ミュージック フロム ゲームワールド：Track 19

　この連載も今回で19回めということで，なんとなく昔活動していた19（ジューク）というユニットを思い出してしまいましたが，皆様はいかがお過ごしでしょうか。アルバムは持っていませんでしたが，何曲か好きな曲がありました。メーヴェは，今でもくもり空をわってるんでしょうか。

　さて，お盆も真っ最中の今日この頃，扇風機を回して縁側で涼みながら昼寝するのもいいものですが，音楽好きならそんな時でもお気に入りのゲームミュージックを聴いていたいところ。
　そこでオススメしたいのが，「planetarian 〜ちいさなほしのゆめ〜」のサントラ「planetarian Original SoundTrack」。ささやくように鳴る上品なサウンドとメロディが，心地よい眠りを誘ってくれる1枚です。しっかり睡眠を取って，夏を乗り切りたいですね。
　ということで，今週も「ミュージック フロム ゲームワールド」，いってみましょう！

セピア色の明治浪漫風オーケストラサウンド

「大逆転裁判 -成歩堂龍ノ介の冒險- 劇伴音樂大全集」

タイトル	大逆転裁判 -成歩堂龍ノ介の冒險- 劇伴音樂大全集	→Amazon.co.jpで購入
発売日	2015年7月15日
価格	3000円（税抜）
発売元	カプコン・セルピュータ
コピーライト	（C）CAPCOM CO., LTD. 2015 ALL RIGHTS RESERVED.

　アドベンチャーゲームファンに愛され続ける「逆転裁判」シリーズの最新作「大逆転裁判 −成歩堂龍ノ介の冒險−」が2015年7月9日に発売され，続いて7月15日には待望のサントラもリリースされました。ゲームとサントラ，どちらも待っていたという人は多いのではないでしょうか。ということで，今週1枚めは「大逆転裁判 -成歩堂龍ノ介の冒險- 劇伴音樂大全集」を紹介します！

　作曲は，カプコンサウンドチームの北川保昌氏と前馬宏充氏の2人。北川氏は「レイトン教授VS逆転裁判」でミステリアスなサウンドを，前馬氏は「戦国BASARA4」でカッコいい本格和風クラシックサウンドを聴かせてくれましたが，その手腕は本作でも十分に発揮されています。ゲームの舞台が19世紀末の日本と倫敦に変わりましたが，音楽もその世界観に合わせるように，セピア色の風景が似合う明治浪漫風オーケストラサウンドに仕上がっています。

　オープニングを飾るのは，ノスタルジックなバイオリンの旋律によって聴き手を明治時代にタイムスリップさせてくれる「成歩堂龍ノ介 〜冒險の序曲」。9曲めの「亜双義一真 〜使命のサムライ」では和楽器によるアンサンブルが，美しい日本の風景を映し出し，12曲めの「大尋問 〜アレグロ」は，迷いと不安を覗かせながらも加速していく展開がとてもスリリングです。
　そして，20曲めの「御琴羽寿沙都 〜新世界に咲く花」は，女性の可愛らしさを演出する花びらの舞いが目に浮かぶような素敵な1曲。ついつい何度もリピートして聴きたくなります。

　ちなみに，9月12日から愛知県の「博物館明治村」にて，リアル脱出ゲーム｢大逆転裁判『容疑者 夏目漱石 失踪事件〜吾輩は無罪である〜』」が開催されます（関連記事）。明治時代の雰囲気を再現した明治村で，このサントラを聴きながらイベントを楽しむのは最高にオツなのものかもしれませんよ。

イーカプコン「大逆転裁判 -成歩堂龍ノ介の冒險- 劇伴音樂大全集」

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目黒将司氏が手掛けたハードで美しい新楽曲を追加収録

「デビルサバイバー2 ブレイクレコード オリジナル・サウンドトラック」

タイトル	デビルサバイバー2 ブレイクレコード オリジナル・サウンドトラック	→Amazon.co.jpで購入
発売日	2015年7月22日
価格	3500円（税込）
発売元	Mastard Records
コピーライト	（C）ATLUS （C）SEGA All rights reserved.

　「女神異聞録デビルサバイバー」の続編として2011年にリリースされ，2013年にはTVアニメにもなった人気作「デビルサバイバー2」。その「デビルサバイバー2」本編と，新ストーリー「トリアングルム」編の2本が収録されパワーアップした「デビルサバイバー2 ブレイクレコード」が2015年1月にリリースされました。

　伊藤賢治氏とアトラスサウンドチームが手掛けた「デビルサバイバー2」の音楽はプレイヤーからの評価も高く，新作の「ブレイクレコード」で追加された楽曲にも注目が集まりましたが，その新曲7曲とボーナストラック1曲を追加収録した2枚組サウンドトラックが，装いも新たに登場しました。ということで今週の2枚めは「デビルサバイバー2 ブレイクレコード オリジナル・サウンドトラック」を紹介します！

　「ブレイクレコード」で新規に追加された曲は，「ペルソナ」シリーズや「デビルサマナー」シリーズの音楽を手掛け，アトラスのサウンドコンポーザーとしてトップクラスの人気を誇る目黒将司氏が担当。オリジナル版の雰囲気をしっかりと引き継ぎつつ，目黒氏らしさも感じられる楽曲で構成されています。

　DISC1の冒頭を飾る「廻る世界」では，主人公の声を担当する神谷浩史さんによる，正義感と未熟さが絡み合う，勢いのあるボーカルがハードな演奏に乗って飛び出し，短いながらもゲームの世界観に一気に誘ってくれます。
　3曲めの「トリアングルム」は，ギターのディストーションサウンドを聴かせてくれる，これぞ目黒節とでもいうべきサウンドが炸裂するヘヴィなインストロックチューンです。サントラでは，この曲の別アレンジバージョンがボーナストラックとして収録されているので，聴き比べてみるのも楽しみ方の1つ。そして美しいピアノソロが印象的な7曲めの「Grand Finale」は，心地よく癒される仕上がりです。

　さらに，DISC2には2011年にリリースされた「デビルサバイバー2 オリジナル・サウンドトラック」を丸ごと収録！　前作のサントラを入手できずにいた人や，「ブレイクレコード」からのファンにとっては文句なしの仕様です。目黒将司氏のファンも，この機会にぜひ聴いてみてください！

デビルサバイバーシリーズ公式ブログ

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■■風のイオナ■■ マーベルランドで産まれ，フェアリーランドで育ち，モタビア星に単独移住して現在に至るゲーム＆ゲーム音楽好き。ほかの趣味は邦楽インディーロック追跡，突発自転車旅行，広島東洋カープの応援など。ゲーム音楽好きが高じて本連載のほかに「ゲームサイド」シリーズ誌でゲーム音楽コーナー「撃音！」「激音！」「劇音！」の連載，ニコニコ生放送公式CHのクラリスチャンネルでゲーム音楽番組「Fami on♪」のプロデュース＆パーソナリティを担当。さらにゲーム音楽レーベル・クラリスディスクではスーパーバイザーも担当。今年の目標はWii Uを購入すること（3年連続3回目）。