男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ：第629回「人の印象に残るのは意表を突かれた記憶」

著者近影

　どうも。先日行われた秋山 準との試合が「週刊プロレス」の表紙になった男色ディーノ43歳です。
　なかなか人生で雑誌の表紙になれることはないんでね。そして表紙を飾ることで私本人というよりは周囲が喜んでくれたみたいだから，そういう意味では私も嬉しい限りです。一つの点を除いては。

　普通，こういう表紙になった場合って，本人に渡される気がするのよね。会社からとか，週刊プロレスの発行元であるベースボール・マガジン社からとか。週刊プロレスの編集部は会社に送ったのに会社が私に渡してくれていないのか，そもそも週刊プロレスが私には送ってくれていないのか，そこら辺の細かいことは分からないけども。私の元には届いていない。
　その代わり（？），会社からはこっぴどくお説教をいただいたわ。理由としては，ちょっとまあ一肌脱ぎ過ぎたからなんだけれども。どう表現すればいいかな，アキラめないで100％の戦いを見せたからと言えば伝わるかしら。
　試合を中継したプロレス専門チャンネルと会場の後楽園ホールから会社がお叱りを受けて，それが私に下りてきたの。まさか44歳を目前にここまでこっぴどく叱られようとは。11歳の頃の自分に「4倍生きていても，まだシャレにならんくらい怒られるよ君は」と伝えてあげたい。ついでに言うと「でもそのまま育っていいよ」とも。
　まあ，そんな雰囲気だから怒れる会社に対して「週プロください」なんて言えないよね。したがって，私，自分が表紙を飾った週プロを読んでいない。週刊プロレスはその名のとおり週刊誌だから，もう今の時点では手に入れようがないのよ。というわけで，おかげさまで表紙にはなったけどもあまりピンとこないという近況報告でございました。まあ，私がメインイベントでシングルのタイトルマッチに挑むことなんて，非常に珍しいから表紙になれたという面もあるでしょうね。
　そういえば私が学生の頃から語られている理論があるわ。すなわちこれ“ヤンキー子犬理論”。意味としては，普段から優しい人よりもヤンキーが子犬を世話してやったほうが，好感度が高くなるってやつ。今の世の中，不良少年を意味するヤンキーなる人をあんまり見かけないから，この理論自体が最近も使われているかどうか分からないんだけれども。
　これって，要するに“とくに期待していなかったものが意外な結果を生むと，よりインパクトが大きい”ってことだと思うのよ。そんなもん，たまにしか優しさを見せない人よりも普段から優しい（優しさにも種類があるって点は今は無視して）人のほうが，優しさの総量では上のはずなのよ。
　私としては，いつも優しい人のほうが報われてる世の中であってほしい。でも，人の印象に残るのは意表を突かれた記憶のほうなのね。だから，不良だと思い込んでいた少年が思いがけない優しさを見せると“実はいいヤツ”という称号を手に入れられるし，普段はケツ出してばっかりの43歳ゲイレスラーがたまにタイトルマッチを戦ったら専門誌の表紙にもなれる。

　……てなわけで，今週紹介するのは「フィッシング ファイターズ」です。いやね，このタイトルには意表を突かれたわ。失礼な話だけど，正直そこまで期待していなかったのよ。私が釣りゲイムの作業感が好きだから手を出してしまっただけで。でも，思っていたよりも面白かった。ここがミソ。
　このゲイムの面白さをなんて表現すればいいんだろう。すごく難しいのよね。ぶっちゃけ，このゲイムでないと味わえない点なんて，

（1）8人まで同時に遊べる釣りゲイムってこと
（2）Joy-Conで実際に釣りをしているような操作を楽しめること　

ぐらいだと思うの。でも私は当然そんなに友達がいないし，Nintendo Switch Liteで遊んでいてJoy-Conは使っていない。であるからして，こと私に対しては上記が売りにはならないのよね。でも，なぜだか面白い。不思議だわぁ。


　そうは言っても仕事だから無理やり私が分析するに，釣りゲイムとしてのアベレージが高いからじゃないかしら。プレイしていてストレスがない。ゲイム内で次にヤるべき目標が明確。釣り具を徐々に充実させることで自分の成長が実感できる。魚によって食いつき方が違う。釣れる魚の種類が豊富……といった，釣りゲイムにはよくある要素にこそ手抜きがない。だから面白いのかなって。
　作業ゲイムとしてプレイしていても面白いし，しっかり目的を持ってプレイしても面白い。いや，いい意味で裏切られたわ。もちろんまごうことなき釣りゲイムなんで，そもそも釣りゲイムに興味がない人にはさすがにオススメはできないけど。
　過去に釣りゲイムをプレイして面白かった経験がある人とか，ゲイム内ミニゲイムとしての釣りについついハマりがちな人は、プレイしてもいいんじゃないかしらね。もちろん，そういう経験がなくても興味があるならば楽しめると思うよ。ノーマーク（失礼）であるからこそ面白い。そういうゲイムです。


　てなわけで今週は，当たり前のように面白いこともすごいけど，意表を突かれると思いがけず印象に残るよねってお話でした。
　フィッシング ファイターズは釣りゲイムとして当たり前の部分が面白いうえに，実際にプレイしたら期待を大幅とは言わないまでもそれなりに上回ってくる良ゲイムだと私は感じたわ。いつか，8人プレイもしてみたい。友達が8人必要というハードルの高さがネックだけどね。
　これからもいい意味で意表を突かれる人生だといいなぁって思った今週でした。ではまた来週。

今週のハマりゲイム
PlayStation 4：「eFootball ウイニングイレブン 2021 SEASON UPDATE」「Zombie Army 4:Dead War」
Nintendo Switch：「フィッシング ファイターズ」
iOS：「龍が如く ONLINE」
iOS：「今三国志」
iOS：「ウイニングイレブン カードコレクション」

■■男色ディーノ（プロレスラー）■■ ディーノ選手が所属するDDTプロレスは，今週末の4月25日に長野・長野市芸術館アクトスペース大会「MAX BUMP 2021 TOUR in NAGANO」を開催します。ディーノ選手は「DDT長野営業部長・大鷲 透（フリー）地元凱旋！『鷲関と愉快な仲間たち Part8』」という試合に，アントーニオ本多選手＆納谷幸男選手とのタッグで出場し，大鷲 透選手＆彰人選手＆平田一喜選手と対戦します。また，4月28日にはJAIST地域共創スクールで講演を行い，セミナー講師としてデビューするとのこと。「大鷲さんも講演もぶっつぶす」そうです。