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Intelの初代マイクロプロセッサ「4004」誕生から50年。同社がこれまでの取り組みを振り返る
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印刷2021/11/16 19:25

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Intelの初代マイクロプロセッサ「4004」誕生から50年。同社がこれまでの取り組みを振り返る

 米国時間2021年11月15日,Intelは,同社製の初代マイクロプロセッサである「Intel 4004」の誕生50周年を迎えたと発表した。これに合わせて,Intelの日本法人であるインテルは,オンラインで記者説明会を開催し,4004が開発された経緯や同社の歩みを振り返った。

4004は1971年に誕生
画像集#001のサムネイル/Intelの初代マイクロプロセッサ「4004」誕生から50年。同社がこれまでの取り組みを振り返る

 4004が誕生したきっかけは,1969年に日本計算機販売(※1970年に社名をビジコンに変更)が,Intelに卓上計算機用のカスタムチップの開発を依頼したことに始まる。当初は12個(13個という証言もある)のカスタムチップを開発する予定だった。しかし,設立したばかりの企業であったIntelがそれだけの製品を開発するリソースがなかったこととや,コストがかかってしまうという理由から,計画を変更。Intelのエンジニアであったマーシャン・テッド・ホフ氏のアイデアをもとにして,最終的に4004を含む4種類のチップを開発することになったという。

マーシャン・テッド・ホフ氏とスタン・メイザー氏,フェデリコ・ファジン氏らが中心となって4004は開発された
画像集#002のサムネイル/Intelの初代マイクロプロセッサ「4004」誕生から50年。同社がこれまでの取り組みを振り返る

 マイクロプロセッサが誕生する以前のコンピュータは,大規模な回路基板を必要とする巨大な装置であった。これがマイクロプロセッサの登場によって,大幅な小型化が実現できるようになったという。

非常に巨大な計算機と同じ性能を,指先ほどの小さなチップで実現できるようになった
画像集#003のサムネイル/Intelの初代マイクロプロセッサ「4004」誕生から50年。同社がこれまでの取り組みを振り返る

 4004が登場したあともIntelは,半導体製造技術の進化に合わせて,プロセッサに集積可能なトランジスタの数を増やしてきた。半導体製造技術の進化を表した法則が,同社の共同創業者であるゴードン・ムーア氏が発表した「ムーアの法則」だ。

ムーア氏が示した「ムーアの法則」は,12カ月ごとにプロセッサに集積可能なトランジスタがおよそ2倍になるというもの。現在Intelは「24カ月にトランジスタの集積度を2倍」としている
画像集#004のサムネイル/Intelの初代マイクロプロセッサ「4004」誕生から50年。同社がこれまでの取り組みを振り返る

 4004では,トランジスタを2300個しか搭載していなかったのに対して,現行の「第12世代Coreプロセッサ」は数十億にも達する。

4004と第12世代Coreプロセッサの比較
画像集#005のサムネイル/Intelの初代マイクロプロセッサ「4004」誕生から50年。同社がこれまでの取り組みを振り返る

 Intelは現在,CEOであるパット・ゲルシンガー氏指揮のもと,同社が「IDM 2.0」と呼ぶ戦略の実現に取り組んでいる。IDM 2.0では,自社の生産施設(ファブ)の能力を拡充しつつ,外部の生産施設も活用する方針だ。さらにIntelのファブを利用して他社製プロセッサを製造するファウンダリビジネスにも,これまで以上に取り組む方針だという。

IntelのIDM 2.0戦略
画像集#006のサムネイル/Intelの初代マイクロプロセッサ「4004」誕生から50年。同社がこれまでの取り組みを振り返る

 また,Intelは,2025年までの技術ロードマップを公開しており,第12世代Coreプロセッサに採用する製造プロセスである「Intel 7」に続いて,「Intel 4」「Intel 3」「Intel 20A」と製造プロセスを更新する予定だ。このうち,Intel 20Aは,次世代トランジスタ技術の採用や電源供給用の配線層を最適化した革新的な製品になるという。

製造プロセスの技術ロードマップ
画像集#007のサムネイル/Intelの初代マイクロプロセッサ「4004」誕生から50年。同社がこれまでの取り組みを振り返る

 さらに,Intelがこのところとくに力を入れているプロセッサのパッケージ技術についても,3D積層技術の「Foveros」をさらに改良したテクノロジーを投入する予定とのことだ。

パッケージ技術のロードマップ
画像集#008のサムネイル/Intelの初代マイクロプロセッサ「4004」誕生から50年。同社がこれまでの取り組みを振り返る

Intelの日本語公式Webサイト


#### 以下,リリースより ####

インテル 4004 マイクロプロセッサー 50周年
人々の生活を一変させるテクノロジーを形づくり、
歴史的なマイルストーンを刻んだ、
世界初の商用マイクロプロセッサー

新着情報:世界初の商用マイクロプロセッサーであるインテル 4004 マイクロプロセッサーは本日、登場から50周年を迎えました。1971年の発表以来、現在のマイクロプロセッサー・コンピューティングの道を拓き、エッジからクラウドに至るまで、最新テクノロジーのほぼすべてを実現する「頭脳」としての役割を確立したのがインテル 4004 マイクロプロセッサーです。マイクロプロセッサーは、ユビキタス・コンピューティング、優れた接続性、クラウドからエッジまでのインフラストラクチャー、AIというテクノロジーのSuperpowersを融合し、現在かつてないほどのペースで進むイノベーションを創造しています。

インテル コーポレーション CEO(最高経営責任者)のパット・ゲルシンガー(Pat Gelsinger)は、「インテル 4004マイクロプロセッサーの登場から、今年で50年を迎えました。この半世紀の間にインテルがどれほどのことを実現してきたか考えてみましょう。この製品の登場はテクノロジーにおける偉大な節目となりました。このチップが、コンピューティングを本格的に発進させる原点となったのです」と述べました。

重要なポイントは:インテル 4004マイクロプロセッサーは、マイクロプロセッサーのパイオニアであると同時に、その成功は、複雑な集積回路を構築して指の爪ほど小さいチップに載せることができるという証明でもありました。またこの発明によって、ランダムロジックの新たな設計手法が確立し、後に続く何世代にもわたるマイクロプロセッサーの基盤となり、現在の最新デバイスに搭載されているチップへと進化は続いています。

テッド・ホフ(Tedd Hoff)、スタン・メイザー(Stan Mazor)との協働でインテル 4004マイクロプロセッサーを設計し誕生させた、元インテルのエンジニアであるフェデリコ・ファジン(Federico Faggin)は、「1970年当時を振り返ってみると、マイクロプロセッサーの登場によって、ハードウェアの代わりにソフトウェアを使用するようにシフトし、システムの設計方法が変わるであろうことは明らかでした。とはいえ、マイクロプロセッサーが時間とともに進化し、業界に受け入れられるようになったスピードには、実に目を見張るものがあります」と述べています。

今後は:インテル 4004マイクロプロセッサーにより、デスクトップ計算機向けに初の市販マイクロプロセッサー製品が設計および製造されるようになり、現代のコンピューティング時代が幕を開けた一方、最新の第12世代 インテル Coreプロセッサー・ファミリーは、10月に開催されたインテル Innovationイベントでインテルが発表したとおり、x86 コンピューティングの新たな時代を切り拓いていきます。

この最新ファミリーの高性能ハイブリッド・アーキテクチャーは、ソフトウェアとハードウェアをつなぐ緊密な共同エンジニアリングによって、設計面で大転換をもたらしました。このアーキテクチャーが何世代にもわたり世界をリードしていく新たなレベルのパフォーマンスを実現していくのは間違いありません。

インテル 4004マイクロプロセッサーの歴史:1969年、日本計算器販売株式会社(当時:1970年に社名を現在の「ビジコン株式会社」に変更)はインテルに、同社の試作用エンジニアリング電卓「ビジコン 141-PF」用の集積回路の設計を依頼しました。

インテルのエンジニアであるファジンと彼のチームは、12個のカスタムチップの原案をもとに、インテル4004マイクロプロセッサーを含む4個のチップセットを設計し、要求を満たしました。最終的にインテル4004マイクロプロセッサーは指の爪ほどの大きさで、1946年に作られた最初の電子計算機と同じ計算能力を発揮し、部屋全体を埋め尽くしました。

  • 関連タイトル:

    第12世代Core(Alder Lake)

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