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AMD,エントリー向けCPU「Ryzen 3 3000」シリーズと「B550」チップセットの概要を公開
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印刷2020/05/07 22:00

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AMD,エントリー向けCPU「Ryzen 3 3000」シリーズと「B550」チップセットの概要を公開

画像集#002のサムネイル/AMD,エントリー向けCPU「Ryzen 3 3000」シリーズと「B550」チップセットの概要を公開
 去る2020年4月21日,AMDは,第3世代Ryzenのエントリー市場向けCPUとして,「Ryzen 3 3300X」「Ryzen 3 3100」の2製品と,「AMD B550」チップセットを発表した。ただ,発表時点では,Ryzen 3 3300X/3100が統合GPUを持たない4コア8スレッド対応の製品であることや,B550チップセットが,比較的安価な価格帯の製品向けでありながら,搭載マザーボードがPCI Express(以下,PCIe) 4.0に対応すること程度しか明らかになっていなかった。

 これらの製品の詳細について,AMDがより踏み込んだ内容を明らかにしたので,簡単にまとめておきたい。なお,Ryzen 3 3300X/3100の国内向けメーカー想定売価は順に,1万3980円(税込1万5378円),1万1980円(税込1万3178円)となっている。発売日は,いずれも5月23日の予定だ。

Ryzen 3 3300XとRyzen 3 3100の主な特徴
画像集#005のサムネイル/AMD,エントリー向けCPU「Ryzen 3 3000」シリーズと「B550」チップセットの概要を公開


内部構成が異なるRyzen 3 3300XとRyzen 3 3100


 まずはおさらいを兼ねて,Ryzen 3 3300XとRyzen 3 3100の概要をまとめておこう。両製品は,以下のようなスペックのCPUだ。

  • Ryzen 3 3300X:4コア8スレッド対応,定格クロック3.8GHz,最大クロック4.3GHz,L2キャッシュ容量2MB,共有L3キャッシュ容量16MB,TDP 65W
  • Ryzen 3 3100:4コア8スレッド対応,定格クロック3.6GHz,最大クロック3.9GHz,L2キャッシュ容量2MB,共有L3キャッシュ容量16MB,TDP 65W

 スペックを見る限り,Ryzen 3 3300XとRyzen 3 3100の違いは動作クロックだけのように見える。だが,AMDによると,両CPUは内部構成が異なるそうだ。

 これもおさらいになるが,第3世代Ryzenは,7nmプロセスで製造される「CPU Complex Die」(以下,CCD)と,14nmプロセスを用いてメモリコントローラやPCIeのコントローラを実装したI/O Dieという2つのシリコンダイで構成されたCPUである(関連記事)。CCDの内部には,4基のCPUコアを束ねたCCX(CPU CompleX)が2基あるので,CCD 1基で最大8コア16スレッドのCPUが構成できるというのが第3世代Ryzenの特徴だった。

 そうなると,Ryzen 3 3300X/3100は4コア8スレッド仕様であるから,CCD中のCCX 1基を無効化したCPUと推測する人が多いだろうと思うが,この点が異なるそうだ。AMDによると,Ryzen 3 3300XはCCX 1基を無効化しているが,Ryzen 3 3100は,2基のCCXはそのままに,CCX内のCPUコアをそれぞれ2基ずつを無効化しているのだという。
 なお,CCX単位で設定されている共有L3キャッシュ容量は,どちらも合計16MBなのが面白いポイントだろう。

Ryzen 3 3300XとRyzen 3 3100の違いを記したスライド。左のRyzen 3 3100は,2基のCCX内はそのままで,CPUコア数が2基に減っている(=2基分を無効化)。一方,右のRyzen 3 3300Xは,CCXを1基を無効化した構成だ。なお,共有L3キャッシュ容量は,どちらも16MBである
画像集#003のサムネイル/AMD,エントリー向けCPU「Ryzen 3 3000」シリーズと「B550」チップセットの概要を公開

 このような構成の違いがあるので,性能面でも若干の違いが出てくるはずだ。つまり,Ryzen 3 3100では2基のCCXをまたがるデータのやり取りで遅延が大きくなるのに対して,Ryzen 3 3300XではCCXをまたがるやり取りがないので,遅延は小さくて済むことになる。
 ことゲームに関しては遅延がフレームレートを左右するので,Ryzen 3 3300Xのほうが有利になるはずだ。Ryzen 3 3300XとRyzen 3 3100にはこのような違いがあることを,ゲーマーも押さえておくべきだろう。


Core i5下位モデルやCore i3に対抗する

Ryzen 3 3300X/3100


 AMDは,両CPUの性能も明らかにしている。
 AMDによると,Ryzen 3 3300Xの競合CPUには,Intelの「Core i5-9600」(6C6T,定格クロック3.1GHz,最大クロック4.6GHz)を,Ryzen 3 3100の競合としては,「Core i3-9100」(4C4T,定格クロック3.6GHz,最大クロック4.2GHz)を想定しているそうだ。

第3世代Ryzenのラインアップと,AMDが競合と見なすIntel製CPUを記したスライド
画像集#004のサムネイル/AMD,エントリー向けCPU「Ryzen 3 3000」シリーズと「B550」チップセットの概要を公開

 AMDは,Ryzen 3 3300X/3100が,競合以上のマルチコア性能を有するのに加えて,ゲーム性能でも肩を並べるとアピールしている。とくに,ゲーム用PCをなるべく安く手に入れたいというゲーマーや,セカンドPCを組みたいゲーマーにとって,Ryzen 3 3300X/3100は面白い製品になりそうだ。

Core i5-9400を1としたとき,Ryzen 3 3300Xのゲーム性能を示したスライド。「Deus Ex: Mankind Divided」はやや苦手のようだが,ほとんどのタイトルで競合以上のフレームレートが得られるそうだ
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Core i3-9100を1としたとき,Ryzen 3 3100のゲーム性能を軽めのゲームタイトルで比較したグラフ。「League of Legends」のように,やや競合を下回るタイトルはあるものの,多くで競合以上のフレームレートが得られるという
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B550チップセットは“将来のZen 3”にも対応


 続いてはB550チップセットの詳細を見ていこう。
 発表時に明らかとなったとおり,B550は,PCIe Gen 4およびUSB 3.2 Gen 2と,デュアルGPU構成に対応するミドルクラス市場向けのチップセットである。注意が必要なのは,PCIe Gen 4に対応するのは,CPUに直接つながったPCIeインタフェースのみという点だ。チップセット以下のPCIeインタフェースは,PCIe Gen 3のままである。この点が,すべてのPCIeインタフェースがGen 4対応の上位モデル「AMD X570」チップセットとの大きな違いだ。

B550とB450,およびX570の違いを記したスライド。B550とX570は,CPU直下のPCIeインタフェースはPCIe Gen 4対応で,デュアルGPU構成も可能だ。一方,X570はチップセットから出るPCIeインタフェースもPCIe Gen 4対応であるのに対して,B550はPCIe Gen 3という違いがある。B450は,チップセットから出るPCIeインタフェースがGen 2までだったので,前世代と比べれば強化されている
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 これまでのミドルクラス市場向けチップセットであるB450搭載マザーボードだと,第3世代Ryzenが対応していたPCI Gen 4やUSB 3.2 Gen 2が利用できないのがネックだった。第3世代Ryzenの機能をフルに使えて,マザーボードのコストを抑えられるB550マザーボードの登場を歓迎するPCユーザーは少なくないだろう。

B550チップセットのブロック図。B550はCPUとのダウンリンクを含めてPCIe Gen 3だ。つまり,「第3世代Ryzen側の機能がフルに使えるようになったB450」といったチップセットである
画像集#009のサムネイル/AMD,エントリー向けCPU「Ryzen 3 3000」シリーズと「B550」チップセットの概要を公開

 別の観点から見ると,最上位モデルのX570チップセットは,チップセット側でもPCIe Gen 4に対応するために,空冷ファンを搭載するマザーボードがほとんどだ。だが,B550であれば,ダウンリンクを含めて従来どおりPCIe Gen 3のままなので,チップセットの空冷ファンがない製品でも不都合はなさそうに思える。この点も歓迎するPCユーザーは多いのではないだろうか。

 さらに,AMDによると,B550チップセットは将来登場する「Zen 3」アーキテクチャベースの次世代Ryzenにも対応ことを明らかにした。B550は将来性もあるので,広く利用されることになるのではなかろうか。

Zen 3ベースの次世代Ryzenは,X570とB550が対応の予定。それ以外のチップセットは,第3世代Ryzenまでとなるので,この点もB550を選ぶ大きな理由になりそうだ
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AMDのRyzen 3 3300X製品情報ページ

AMDのRyzen 3 3100製品情報ページ

  • 関連タイトル:

    Ryzen(Zen 2)

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