ハロー！Steam広場 第292回：圧倒的な火力でクモを叩き潰すアクションゲーム「Kill It With Fire: HEATWAVE」

「すちーむ」ってなぁに？というよい子のみんな集まれー！　「ハロー！ Steam広場」は，PCゲームのダウンロード販売サイトSteamで公開されている気になるタイトルを，筆者が独断と偏見でピックアップして紹介する，とっても有意義なコーナーだ。毎週欠かさずチェックすれば，鼻をほじりながらでも真空波動拳が撃てる上級Steamerにジョブチェンジできるかも。

　今回紹介する「Kill It With Fire: HEATWAVE」は，クモ専門の害虫駆除業者（※）となったプレイヤーが，ありとあらゆる手段を使って部屋にいるクモを退治していくアクションゲームだ。開発を手掛けるのは，アメリカ・テキサス州のオースティンに拠点を構えるインディーズ系デベロッパCasey Donnellanで，「Hello Neighbor」でおなじみのtinyBuildがパブリッシングを行っている。

※本作デベロッパの所在地であるテキサス州には，ブラック・ウィドウなどの危険な毒グモが生息しており，ゲーム設定的にもこういう表現となるが，日本では実際に家の中に出るクモの大半は害虫ではなく，害虫を殺す益虫である。

4Gamer公式キュレーター

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圧倒的な火力でクモを叩き潰すアクションゲーム「Kill It With Fire: HEATWAVE」

　それは，とある昼下がりの午後。自室でテレビを見ながらくつろいでいた私の目の前に，こぶし大のクモが現れた。すぐに隣の部屋に避難し，害虫駆除業者に連絡を入れる。「あとは任せてください」。そういうと彼は，私の部屋の家具を蹴り飛ばし，引き出しという引き出しを開け，逃げ回るクモに私の本を投げつけ，銃をぶっ放し，しまいには部屋ごと燃やしてしまった。そして彼は，満足げな顔をしてこう言い放った。「またのご利用をお待ちしております」。


　今回紹介する「Kill It With Fire: HEATWAVE」は，アメリカのインディーズ系デベロッパCasey Donnellanが手掛ける一人称視点のアクションゲームだ。プレイヤーは，クモ専門の害虫駆除業者となり，部屋に隠れ潜むクモを見つけて退治していく――――のだが，その手段が銃に爆弾に火炎放射器と，かなりやりたい放題。これには依頼主も泣きっ面に蜂といった感じである。蜂は出てこないけど。


　ゲームをスタートするとToDoリストを渡されて，さっそくクモ退治が始まる。クモは，タンスの引き出しの中だったり，クッションの裏だったりと，基本的に部屋にあるオブジェクトに隠れ潜んでいるので，まずは奴らの居そうなところをしらみ潰しに探索していく。このゲームに登場するクモは「チュチュー」とネズミのような声で鳴くので，この声を頼りに探せば，意外と簡単に見つけられるだろう。


　スクリーンショットを見た感じは割とカジュアルな印象を受ける本作だが，アクション性は意外と高めだ。見つけた瞬間に叩き潰せばいいのだが，反応が遅れるとゴキブリ顔負けの速さで逃げ去ってしまうのだ。もちろんそれを追いかけ追撃することになるのだが，今度は機敏に動くクモに攻撃を当てなければならないため，AIM力が試される。


　クモを見つけて潰すのが本作の目的ではあるが，ゲームの醍醐味はむしろその「手段」の方にある。基本的に部屋にあるものは何でも使用でき，なかには「ショットガン」や「火炎放射器」や「手裏剣」といった，正真正銘の武器まで存在する。「クモは家の守り神」と教わる日本人からすると，やり過ぎのようにも思えるが，逃げ回るクモに手裏剣が命中したときの気持ちよさは確かだし，面倒だからと部屋ごと燃やしてしまうのも，なんとも言えない変な爽快感があって面白い。


　部屋にいるすべてのクモを退治するとミッションクリアとなり，スキルポイントがもらえる。このポイントを使えば，「物がより遠くに投げられる」といったパッシブスキルを習得でき，クモ退治もより効率的になっていくわけだ。
　ミッションの中には，「本を投げてクモを◯匹倒せ」といったサブ目標もあり，それをクリアするために同じステージを繰り返しプレイするといった楽しみ方もある。言葉にしてしまえば「ただクモを退治するだけ」のゲームだが，実際にプレイしてみると，なかなかにやり込める作品に仕上がっているのだ。


　そんな本作は2020年8月14日に発売予定となっており，発売日まではスペシャルプロモーションとして10％オフの1368円で購入できる。今回取り上げた「Kill It With Fire: HEATWAVE」はデモ版という位置付けだが，本作を理解するのには十分なボリュームになっているので，興味のある人はぜひ遊んでみてほしい。