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多様なジャンルが出揃った「ゲームマーケット2022春」レポート。中国のロックダウンを受け新作に影響も。来場者数はほぼ横ばい
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印刷2022/04/28 16:35

イベント

多様なジャンルが出揃った「ゲームマーケット2022春」レポート。中国のロックダウンを受け新作に影響も。来場者数はほぼ横ばい

 2022年4月22日と23日の2日間,アークライト主催によるアナログゲームの祭典「ゲームマーケット2022春」が,東京ビッグサイト 西ホール1・2にて開催された。

ゲームマーケット開催時には不思議と晴れ渡ることの多いビッグサイト。初日は珍しく霧が立ち込める中での開催となった。会場のかなり手前からオレンジのユニフォームをスタッフが常駐し,列形成の混乱を避ける万全の体制が敷しかれていた
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 2021年11月に開催された前回に引き続き「早期入場権」システムが採用された今回も,会場には多くのアナログゲームファンが詰めかけ,各ブースを賑わせていた。とはいえ感染防止対策もしっかりと取られており,早期入場権による1時間の時間差入場のほか,入場者の名前と連絡先の記録や,会場のあちこちに消毒用アルコールが設置されるなど,万全の体制であったことがうかがえた。
 さまざまなジャンルのアナログゲームが一堂に会した会場から,本稿では目を惹いたブースを紹介していこう。

開場から5分後の会場の様子。前回に負けず劣らずの活気が感じられた
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「ゲームマーケット」公式サイト



リアル謎解きからマーダーミステリーまで。さまざまなジャンルが揃ったアナログゲームの祭典


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 前回も取り上げた「ヨフカシプロジェクト」のブースでは,すでに発売中の「まっぷたツートンソウル」「魔警オルトロス」の販売のほか,4月22日に発表されたばかりの第3弾タイトル「キルタイム・キラーズ 絶泉館の殺人」のキービジュルの展示が行われていた。ジャンルはマーダーミステリーで,共同原作として新たに集英社がプロジェクトに参加。またボードゲームカフェ「goonie cafe」とも連携し,制作が進んでいるとのことだった。発売は2022年7月予定で,すでにアニメイトでの予約受付も開始している。気になる人はチェックしておこう。

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 コナミデジタルエンタテインメントは,ボードゲーム「キルタイム・キラーズ 絶泉館の殺人」を2022年7月に発売すると発表した。メディアミックス企画「ヨフカシプロジェクト」の3作目で,同プロジェクト初となるマーダーミステリー作品だ。開発及び原作は,KONAMIと集英社が共同で担当している。

[2022/04/22 20:12]
 ユーロゲームの代表格として知られる「カタン」シリーズを展開するジーピーのブースではさまざまなボードゲームが当たる“1000円くじ”が実施され,長蛇の列となっていた。1等はコンポーネントがリッチな3Dコマになった「3Dカタン」だが,末等でも1000円相当のカードゲーム2本がもらえるということで,人気を集めていたようだった。

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 東急ハンズ横浜店にポップアップショップを出店するなど,ここ最近活動が活発な冒険企画局のブースでは,人気アニメとのコラボした新作ボードゲーム「ひぐらしのなく頃に-我-」の予約受付を実施。またブース内のステージではさまざまなトークイベントが開催され,「ひぐらしのなく頃に」竜宮レナ役の声優・中原麻衣さんや,参議院議員の山田太郎氏らが代わる代わる登壇。来場者の興味を惹いていた。
 さらには2022年1月に発売されたテーブルトークRPG「駆け出しアイドルRPG ビギニングアイドル」の謎解きイベントや,テーブルトークRPG「インセイン」を15分で体験できるコーナーもあって,幅広いジャンルを押さえていた印象だ。

コスプレは「駆け出しアイドルRPG ビギニングアイドル」の謎解きイベントのスタッフ。最初のフェイズは無料参加できるそうで,ナゾの配布を行っていた
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 リアル脱出ゲームや謎解きゲーム,LARPなど,毎回趣向を凝らしたライブイベントが実施されてきたゲームマーケットだが,今回もさまざまなイベントが開催されていた。なかでも注目は,マーダーミステリーブースと共同で開催されていた「現場検証ゲーム」だ。

被害者の遺体の位置に白線が引かれた殺害現場。プレイヤーは捜査員となって現場のあちらこちらをつぶさに観察する必要がある
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 現場検証ゲームとは,文字どおり事件に関係のある場所を調べて証拠を探し,推理していく謎解きゲームだ。ただし今回のゲーム「被害者Nの精算」では,調べる必要があるのは殺人現場だけに留まらない。離れたブースで手がかりを探索したり,こっそり潜んでいる情報屋に話しかけたりして情報を得ていく必要がある。そうして得たキーワードを専用のLINEbotに送信すると,対応した次のヒントが示される。こうしてヒントを集めながら,推理を進めていくというわけだ。

多くの捜査員で混雑する“現場”も
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 さらに今回はマーダーミステリーブースとの共同ということで,新たな要素も付け加えられていた。現場検証ゲームは,参加者の誰も同じ情報を元に推理を楽しむものだが,今回は2〜5人で遊ぶモード「疑心暗鬼編」が用意されていて,一緒に捜査している仲間は果たして信用できるのか,といったマーダーミステリー風のエッセンスが楽しめた。
 ちなみに最終的には,推理を完遂すると閉場間際の16:50に犯人が会場に現れることが判明し,指定された場所に行けば,犯人を示すオレンジ色のパーカーを着用した人物が逮捕される瞬間を目にできる趣向だった。

会場内を闊歩する怪しげな人物。なお「疑心暗鬼編」のほか「真剣推理編」も用意されており,こちらは1人でじっくり謎に挑めるモードとなっていた
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現場検証ゲームの制作者,うーべー氏
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 なおゲームには,2日間合わせて400名以上が参加したそうで,難度的にも簡単すぎず難しすぎない,ほどよいバランスだったように思う。

 制作者であるうーべー氏に話を聞いてみたところ,氏は元々謎解きが好きだったそうで,それが高じて現場検証ゲームを発案。活動拠点である北海道でイベントを開催していたという。今回はマーダーミステリーブースのオファーを受け,実施に至ったとのことだった。
 好評を受け,今後も現場検証ゲームを作り続けるのかと聞いてみると,「希望には応えつつ,まだまだ新たなジャンルの遊びを作ってみたい」との回答だったので,今後の活躍にも期待したい。

現場検証ゲームのほかにも,会場ではさまざまなライブイベントが開催されていた。写真は老舗であるよだかのレコードによる謎解きゲーム「謎だらけの天界試験からの脱出」
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こちらはボードゲーマーのプレイヤーマッチングアプリ「ボドゲゴー」による「ボードゲームタイプ診断」。設問に答えることで,8つのタイプから自分のプレイスタイルが診断できた
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会場盛況なれど,さらなる飛躍を目指して――アークライト・刈谷圭司氏ミニインタビュー


 以上のように盛況のうちに幕を下ろしたゲームマーケット2022春だが,一方で“目玉”と呼べる新作が少ない印象も感じられた。個人的にも,いつもは緩み過ぎる財布の紐が思いのほか堅く,事前に作成した購入リストにも,やや寂しさを感じてしまったのが正直なところだ。
 また2022年2月6日に予定されていた「ゲームマーケット2022大阪」が,“まん延防止等重点措置”の要請を受けて開催を自粛したことも記憶に新しい。理由が理由だけに致し方ないことではあるものの,最盛期の盛り上がりを知る者にとっては歯がゆさを感じるところではないだろうか。
 運営側はその辺りをどう考えているのか。ゲームマーケット事務局長の刈谷圭司氏に話を聞いてみた。

ゲームマーケット事務局長 刈谷圭司氏
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4Gamer:
 運営でお忙しいところ,お時間をいただきありがとうございます。まずは今回のゲームマーケットについての所感を聞かせてください。

刈谷圭司氏(以下,刈谷氏):
 まん延防止等重点措置こそ解除されましたが,状況はまだまだ沈静化したとは言えません。最大限に配慮はしていますが,皆さんにどれだけ来場していただけるかは不透明な面がありました。まずは無事開催でき,また皆さんにお越しいただけたことを喜びたい心境です。

4Gamer:
 会場を眺めていても,企業の参加も大分戻って来た印象です。

刈谷氏:
 そうですね。開催前日の設営でも資材持ち込みのトラックが増え,賑やかになってきた実感があります。

4Gamer:
 来場者数的にはいかがですか。体感では前回よりも増えた印象ですが。

刈谷氏:
 初日の来場者は概ね9500人だったので,2021年秋の1万人と比べると厳密には微減といったところでしょうか。

4Gamer:
 それは意外ですね。混み合った時間もありましたし,入場前の行列を見ていても,前回より賑やかに感じました。

刈谷氏:
 実際に,「すごい熱気があるね」という感想はいただいています。微減とはいえ見劣りはしない来場者数ですし,前回の開催がオリンピック直後だったということも考えると,妥当な数字なんじゃないかと思います。入場前の待機列も,前回の反省を踏まえ付近の公園を借りるなどの対策をしたので,かなり圧縮できました。

4Gamer:
 なるほど。来場者数以外ではいかがでしょうか。出展側の数や,全体の印象など。

刈谷氏:
 出展数は増えていて,その分少しだけですが落選も発生している状況です。あとは……メディアの取材を何件か受けたんですが,テレビ局さんから「客層の若いイベントなんですね」と言われたのが新鮮でした。恐らく,ここ数年で芸人さんやストリーマーさんがボードゲームを取り上げてくれるようになったのが影響しているのかもしれません。文化や娯楽のいちジャンルとして認知されつつあるというか。

4Gamer:
 確かに浅草の産業貿易センターで開催していた頃と比べると,大分変わりました(笑)。

刈谷氏:
 ええ。当時と比べると隔世の感があります(笑)。

4Gamer:
 出展される作品の傾向はいかがでしょうか。

刈谷氏:
 何かに偏ってる印象はありません。マーダーミステリーもジャンルとして定着しましたし,何かのジャンルが目立つというより,出展者の皆さんそれぞれの個性で,多様な作品が生み出されているのかなと。

4Gamer:
 中国のロックダウンの影響で新作が間に合わないという話も耳にしますが,その実感はありますか。

刈谷氏:
 アークライトでも,今回「タイガー&ドラゴン」の増産分が間に合いませんでしたし,影響は大きいですね。本来は3週間前に着荷する予定だったんですが,遅れに遅れてしまい……。こればかりは打つ手がないですし,皆さんが嘆くのもよく分かります。

4Gamer:
 ちなみにロシア情勢の影響というのは,感じられますか。

刈谷氏:
 今のところ,あまりないですね。ヨーロッパからの荷物はタンカーで希望峰をぐるっと回って届くので,もともと半年やそれ以上かかるものなんです。むしろコロナ禍が沈静化してくれたら,ヨーロッパからの参加者が増えたと思うので,それが残念です。

4Gamer:
 確かにコロナ禍の前は,海外のメーカーやバイヤーが増えた時期がありました。

刈谷氏:
 コロナ禍で,海外からの参加者は一気に減ってしまいました。とくに中国からの来場者がドーンと増えた印象で,中国でもボードゲームが盛んになると思っていたんですが……

4Gamer:
 運営主催のメインステージがないのも,感染症対策によるものですか?

刈谷氏:
 あまり人を密集させるイベントは,どうしても二の足を踏んでしまいますね。ご時世的なことを考えると,やはり動画配信などに移行せざるを得ないのかもしれません。

4Gamer:
 とはいえリアルイベントの良さもあると思うので,個人的にはそちらも期待したいところです。

刈谷氏:
 そういう意味では,2022秋のゲームマーケットでは一般の試遊スペースを復活させたいと考えています。まだ検討中の事柄ではあるんですが,次回は会場が東ホール1〜3に移り,床面積が1.5倍ほどになる予定です。半年後の情勢にもよるので確約はできませんが,実現すれば喜んでもらえるのではないかと。

4Gamer:
 ああ,試遊ブースがあると,ようやく往年のゲームマーケットという感じがします。ファミリー向けのプレイスペースなんかも,戻って来たら嬉しいですね。

刈谷氏:
 試遊があると皆さん閉場ギリギリまで帰らず遊んでくれますし,滞留時間も長くなる効果があります。情勢は読めないのでお約束はできませんが,前向きに検討していきたいです。

4Gamer:
 ウィズコロナの情勢下でも楽しめる,より良いイベントを目指していただきたいです。

刈谷氏:
 はい。国や都からの要請に従って,対策はもちろん今後もしっかりと行っていきます。試遊ができるようになれば,皆さんの出展意欲も今以上に高まるでしょうし,もっともっと盛り上げていきたいですね。

4Gamer:
 期待しています。本日はありがとうございました。

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 ここ数回のゲームマーケットを思い出してみると,午後も15:00を過ぎると人影がグッと減り,まるでお祭りが終わってしまうかのような,一抹の寂しさを感じることも少なくなかった。それだけに,試遊卓の存在は想像以上に大きな存在だったのかもしれない
 試遊卓のようなゲームマーケットを象徴する取り組みと,現場検証ゲームのような新たな潮流の登場。そのどちらもが,往年のゲームマーケットの活気を取り戻すことに寄与することを願ってやまない。次回「ゲームマーケット2022秋」に期待しよう。

「ゲームマーケット」公式サイト

  • 関連タイトル:

    キルタイム・キラーズ 絶泉館の殺人

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