「すちーむ」ってなぁに?というよい子のみんな集まれー! 「ハロー! Steam広場」は,PCゲームのダウンロード販売サイトSteamで公開されている気になるタイトルを,筆者が独断と偏見でピックアップして紹介する,とっても有意義なコーナーだ。欠かさずチェックすれば,女子シムだけのシェアハウスを神視点で一日中眺めている上級Steamerにジョブチェンジできるかも。
アーリーアクセスとは,開発途中のゲームを購入して,デバッガー兼プレイヤーとして参加できる,Steamの販売形態の1つだ。今回はアメリカのデベロッパ,D20Studiosが手がける
「Summoners Fate」を紹介しよう。
本作は,ファミコン時代の
「ゼルダの伝説」のようなエリア切り替え式のフィールドを探索して,敵と戦ったり,イベントを進めたりしていくRPGだ。
戦闘ではカードを使ってモンスターを召喚したり,魔法を放ったりといったTCG的な要素が組み込まれており,戦いに勝利すると新しいカードが入手できる。プレイヤーは,そうやって手に入れたカードでデッキを強化しながら探索範囲をどんどん広げ,ステージクリアを目指すのだ。
探索を効率よく進めるためにも,マップをこまめに確認しよう。シンボル付きの強敵は後回しにして,まずは周囲のエリアで準備を整えるのがオススメ
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戦闘は,ターン制のシミュレーションゲームのような移動ルールが採用されており,敵を挟んで連携攻撃をしたり,ノックバックで位置をずらしたりと,戦略の幅も広い。カードゲームが軸になっている関係上,運に左右される部分もあるが,ある程度はプレイヤーの腕でカバーできる印象だ。戦闘時はリプレイ(アンドゥ)機能も利用でき,自分のターン中であれば一手ごとに操作をやり直せるので,試行錯誤しやすいのもポイントのひとつ。
味方ユニットで敵を挟んだり,味方の位置までノックバックさせたりするとコンボが発生する。非常に強力なので,うまく狙っていきたいところ
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魔法カードは形勢逆転の一手になり得るがコストが重め
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基本的には味方をうまく使って戦うゲームなので,仲間はなるべく増やしていきたい。仲間はカードで召喚するモンスターだけでなく,イベントで加入してくれる忠臣や,永続的に配下として活躍してくれるガーディアンなど,種類が豊富に用意されている。とくに頼りになるのはガーディアンだが,同時に2体までしか使役できないので誰を使うかは悩みどころ。
誰を仲間にできるかで,道中の難度も変わってくる。ステータスが高い方が当然有利だが,相性などもあるので数値どおりに活躍してくれないことも
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また,デッキを組む上では召喚カードと魔法カードのバランスも大事だ。仲間が少ないと自陣が無防備になってしまうが,逆に魔法が少ないと攻撃や回復手段が減ってしまうという,うまいジレンマができている。ゲーム開始時に選ぶ,ドルイドや火炎術師といった職業との相性もあるので,シナジーを考えながら自分なりの頼もしいデッキを組んでいきたい。
弱い敵ばかりなので楽勝……と思っていたら,敵も次々カードを繰り出してきて,えらい目に遭った場面
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召喚士の種類は,一定の条件を満たすと徐々にアンロックされていく。魔法使い然としたキャラが多いが,近距離攻撃しかできないタイプも存在する
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個人的に面白く感じたのは“イベント”だ。イベントはTRPG風になっており,ほとんどの行動の可否がダイスロールで決定される。いかにもRPGらしい「ピンチのキャラを助ける」なんてシチュエーションも多いが,ダイスロールに失敗すると仲間になるどころか敵に回ったりと,けっこう世知辛い。
そのため,「ここぞ!」というときは,ダイスを追加して良い出目を狙いたい。ダイス自体は戦利品として入手できるほか,フィールドに落ちていたりもする。
キャンプ場ではライフの回復や味方の編成ができる
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また,本作の世界観もなかなかに印象的だ。例えば職業の1つであるドルイドの攻撃方法が「リス投げ」(文字通り,動物のリスを投げる)だったり,デッキをカスタマイズする設備が宇宙ガメと呼ばれる大きい亀の甲羅に設置されていたりと,妙にユーモラスなのだ。
ドルイドの攻撃方法はリス投げ。冗談のようだが投げたリスは味方にもなり,使い勝手は悪くない
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「バトル」という対戦モードもあり,編成済みのチームで短時間の腕試しができる
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とはいえ,ゲームとしてはかなり骨太で,筆者がプレイした限りチュートリアルモードをクリアした程度の理解度では,一番簡単なノービスでもけっこう難しく感じた。デッキの構成やユニットの動かし方,キャラの連携やシナジーなど,理解するべきことが多く,かなり奥深い作品なので,とくにデッキ構築ゲームが好きな人にオススメしたい一本だ。