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“左手法”を用いた探索システムに注目。約3年を経てグラフィックス,音響,システムが大幅にクオリティアップした「Algolemeth」をプレイ[TGS2026]
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印刷2026/09/18 00:07

プレイレポート

“左手法”を用いた探索システムに注目。約3年を経てグラフィックス,音響,システムが大幅にクオリティアップした「Algolemeth」をプレイ[TGS2026]

 千葉・幕張メッセで開催されている「東京ゲームショウ2026」の架け橋ゲームズ / Devolver Digitalブースに,Medium-Rare Gamesが手掛ける新作タイトル「Algolemeth」が出展されていた。

TGS出展バージョンは,Steamで公開された体験版の短縮版となっていた。今回の記事では,Steamの体験版で得られた情報も併せて紹介している
画像ギャラリー No.001のサムネイル画像 / “左手法”を用いた探索システムに注目。約3年を経てグラフィックス,音響,システムが大幅にクオリティアップした「Algolemeth」をプレイ[TGS2026]

 Algolemethは,自律駆動するゴーレムの行動をビジュアルプログラミングで設計し,全自動でダンジョンの攻略に挑むRPGだ。ダンジョン攻略中,プレイヤーにできるのはゴーレムの行動を見守ることだけなので,得られた結果をもとに何度もロジックを組み直し,トライ&エラーを繰り返して攻略を目指すことになる。


 4Gamerでは2023年に「BitSummit」に出展されたバージョンのプレイレポートを掲載していたが,その時点で基本的な仕組みはほぼ完成していた。

 そんな本作は2025年のGYAAR Studioインディーゲームコンテスト入賞に伴う各種支援を受け,現在は大幅な要素拡張とブラッシュアップが行われているという。約3年を経て本作がどう進化したのか,実際にプレイして確かめてみた。

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 2023年7月14日〜7月16日に京都府のみやこめっせにて開催された「BitSummit Let's Go!!」では,国内外の新作インディーゲームが出展されていた。本稿では,AIをプログラミングしダンジョンを自動攻略するという,ユニークなゲームシステムが光る「Algolemeth」のインプレッションをお届けする。

[2023/07/19 16:01]


古代祐三氏による奮い立たせる音響とエレガントな探索システム


 結論からいうと,本作は旧バージョンとは別物といって差し支えない。もちろん,良い方向で。

案内役のキャラクターが登場し,丁寧に仕様を解説してくれるようになった。ちょっと珍しいシステムを搭載しているゲームなので非常にありがたい
画像ギャラリー No.002のサムネイル画像 / “左手法”を用いた探索システムに注目。約3年を経てグラフィックス,音響,システムが大幅にクオリティアップした「Algolemeth」をプレイ[TGS2026]

 ゲームを開始した瞬間,プレイヤーを出迎えてくれるのは完全に刷新された美しい2Dドットアートと,RPGファンにはなじみ深い古代祐三氏が手掛ける音響である。同氏はBGMとSEの両面を引き受けており,アートとのかみ合いもピッタリだ。

 現行のグラフィックスや音楽の一部は,2025年7月に公開された紹介動画で確認できる。懐かしさを感じさせるモノクロのアートスタイルは引き継がれているが,過去に公開されていたスクリーンショットや映像と比較すれば,その変わりっぷりは一目瞭然だろう。


 ゲーム部分についても,以前より大幅にブラッシュアップされた。特に大きく変わったのは,プログラムを組み立てるブループリント(設計図)が「戦闘」「探索」に分割され,ダンジョンに固定マップが導入された点だ。

画像ギャラリー No.003のサムネイル画像 / “左手法”を用いた探索システムに注目。約3年を経てグラフィックス,音響,システムが大幅にクオリティアップした「Algolemeth」をプレイ[TGS2026]

 以前は通路やイベントをランダム生成する仕様だったが,現在は固定のマップを「探索ブループリント」のアルゴリズムに従って進む形式になった。驚くべきは,それを複雑なプログラムを組ませるのではなく,探索の挙動を非常にスマートな形で実現している点だ。

 探索ブループリントではゼロから命令を用意する必要はなく,原則として「左側の壁に沿って進む」というルールが規定されている。壁に沿って歩き続ければいつか出口にたどり着く,いわゆる「左手法」をそのまま採用しているわけだ。プレイヤーは,そこに“例外”を足してやればいい。

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 たとえば「パーティメンバーのいずれかが死亡」のIFノードを組み込んで「YES」→「撤退」とすれば,通常時は左手法探索を行い,条件が満たされたら自動で撤退してくれる。

 曲がる方向を変えたい場合は,マップに配置できる「地点マーカー」を利用しよう。右折したいT字路にマーカー「A」を置き,IFノード「Aに到達」を配置し,そこから「YES」→「右折」とすれば経路を変えられる。

 探索ロジックをゼロから組み立てるとなると非常に難解だが,原則部分に「最低限探索を完遂可能,かつシンプルなロジック」を置き,試行錯誤のポイントを明確にしているわけだ。戦闘と探索の2つを考えなければならない本作において,こうした工夫で得られる快適性は想像以上に大きい。

探索終了時にはログを細かく追えるほか,各イベントの詳細も確認可能になった
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 こうした探索要素の進化は,戦闘面にも影響を与えている。戦闘ではゴーレム(パーティメンバー)ごとにブループリントが用意され,それに従う形で戦いが進むことになる。

画像ギャラリー No.007のサムネイル画像 / “左手法”を用いた探索システムに注目。約3年を経てグラフィックス,音響,システムが大幅にクオリティアップした「Algolemeth」をプレイ[TGS2026]

 マップも出現する敵も固定,かつ戦闘にはランダム要素が一切なく,敵もゴーレムと同じくブループリントに従って行動するため,同じ構成で挑めばまったく同じ結果が返ってくる。つまり,敗北した理由さえ突き止めれば確実に対策ができるということだ。

 ただ,ダンジョン内でブループリントの組み替えはできないので,すべての敵に完璧に対応するのは難しい。そこで,探索ブループリントを組み替え,少ないリソース消費で撃破可能な敵がいるルートだけを通ってダンジョンを攻略するという手が使える。

一度でも出会った敵が持つブループリントは,ダンジョンの外でも確認できる
画像ギャラリー No.008のサムネイル画像 / “左手法”を用いた探索システムに注目。約3年を経てグラフィックス,音響,システムが大幅にクオリティアップした「Algolemeth」をプレイ[TGS2026]

 なかなか面白いのは,失敗した探索や脇道の探索そのものが無駄にならないところだ。敵を倒したり,宝箱を開けたりすると「ノード」(命令)が手に入り,より複雑なブループリントを組み立てられるようになる。戦闘や探索にランダム要素はないが,ドロップするノード自体はランダムなので,そこでプレイヤーによる差が出てくるわけだ。

 ただし,全滅すると,探索中に入手したノードは失われてしまう。前述した「パーティメンバーのいずれかが死亡したら撤退」といった命令も,単なる安全策ではない。どこまで探索を続け,どの段階で戦利品を持ち帰らせるかというリスク管理まで,探索ブループリントに組み込む必要がある。

演出は高速化可能で,最高速で回せばものすごい速度でゲームを進められる。不要なノードは売ってお金にできるほか,ショップで新たなノードを揃えられるので,ノード自体の不足に苦労させられることはない
画像ギャラリー No.009のサムネイル画像 / “左手法”を用いた探索システムに注目。約3年を経てグラフィックス,音響,システムが大幅にクオリティアップした「Algolemeth」をプレイ[TGS2026]

 ノードがたくさん集まってくると,いろいろな発想が生まれてくる。新しいノードを見るたび「あの攻撃はこの命令でタイミングをズラせるのでは?」「これをあと1個用意すればもっと強い動きができるのでは?」といった考えが頭をぐるぐる回るのは,本作ならではの体験といえる。

 個人的には「これって攻撃偏重でいいのでは?」と考え,パーティメンバーの4人のうち3人を攻撃偏重に変え,最後にデバフ役を積んで突貫しボスに勝利したランが非常に楽しかった。思考自体はパズルゲーム的ではあるが,対策が適切に機能する感覚にはしっかりとRPGらしさがある。

ゴーレムは成長しないが,素体ごとに基礎ステータスが異なる。新たな素体は「組み込まれているノードがすべて判明した敵」の数だけ増えるので,同じ敵をいろいろなパターンで攻略することで新たな素体が得られることもある
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 全体を通して,本作は以前とはまったく異なる作品になった。かつては「強力な戦闘プログラムを作るゲーム」に近かったが,現在は「探索と戦闘を一体で設計するゲーム」へと変わり,より“ダンジョン探索RPG”らしい姿になったように感じられた。

 本作の体験版はSteamで公開中で,日本語にも対応している。製品版は2026年内の発売を予定しており,具体的な発売日はまだ発表されていない。今回紹介したロジック構築が気になった人は,まずは公開されたデモ版で,自分の組んだゴーレムたちが思惑どおりにダンジョンを攻略してくれるか試してみてほしい。



  • 関連タイトル:

    Algolemeth

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