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「プラグマタ」の大ヒットを記念した「父の日スペシャルイベント」をレポート。開発秘話やボイス収録時のエピソードなど,盛りだくさんの内容に
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印刷2026/06/19 18:44

イベント

「プラグマタ」の大ヒットを記念した「父の日スペシャルイベント」をレポート。開発秘話やボイス収録時のエピソードなど,盛りだくさんの内容に

 カプコンは2026年6月18日,「『プラグマタ』大ヒット記念!父の日スペシャルイベント」を,東京・上野のesports Style UENOにて開催した。

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 本イベントは,同社のSFアクションアドベンチャー「プラグマタ」PC / PS5 / XBOX Series X|S / Switch2)の全世界販売本数が,リリースから16日で200万本を突破したことへの感謝を込めて企画されたものだ。

 会場には,開発陣に加え,主人公のヒュー・ウィリアムズ役を務めた田中美央さんと,もう1人の主人公・ディアナ役の東山奈央さんが登壇し,同タイトルにまつわるトークを披露した。また記事の後半には開発陣へのメディア合同インタビューの模様を掲載している。
 なお本稿は,ネタバレを含む内容になっているので,閲覧する際はその点に注意してほしい。

 イベントの冒頭には,「プラグマタ」のプロデューサー・大山直人氏とディレクター・趙 容煕氏が登壇した。
 大山氏によると,本作にまつわるSNSの投稿には「ヒューとディアナが親子に見える」「親になった気持ちでディアナを見てしまう」といった内容のものが多いとのこと。そこで6月21日が「父の日」であることにちなみ,ファンへの感謝の気持ちを表せないかと考え,本イベントを企画したそうだ。

左から大山直人氏,趙 容煕氏
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 趙氏は,ヒューの名前は「ヒューマン」から採っていることを明かした。大山氏も,宇宙服を着てヘルメットを被ったヒューの姿が一見ロボットのようで実は人間,人間の少女のような姿のディアナが実はアンドロイドという対比になっていることを指摘する。
 また趙氏は,ディアナを描くにあたり「愛着を感じて,ずっと一緒にいたくなる存在にしたかった」と語った。

 会場では,本作の開発過程を振り返る映像も披露された。その内容は,2019年に「月面でゲームを作れ」というお題を出された開発チームが,本作のリリースまでに辿った紆余曲折を描いたものだ。
 パズルとシューターの融合を考えついたのはいいが,開発が思うように進まず延期となったことや,社内レビューで酷評され開発中止になりかけたが,そのあと4か月間の開発チームの奮闘により大きな改善が施され,最後のプレゼンで本制作へのGOサインが出たことなどが明かされた。

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 結果として本作は大ヒットといえる成果を出したわけだが,大山氏は新規IPを作るにあたり,ヒューとディアナをキャッチーにすることで,多くの人の興味・関心を引くことを意識したと語る。また趙氏は,新しい遊びを提供するにあたり,いかにして入りやすくするかを心がけたと話していた。

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 会場では,田中さん演じるヒューと東山さん演じるディアナが父の日にまつわる会話を交わす2つの朗読劇が披露され,その間にトークセッションも行われた。
 田中さんは,ヒューについて「子供は苦手」と言いつつも,ディアナを上手に扱っていると評した。また東山さんは,ディアナを「父性だけでなく,母性もくすぐる」と表現するとともに,「ヒューもすごく実用的だよ」といったセリフにアンドロイドらしさを感じると述べていた。

左から田中美央さん,東山奈央さん
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 大山氏によると,田中さんと東山さんはシナリオ担当のスタッフなど関係者10名が投票で選出したとのこと。最終決定を下したのはディレクターの趙氏で,思い描いたエンディングにマッチするかどうかが決め手となったそうだ。

 田中さんはヒューを演じるにあたり,筑波宇宙センターに出向いて「宇宙に1人取り残されたらどんな気持ちになるだろうか」と考えたという。
 また主人公2人が海岸で会話するシーンは,ヒューがディアナを1人の人間として扱う象徴的なシーンであり,とくに力を入れて演じたと語った。

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 東山さんは,本作のボイス収録が通常のゲームとは異なり,洋画などの吹き替えに近かったことを指摘した。尺が決まっている中で,自然体の子供らしさを出すことに注力したと話していた。
 また大山氏によると,東山さんの演じたボイスを含めディアナの所作があざとくなりすぎないよう,開発チーム内の「ディアナ警察」がチェックしていたという。

 ゲームのボイスは個別収録が一般的だが,本作は主人公2人の掛け合いが多いことから初回のみ田中さんと東山さんが一緒に収録することになったそうだ。
 吹き替えに慣れていないため,想定以上に時間がかかってしまった東山さんだったが,収録後,田中さんから「よく頑張った!」と声をかけてもらい,嬉しかったというエピソードなども披露された。

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 そのほかディアナの仕草や行動は,趙氏をはじめ,お子さんを持つスタッフの経験や意見・アイデアを参考にしたことや,ディアナのお絵かきはアンドロイドが人間らしさを学んでいくところを表現していることなどが明かされた。
 また父の日を迎えるにあたり,田中さんと東山さんが親御さんからの教えを振り返る場面もあった。

朗読劇では,ヒューとディアナの親子を思わせる絆がフィーチャーされた
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実施中のキャンペーン各種も紹介された
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東山さんが田中さんにキャンペーンのノベルティをプレゼントする一幕も
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東山さんには趙氏からプレゼントが!
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6月19日の無償アップデートにて,体験版に登場した「らくがきスーツ」が実装されると発表に
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声優陣が,らくがきスーツを装着したヒューを操作して,トレーニングシミュレーションに挑戦
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見事2人とも成功し,Tシャツを獲得!
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本作のエンディングテーマ「Memories Are You」の新オフィシャルMVもお披露目に。ゲーム内とは異なる画角の新映像が含まれている。同楽曲を歌うシンガーソングライター・由薫さんからのメッセージも披露された
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 イベントのクロージングでは,登壇者4名が本作をプレイした人たちに向けて感謝を述べるとともに,さらに多くの人たちにプレイしてほしいとコメント。最後に大山氏が,グッズなどを含め今後も本作を展開していくので,ぜひ期待してほしいとまとめていた。

 なお本イベントのアーカイブが,YouTubeのCapcomChannelにて公開されている。詳細を知りたい人は以下をチェックしてほしい。



「プラグマタ」プロデューサー&ディレクター インタビュー


 イベント終了後,大山氏と趙氏に対するメディア合同インタビューが行われたので,その模様をお伝えしよう。
 なお「プラグマタ」の続編やシリーズ化などに関しては,カプコンの2026年3月期 決算説明会の質疑応答にて示された「初動を踏まえ,継続的に分析を行いながら,今後のシリーズ化について検討」という回答以上の話はできないとのことだった。

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──完全新規IPで200万本セールス記録は,近年だとかなり異例だと思うのですが,何が要因だったと捉えていますか。

趙氏:
 受け入れられやすいキャラクターの魅力が大きかったと思います。新しい遊びは魅力的ではありますけれども,触ってみないと分からないですから。

大山氏:
 まずキャラクターに興味を持っていただき,そのうえでゲームプレイに興味を持った人たちが体験版を触って面白いとなる。そこから口コミが広がり,本編を買ってみようかとなる動線を過不足なく構築できたことが大きかったかなと思います。

──多くの人は,ディアナというキャラクターから本作に興味を抱いたのではないかと思います。彼女のキャラクターは,開発初期から決まっていたのでしょうか。

趙氏:
 自分はアーティスト出身ですから,本作のディレクションは絵を描きながら進めたんです。最初は月面の何もない空間に,パッと目を惹くものが必要だろうと考えました。
 まず宇宙飛行士を置いてみたのですが,それだけでは何も面白くない。何を置けば興味を持ってもらえるだろうかといろいろ試した結果,1人の少女が生まれ,今のディアナになっていきました。

趙氏による200万本突破記念イラスト
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大山氏:
 ディアナのキャラクター像に関しては,受け入れられやすい水準になるよう調整を重ねました。
 たとえば2020年のトレイラーの彼女からは,物静かで無口な印象を受けたかもしれません。しかし実際のゲームプレイでは,無口すぎるとキャラクターとしての存在感が薄くなってしまうため,一緒にいて楽しくなるような調整を施しました。

──開発チーム内のディアナ警察が,あざとくなりすぎないようチェックしていたというお話でしたが。

趙氏:
 ディアナ警察のスタッフは,全員女性だったんです。女性キャラクターのあざとさに関しては,女性のほうが敏感なんですよね。男性だと「何が違うの?」となるような微妙な差異でもしっかり指摘してくれました。

大山氏:
 開発中は,キャラクター像を定めることがすごく難しいんです。リリース後は「このキャラクターはこうだよね」という共通認識が,プレイしてくださった人たちを含めて広がります。
 しかし開発している間は,キャラクター像が変わることも視野に入れなければならないので,しっかり軸を決めていたとしても先端がブレやすくなる。その揺らぎの部分をチーム全体で補正して,今のディアナに仕上げていったというイメージです。

──イベントでは,趙さんがエンディングを重視してヒューとディアナを演じる声優を決定したという発言もありました。

趙氏:
 新規IPだからこそ,クリアしたあとに余韻があり,ずっと記憶に残るゲームにしたかったんです。そのためには,エンディングが極めて重要だと考えていました。
 エンディング自体は開発初期から自分の中で決めていて,そのまま実現しています。ボーカルが入った楽曲を聴くだけでも本作を思い浮かべるような内容にしたかったので,サウンドにもこだわりました。
 キャラクターのセリフも「こういうトーンで,こういうことを言うだろう」というものがあり,その演技ができる声優さんは誰かと考えたときに,田中さんと東山さんがピッタリだったんです。

──ちなみにエンディングでディアナと別れたあと,ヒューはどうなったのでしょうか。

大山氏:
 可能性はいろいろありますので,ご想像にお任せします。見ていただいたものがすべてかなと。

──本作最大の特徴となるパズルとシューターを融合させるアイデアは,どのようにして生まれたのでしょうか。

趙氏:
 当初はSFシューターを考えていました。ただ新規IPですから普通のシューターではなく,撃ちながら何かをすることを考え,そこから相棒の概念が生まれ,ハッキングにつながっていきました。

大山氏:
 最初のコンセプトはパズルではなく,ハッキングだったんです。ハッキングをどうやって表現するか試行錯誤していった結果,パズルが採用され,さらなる試行錯誤を経て今の形に仕上がりました。

ディアナの等身大立像も展示されていた
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──RE ENGINEだからこそ,本作で実現できたことがあれば教えてください。

大山氏:
 RE ENGINEには過去の自社タイトルのノウハウが蓄積されており,それらを応用して新作のニーズに沿った機能を持たせることができます。
 たとえば,ディアナの頭髪の表現には「ストランドヘアー」を用いていますが,これはもともと別のタイトルでショートヘアに適用されていた技術です。それを本作ではロングヘアに適用するチャレンジをしました。そういったところが,RE ENGINEの強みです。

──イベントで公開された映像では,社内レビューで酷評されてからわずか4か月で絶賛に変わったことが示されました。要因は何だったのでしょうか。

趙氏:
 映像では編集の関係から短期間ですべて改善していったかのように見えますが,実際にはそれまでの失敗を踏まえた結果として,すでに出ていた改善案もありました。
 4か月だけで乗り越えたわけではなく,失敗を捨てずに利用して次につなげるというそれまでの積み重ねを通して成功への道ができていったという感じです。


──プレイした人からのフィードバックで印象に残ったものはありますか。

大山氏:
 「泣いた」というコメントが目立ちますね。全体的に楽しんでいただけているという印象です。あとはトレーニングシミュレーションの一番最後,30番が突出して難しいという意見が多数寄せられています。こちらは6月19日の無償アップデートにて,難しさを緩和する調整が入ります。

──セールスが好調だっただけでなく,プレイした人のレビューも高評価が多かったように思います。ここまでの手応えは,事前に予想できていましたか。

大山氏:
 予想以上の反響でした。ありがたい限りです。

趙氏:
 予想をはるかに超えました。

──リリース後,開発チーム内ではどのようなやり取りがありましたか。

大山氏:
 プレイしてくださった皆さんの反応をチェックして,「こんなリアクションがあった」とか……。

趙氏:
 「こんな有名人が感想を述べている!」とか(笑)。そうやってチーム内で共有して自信を得たり,酷評を見て落ち込んだりしています。

大山氏:
 「もう少しこうしておけばよかった」という部分もありつつ,そうは言っても当時の我々としては全力を出し切った結果ですから,皆さんの評価をありがたく受け止めています。

──そうしたプレイヤー層の中で,意外だった人たちがいればぜひ教えてください。

大山氏:
 予想以上に若い方がプレイしてくださっている印象があります。開発チームの関係者など,業務で知り合う方のお子さんがプレイしているという話をよく聞きまして,そこは意外に感じています。今の若い皆さんはシューターに馴染みがあり,またパズルへの順応性も高いため,サクサクプレイできているようです。

趙氏:
 あとは女性がプレイしてくださっていることも意外でした。ジャンルがSFなので,男性には好まれるけれども,女性はどうだろうと思っていたのですが,意外に女性インフルエンサーの皆さんが気に入ってくださって。

大山氏:
 今回は父の日イベントでしたけれども,ぜひお母さんにもプレイしていただければと(笑)。

趙氏:
 おそらく,ディアナが絵を描いてくれるといった部分が男女問わず刺さったんでしょうね。そういう出来事は,もちろんプレイした人が嬉しく思うよう意図的に仕込んでいるんですけれども,ここまで感動していただけるとは思いませんでした。

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──あらためて,大ヒット達成後の心境などを教えてもらえますか。

大山氏:
 マインドセット自体は開発中からチーム全体で変わっていません。開発が難航したときもリリース後も一貫して,「プレイしてくださった人を楽しませたい」「自分たちの作ったゲームを多くの人に楽しんでほしい」という気持ちです。今200万人の皆さんがプレイしてくださっていることに対しては,チーム一同「大変だったけれども頑張った甲斐があった」と思っています。

趙氏:
 最初は新規IPを作るというプレッシャーがあり,また自分自身のディレクターとしてのデビュー作でもあったので「何とか成功させなければ」という気持ちでした。
 考えすぎてアイデアが出ない時期もありましたが,「自分が根本的にやりたいことは何か?」ということを突き詰めた結果,こういうゲームに仕上がったんです。結局,自分が好きなものを信じてやっていくことが一番大事なんだとあらためて感じました。

──ありがとうございました。

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