には通称「Doomsday」と呼ばれる大規模な更新が行われた時期があるんです。
それ以前のデータは残っていないんですけれど,当時のプレイ感覚を戻したいということで,バランスを今調整しています。最新の状態よりも,そのときのバランスがよかったという判断をしているので,一番良かった時代に合わせてバランシングをしています。
4Gamer:
すべての英雄を,ということですか。
クォン氏:
はい,すべての英雄,ヒーローたちを今バランシングしています。過去のデータをそのまま戻すのではなく,全面的に再調整しているということです。
最終版のバランスは,どちらかというと人気があるキャラクターに寄っていたんです。一部の英雄に偏っていたので,そうではなく,全部のキャラクターがそれぞれの役割と個性を発揮できるようなバランシングにしています。
4Gamer:
ライブサービスのゲームは,どんどんキャラクターを追加していくじゃないですか。今回は逆に,買った時点でいきなり102体いるわけですよね。これは調整が難しくないんですか。
クォン氏:
そうですね。そのせいで今,時間がかかっています。
4Gamer:
つまり,当初の「キングスレイド」を目指すというよりは,新しく102体いる前提のバランスを目指したいということですか。
クォン氏:
はい,102体すべてのバランスを取った形の「キングスレイド」を作ろうとしています。
もちろん,最初のローンチのときは31体だけなんですけど,2週単位でどんどんキャラクターを増やしていくので。
ダメージのインフレ感も含めて,豪快で爽快な戦闘テンポを再現したいと思っています。華麗なスキル演出と,強い打撃感ですね。
さて,2つ目の「ENHANCE」はフルボイス化です。前のバージョンは一部のボイスしか入れていなくて,今回はストーリーを全部フルボイスにします。
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4Gamer:
ストーリーを全部ですか。
クォン氏:
全部です。日本語版の収録制作も進めています。あわせて,メインストーリーの核心シーン向けに,新規のシネマティック映像も作っています。
声優さんは,同じキャスティングです。ボイスもシネマティックもパワーアップします。
4Gamer:
グラフィックスのほうはどうでしょう。
クォン氏:
プレイヤーは,英雄のデザインが変わる部分にすごく敏感なんですよ。なので,できるだけ英雄を元の状態のまま保ちつつ。
ただし,昔のグラフィックスエンジンなので,それを今,最新にするという作業を続けています。
記憶している英雄はそのままに,彼らを見せる技術だけを新しくする,という考え方です。
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4Gamer:
エンジンは何を使われているんですか。
クォン氏:
Unityです。Unityも今すごく進化しているので,シェーダーや影のところを最新のものに直す作業をしています。
ライティングや質感の表現を改善して,トゥーンシェーディングをより自然にしています。
4Gamer:
BM(ビジネスモデル)についてはいかがですか。
クォン氏:
3つ目の「REBUILD」がそこです。昔の「キングスレイド」も,BMがちょっと厳しいところがあったんですが,基本的に今回は,そんなに負担なく購入できる形で作ろうとしています。
合理的な課金構造を作りたいと考えています。
4Gamer:
仕組み的な部分は,まだ考え中というところですか。
クォン氏:
80〜90%くらいはもう決まっています。
4Gamer:
それはガチャ的なものなのか,それともプレイを繰り返すものなのか,どちらでしょう。
クォン氏:
ガチャではありません。英雄の宿を訪れて,偶然の出会いから交流して,会話を通じて親密度を上げていく。積み重ねた親密度で英雄を迎え入れる,という形です。
キャラクター収集を,単なる購入ではなくゲームプレイ体験に転換しました。欲しい英雄を直接選んで確実に獲得でき,確率型アイテムに依存しない。
育成の楽しさに集中してもらう,合理的で予測できるBMを目指しています。基本的に課金が必要ない構造です。
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4Gamer:
では課金は,キャラクター収集を早くするものとか,スキンのようなものになりますか。
クォン氏:
ブースターや衣装も含めて,成長に必要な財貨ですね。あとは英雄専用の武器やアクセサリーがあるので,そこをセットにしてパッケージで販売したり。
成長に必要なアイテムを課金要素として用意する予定です。
4Gamer:
キャラクター収集型のゲームは基本ガチャが多いじゃないですか。期間限定のバナーごとにガチャがあって,盛り上がりを作れるという部分もあると思うんです。「キングスレイド」はどういうふうに盛り上がりを作っていこうと。
クォン氏:
期間限定は基本的に,新しいタイトルで新しいキャラクターを作る時のパターンだと思うんです。
今回の「キングスレイド」に関しては,昔からずっと作ってきたキャラクターがすでにいるので,期間限定というよりは今持っているコンテンツを紹介するだけでも,少なくとも6か月はかかるんです。
だから期間限定のようなものではなくても,どんどん追加するストーリーやキャラクターで盛り上げられる,という話です。
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4Gamer:
本作ならではの作り方ですね。
クォン氏:
英雄の獲得自体がストレスになることもあると思うので,ローンチのタイミングだけは,31体すべてをすぐに集められるようにパックを用意しようと思います。
価格については社内で調整して,プレイヤーさんの負担にならない金額にする予定です。
4Gamer:
そのほかに,元のゲームから変えている部分はありますか。
クォン氏:
内部的なシステムですね。9年前くらいのゲームなので,そこは今調整しています。派遣システムを正常化して,オフラインでのプレイを完全にサポートするようにします。
PvPコンテンツのリーグ運営は,これまでの性能面の報酬から,完全な名誉報酬に転換して,平等な環境を作ります。
あとは,過去に追加されたのち削除されたレイダー機能を,ガチャBMのないコンテンツとして改編したうえで再実装します。
4Gamer:
装備まわりはどうですか。
クォン氏:
装備も不便なところがあったので,そこは改善しています。既存の装備が無駄にならないようにする予定です。それ以外にも,不合理なコンテンツを完全に再開発するレベルで改編しています。
昔から「キングスレイド」をすごく愛してくれていたプレイヤーさんと,今一緒に内容を検証しているところで,バランス調整やシステムの改善を進めている最中です。
Discordに寄せていただいた意見をもとに,開発チームが数多くのコンテンツを再調整しています。
4Gamer:
CBTを何回かやられていますけど,実際どういった意見が多いですか。
クォン氏:
実は,公表している回数より非公開でテストした回数が多いんです。内容については,まだ公表していないことなんです。テストしたプレイヤーさんと,社内しか知らないので。
話したいこともいっぱいあるんですけど。
4Gamer:
では,しかるべきときが来たら改めて。(資料を見ながら)今ちらっと下に見えているのは,開発期間ですか。2年かかったと。
クォン氏:
そうです。既存の開発陣が合流しない状態で,新しいチームが開発を始めたんです。
限られた形で残っていた開発資料とプロジェクトのデータを直接発掘するところから始めて,過去のデータを現在の開発システムに合わせて再構築しました。
そのうえで,今後のアップデートができる長期サービスの基盤を整えています。
私たちが準備したのは,過去の「キングスレイド」をもう一度作ることではなく,これからも作り続けられる「キングスレイド」です。
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4Gamer:
開発の進捗をお聞きしたいです。ライブサービスで作り続けるゲームだと思うんですけど,リリースできるまであと何割くらい,という手応えはありますか。
クォン氏:
一部はライブサービスのなかで進めていくことになりますが,現状で言うと,残りはボイス収録とシネマティックシーンの制作くらいです。作業自体は10月には終わるかなと。今は内部的にチェックしている最中です。
4Gamer:
そこまで見えているということは,非公開テストも調整も,わりと終わっていると。
クォン氏:
最終チェックがどうなるかによって変わってくるところはありますね。それと,正式リリースのときは6.5章まで公開するんですけど,今のテスト自体では,すべてのキャラクターとすべてのストーリー,全チャプターを対象にしています。
4Gamer:
すべてのコンテンツを。ちなみに今回のTGSブースは,基本的にお写真が撮れるエリアじゃないですか。試遊台を置かなかった理由はあるんですか。
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クォン氏:
すでに一度リリースされたゲームですし,先ほども言ったとおり,前にかなり流行ったタイトルなので,プレイしたことがある方が多いんです。
今回の目的としては,「新しく出ますよ」ということをもっと多くの皆さんに知らせる話題性やバイラルを作ることなので,こういう企画にしました。
4Gamer:
ある意味ほかの出展企業と真逆ですね。プレイの中身はもう知ってもらっているから,という。
さて,今回「リバース」を付けた意味はあるのでしょうか。
クォン氏:
もちろんあるんですけど,これは副社長の私が説明するより,企画した人が説明したほうがもっとちゃんと伝わると思うので,次に企画側が出たときにしたほうがいいかなと思います。
4Gamer:
詳しくはまたの機会に。ただ,RE+BIRTHで「生まれ変わる」かと思ったら,ちょっとスペルが違ったので,概要だけでも教えてもらえないでしょうか。
「キングスレイド」が「キングスレイド リバース(RE:VERSE)」として復活。原作声優陣が多数続投,メインストーリーは日本語フルボイスに【PR】
Masangsoftは本日,サービス再開に向けて開発中のキャラクター収集型RPG「キングスレイド」の正式タイトルを「キングスレイド リバース(RE:VERSE)」に決定したと発表した。原作の日本語版声優陣の多くが続投し,メインストーリーを日本語フルボイス化する。TGS 2026への単独出展も決定している。
クォン氏:
新しく生まれ変わるという意味もあるのですが,今回の英語のスペルはRE+VERSEなので,「ひっくり返す」という意味も入っているんです。
そういういろんな意味が込められている,ということをまず理解していただければと。下手に説明したら,企画が「ちょっと違うよ」と思うかもしれないので,一旦そのくらいで。
4Gamer:
ありがとうございます(笑)。今後のスケジュールはいかがでしょう。
クォン氏:
準備は今年で終わるんですけど,最後の判断は私ではなく代表がするので。そこは私も何とも言えないところがあります。
4Gamer:
作品をどう売り出していくか,プロモーションの戦略もありますからね。本日はありがとうございました。


















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