下記の記事は,GAMEVU(→リンク)に掲載された記事を,許可を得て翻訳したものです。可能な限りオリジナルのまま翻訳することに注力していますが,一部日本の読者の理解を深めるために,注釈の追記や,本文や画面写真の追加・変更をしている箇所もあります。(→元記事)
ネクソン傘下のブロックチェーン企業NEXPACEが,自社が手がける「MapleStory Universe(MSU)」プロジェクトのネイティブトークンであるNXPCを買い戻す計画を明らかにした。同プロジェクトの長期的なエコシステム構想に,あらためて関心が集まっている。
最近公開された「Leaders' Note」で,NEXPACEのCOOであるキム・ジョンホン(KEITH)氏は,2026年5月22日に発表された最大1000万ドル(約16億円)規模のNXPC買い戻しプログラムについて,その背景にある理由を詳細に説明するとともに,同社のより広範なビジョンを共有した。
今回の買い戻しは3か月にわたって実施され,短期的な市場介入ではなく,ユーザーおよび開発者主導のエコシステム拡大を支える基盤的な取り組みとして位置づけられている。
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キム氏はまず,運営開始から1年の各種パフォーマンス指標を挙げ,一定の運営基盤を確立したとアピールした。現時点で85万件を超えるウォレットがエコシステムに参加しており,アクティブウォレットの約3分の2が毎月NXPCを利用しているという。
同社によれば,2026年第1四半期にはユーザーの支出が初めて報酬の分配を上回ったとのことだ。エコシステム内におけるユーザーの累積支出額は4910万NXPCに達し,累計832万NXPCがバーンされている。
同社はまた,最近の経済活動の伸びを「MapleStory N」で導入されたアップデートと関連付けた。同タイトルの1周年アップデートの一環として,「Maplers Shop」に新たなキャラクターおよびアイテムの育成オプションが追加され,「Power Crystal Payback」システムは復帰プレイヤーと既存プレイヤーの双方に恩恵をもたらすよう設計された。NEXPACEによれば,この期間には強化関連の活動に対する需要も増加したという。
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同社は今後のコンテンツロードマップも明らかにした。6月11日からは新クラスの「Hoyoung」「Ark」「Adele」が順次導入され,あわせて5次職Vコアスキルの拡張や,「Arcana」「Morass」「Esfera」「Sellas」にわたる7つの新マップが追加される。新ボス「Will」は7月に登場予定で,それに先立って3週間ごとに追加のマップが投入されていく。
とくに目を引いたのは,MSUが従来のゲームの枠を超え,真の「ビルダー中心のエコシステム」へと進化しようとする野心だ。キム氏は動画共有プラットフォームの進化と重ね合わせ,制作ツールや配信チャンネルがますますアクセスしやすくなるなかで,ゲームにおいても消費者とクリエイターの境界が引き続き曖昧になっていくと述べた。
歴史的に,ゲーム開発には専門人材,大規模な制作パイプライン,そしてパブリッシング能力が求められてきた。しかしキム氏は,AIツールの進化により,自然言語で表現された創造的なアイデアをプレイ可能な体験へと変換することが,ますます現実的になりつつあると語る。
同時に同氏は,これがすべてのユーザーをプロの開発者にするという意味ではないとも明言した。むしろ,参入障壁の低下により,従来の専門家集団の枠を超えてゲーム制作への参加が大きく広がることを期待しているという。
こうした背景のもと,MSUは単なる制作ツール以上のものを提供することを目指している。同プラットフォームは,IP,デジタルアセット,配信,決済インフラ,経済システムを統合した枠組みを構想している。言い換えれば,クリエイターはゲームを構築する能力だけでなく,公開と同時にユーザーや市場へ即座にアクセスする手段を得ることになる。
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この取り組みの一環として,同社は戦略の中核を成す柱として「Vibe IP」を打ち出した。このフレームワークは,開発者ではない人々が「メイプルストーリー」のIPを用い,より低い技術的障壁でゲームのアイデアを実現できるよう支援するためのものだ。MSUは今年6月,Verse8と提携して「MapleStory Vibe Camp」を開催する予定だ。
同社によれば,参加者は自然言語ベースのAIゲーム制作ツール,開発クレジット,「メイプルストーリー」のアセットとゲームプレイシステムを接続するMCPスタック,そして初期段階の作品を対象としたコンペティションプログラムを利用できるようになる。同社は,ユーザーのアイデアが機能するゲームとして形になり,エコシステム内で即座に活動を生み出していくような構造を作ることが目標だと述べた。
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NXPCの買い戻しは,こうしたより広範なビジョンと直接結びついている。同社によれば,本プログラムはOTCパートナーを通じて実行され,市場への影響を最小限に抑えるためにTWAPおよびVWAPの手法が用いられる。買い戻しに必要な資金は,NEXPACEのバランスシートから拠出される。
買い戻されたトークンは,のちにビルダー向けインセンティブ,パートナーシップの取り組み,そしてVibe IPに関連する活動の拡大を支える運営資金として活用される。同社は,単に市場価値を防衛することに注力するのではなく,エコシステム内におけるNXPCの実用性を強化し,将来の成長を支えるためにそれを活用していく方針だ。
これとは別に,同社は5000万ドル(約80億円)規模のエコシステムファンドの計画も発表した。このファンドは,MSU内で活動する開発者,チーム,パートナー,そしてアプリケーションを支援する。買い戻しがエコシステムにおけるNXPCの役割を強化することを狙いとしているのに対し,ファンドは活発な参加の拡大を目的として設計されている。
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業界全体では,ゲーム,制作ツール,そしてブロックチェーンベースの経済システムを,統合されたエコシステムへとまとめあげようとする動きが引き続き勢いを増している。ただし,持続的なユーザー獲得と実現可能なマネタイズの双方を証明できた事例は少ない。MSUは,「メイプルストーリー」が確立してきたブランド認知度と,ゲーム内アセット経済を活用することで,この機会に挑もうとしている。
同社は,より多くのユーザーが最終的にはプレイヤーであることにとどまらず,クリエイターや能動的な参加者となっていくと考えている。ただし業界関係者は,現実世界での成功を最終的に決めるのは,技術的成熟度,規制環境,ユーザー体験の三者のバランスであると指摘している。
結局のところ,NXPCの買い戻しはトークン価格対策としての意味よりも,MSUがクリエイター中心のゲームエコシステム構想を実現できるかどうかを試す試金石としての意味のほうが大きいだろう。
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(著者:キム・ギヒ)























