![]() |
「ブルーアーカイブ -Blue Archive-」(iOS / Android / PC)のキャラクターデザインで知られるYutokaMizu氏がアートディレクターを務め,ブルーアーカイブの韓国およびグローバルサービスを統括したチャ・ミンソ氏がプロデューサーに就く新作,「プロジェクトRX」である。
しかし,その後に出てきた公式情報が,これがまた驚くほど少ない。
2025年12月にわずか31秒のインゲームティザー映像が公開され,2026年6月に日本語公式Xアカウントが開設された。そして直近では,Anime Expo 2026に音声認識を使った体験型の“じゃんけんゲーム”が出展されて,それが全部だ。
2026年7月3日のAnime Expoで「タイトルは決定済み」(1単語を目指しているらしい)と説明はあったものの,まだ明かされていない。いま分かっているのは,Unreal Engine 5による3Dグラフィックスで,キャラクターとの“交流”を軸にした,“生活感”のある美少女サブカルチャーゲームだということくらいだ。
「ブルアカ」開発元の新作「プロジェクトRX」は,そろそろ見せられる段階に。Anime Expo 2026出張Vlogを公開
「ブルーアーカイブ」「プロジェクトRX」を手がけるIO本部は2026年7月13日,北米最大級の日本ポップカルチャーイベント「Anime Expo 2026」の出張Vlogを公開した。
その開発を担うのが,NEXON Gamesの中に2024年に新設された「IO本部」(IO DIVISION)だ。ブルーアーカイブのMXスタジオと,本作を手がけるRXスタジオを姉妹スタジオとして束ねる組織で,本部長はブルーアーカイブの生みの親であるキム・ヨンハ氏。スタジオがそれぞれ独立して動いてきたNEXON Gamesにおいて,スタジオの上位に“本部”という横のつながりを作ったこと自体が,同社としては異例のことだという。
なぜ美少女ゲームだけは,連続性のある組織が必要だったのか。ブルーアーカイブという巨大な成功のあとに作る新作は,何を引き継ぎ,何を捨てるのか。そしてそもそも「プロジェクトRX」とは,どんなゲームなのか。
今回は,そのキム・ヨンハ氏とチャ・ミンソ氏にじっくりと話を聞く機会を得た。あまりにも情報が少ないタイトルゆえ,「言っちゃいけないことばかりだから事前に質問を用意してほしい」と言われて準備はしたが,それは例によってほぼ機能しなかった。なにしろインタビューは,「ロングバージョンのティザーもありますよ。観ます?」というキム氏の一言で,未公開映像の上映会になだれ込んだのだ。
そこで飛び出したのは,日本で実施済みだったというFGT(フォーカス・グループ・テスト)の意外な結果,ブルーアーカイブのリリース時と比べて最終的に3倍規模に達するという開発体制,そして本作のコアを成すキーワード“生活感”をめぐる,抽象的なようでいて妙に具体的な議論だった。
学校・制服・銃という“成分”で出来ていたブルーアーカイブに対して,RXは何の成分で出来ているのか。“美少女ゲームの宇宙”という巨大なマップの中で,RXはどの領地を狙うのか。「先生」でないプレイヤーは,いったい何者なのか。
![]() |
核心に触れそうになるたびに「これ言っていいのかな」「どこまでがNGか分からなくなってきた」と頭を抱えつつ,それでも止まらない2人の話は,気づけば2時間ほど。
キム氏の言葉を借りるなら,本稿を読み終えた皆さんは「日本で一番RXに詳しい人」になるはずだ。情報が出そろうのを待つ前に,まずはこの座談会のような120分をお楽しみいただきたい。
なお本インタビューは,2026年3月にソウルで行われたものだが,諸々の事情で掲載がここまで伸びてしまった。3月時点での情報を元に話しているが,いまでは公開済み/判明済みの情報であっても,当時のままで書いてある。
しかしここまで伸びてしまったにも関わらず,本インタビューにはまだ初出情報が多い。9月の東京ゲームショウへの出展も決まっているので,そこも念頭に置きながら,ぜひ最後までお読みいただきたい。
![]() |
![]() |
キム氏:
事前に質問をいただいてますけど,これいつも通りならその通りには進まないですよね(笑)。
4Gamer:
うん,きっとならないですね(笑)。すみません。
とくにRXは,いまはティザーしかなくて情報がどこまで出してもらえるのか分からなかったですし。
キム氏:
そういう話であれば,ロングバージョンのティザーもありますよ。
チャ氏:
いやあれは公開したらまずいのでは?
キム氏:
記事にならなければいいし,きっと無理やり載せたりはしないでしょう!
4Gamer:
もちろんです!
チャ氏:
じゃあお見せしようかな……(と言いながらファイルを探してくれている)。
4Gamer:
5分くらいあるんですか?
キム氏:
(日本語で)いや3分です。
(チャさんのPCの画面を見ながら)
キム氏:
これだっけ? いやいやこれはダメなやつ(笑)。
4Gamer:
ダメなやつを見せてくれてもいいですよ。
チャ氏:
これは? これならいいですよね。
キム氏:
僕が責任取りますよ,OK。
※以降,見せてもらった動画から撮影したものは,本文中にもあるが筆者が見た時点ですでにやや古いものだ。とくにUIなどの部分は「この時点からも大きく変わっている」との連絡をもらっているので,そのつもりで見てほしい。
![]() |
4Gamer:
写真撮ってもいいですか?
チャ氏:
既にYouTubeで公開されている部分もあって,そこなら全然問題ないんですが,それじゃ面白くないですよね。
4Gamer:
まぁ正直そうですね……。
キム氏:
では記事プレビューの段階で,見せたらいけない画面を弾きますよ。
チャ氏:
これは,2025年9月までの作業分が入っている動画です。9月に日本でFGT(フォーカス・グループ・テスト)をやりましたが,そこまでの作業分が入っている動画になります。
ブルーアーカイブの時にお世話になった業者さんにお願いしてFGTを進めましたが,ブルーアーカイブと同じようないい評価をいただけた状況です。
キム氏:
総評として,ほとんどブルーアーカイブと同じくらいのいい結果でした。しかも,ここが素敵ここがダメとかの評価も含めて,ブルーアーカイブとほとんど一緒だったので,我々も驚きました。
チャ氏:
各項目の点数を見たら,大体一緒だったんです。
4Gamer:
社内テストではどうだったんですか?
チャ氏:
社内テストは,大体FGTより……
4Gamer:
厳しい?
チャ氏:
悪いですね。
(一同笑)
チャ氏:
実際にゲーム開発の仕事をしている人たちが評価すると,すごく厳しくなるんですよね,シビアに言った方が,よりためになると思っているから。
(ここでティザーが流れ始める)
4Gamer:
いまあるティザーと結構違う気が。
チャ氏:
戦闘部分も入っていますが,それは写真ダメですからね!
4Gamer:
かなり戦闘シーンが入ってますね。
……うーんこれ観てるとますます疑問なのが,プレイヤーの立場はなんなんでしょうか。
キム氏:
ブルーアーカイブであれば「先生」であり学校の世界観ですが,RXのほうはそれとはまた全然違う感じになります。ただ,ありそうなものではありますよ。
4Gamer:
ありそう。
キム氏:
はい。完全に独創的で,以前からなかった概念ではないです。
漫画や小説,アニメなどにおける,学園ものプレイヤー主人公というものは,これまで様々な形で登場してきたものの1つですよね。「ブルーアーカイブ」や「RX」もそうですし。ちょっと語弊はありますが,“ハーレムもの”と言ってもいいかもしれません。そして学校以外でも,そういうものって色々ありますよね。
……いや,我々の作品は“同棲もの”だと言うべきですかね?
チャ氏:
んーーー。あー,うん……いや……。
キム氏:
あぁこれ話したらダメなのか(笑)。「私たちのティザーを見て,多くの人が予想してくれていましたが,その中の一つです」とだけ言っておきましょう。
チャ氏:
はい,多くの方が予想されていた通りです。
キム氏:
ブルーアーカイブに比べて,少し距離を詰めて見られるような構成になればといいなという思いを込めて作りました。
4Gamer:
「先生」というのは,ブルーアーカイブという作品を定義するコアの部分じゃないですか。「先生」とそれが持つシステムを中心にすべてのものが置かれているので,RXもおそらく同じ構造だろうなと思ってて,なのでプレイヤーが何の役割であるかが非常に重要ですよね。
キム氏:
そうですね。ブルーアーカイブと比較して言える確かなことは,少し難しいということですね。
チャ氏:
表現するのがちょっと難しいです。
キム氏:
ブルーアーカイブでは,先生という立場が持つ元来の権威的な部分もあって,少し距離感がありながらも一緒に取り組める学園もの特有の構成としてイメージしやすいですね。
そういう意味において,ブルーアーカイブよりちょっとやりにくいところがあります。
4Gamer:
なるほど。
![]() |
「先生」と聞けば,学校で何をする人か,どうやって仕事と向き合うか,そういうイメージがすぐ浮かびます。
でもRXでは,ブルーアーカイブよりもう少し“近い立場”であることを望んでいます。間に存在する権威感や壁を少し減らして,とにかく一緒に何かを解決しなければならないのだということにしました。
そして,それをどう解決するのかが難しいところなんです……ってこれいま言っていいのかな(笑)。
チャ氏:
(頭掻きながら)どこまでがNGなのか分からなくなってきた。
4Gamer:
なるほど,先生と生徒より近い立場なんですね。
キム氏:
学校のような場所なら,先生と生徒の関係は連想しやすいし,ある種明確な権威や関係性があるわけです。
でもRXで世界観的を自然に見えるようにするためには,そういった部分をもう少し説明しなければならないと思います。どう縁を紡いでいくか,そこから事件が面白く見えるかどうかに,気を配っています。
4Gamer:
“事件”!
そういえばティザーでも,「事件解決」みたいなものがありましたね。
キム氏:
そう,事件とかを解決しなければなりません!
(一同笑)
![]() |
なんて言うかな,「様々な問題を解決するゲーム」です(笑)。
キム氏:
ブルーアーカイブもそうでしたけどね(笑)。
チャ氏:
より身近な問題を解決するように……。
キム氏:
はい,そうね(笑)。
4Gamer:
ということは,ゲーム自体のコア部分の雰囲気はあまり変わらない感じですか?
キム氏:
はい,その通りです。
チャ氏:
そうですね。ゲームのコア部分はあまり変わりません。
キム氏:
ほかの部分は結構違うんですが,まぁそこも私はそれほど変わらないと思っています。
チャ氏:
大枠では変わらないですが,うーん,ゲーム……実際のユーザー……難しいですね……。
4Gamer:
気になるワードを並べるのやめてください(笑)。
チャ氏:
ゲーム構成のフレームワークは実は同じだと僕も思っています。その中にもう少し……私たちがひ……
4Gamer:
ひ?
チャ氏:
……費用を多くかけているところ,と言うとブルーアーカイブと比較しているように聞こえてしまうのでやめました。
キム氏:
あー(笑)。
では代わりに。つまり,全体的な構成はブルーアーカイブとは似ているかもしれません。しかし,ブルーアーカイブではプレイできなかった部分が,RXではプレイ要素として加わっていて,プレイの比重もブルーアーカイブとは少し異なります。
チャ氏:
そこまで言っちゃうの!?(困惑顔)
ここまで話すとは思いませんでした。あまりに多く話してしまってるんじゃないかな……心配です……我々は,つい話しすぎてしまうから……。
キム氏:
(お構いなしに続ける)以前も,“生活感”とかがそうですが,RXでより気を遣っている部分について話したことがあったので,おそらく皆さんは生活に関連するゲームプレイのことだろうと,想像していると思います。
ね? 僕が説明したわけじゃなくて,皆さんが想像してくれたんです(笑)。
![]() |
![]() |
4Gamer:
うん,そういうことにしておきましょう。ありがとうございます(笑)。
でもその生活感とゲームプレイって,どれぐらい密接にかかわってます? なんていうか,今まで「生活感があります」と謳ったゲームで本当に生活感がゲームプレイときっちりリンクしてたゲームって,あんまりないと思うんですよね。大体みんな,ゲームと関係ないところで生活してるだけ。
なので,RXがどこまで密接に絡んでいるかのがちょっと気になります。例えば,生活パートのところが戦闘の勝ち負けに影響するとか,ゲームシナリオの行く末に影響するとか。
チャ氏:
今回のゲームのコアは美少女ゲームとして,新しい友達に出会い,その友達とあれこれ繰り広げるのが基本なわけですが,ただ友達とストーリーを進めるだけでなく,自分と一緒にあれこれやってみるという点で,もう少し直接的な体験ができるような舞台をうまく設計するのが目標です。
4Gamer:
なるほど……すごく密接的にかかわっているのではなさそうな?
キム氏:
うーん……戦闘にはちょっとなんていうか。
4Gamer:
あぁいえ,これは僕「内容を教えてください」という意図の質問ではないです。「生活の部分をプレイしないとゲームが進められなくなる」とかそういう要素はありますか? という問いです。
チャ氏:
あ,そんなことはないです。戦闘シーンとは繋がっていて,リズム的な流れがあるのは事実です。生活部分は戦闘に影響を与えるのですが,それがストレスになるとか,リズムを壊すようなデザインはしていないです。
![]() |
キム氏:
テンポもそうですし,いかに快適にプレイしてもらえるかという部分は,常に考えながら調整しています。
4Gamer:
その生活感のところは,FGTでプレイされました?
チャ氏:
ええ,プレイされてますね。
4Gamer:
ユーザー評価はどうだったんでしょう。
![]() |
「細かい部分」が見られるようになることを,とても楽しんでもらえました。
さっき,美少女ゲームの中に舞台を作り出すということをお伝えしましたが,そんな舞台で,いままでの美少女ゲームでは見えなかったけど見たかった些細な部分も,今回のゲームで感じられてよかったですとか,ディテールがすごく感じられて素敵ですとか,良いフィードバックをもらえています。
4Gamer:
乱暴な表現ですけど,ブルアカで出来なかった部分……本当は画面の外にちゃんとあるはずなんだけど,見せられなかった部分,そういうものがRXでもしかして出てきてそれに触れられるようにしている感じなんですか?
キム氏:
そこはちょっと違うかもしれません。
ブルーアーカイブでは出来なかったかというと,そういうわけでもなく,ブルーアーカイブはむしろ解像度が高い部分があるので,余白の部分の解像度をわざと上げず,そこを皆さんの想像に委ねているようなゲームだと思います。
4Gamer:
あぁ,そこをちょっと補完している?
キム氏:
わざと見せなかった部分や想像する部分があったわけですが,このゲームはブルアカとは異なる世界観や状況ですし,このゲームならここをもう少し見せてあげれば面白いだろうなぁ……と思ったんです。
4Gamer:
例えがまだちょっと間違っているかもしれませんけど,漫画やコミックがアニメになった時って,コミックの中で端折られている部分もアニメーションするじゃないですか。そういう感覚に近い?
キム氏:
そういう例で話すなら,同じ作品を表現するときに,メディアが変わるときに追加されたディテール……のような気がします。
ブルーアーカイブは非常に細かい表現をしているほうなのですが,そうやって細かく表現する部分もある一方,あえて説明を曖昧にすることで成り立っている世界観がある,そういうIPです。
4Gamer:
そこは分かります。学校そのものがどういう風になっているのか,とか。
キム氏:
それもそうですし,学校以外の部分が一体どうなっているかは,わざわざ説明する必要がないから省略しているんですよね。生徒たちの生活において,ストーリーの中で面白くみられる部分だけを映しています。残りの部分は,プレイヤーの想像に委ねているのが特徴なんです。
そこはRXも同様で,すべてを細かく描き出すような世界ではありません。世界観の違いかもしれませんが,描いているシーンにはかなり違いがありますし,表現できる部分はすごくディテールを高めて,積極的に表現しています。
4Gamer:
ディテールというのは言葉どおりの意味ですか?
キム氏:
具体的には,とにかく3Dで表現していますね。細かい動きや,インタラクティブ的にできそうな部分にとても気を配っています。
4Gamer:
アドベンチャーゲームで学校が舞台だとして,マップをクリックすると職員室に行けたり音楽室に行けたりしますよね。それが,RXは職員室から音楽室まで歩いていけるとかそういう?
![]() |
チャ氏:
そういう違いではありません。
ブルアカと比べていい部分はそのまま残しつつ,プレイする人の立場を考えて,面白くてやりたくなる部分を作らなきゃいけないわけです。それを念頭に,見せる部分と見せない部分を切り分けをして,挑戦できる領域に挑むことに近いです。そんな感じで制作しました。
ブルーアーカイブをプレイし終わったらすぐRXを起動していただいて,寝て起きたらブルーアーカイブをやって,その直後にRXをやって……というようになってもらえるといいな,そうなってほしいな,という願いを込めて作っています(笑)。
キム氏:
そうですね,ブルーアーカイブが映し出すシーンより少し……いや,言ってはいけないことまで言ってしまう気がします。
(一同笑)
キム氏:
ブルーアーカイブを楽しめる生活があって,RXもRXで,そこに楽しめる生活があります。これらの楽しみが,重ならないようにすることを目標にしています。
4Gamer:
可処分時間を全部奪うつもりなんですね(笑)。
僕が個人的にそう思ってるだけかもしれませんが,ブルアカで見せなかった部分は,UGCで盛り上がってたと思うんですよ。ユーザーがそこを補完して,コンテンツを作って。
RXは,そういう部分をある程度最初から見せられている状態なんですか? UGCの盛り上がりが,もしかしたら若干違うものになるのかな,とか。
キム氏:
そこは少し変わるかもしれないですね。ブルーアーカイブのUGCコンテンツ……つまり二次創作で描かれるシーンは,RXで予想される二次創作の方向性とは少し違うような気がします。
チャ氏:
それは,ストーリーとIPの構造が少し異なる形をしているからです。
4Gamer:
んー,ユーザーからみたときには,自由度は高く見えますか?
![]() |
自由度に関しては,ブルーアーカイブとはそんなに変わらないです。
チャ氏:
(そうですか? と言わんばかりの複雑な表情)
(一同笑)
チャ氏:
まぁそれも実は,本部長(キム氏)が望んでいるところです。
IO本部になってからヨンハと一緒に作る2本目の作品ですが,自由度に関してはある種の線引きがあって,プレイヤーにとっての“自分”は誰なのかを常に確認していて,他のゲームよりもずっとたくさん,2人で結構話しています。
何が言いたいかというと,ユーザーの立場から見て,このゲームにおいて,このIPにおいての“自分”が誰なのかをずっと確認していて,自由度についてもどこまでいけるかのラインを常に確認してながらやっています。
キム氏:
抽象的な言い方ですみません。
プレイヤーがどこまで見られて,どこまで遊べると一番おいしいかとか,一番面白い部分を見せたいと思っていま作っているところです。
4Gamer:
生活コンテンツは,ある程度はプレイヤーが介入できる感じですか?
キム氏:
楽しみたいなら楽しめる……かな(笑)。
4Gamer:
また謎かけみたいな言い方を(笑)。
チャ氏:
現実の生活って,毎日毎日それ自体が全部面白いわけじゃないじゃないですか。でも,それをどうやって面白く見せるか,どうやって「ちょっと近く感じられるもの」にするか,そこが大事なんです。
「生活コンテンツ」という言葉だけが先に立つと,いろいろ想像が広がりすぎるかもしれないけど,基本的には触れたときに楽しいと思えるものを見せたいんです。それが一番大事だと思っています。
4Gamer:
なるほど。思想は理解しましたが,呼び方としてまだあえて「生活コンテンツ」と呼ばせてください。その生活コンテンツは,RXにとってどれぐらい重要なんでしょうか。
ティザーが,ほぼそれだけなのが気になってます。最後にほんのちょっと戦闘シーンがあったけど,戦闘コンテンツは意図的に省いたという発言もありましたし,ということはもしかしてメインはそっちじゃないのかな? とか。
キム氏:
戦闘シーンがティザーに入っていない理由は2つありまして,一つは開発途中のものがまだまだ多いから。いまの状態でお見せして,これが最終形だと勘違いされることもあり得るので出していないです。
二番目の理由として,RXの特徴はそれこそ“生活コンテンツ”なんじゃないかなと思って,ティザーでも重きをおきました。でも生活コンテンツがゲームの8割9割を占めていて,戦闘が1割2割……というほど極端ではないです。
![]() |
チャ氏:
どうしても戦闘がメインになるものよりは,生活半分戦闘半分で楽しめるゲームを作ろうという意図があります。
キム氏:
実際にその比率がどれくらいの割合になるのかは,先ほど話したプレイテンポに合わせて,プレイヤーにストレスを与えないような程度で調整をしています。
4Gamer:
なるほど。
漫画でもアニメでもそうなんですが,日常系コンテンツってあるじゃないですか。美少女がなにか大変な事件を起こしているわけではなく,特別なことをしているわけでもなく,ただわちゃわちゃやってるだけみたいな。日常系はそれが楽しくて見るもんだと思うんです。
ティザーを見ると,RXも日常シーンを描きたかった/作りたかったのかなと感じるんですが,そもそもそういうところを作りたいというところから始まってたりするんですか?
チャ氏:
あー,もしそう見ていただけたのなら,かなりこちらの意図どおりです。
結局我々が作りたいのは,「ミッションを達成した」「報酬を得た」「戦闘に勝った」ということだけよりも,画面を見ているだけで楽しいとか,あの子たちが何かしているのを見ているだけで嬉しいとか,そういう風に思えるものなんです。そこをきちんと作るのが大事だと思っています。
4Gamer:
本当にそうだったんですね。
チャ氏:
女の子がとくに特別じゃない日常的なことをしてて,プレイヤーがそれを意図したか,していなかったかに関わらず,そういうものを見て楽しいと思ってくれる人はいると思います。今は何をしているんだろう,とかね。
まあとにかく,私が考える“楽しい場面”をしっかり見せようという気持ちが強いのだと思います。
4Gamer:
例えば「ダークソウル」は,戦闘スキルをひたすら磨くゲームじゃないですか。それが楽しいゲームです。美少女が出てくるゲームって,かわいい女の子と一緒に何かをすることが楽しいゲームだと思ってるんですね。僕の勝手な見解ですが。
となると,戦闘が「作業」になっちゃうと思うんです。そういう戦闘以外が楽しい人たちにとっては,戦闘はもう作業でしかない。そういうこともあるから,生活コンテンツを半分くらい入れる方向にしたのかな,とも思ったんですが,そういうわけではなさそうですね。
キム氏:
そういう見方も分かります。
でも,それが戦闘であっても,プレイヤーが一緒に何かをしている感じを出したいんです。すごく難しいことでもあるんですが,演出や操作の部分を通して,どうやって「一緒に参加している感じ」を作るか,そこはずっと考えています。生活パートと戦闘パートが分かれて見えてしまうからこそ,全体として同じゲームだと感じてもらえるようにしたいんです。
4Gamer:
なるほど。どのゲームもそうですが,確かに完全に分離してると,もう違うゲームみたいなものですしね。
キム氏:
戦闘や報酬というコンテンツだけではなくて,見ているだけでもいい,一緒にいる感じがいいと思えるゲームにしたい,というのはあります。
![]() |
4Gamer:
しかし聞いてて思うんですが,RXというプロジェクトの立ち上がりって,ブルーアーカイブのなんらかの反省から出たものなのか,またはブルーアーカイブの成功を受けて「さらにこうしてみよう」と出てきたものなのか,どっちなんでしょう。
キム氏:
両方ですかね。完全にどちらかだけ,という感じではありません。新しいIPで,新しい世界観で,新しい主人公の立場を作ろう,という考えがありました。
そのうえで,ブルーアーカイブでうまくいったこと,逆に別の形で表現できそうなことを少しずつ組み合わせていった結果がRXになっています。
チャ氏:
僕が思うに,代表(パク・ヨンヒョン氏)も本部長も,とにかく新しいゲームを作るのが好きなんですよ。「新しいものをやりたい」「新しい開発を始めたい」という気持ちがまずあって,そこから始まるんです。「新しいことやろうか? 君やる?」みたいなところから始まる。
[インタビュー]「リネージュII」「TERA」「ブルーアーカイブ」……数々のヒット作を出してきたパク氏の次なる目標は「世界に通用するゲームを作ること」
パク・ヨンヒョンという名前を聞いて「あぁあの人!」と思い付く人は,そう多くないだろうが,「リネII」や「ブルアカ」,「TERA」などを作った,韓国トップレベルのゲーム開発者だ。滅多に表舞台に現れない人だが,今回時間をもらうことができたので,その様子をお伝えしよう。
- キーワード:
- PC:The First Descendant
- Android:ブルーアーカイブ -Blue Archive-
- Android
- RPG
- 無料
- iPhone:ブルーアーカイブ -Blue Archive-
- iPhone
- Xbox One:The First Descendant
- Xbox One
- NEXON Korea
- シューティング
- TPS
- アクション
- SF
- PS4:The First Descendant
- PS4
- Xbox Series X|S:The First Descendant
- Xbox Series X|S
- PS5:The First Descendant
- PC
- NEXON Games
- インタビュー
- 編集長:Kazuhisa
- G-STAR 2023
- 韓国
[インタビュー]私が決めるのはゲームの根幹部分の“フレームワーク”で,中身はプロデューサー達が頑張ります―――開発費100億円でも,ユーザーテストが一番信頼できると語るNEXON Games
韓国を代表するゲーム開発会社であるNEXON Gamesの代表であるパク・ヨンヒョン氏は,「The First Descendant」をローンチして,ようやく肩の荷が1つおりたようで,こっそり東京ゲームショウを訪れていた。重要な会議の1時間前を無理矢理もらって,昨年11月のG-STARで(聞きたかったけど)聞けなかった話を聞いてみよう。
4Gamer:
「やらない」っていう選択肢はあるんですか?
チャ氏:
選択肢はありますが,「分かりましたやります」と答えるまで,質問はずっと続きます。
(一同笑)
チャ氏:
もちろん,同じように新しいことをやろうとする人がどんどん集まってきます。その過程でブルーアーカイブの経験や考え方は入ってくるんですけど,出発点は「また新しいゲームを作りたい」という熱量のほうが大きいと思います。
僕はNEXON Gamesに入ってからそれなりに長いですけど,ライブサービスをやっているときも,ご飯を食べるときも,ティータイムも,コーヒー飲んでるときも,まるで挨拶のように「新しいゲーム作りたくない? 作るよね?」と聞きに来ます。
![]() |
4Gamer:
パクさん……(笑)。
チャ氏:
社歴11年目ですが,もう4つ目のタイトルです。なかなかタイトなペースで,普通こんなペースでゲームを作らないと思います。
4Gamer:
11年で4本は確かにすごい。
チャ氏:
やれやれやれやれずっと言われているので(笑)。
キム氏:
でもRXは,単にブルアカと違う美少女ゲームじゃダメですよとずっと言ってました。
チャ氏:
そうですね。
4Gamer:
この間,devCATのキム・ドンゴンさんと話したら,「マビノギ」の根本にある世界観は,マビノギと,マビノギモバイルと,マビノギ英雄伝と,マビノギのカードゲームと……複数のタイトルで分かち合ってるのだと言ってました。同じものを違う切口で。
なんかそれに近い感じですか? 美少女ゲームや二次元ゲームというのはこういうものだよというものを,違う形で切っているのかな,とか。
[インタビュー]マビノギモバイルは,自分が特別なものだと感じられるオンラインRPG――開発8年・費用100億円超の“厄介者”を韓国ゲーム大賞3冠に導いたキム・ドンゴン氏に聞く
日本でのローンチが待たれるタイトルはいくつかあるが,そのリストの筆頭に「マビノギモバイル」が入っているであろうことは,想像に難くない。8年待たされて姿を現したその作品は,大統領賞を始め,瞬く間に韓国ゲーム業界を席巻したのだ。
キム氏:
なるほど。ご存じのように僕もオリジナルのマビノギを手掛けたメンバーですが,マビノギはおっしゃる通り,同じ世界観を違う断面で見せているもので,同じシーンがそれぞれのゲームに出たり,歴史的な事件も,同じ世界線の中にあります。
4Gamer:
うんそうですね。
キム氏:
僕らの場合は,世界観そのものを強く連続性のあるものとして作ろうとしているわけではありません。世界観が原作のすべてを共有しているわけではないので,結局のところ,美少女ゲームをどういう形で構築するかについては,ある程度自由度を持たせるのが良いと考えています。
そういう考えなので,既存の何かを生かして,必ずそれに沿ってやらなければならない,というふうにしてしまうと,かえって良いものが出づらくなると思うんです。なのでシナリオや企画の段階で,より自由に作っていこうとしているところです。
4Gamer:
理解しました。
![]() |
それはそれとしてその次の話として,もしブルーアーカイブでスピンオフのような新しい作品を作るなら,それはもちろんブルーアーカイブの世界観がそのままつながっていくものになると思います。
けれどもRXはそういう形ではなく,別の作品として一人立ちしています。
4Gamer:
ヨンハさんが考える“ゲームの有り様”の違う切り方のかな,という気もしますけどね。
チャ氏:
あぁそれ,僕も同じように考えています。
美少女の新しいゲームやIPを作るとき,ヨンハさんは保守的にこうであるべきだと考えているわけではなく,いろいろ出している過程の中にちょっとずつ見方や考え方が断面的に変わったり,違うレイヤーが見えてきたりすることがあって,僕も長く一緒にいてそれをよく感じるところではあります。
さっきおっしゃっていたマビノギの件で,「美少女ゲームにおけるある種の断面」というのが,ちょっと似てるかなと思います。
4Gamer:
しかし表に出ている情報だけ見ると,プロジェクトの発足は2023年ですよね。そこから2025年9月にはもうグループテストをやってる。えらく進行が速くないですか?
キム氏:
速いといえばそうかもしれませんが,すごく早く出せたという気もしていないですね。
チャ氏:
少なくとも会社は「早い」とは思ってくれません(笑)。
4Gamer:
11年で4本作った人の言うことは,さすがです(笑)。
チャ氏:
でも「ブルーアーカイブ」自体も,開発は3年かかってないんですよ。
4Gamer:
あれ,そうなんでしたっけ。
キム氏:
2018年4月に始めて,2021年2月にリリースしているので,3年かかってないですね。
4Gamer:
3年弱か。
チャ氏:
その前に手掛けた作品は,1年半ほどで作ったものもありましたよ。
4Gamer:
この時代に1年半はすごくないですか。
キム氏:
スタジオという体制になってからは1年半くらいで,その前は「TF(タスクフォース)」という前段階のチームでした。
4Gamer:
日本はそういうとこ割と遅いので,我々の感覚からすると結構速いです。
キム氏:
韓国でも確かに少し速いほうではありますが,ここ最近は中国がねえ。
4Gamer:
しかしチャさんは,前回雑談したときも「スケジュールは必ず守る」と言ってましたよね。RXも大丈夫そう?
チャ氏:
可能な限り,予定の枠に収めたいと思っていますよ!
ただ,あのときもお話ししたとおり,ゲームは「良い時期に世に出る」ことがとても大切だと考えています。
4Gamer:
はい,良い時期。
![]() |
ゲーム制作というのは,結局「こういうものを作って,このタイミングで出せば当たるだろう」という予測から出発しますよね。
だから開発期間がずるずる長くなると,かえって当てるのが難しくなる。狙ったタイミングで出さないと,良いものであっても良い評価を得られないことがある。そう考えているので,予定した時期にきちんと出す,というのは守っていきたいんです。
4Gamer:
シビアで素敵です。
チャ氏:
これはパク代表も同じ考えだと思います。私がまだ平社員だった頃,代表が隣で「なぜ納期を守らなければならないのか」「なぜプロデュースが重要なのか」という話を,夜遅くまで何度もしてくれました。
開発者というのは,このゲームを愛しているからこそ「完璧になるまで出したくない」と思ってしまう。でも世の中はそれを待ってはくれない。市場のニーズにタイミングを合わせないと,結局は世に出せないままになってしまう。そういう話をずっと聞かされてきて,今の自分の考え方になっています。
4Gamer:
パクさんすごいなぁ……。
キム氏:
僕らもその理念を信じて,いままでのゲームを頑張って納期を守りつつ,作ってきています。
4Gamer:
でも世の中は一般的に「良いものを作れば売れる」と思っている人が多いわけじゃないですか。そうではないというシビアな考えで動いているのは,やっぱりそこが強いところなんですかねえ。
キム氏&チャ氏:
良いものではあります!
4Gamer:
ハモってる(笑)。
チャ氏:
もちろん良いものでなければならないし,誰が見ても良くなければいけない。でも時期も守らなければならない。つまり「その全部を同時にやれ」と言われているわけです(笑)。
キム氏:
作家さんも締切を守らなければならないし,それと同じようなものです。
4Gamer:
良いものを作るならいくら伸ばしてもいいと思われがちですよね,この業界は。まぁその気持ちも分かりはしますが。
キム氏:
でも僕たちはプロですからね。
4Gamer:
素晴らしいです。
そんなプロであるヨンハさんに伺いたいんですが,僕自身は正直そこまで二次元コンテンツに接しているわけではないんです。とはいえ,二次元コンテンツは僕が若いころに比べて,どんどん日常的なものになって,近しくなって溶け込んできているとも感じます。昔に比べて広く受け入れられているというか。
昔とは違うそんな状況の中で,RXはどんな層に届けようとしているのか,あるいはどんな欲望を満たそうとしているのか,そのあたりがちょっと個人的には気になっています。
キム氏:
プレイヤーの立場として「守るべき世界」を持たせるというのは,この種のゲームで共通して増えてきている要素だと思います。指揮官であったり,先生であったり……ゲームの中で,自分の世界を持っている。
4Gamer:
なるほど。守るべき世界観。
キム氏:
(日本語で)イセカイ
4Gamer:
異世界なるほど(笑)。
キム氏:
先生や指揮官のように「守るべき対象」を置くという意味では,実は似た構造の作品が多いんです。その中で「ブルーアーカイブ」は,かなり大きな“領地”を獲得できた作品だと言っていいと思います。
4Gamer:
領地?
キム氏&チャ氏:
(日本語で)ビショウジョ ガ イル イセカイノ マップ ガ。ウチュウ ガ。
![]() |
4Gamer:
あー……美少女というジャンルそのものを指す巨大なマップ的な。
キム氏:
そう。美少女がいる異世界のマップ,いわば“美少女ゲームの宇宙”のようなものがあるとして,その中に「ブルーアーカイブ」という大きな領地があります。
ほかの世界観とははっきり切り分けられた,独自の大きな領地を確保できているのではないかと。
4Gamer:
納得です。
キム氏:
RXも同じで,「重ならないようにする」というのが最初からの方針です。ほかのゲームと重ならない,RX独自の領地を大きく開拓できたらいい。
だから僕は,RXとブルーアーカイブが最初からずっと被らないようにしたいと思っているんです。
4Gamer:
(チャ氏へ)いまため息ついてませんでした?(笑)
チャ氏:
(日本語で)タイヘン
4Gamer:
確かに大変そうです。
でも,同じマップ,同じ宇宙の中にはいるわけですよね。
![]() |
そうです,同じ宇宙です。
ご存じのようにその宇宙には,すでにたくさんの領地が開拓されていて,たくさんの人が奪い合っています。
混雑して複雑になっているところに,わざわざ自分たちが割って入って開拓する気はないですし,それよりは,自分たちの新しい領地を作れたらいいという考えです。
4Gamer:
“美少女ギャラクシー”があるとして,その中の混み合ったエリアは狙っていないと。
キム氏:
そうであってほしい。
チャ氏:
というのがベストですね。
4Gamer:
基本コンセプトがクリアになりました。
チャ氏:
実はこの話が,新作の一番最初の会議のテーマでした。「僕らはかぶったらダメだ。同じことはしない」,それが最初の会議で出た話です。でも,それはできるはずだと思っています。「ブルーアーカイブ」だって同じでしたから。
当時すでに美少女ゲームは市場に存在していて,学園もので似たものも他にあったはずなのに,その隙間を見つけて「ブルーアーカイブ」という大きな領地を築いた。だから,まったくのゼロから作るというより,隙間を見つけて確立する,というやり方でできるはずだと。
4Gamer:
最初の作り方,土台の組み立て方からして違う,ということですか。
やっている本人たちにとっては当たり前すぎて不思議でもないのかもしれませんが,あまり聞かない作り方ですよね。
![]() |
さっきの話にもつながるんですが,ヨンハには独特の“好み”というか感覚があるんです。普通はそれを説明するのが難しい。でもヨンハは「なぜこれが良いのか」を,人が理解できるように言葉にして,パッと伝えてしまう。そこに一種の“魔力”があると思います。
質問をしていると,「あ,これじゃない?」と,みんながハッと気づく瞬間がある。魔法みたいな言葉を口にする時があるんです。聞いた瞬間,全員が「これか」となる。
4Gamer:
おぉ……言語化がうまいんですね。羨ましいです。
キム氏:
説明が上手いというよりは……(笑)。
チャ氏:
結局は「どんな領地を探すか」なんですよ。良い空間を見つけて自分たちの領地を作るのが一番大事なので,その探索にずいぶん長く時間をかけます。
探し続けていると,あるとき“ポン”と見える瞬間がある。「ブルーアーカイブ」の時もそうでしたし,今回もそうでした。
4Gamer:
僕もレベルは全然違いますが,組織の上に立つ立場として思うのは,同じことを説明しても伝わる人と伝わらない人が絶対にいる,ということです。伝わる人というのは,結局は同じところを見ている人であることが多いんですよね。
逆に言うと,そのチームには「同じところを見ている人」がすごくたくさんいるわけですよね。
キム氏:
さっきの話の続きなんですが,僕が説明上手なのかどうかは,自分では正直分かりません。ただ,ミンソに関して言うならば「自分が納得するまで聞いてくる」性格なんです。
その質問にずっと答え続けていたら,あるとき向こうが“気づいてくれた”,そういうケースだと思います。
4Gamer:
なるほど。絶妙なコンビですね。
キム氏:
ミンソみたいな性格で矢のような質問ができる人もいますし,ほかにもコミュニケーションに慣れた人が一人,二人と集まってきて,本部全体の雰囲気そのものになっていった。上から言われた通りに動くのではなく,各自が納得できるまで聞いて,自分で腹落ちさせてから進める。そういう雰囲気です。
細部を最初から全部指示するわけではないんです。同じ方向を見ている人が集まって,それぞれが自分のクオリティを出していく。「ブルーアーカイブ」でもそのやり方で結果が出たので,RXでも同じようにできるはずだと思っています。
4Gamer:
今まで見てきた優れたプロデューサーは,だいたいみんな言語化が上手なんですが,やはりそれは踏襲されるんですね。
キム氏:
それは光栄です。僕自身も,業界の先輩たちがうまくやっているのを見て学んで,真似をしてきたつもりです。
4Gamer:
でも今日お話を聞いていて一番納得したのは,ヨンハさんはいわゆる“アーティスト気質だけ”の開発者ではないんだな,ということです。いい意味で。ちゃんとビジネスであることを踏まえた上で作っているのだなぁ,と。まぁ当たり前ではあるんですが。
キム氏:
でも僕は,どちらかというと「もっと発展させたい」「アーティスト的なことをやってみたい」というタイプなんです。それをミンソが,実現できるラインにうまく分解して落とし込んでくれます。二人のシナジーが,うまく噛み合っているのだと思います。
4Gamer:
いやホントに名コンビです。
キム氏&チャ氏:
ありがとうございます。
4Gamer:
そういえば前回会った時,「ヨンハAI」を作っているって言ってましたよね。
キム氏:
ええ,作っています。「自分がやっている仕事を,どうすれば自分がやらなくて済むか」を考えています(笑)。
真面目な話,人間がやれることには,時間もそうですし,考えられる範囲にも限りがあります。でもやらなければならないこと,やりたいことは山ほどあって,手が回らない部分が出てくる。そこをAIに分担してもらえないか,とずっと考えています。
4Gamer:
すごく分かります。
キム氏:
たとえば,メールが来る。あるいはSlack(コミュニケーションツール)で「ヨンハさん,ヨンハさん」とメンションが飛んでくる。そういうものをAIがいったん受けて,「これはこういう内容だ」と要約してくれたり,「どれに一番早く返事すべきか」を見極めてくれたり,そういうエンジンを今いろいろ試作しているところです。
![]() |
4Gamer:
実際に稼働させてるんですか?
キム氏:
常にテストしています。まだ100%の精度ではありませんが。
今は要約と優先順位づけの段階までで,そこにさらに「返信そのものまでやってくれる」ようになるといいな,というのをテストしています。
4Gamer:
僕も半分遊びで自分のAIボットを作ろうとしたことがありますし,いまだにあれこれやってます。
でもいざやってみて分かるんですが,自分の中で「良いこと・悪いこと」「やるべき・やるべきでない」というのがきちんと理解できていて言語化できるレベルに落ちていないと,AIに指示が出せないですよね。
だから“作ろうと思える”時点で,やっぱり言語化が上手なんですよ。
キム氏:
でも最近は「説明しすぎない方がいいのかもしれない」とも思い始めていて(笑)。説明を細かくしすぎて“その通りに”やらせるより,AIに任せて考えさせた方が,かえって上手い答えを返してくれることもある。
人が説明すると,どうしても“ちょっと子どもっぽい”というか,狭い指示になってしまうところがあるので,それよりも「自分の意図がどう伝わるか」にフォーカスするようにしています。
4Gamer:
AIに返信させるじゃないですか。それでその返信させたものを見て,僕が「これでいいか」と思うためには,本人が何もぶれない必要もあるわけで,そのレベルにいけるかどうかがたぶん大きいのかなぁ,と。
キム氏:
結果論ではありますが,僕もAIと話していて「まだ全然足りないな」と思うこともありますよ。
いつか自分が要らなくなるんじゃないか,全部AIがやってしまうんじゃないか。そんな不安も抱えながら毎日AIと話しています(笑)。
4Gamer:
……あれ,すでに1時間半も経ってしまった。時間まだ大丈夫ですか?
キム氏:
(日本語で)ダイジョウブデス
チャ氏:
質問されるだろうと思ったことを準備してきたんですが(笑)。
4Gamer:
確かに。いきなりあんな素晴らしいトレーラーを見せてくれたから,そのまま始まってしまった!
(一同笑)
4Gamer:
というかそもそもプロジェクトRXは「どんなゲーム」なんですか。
キム氏:
美少女と異世界でいろんな体験をして,問題を解決して,一緒に成長していく。そういうゲームです。そのまんまですね(笑)。
こう言うと「ブルーアーカイブ」っぽくなってしまいますが。でも世界観は違います。
4Gamer:
さっきの話で言えば,“美少女のギャラクシー”がある中で,RXが占めたい領域があるわけじゃないですか。
その領域を,開発としては何と名づけて,どう意識しているんですか。
キム氏:
えーと……RXの話をすると,どうしても喋りすぎてしまう(笑)ので,ブルーアーカイブを例にして説明しますね。
RXを抜きにして「ブルーアーカイブの宇宙の“成分”」を説明します。
4Gamer:
成分。
キム氏:
ええ。「ブルーアーカイブ」には,学校があって,教室があって,生徒がいて,その生徒が銃を持っている。つまり,学校,制服,銃を持った生徒たち。そういう“成分”から成り立っているのが「ブルーアーカイブ」です。
そしてプレイヤーを「先生」と呼び,主人公を先生と呼んでくれることで,そこから広がっていくストーリーがある。
チャ氏:
RXも,構造としては同じような“成分”でできています。
ただ,選んでいる“材料”が違う。別の成分を使った美少女ゲーム,ということです。
4Gamer:
なるほど。学校は世界の舞台であって,制服はキャラクターに付く要素で,銃を持っているというのはおそらく戦闘に関わる。
その三つが,RXでは全然違うものになっているんだろうな,というのは,さっき見せてもらった動画からもうっすら想像がつきますね。
キム氏:
そうです。RXは,先ほどご覧いただいたように,銃を常に持っている子はいなかったですよね。制服を着ている子も,今のところ出ていない。もしかしたら後々出てくるかもしれませんが,全員が制服,というわけではない。それにプラスして,ヘイロー(キャラクターの頭に浮かんでいる輪っか)もない。
4Gamer:
ブルアカといえばヘイローですよねえ。
![]() |
ええ。だから,そういう“成分”がまた別のもので作られている,ということです。
4Gamer:
……地球という星があるじゃないですか。
キム氏:
めちゃくちゃ大きい話できましたね(笑)。
(チャ氏爆笑)
4Gamer:
地球という星で,僕らが生きていく上で一番重要な成分は酸素ですよね。それがおそらく,この話における「美少女」なんですよ。でも地球には窒素のように,量は多くないけれど,なくては困るものもあるわけです。別の成分というか。
その“小さいけれど確かになくてはならない成分”を,一つだけ教えてください。
キム氏:
あー……えーと……んー……。
チャ氏:
一番重要な成分は「生活感」だと,僕は考えています。
キム氏:
そう,それが「窒素」にあたるものかな。
チャ氏:
我々IO本部の目標は,突き詰めれば「自分が入り込みたいと思えるこの世界を,実現すること」に近いんです。
「ブルーアーカイブ」の世界が“学校”という,自分が一緒に過ごしたい場所だったなら,RXでもそれと同じように「一緒に過ごしたい世界」を作る。それが目標で,僕はその核が生活感だと思っています。
4Gamer:
なるほど。分かってきました。
チャ氏:
ただ,この“生活感”というのは,ユーザーがRXを実際にプレイして初めて感じられる感覚なんですよね。やってみた人には分かるかもしれない,というものなので。
でも今の段階で「一つだけ言えるもの」と言われたら,やはり“生活感”しかない,というのが正直なところで。IO本部が作られたときから,「ブルーアーカイブのように,学校という異世界に入りたい」という気持ちでゲームを作りたい,という思いがあった。
![]() |
4Gamer:
でも同じようなものは作れない。
チャ氏:
ええ。「ブルーアーカイブとは違わなければいけない」という目標のもとでずっと作ってきて,行き着いたのが“生活感”だった。だからそこじゃないかな,と。
ただ,生活感はユーザーが直接体験しないと,「なるほど,これがそれか」とは分からないかもしれない。だから説明が難しいんです。
キム氏:
あまり説明すると,期待を煽りすぎて,逆に失望させてしまうかもしれない。「めちゃくちゃ良いゲームなんじゃないか」と過剰に期待させてしまうんじゃないか,という不安は正直あります。
ただ,今後もっと情報が公開されて,画像や動画やプレイ映像が出てくれば,「ああ,こういうことか」と伝わっていくと思うので。今年中には,また新しい情報を出せると思います。一生懸命頑張ってやってます。
チャ氏:
ブルアカは34か月で世に出たので,これもちゃんとできますよ!
4Gamer:
短いほうのティザーを観たときにも思ったんですが,ロングバージョンでますます感じたのが,すごく“VRChatっぽい”ですよね。キャラクターの動きや,向いている方向,選択肢の出方とか。
![]() |
キム氏:
その反応は,実はティーザーのコメントでも他の方から多く出ていました。だからこそ逆に言うと,そういう方たちにも「生活感」というものが伝わったのかな,と思ったりもしました。
4Gamer:
「生活感」でもうひと声。
キム氏:
ええと,生活感を目指して,実現するためにリソースがすごいかかってます。アニメーションもたくさん作っています。ティザーはほんの一部です。
チャ氏:
アニメーション本当にいっぱい作っています!
4Gamer:
開発規模はどのくらいなんですか?
キム氏:
まず開発人数で言うと,「ブルーアーカイブ」のリリース時の人数の2倍以上。今はもう2.5倍くらいの人数で作っています。おそらくリリース時点では,ブルーアーカイブのリリース時の3倍くらいの開発人数になるんじゃないかと。
4Gamer:
シンプルに言うと,3倍くらいの労力がかかっているということですか。
キム氏:
人数で見ると,確かに。
3D表現も増えるし,アニメーションも増える。3Dの作り方も多岐にわたるし,アニメーションもたくさん作らなければならない。時間の面でも,ブルーアーカイブよりかかっています。
……そう考えると,「生活感」という言葉を,なぜ言ってしまったんだろう(笑)。
![]() |
4Gamer:
え(笑)。
キム氏:
今になって「言わない方が良かったかな」と,ちょっと申し訳なく思っているところもあります。
4Gamer:
とても重要なキーワードですしね。
キム氏:
ええ,ですから会社の話に移りましょう!(笑)
4Gamer:
今,チームがブルアカの3倍と言ってましたが,その開発チームというのは,そもそも「ブルーアーカイブ」のメンバーとは別のチームなんですか。それとも,ある程度ブルアカを担当した人が引き継いで移ってきているんですか。
キム氏:
先ほどの話ともつながるんですが,ブルアカのメンバーがそのまま担当している,というわけではありません。「ブルーアーカイブとは違うものにしなければならない」という前提があったので,ブルアカの人をたくさん連れてくる,という方向では考えなかったです。
プロジェクトを立ち上げるときのコアメンバーに,ブルアカ出身者が最低限だけいる,というくらいです。たとえばミンソもブルアカ出身ですが,チームとしてはまったく別です。
4Gamer:
そもそも,MXスタジオとRXスタジオがあって,その二つが所属しているのが「IO本部」ですよね。
突然現れた謎の組織(笑)なので,どういう経緯で出来たのか,どんな組織なのかを聞きたいです。
キム氏:
これ事前に「聞かれますよ」と教えられていたので答えを短く書いておこうとしたら,かなり長くなってしまって……(笑)。まず先に「ごめんなさい」と言わせてください。おそらく重要な質問だと思うので,きちんとお答えしようと思って。
4Gamer:
お願いします。
キム氏:
これまでNEXON Gamesが作ってきたゲームは,「ブルーアーカイブ」に至るまで,全部ジャンルが違ったんです。
最初のHITがアクションゲーム,次が「オーバーヒット」でターン制RPG,3つ目がMMORPG。そして4つ目が「ブルーアーカイブ」でした。それぞれPDも違えば,スタジオ自体も違う。新しい開発者が新しいスタジオで作る,というのがNEXON Gamesのスタイルだったんです。
4Gamer:
はい。
![]() |
ところが,「ブルーアーカイブ」を作ったMXスタジオに対して代表から「新作を作ろう」という話になったとき,今度は“連続性”が必要だと判断しました。美少女というジャンルが,アクションなどの他ジャンルとはまた違う特性を持っているからです。理由は三つあります。
一つ目は,組織文化。可能な限りフラットな組織のほうが良い結果物が出る,と考えています。
グラフィックスやアニメーションなど,アーティストのエゴ……こだわりと言ってもいいですが,それが十分に発揮できる環境が良いです。ただ,それでもプロダクションとして守るべき部分はあるので,日程は守る。そういうシステムと組織文化を,MXスタジオで築いてきた。それを断ち切らずに引き継いで,続けていく必要がありました。
二つ目は,ゲームの外にあるIPの発展です。
美少女ゲームは,漫画やアニメ,商品化まで視野に入れて開発する必要がある。「ブルーアーカイブ」を通してそのノウハウを蓄積できたので,これも続けていきたかった。そして三つ目は……。
4Gamer:
三つ目は?
キム氏:
三つ目は,率直に言って「ブルーアーカイブ」という名前が必要だった,ということです。
美少女ジャンルの開発者は,そもそも採用がとても難しい。いそうだけど,あまりいないんです。だから人を集めるためにも,そして海外の会社と協業していくためにも,「ブルーアーカイブと同じ地盤を共有する組織だ」とアピールできることにメリットがあった。
外部の取引先,ほかのパートナーと話すときにも,「ブルーアーカイブと一部共有しているところがあります」と説明できる方が有利なんです。
この三つの理由から,「ブルーアーカイブから引き継ぐべきだ」と代表に説明しました。
4Gamer:
なるほど,分かりやすいです。
キム氏:
NEXON Gamesには従来,スタジオはすべて独立して動く前例がなかったです。でも先のような理由があったので,スタジオの上位概念として「本部」というものを作りました。上下ではなく“横のつながり”のような形にしよう,という発想で「IO本部」という概念が生まれたんです。
プロジェクトRXも,元々はIO本部内のタスクフォースチームから出たプロジェクトですが,それをスタジオ化して,RXをMXと並ぶ“姉妹スタジオ”のようにしました。それが2年前,2024年の話です。
4Gamer:
ということは,IO本部はNEXON Gamesの中のカテゴリーというか組織の一つであって,NEXON全体で美少女ゲームのブランディングをするために作った,というわけではない。
キム氏:
そうです。親会社が「やっていい」と言えば,やれることもあるかもしれませんが,とりあえずはNEXON Gamesの中で,という位置づけです。
4Gamer:
IO本部自体は日本語のXアカウントも開設してますよね。
美少女ゲーム開発集団「IO本部」の公式アカウントです。
— IO DIVISION 公式 (@IO_DIVISION) November 28, 2025
「ブルーアーカイブ」「プロジェクトRX」などの開発情報を中心に発信していきます!
フォロー&応援よろしくお願いします!
キム氏:
IO本部のビジョンを語るなら,結局はIO本部そのもののブランディングが必要になる。だからロゴを作り,IO本部のアイデンティティを見せられるSNSや広告を作り,その“見せる場所”を用意した,という感じですね。
4Gamer:
……ところで急に気になったんですけど「IO」って何ですか?
チャ氏:
秘密です(ニヤリ)。
想像におまかせします。入社したら教えます。IOに関しては,外に公開できないレベルの“理由”があるんです。
4Gamer:
えええ……入社するか……。
キム氏:
「魔法の秘密を知ってしまったら,それはもう魔法じゃない」んです。
4Gamer:
急に意味深なことを。
![]() |
ヨンハは開発の話をしていても,こういう風に,突然その場とはまったく関係ないコメントを差し込むことがあるんです(笑)。
「今ここでこれを決めなきゃいけない」というときに,まったく別の話をする。「なんの話?」と思うんですが,でもその一言をみんなで座って考えてみると,そこから結論が出たりする。ヨンハがぽつりと言った一言に,みんなが「うーん」と考えて,「これかな」と答えが出てくる。
キム氏:
僕は常に“意図”を言っています。答えを出すのは,開発する本人たちに任せて,僕は意図だけを説明している。でもIOは秘密ですよ(笑)。
4Gamer:
Input/Outputとか。
キム氏:
うん,そういう見解もありますね。
4Gamer:
もしかしてMXとRXの意味も秘密?
チャ氏:
入社したら教えてあげます(ニヤリ)。
キム氏:
いつもこうやって“勧誘”しているんですよこの人。
4Gamer:
NEXON GamesのYouTubeでも,IO本部のIOは何ですかというくだりがあって,そこも「秘密」と言ってますもんね。本部名なのに!
チャ氏:
IO本部の名前の由来はなんなのか,それはヨンハさんが好きなようにしているので(笑)。
キム氏:
こういうことを言っていいのか分かりませんが,「NEXON」と付けたらちょっとカッコ良くないかなと思って。
4Gamer:
ブランディングとしては,むしろアピールすべきだと思いますけどね。日本で「NEXON」と言っても,美少女ゲームの印象はそこまで強くないと思いますし。というかなんなら「ブルーアーカイブ」自体がNEXONであるということも知らない人がいるでしょう。
せっかくIO本部を作ったのだから,「NEXON Gamesはこういうこともやってますよ」というのを,もっと見せていってもよいのかなと。
キム氏:
まさにおっしゃるとおりで,アピールポイントを考えて,みんなにどういう風にIO本部を知ってもらうようにすればいいかなとずっと考えています。
……まぁその関係でSNS担当者が「20万フォロワー」という目標を掲げてしまったので,自分で自分の首を絞めて,かなり苦しんでますけど(笑)。
4Gamer:
日本語?(愛を=アイオー)
チャ氏:
ふふふ,それもご想像におまかせします(ニヤリ)。
4Gamer:
もう(笑)。
チャ氏:
気になりますよね! 知りたいですよね!
さあ,その勢いで入社してください。
4Gamer:
人事権ないのに適当だなぁ(笑)。
キム氏:
「ブルーアーカイブ」も,全部は説明しないんです。全部見せないところに良さがある。だからIOも同じです。
チャ氏:
ヨンハは本当に面白い人ですよ,変な人でもある(笑)。
名前を選ぶときも「こう言えば人は興味を持つかな?」という発想でやっている。「こう言ったら,みんな気になるでしょ? ふふふ」みたいな。僕から見ると,「どうしたらそういう発想ができるんだろう」というものを,ずっと持ち合わせている人なんです。
キム氏:
(ちょっと照れながら)……それって「子どもっぽい」「大人になれていない」ってことでしょう?(笑)
![]() |
チャ氏:
この質問は,本当に会う人会う人みんなが僕に聞くんですよ。「IOって何?」「RXって何? MXは?」って。ヨンハには聞けないから,絶対に僕に聞いてくる。でも僕も絶対に答えられない(笑)。
4Gamer:
堅牢な秘密ですね。
チャ氏:
……そう,とにかく秘密で,重要なんです(笑)。
キム氏:
NEXONという看板を汚さないように,一生懸命やっていく所存です。
4Gamer:
イ社長はどんな感じで?
[インタビュー]制作中の新作はおよそ15本。「結局は,楽しいゲームを作って,それをちゃんと提供しなければなりません」―――ネクソンの新代表が語る,ネクソンというゲーム会社のありかた
韓国の大きいゲーム会社というのは,G-STARに持ち回りで出展しているように見えるのだが,今年の話題は,メインスポンサーのネクソンだ。そのネクソンの新社長(“新”といっても数か月前だが)がインタビューの時間をくれるというので,B2Bブースにお伺いしてきた。
[インタビュー]「マビノギモバイル」が日本先行サービスされる,その真意――「どれだけ売れたか」ではなくて「どれだけ愛されたか」を最終的に重視する,ネクソンの長期戦略
ちょうど1年くらい前にインタビューしたネクソン社長のイ・ジョンホン氏に,再びインタビューする機会を得た。前回はイ氏本人と会社のことを聞いたので,今回は「この1年」の話を聞こうと思っていたら,マビノギモバイルという思わぬ伏兵が。
キム氏:
あっ。イ社長は「ブルーアーカイブ」の日本の周年イベントにも来てくださったんです。たくさんの“先生”が来てるのを見てすごく喜んでくださって,励ましの言葉もかけてくれました。
いつも感謝の気持ちでいっぱいです。だからこそ,NEXONの名前を汚さないように努めています。
4Gamer:
ちゃんと書いておきますね。
なんだか,いいコンビですね。うまくはぐらかされた気もしますが(笑)。
(一同笑)
キム氏:
今日は喋りすぎた気がして,ちょっと心配です。
チャ氏:
特に「生活感」の話を,かなり期待を煽る方向に広げてしまったんじゃないかなぁ。
4Gamer:
えー,僕としては「うまくはぐらかされたな」と思ってますけど(笑)。
でもまぁ確かにいざ文字にしてみると,けっこうちゃんと喋ってることは多いですよね。
キム氏:
ロングバージョンのティザーもお見せしたし,日本でロングバージョンをご覧になった方はほとんどいないので,皆さんはたぶん,この瞬間「日本で一番RXに詳しい人」になったんじゃないかと(笑)。
チャ氏:
その戦闘シーンも,お見せしたのは6か月前のバージョンです。
今はもっと良くなっていて,背景のクオリティも上がっています。だから,あの動画より戦闘も背景もかなり良くなっている,というのが今の状況です。
4Gamer:
長い時間ありがとうございました! いい記事になりそうです!
チャ氏&キム氏:
ありがとうございました。
![]() |





















![画像ギャラリー No.001のサムネイル画像 / [インタビュー]ブルアカとは“成分”が違う美少女ゲーム「プロジェクトRX」とは何者なのか。開発を統べるキム・ヨンハ氏&チャ・ミンソ氏ロングインタビュー](/games/851/G085169/20260716012/TN/001.jpg)

![画像ギャラリー No.002のサムネイル画像 / [インタビュー]ブルアカとは“成分”が違う美少女ゲーム「プロジェクトRX」とは何者なのか。開発を統べるキム・ヨンハ氏&チャ・ミンソ氏ロングインタビュー](/games/851/G085169/20260716012/TN/002.jpg)
![画像ギャラリー No.004のサムネイル画像 / [インタビュー]ブルアカとは“成分”が違う美少女ゲーム「プロジェクトRX」とは何者なのか。開発を統べるキム・ヨンハ氏&チャ・ミンソ氏ロングインタビュー](/games/851/G085169/20260716012/TN/004.jpg)
![画像ギャラリー No.005のサムネイル画像 / [インタビュー]ブルアカとは“成分”が違う美少女ゲーム「プロジェクトRX」とは何者なのか。開発を統べるキム・ヨンハ氏&チャ・ミンソ氏ロングインタビュー](/games/851/G085169/20260716012/TN/005.jpg)
![画像ギャラリー No.003のサムネイル画像 / [インタビュー]ブルアカとは“成分”が違う美少女ゲーム「プロジェクトRX」とは何者なのか。開発を統べるキム・ヨンハ氏&チャ・ミンソ氏ロングインタビュー](/games/851/G085169/20260716012/TN/003.jpg)
![画像ギャラリー No.015のサムネイル画像 / [インタビュー]ブルアカとは“成分”が違う美少女ゲーム「プロジェクトRX」とは何者なのか。開発を統べるキム・ヨンハ氏&チャ・ミンソ氏ロングインタビュー](/games/851/G085169/20260716012/TN/015.jpg)
![画像ギャラリー No.006のサムネイル画像 / [インタビュー]ブルアカとは“成分”が違う美少女ゲーム「プロジェクトRX」とは何者なのか。開発を統べるキム・ヨンハ氏&チャ・ミンソ氏ロングインタビュー](/games/851/G085169/20260716012/TN/006.jpg)
![画像ギャラリー No.034のサムネイル画像 / [インタビュー]ブルアカとは“成分”が違う美少女ゲーム「プロジェクトRX」とは何者なのか。開発を統べるキム・ヨンハ氏&チャ・ミンソ氏ロングインタビュー](/games/851/G085169/20260716012/TN/034.jpg)
![画像ギャラリー No.035のサムネイル画像 / [インタビュー]ブルアカとは“成分”が違う美少女ゲーム「プロジェクトRX」とは何者なのか。開発を統べるキム・ヨンハ氏&チャ・ミンソ氏ロングインタビュー](/games/851/G085169/20260716012/TN/035.jpg)
![画像ギャラリー No.033のサムネイル画像 / [インタビュー]ブルアカとは“成分”が違う美少女ゲーム「プロジェクトRX」とは何者なのか。開発を統べるキム・ヨンハ氏&チャ・ミンソ氏ロングインタビュー](/games/851/G085169/20260716012/TN/033.png)
![画像ギャラリー No.018のサムネイル画像 / [インタビュー]ブルアカとは“成分”が違う美少女ゲーム「プロジェクトRX」とは何者なのか。開発を統べるキム・ヨンハ氏&チャ・ミンソ氏ロングインタビュー](/games/851/G085169/20260716012/TN/018.jpg)
![画像ギャラリー No.010のサムネイル画像 / [インタビュー]ブルアカとは“成分”が違う美少女ゲーム「プロジェクトRX」とは何者なのか。開発を統べるキム・ヨンハ氏&チャ・ミンソ氏ロングインタビュー](/games/851/G085169/20260716012/TN/010.jpg)
![画像ギャラリー No.020のサムネイル画像 / [インタビュー]ブルアカとは“成分”が違う美少女ゲーム「プロジェクトRX」とは何者なのか。開発を統べるキム・ヨンハ氏&チャ・ミンソ氏ロングインタビュー](/games/851/G085169/20260716012/TN/020.jpg)
![画像ギャラリー No.008のサムネイル画像 / [インタビュー]ブルアカとは“成分”が違う美少女ゲーム「プロジェクトRX」とは何者なのか。開発を統べるキム・ヨンハ氏&チャ・ミンソ氏ロングインタビュー](/games/851/G085169/20260716012/TN/008.jpg)
![画像ギャラリー No.009のサムネイル画像 / [インタビュー]ブルアカとは“成分”が違う美少女ゲーム「プロジェクトRX」とは何者なのか。開発を統べるキム・ヨンハ氏&チャ・ミンソ氏ロングインタビュー](/games/851/G085169/20260716012/TN/009.jpg)



![画像ギャラリー No.016のサムネイル画像 / [インタビュー]ブルアカとは“成分”が違う美少女ゲーム「プロジェクトRX」とは何者なのか。開発を統べるキム・ヨンハ氏&チャ・ミンソ氏ロングインタビュー](/games/851/G085169/20260716012/TN/016.jpg)
![画像ギャラリー No.019のサムネイル画像 / [インタビュー]ブルアカとは“成分”が違う美少女ゲーム「プロジェクトRX」とは何者なのか。開発を統べるキム・ヨンハ氏&チャ・ミンソ氏ロングインタビュー](/games/851/G085169/20260716012/TN/019.jpg)
![画像ギャラリー No.017のサムネイル画像 / [インタビュー]ブルアカとは“成分”が違う美少女ゲーム「プロジェクトRX」とは何者なのか。開発を統べるキム・ヨンハ氏&チャ・ミンソ氏ロングインタビュー](/games/851/G085169/20260716012/TN/017.jpg)
![画像ギャラリー No.014のサムネイル画像 / [インタビュー]ブルアカとは“成分”が違う美少女ゲーム「プロジェクトRX」とは何者なのか。開発を統べるキム・ヨンハ氏&チャ・ミンソ氏ロングインタビュー](/games/851/G085169/20260716012/TN/014.jpg)
![画像ギャラリー No.028のサムネイル画像 / [インタビュー]ブルアカとは“成分”が違う美少女ゲーム「プロジェクトRX」とは何者なのか。開発を統べるキム・ヨンハ氏&チャ・ミンソ氏ロングインタビュー](/games/851/G085169/20260716012/TN/028.jpg)
![画像ギャラリー No.021のサムネイル画像 / [インタビュー]ブルアカとは“成分”が違う美少女ゲーム「プロジェクトRX」とは何者なのか。開発を統べるキム・ヨンハ氏&チャ・ミンソ氏ロングインタビュー](/games/851/G085169/20260716012/TN/021.jpg)
![画像ギャラリー No.022のサムネイル画像 / [インタビュー]ブルアカとは“成分”が違う美少女ゲーム「プロジェクトRX」とは何者なのか。開発を統べるキム・ヨンハ氏&チャ・ミンソ氏ロングインタビュー](/games/851/G085169/20260716012/TN/022.jpg)
![画像ギャラリー No.032のサムネイル画像 / [インタビュー]ブルアカとは“成分”が違う美少女ゲーム「プロジェクトRX」とは何者なのか。開発を統べるキム・ヨンハ氏&チャ・ミンソ氏ロングインタビュー](/games/851/G085169/20260716012/TN/032.jpg)
![画像ギャラリー No.029のサムネイル画像 / [インタビュー]ブルアカとは“成分”が違う美少女ゲーム「プロジェクトRX」とは何者なのか。開発を統べるキム・ヨンハ氏&チャ・ミンソ氏ロングインタビュー](/games/851/G085169/20260716012/TN/029.jpg)
![画像ギャラリー No.012のサムネイル画像 / [インタビュー]ブルアカとは“成分”が違う美少女ゲーム「プロジェクトRX」とは何者なのか。開発を統べるキム・ヨンハ氏&チャ・ミンソ氏ロングインタビュー](/games/851/G085169/20260716012/TN/012.jpg)
![画像ギャラリー No.013のサムネイル画像 / [インタビュー]ブルアカとは“成分”が違う美少女ゲーム「プロジェクトRX」とは何者なのか。開発を統べるキム・ヨンハ氏&チャ・ミンソ氏ロングインタビュー](/games/851/G085169/20260716012/TN/013.jpg)
![画像ギャラリー No.023のサムネイル画像 / [インタビュー]ブルアカとは“成分”が違う美少女ゲーム「プロジェクトRX」とは何者なのか。開発を統べるキム・ヨンハ氏&チャ・ミンソ氏ロングインタビュー](/games/851/G085169/20260716012/TN/023.jpg)
![画像ギャラリー No.024のサムネイル画像 / [インタビュー]ブルアカとは“成分”が違う美少女ゲーム「プロジェクトRX」とは何者なのか。開発を統べるキム・ヨンハ氏&チャ・ミンソ氏ロングインタビュー](/games/851/G085169/20260716012/TN/024.jpg)
![画像ギャラリー No.025のサムネイル画像 / [インタビュー]ブルアカとは“成分”が違う美少女ゲーム「プロジェクトRX」とは何者なのか。開発を統べるキム・ヨンハ氏&チャ・ミンソ氏ロングインタビュー](/games/851/G085169/20260716012/TN/025.jpg)
![画像ギャラリー No.026のサムネイル画像 / [インタビュー]ブルアカとは“成分”が違う美少女ゲーム「プロジェクトRX」とは何者なのか。開発を統べるキム・ヨンハ氏&チャ・ミンソ氏ロングインタビュー](/games/851/G085169/20260716012/TN/026.jpg)