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[SPIEL\'19]砂時計を使ったライトなカードゲーム「House Flipper」。中古の家を改装して転売,豊かな老後を目指せ!
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印刷2019/10/29 16:37

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[SPIEL'19]砂時計を使ったライトなカードゲーム「House Flipper」。中古の家を改装して転売,豊かな老後を目指せ!

 Sit Down! gamesといえば,どこかPCゲームを思わせる作風で知られているが,SPIEL'19に出展されたタイトルにも,それは引き継がれていた。
 新作となる「House Flipper」は,同名のPCゲームとは直接の関係こそない模様(スタッフに聞いても「そういうゲームがあるんですか?」という反応だった)だが,そういうニュアンスを強く感じるリアルタイム型のカードゲームとなっている。
 ルール説明からスタートして20分程度で1プレイできる,ライトな仕上がりの本作を簡単に紹介しよう。

リノベーションよりも販売が中心


 本作において,プレイヤーは中古の家を購入し,それをリノベーションして販売する業者になる。最終的な目的は,そうやって販売した家の利益をもとに,豊かな引退後の人生を送ることだ。
 「中古の家をリノベーションして販売し利益を得る」というメカニズムは,完全にPCゲームの「House Flipper」と同一なのだが,とりあえず本稿ではこのあたりは詳しくツッコまないことにしよう。実際,PCゲームの方はリノベーション作業がプレイの中心となっているが,本作ではリノベーションした家を売って蓄財するところが中心なので,ゲームのテイストは別物と言ってよい。

画像集 No.001のサムネイル画像 / [SPIEL'19]砂時計を使ったライトなカードゲーム「House Flipper」。中古の家を改装して転売,豊かな老後を目指せ!

 プレイに使用するカードは大きく分けると2種類。ざっくり言えば「中古の家」のカードと,「引退に向けた蓄財」カードだ。「中古の家」カードは「田舎の家」と「都会の家」に分かれるが,どちらも「中古の家」として同じ機能を果たす。

 ゲームはリアルタイムで進行し,いわゆる「ターン」は存在しない。すべてのプレイヤーは,ゲームをプレイする条件さえ揃っていれば,自由なタイミングで遊んだり山札からカードを手に入れて構わない。

 山札は3段×3列の9枠に配置される。1段目には「引退に向けた蓄財」カード,2段目には「都会の家」カード,3段目には「田舎の家」カードが置かれる。それぞれの段には3つの列があるが,それぞれの列に対してカード枚数が均等になるように山札を作る。なお山札のカードは表向きになるようにしておく。
 手札は原則として存在せず,プレイヤーが獲得したカードはすべて公開状態で各プレイヤーの前に並べていくことになる。

画像集 No.002のサムネイル画像 / [SPIEL'19]砂時計を使ったライトなカードゲーム「House Flipper」。中古の家を改装して転売,豊かな老後を目指せ!
山札が9個できることになる。なお,正直なところ各山の枚数はわりと適当でも問題ないかなという感触

 カード以外には砂時計キューブが存在する。砂時計は家賃の獲得タイミングを示し,キューブはプレイヤーの一時的な資産を示す。砂時計もキューブも4色存在する。
 ゲーム開始時,プレイヤーは灰色の砂時計を1本だけ持った状態でゲームを開始する。

 さて,準備が整ったところで実際にどのようにゲームが進行するかを見てみよう。

家を転売して資産を変換・増大させていく


 ゲームが始まったら,プレイヤーは砂時計をひっくり返す。この砂時計が落ちきると,プレイヤーはその砂時計と同じ色のキューブを1個手に入れられる。そう,家賃である。ゲーム開始直後の場合,プレイヤーは灰色の砂時計を1本だけ持っているので,すべてのプレイヤーはほぼ同時に灰色のキューブを1個手に入れることになる。

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スタートと同時に砂時計をひっくり返す

 そしてここから先は,プレイヤーの選択が別れていくことになる。
 場にあるカードを獲得する場合,それぞれのグリッド(3段×3列で9グリッド)に示されたものと同じだけのキューブを支払わねばならない。
 例えば3段目の左端と中央であれば,灰色のキューブ1個で山札の一番上のカードを獲得できる。一方で3段目の右端にあるカードがほしい場合は,灰色キューブが2個必要だ。
 また写真ではちょっと見分けが付きにくいが,2段目の左端と中央は茶色のキューブが1個,右端は赤キューブが1個が必要になる。

 言うまでもなく,灰色キューブ1個でカードを引けるほうが,2個必要なときよりは効率がいい。またそれぞれのグリッドの山札はランダムに作られるので,灰色キューブを2個支払うからといって,それに見合った価値のあるカードが手に入るとは限らない
 だが状況次第では,灰色キューブを2個支払ってでも,そのグリッドの山札からカードを獲得したくなることはある。

 このようにして「中古の家」カードを獲得したら,プレイヤーはそのカードを裏返しにする(Flipする)ことで,カードに示されたキューブを獲得できる。
 下の写真の例であれば,灰色のキューブを支払って「田舎の家」カードを1枚手に入れ,それを裏返しにすることで茶色のキューブ1個を手に入れる,という手順になる。

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グリッドに示されているように灰色のキューブを支払って(なお獲得するカードを人差し指で触れるのが正式ルール)
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家カードを手に入れ
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これを裏返すことで茶色のキューブを手に入れる

 これを繰り返していくと,プレイヤーの手元には徐々に黄色や赤のキューブも増えていく。これを消費することで「引退に向けた蓄財」カードを獲得できるというわけだ。

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このカードを手に入れるためには,グリッドに示されているように赤キューブ2個と黄色キューブ2個が必要
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 なお「砂時計が落ちきったら砂時計と同じ色のキューブが手に入る」というメカニズムは,これらのカードプレイの間もずっと有効だ。従ってプレイヤーは「中古の家」カードをキューブに交換しつつ,定期的に砂時計をひっくり返して家賃収入を確保することが求められる。なかなか忙しい。

砂時計を使ったカジュアルなゲーム


 「中古の家」カードのなかに特殊なカードが2種類混じっている。
 ひとつは砂時計が増えるもので,このカードを獲得したプレイヤーはカードが示す色の砂時計を入手し,その砂時計が落ちきったところで同色のキューブを入手できる。また以降も,そのプレイヤーは獲得した砂時計を家賃収入として活用し続けられる。
 もうひとつは「インテリアデコレーター」カードだ。このカードを獲得した場合,プレイヤーは同カードの上に砂時計を置くことができる(1枚につき1本のみ)。そして,この砂時計が落ちきると,砂時計の色のキューブが通常より多い2個獲得できるようになる。
 特殊カードはいずれも強力で,かつ2つ揃うと決定的なパワーを発揮する。これらのカードが山札の一番上に見えた場合,必要なキューブの数が多くとも積極的に確保に動きたいところである。

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写真2191:左がインテリアデコレーター。右が茶色キューブが手に入る「中古の家」。右のカードで茶色の砂時計を手に入れれば,それをインテリアデコレーターの上に置くことで定期的に茶色キューブ2個が手に入るようになる

 またプレイしていると忘れそうになるが,「同色のキューブ4個で特定の色のキューブ1個にする」というルールもある。あまり起きにくい状況ではあるが,勝利が近いときに意識できるかどうかで勝敗が分かれ得る。

 その上で本作をトリッキーにしているのは,勝利条件だ。
 「引退に向けた蓄財」カードは4種類(各13枚)あり,ゲームに勝利するにはこのカードを誰よりも早く複数枚集める必要があるが,「あがり」を迎えるには複数のパターンが存在するのだ。
 「あがり」のパターンは以下の通りである。
  • 3つの異なる種類を,それぞれ3枚ずつ
  • 4つの異なる種類を,それぞれ2枚ずつ
  • 1種類を6枚

画像集 No.010のサムネイル画像 / [SPIEL'19]砂時計を使ったライトなカードゲーム「House Flipper」。中古の家を改装して転売,豊かな老後を目指せ!
「4つの異なる種類を,それぞれ2枚ずつ」を達成したところ

 「引退に向けた蓄財」カードもランダムに3つの山札に配分されるので,「1種類を6枚」はかなり達成が難しい。また本作はリアルタイム進行なので「取れるカードを取っていく」という戦術(というか手なり進行)がメインになりやすい。よって,4種2枚が最も達成しやすいように思える。
 ただし,プレイヤー人数が多ければ多いほど(最大4人)「引退に向けた蓄財」カードデッキのトップが取られていく回転も早くなるので,結果的に狙った1枚を集めやすくなりやすいとも言えるのだが,それを狙いすぎれば他のプレイヤーとのバッティングという悲劇も起きやすい。
 このあたりは場全体を冷静に見る目が必須になるが,本作はとにかく忙しいため,他のプレイヤーの手元まで見ている余裕はあまりない。

 本作はとてもカジュアルでライトだが,短時間でぱっと盛り上がれるゲームでもある。また色々なゲームに慣れているプレイヤーでも,初プレイでは自分の手元を見るのに必死になり,砂時計をひっくり返し忘れて奇声を上げてしまうことは珍しくないだろう。
 このあたり,本作は熟練ゲーマーにも「もう1回やろう,次はもっとうまくやってみせる」と思わせる要素を持っていると言える。
 先にも述べた通り,砂時計を使うゲームは増大傾向にあるが,本作はそういった作品群の中でも飛び抜けて軽いルールを持っているのも美点だ。たっぷり頭を使うゲームの合間の1プレイに,とてもフィットするゲームである。

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