ブラザー販売は2026年5月27日,同社が手がける体験型アミューズメント施設
「BROTHER JOYFACTORY TOKYO」(ブラザージョイファクトリートーキョー)のメディア向け発表会と内覧会を開催した。本稿で,その模様をレポートしよう。
6月30日に正式オープン予定の本施設は,東京の京橋にある「ブラザー東京ショールーム」をリニューアルしたもので,訪日観光客を主なターゲットとしている。
来場者は書道や剣技,カラオケなどといった日本文化がモチーフのアクティビティを
体験し,「自分が主役になる」喜びを楽しめるほか,その体験シーンをTシャツや缶バッジ,レコードジャケットといった
オリジナルグッズにして持ち帰れる。プリンティング技術を活用した新商品や新サービスの展開を掲げる,ブラザーグループの強みが活かされた施設だ。
また,「APPLESEED」などの作品で知られるアニメ監督の
荒牧伸志氏,「モンスターハンター」シリーズを手がけた
小嶋慎太郎氏など,各界を代表するクリエイターが参加していることも,注目すべきポイントとなるだろう。
発表会では,まずブラザー販売の代表取締役社長である
安井宏一氏が登壇し,本事業の狙いを説明した。
ブラザー販売 代表取締役社長 安井宏一氏
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安井氏によると,1908年にミシンの修理業から始まったブラザーは,お客様第一の精神を土台に,多様な事業と技術で新しい価値を生み出してきたが,それはまだ社会に伝わっていないという。「BROTHER JOYFACTORY TOKYO」は,創業の精神を大事にしつつ,改めてその価値を社会に送り出したいという思いのもとで開業するようだ。
「BROTHER JOYFACTORY TOKYO」は,ブラザーが長年培ってきた,「つくる」と「楽しむ」を新しい形で融合させ,今の時代に合わせて表現するものになるという。来場者自身が主役になり,ブラザー製品を使って体験を形にし,持ち帰る。そしてそれが共有されることで,次の楽しみにつながる。安井氏は,本施設がその象徴的な拠点であり,スタート地点であると,今後の展開への期待を示した。
次に登壇したのは,ブラザー販売の取締役を務める
兼広友里恵氏。本企画にはプロジェクトリーダーとして関わっている。
ブラザー販売 取締役 兼広友里恵氏
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「BROTHER JOYFACTORY TOKYO」の企画を始めて3年,事業部や会社を越えて取り組んできたと語る兼広氏は,本施設を,「ものがたり」と「ものづくり」をシームレスに融合させるサイバー・フィジカル拠点と表現。単にモノを所有するだけでなく,「体験」「共有」へ広げていく場所だとした。
4つのアクティビティを楽しんだあと,すぐに10種のグッズが作れることについては「このクオリティと速さを実現している事業はほかにない」「今の時代だからこそ,自分が参加し,自分の物語として残せる体験が求められている」と語った。
兼広氏は本施設を,さまざまな新事業が持つ可能性のひとつの形であり,ブラザーの次の挑戦につなげる実験場でもあると説明し,「皆さまと一緒に,新しい“JOY”を作っていきたい」と熱意を見せた。ゆくゆくは,この仕組みを観光地,IP,テーマパークなどに広げ,新しい協業価値や体験価値を提案する狙いもあるそうだ。
続いて,ブラザー販売 クリエーション事業本部の
若山 勝氏をナビゲーターに,SOLA DIGITAL ARTS 執行役員 CTOの
笹倉逸郎氏,ゲームプロデューサーの
小嶋慎太郎氏,LVMの
齋藤雄一氏によるミニトークセッションが行われた。
左から,若山氏,齋藤氏,小嶋氏,笹倉氏
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「来場者自身がコンテンツの一部(IP)になりたい」というニーズは,主に海外の人たちの間で大きかったそうだ。しかし,限られた時間内で多様な来場者のモデリングデータを構築する技術的ハードルは高く,開発陣は「どう作るか」という壁に直面したという。
この課題に対し,プロジェクトは各分野の知見を持ち寄って挑んだ。AI技術には大阪万博でのノウハウを活用し,さらにゲーム開発のノウハウを注入し,ユーザーに適度な「苦労の余白」を残すことを愛着(エンゲージメント)につながるようにした。演出面においても,剣を振るなどの動作が「とにかく格好よく見えること」に徹底してこだわったそうだ。
そうして開業する「BROTHER JOYFACTORY TOKYO」だが,現在はあらゆる応用に耐えうる「仕組み」が完成した段階であり,今後については,国内外のユーザーの思い出となるような世界展開への可能性が示された。
最後に若山氏が「与えられるだけでなく,自ら考えて生み出す主役になってほしい。楽しいと思える瞬間を,ブラザーとして叶え,届けていきたい」と語り,セッションを締めくくった。
ここからは内覧会で確認できた「BROTHER JOYFACTORY TOKYO」の様子をレポートしよう。
体験アクティビティは,「SAMURAI LEGEND」(侍伝説),「KARAOKE RECORD」(カラオケレコード),「SHODO STAGE」(書道ステージ),「SEWING STUDIO」(ソーイングスタジオ)の4種類だ。
●SAMURAI LEGEND(侍伝説)
体験者は,まず羽織袴に着替える。カラフルな羽織が楽しい。係員もいるが,簡単に着られるよう工夫されているので,1人でも問題なさそうだ
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刀を構え,いざ開始!
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画面の中にいる,狐面の師匠をうまく真似できれば高得点だ
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体験後には,録画された映像がかっこよく編集されたショート動画として生成される
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映像は自分の端末にダウンロード可能。この画像でTシャツなどを作っても素敵
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●KARAOKE RECORD(カラオケレコード)
レコーディングスタジオ風の空間でカラオケを歌うと,音源データをジャケットつきで持ち帰れるというもの。選べる曲は現在100曲だが,今後増やしていく予定とのこと
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まずは,AIエンジニアと会話し,得意な歌を歌う。するとそのデータが取り込まれ……
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音程などが補正された音源として完成する
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歌っているシーンを撮影したジャケットがかっこいい!
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●SHODO STAGE(書道ステージ)
書道家になり切ってパフォーマンス。水をつけた大きな筆で,プロジェクターで映されたお手本をなぞると美しい文字が書ける
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書く漢字は,3つのカテゴリそれぞれに9文字,計27字から選べるようだ
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「和」に挑戦!
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出力すると,こんなに美しいミニ掛け軸に! もちろん,書いた字のデータはほかのグッズにも反映可能だ
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●SEWING STUDIO(ソーイングスタジオ)
これぞブラザー! なコンテンツ。10種から選んだ生地で小物を縫える。一見,裁縫はハードルが高そうだが……
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作る小物は,直線縫いでできる簡単なもの。丁寧なレクチャーもあるので安心
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ブラザーの最上位機種のミシンを試せるチャンスでもある
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できあがり! 裁縫ビギナーがチャレンジするいい機会かも
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ブラザーの刺繍マシンでワッペンが作れるコーナーも
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体験を通してできあがった画像をタブレット端末に取り込み,自分好みにデザインすると,プリンターや缶バッジメーカー,刺繍ミシンを使ってグッズとして持ち帰ることができる(別途製作費が必要)。
最新技術を使った体験をたっぷり味わいつつ,高品質のグッズにその場で仕立てて持ち帰れる「BROTHER JOYFACTORY TOKYO」。インバウンドも意識した,ユニークなアミューズメント施設と言えそうだ。チケットは,オンラインの予約サイトから申し込む形式となっている。詳しくは公式サイトを確認しよう。