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[OGC2008#11]「PLAYSTATION Home」日本での展開はどうなる
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印刷2008/03/14 21:17

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[OGC2008#11]「PLAYSTATION Home」日本での展開はどうなる

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 AOGC(Asia Online Game Conference)からOGC(Online Game&Community Service Conference)に名称が変更され,コミュニティサービスというものがかなり大きな比重を占めているのが,今回のOGC 2008だ。
 その一環として,ソニー・コンピュータエンターテインメントがPLAYSTATION 3向けサービスとして展開をしている「PLAYSTATION Home」(以下Home)に関する推進室シニアプロデューサ赤川良二氏の講演が行われた。
 PLAYSTATION Homeは,すでにヨーロッパではサービスが始まっているので,ある程度の情報は出てきているのだが,日本ではまだ本格的に紹介されたことがない。とくに4Gamerではスルーしまくっていたので,PCとは(現時点では)あまり関係がないにせよ,最近流行のバーチャルワールドの傾向を押さえる意味でも軽く紹介しておきたい。
 
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 そういうことで本筋に戻ろう。まず,赤川氏は,Homeが最近流行のバーチャルワールドとはまったく違ったものであることを強調した。ほかのワールドとの最も大きな違いは「定住型」ではないことだという。Homeは,ほかのゲームへ接続するためのゲートウェイであり,これを最大の特徴としている。
 もちろん,PLAYSTATION 3のグラフィックス機能を使ったリアル系のキャラクターやビジュアル的な要素も特徴ではあるのだが,まあ,ゲーム機としては高性能ではあるものの,最近のPCと比較すると極端に大きなアドバンテージというわけではない。
 さて,講演ではHomeの概要と,これまで公開されている欧米向けのものとは別に,日本向けに用意されているコンテンツとして,日本の街や日本人対応のキャラエディットの様子などが公開された。

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 キャラエディットは注目すべき部分だ。Homeといえばリアル系のキャラが使用されるバーチャルワールドなわけだが,これまで公開されてきたキャラクターを見ると,欧米向けのある種バタ臭さが強くて日本での展開はどうだろうかと思わせるものがあった。さすがにそのあたりは改善されて,東洋人ぽい顔も作れるようになっている。
 デモでは,講演者の赤川氏のアバターをSCEのオペレータが作成する過程が紹介された。5分程度でできるということでデモされていたのだが,たくさんのパラメータを目が回るほどの速度でいじり回す熟練の技があっての5分であって(ほとんど静止する瞬間がないので写真撮影をするのも非常に難しいくらい),普通の人ならある程度慣れていても10倍くらいはかかるのではないかと思われる。

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 顔だけではなく,体型も(腹の出具合など)細かく調整できる。総合的なパラメータ数は「Perfect World -完美世界-」よりも多そうな感じだ。とはいえ,操作性もかなり考えられているようで,基本的にテンプレートを呼び出して,4パラメータくらいを一度に調整していくというスタイルであり比較的扱いやすそうに思われた。

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 ゲームのつなぎ込みの部分では,Home内からPLAYSTATION 3のネットワーク対応ゲームを起動できる点が強みである。Homeをロビーとしてネットワーク対応ゲームをまとめるという構想のようだ。そのほか,ワールド内の施設では,ボウリングやビリヤードがそのまま楽しめるほか,ゲームセンターではミニゲームやアーケードゲームなどを起動できるようになるという。Xbox LIVE アーケードが,ソフトウェアのダウンロード販売なのに対し,バーチャルワールド内でのコンテンツの位置づけで各種ゲームへのアクセスが可能になる。

 コミュニケーション手段が豊富ということで,チャット,クイックチャット,ボイスチャット,ジェスチャー(要するにエモーション)などが挙げられていたが,とくに目新しいものはないといっていいだろう。そのほか,ワールド内での多人数対応のビデオ上映やイベントスペース,広告スペースなどさまざまなプランが挙げられたが,これもさほど新しいものではない。

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 ビジネス的な展開では,アイテム販売,ワールド内でイベント開催,ワールド内広告,各種ゲーム用に専用のラウンジを作成して……といった展開も考えているということで,アイテム課金とSocond Life的な展開を組み合わせた感じとなる模様。

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 日本での展開については,2008年春からの一般公開を目処としているという点では昨年の東京ゲームショウ時点の予定と変わりはない。とりあえず,順調に進んでいるということだろう。一部では3月くらいに大きな動きがあるという噂もあったのだが,OGCではとくに目新しい発表はなかった。

 PCなどへの展開について質問が上がったのだが,肯定でも否定でもなく「当然,そういった要望があることは理解しているが,現時点では構想はある,としかいえない」といったスタンスだ。ユーザークリエイトコンテンツやHomeで作ったアバターをほかのゲームで使ったりすることや,Homeから呼び出されたあとのゲームのネットワーク対戦対応手順の統一化などについてもだいたい同様の回答。まだPLAYSTATION 3での基本サービス立ち上げに向けて全力投入しており,考える暇がないといったところだろうか。

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 現在,バーチャルワールドは,数多く乱立しつつある。各社とも,「これまでのものとは違う」という趣旨の主張はしているのだが,バーチャルワールドの部分を見る限り,他社製品と大差ないという印象だ。やはり,本質はロビーの部分であろう。
 公演中,赤川氏は「ワールド内はかなり広いんですよ」とあちこちを駆け回って紹介をしていたわけだが,講演後には「3Dにはまったく興味がないんですが,2Dのメニューとかから直接ミニゲームを起動はできないんですか?」といった身もふたもない質問も挙がっていた。定住型の(Immersiveな)世界を半ば否定しつつ,3Dにこだわったワールドを展開していることの矛盾である。ゲームの起動が主目的であれば,3Dワールドはむしろ邪魔なのだ。

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 PLAYSTATION 3にとって,Homeとはなんだろうか? Homeは,これまでオンライン対応ゲームはあっても,総合的なロビーサービスを持たないため,「点」の集まりにすぎなかったゲーム群を,一つのロビーからそれぞれに接続できる「線」のトポロジーに変換していく存在だ。これはSCEの悲願であったという。XboxでいうところのXbox Live!の必要性は切実なものであったのだろう。
 Homeには,「PLAYSTATION 3ならここまでできる」といった意気込みは感じられるのだが,真に必要なものがロビーであるのなら,逆に「ここまでは必要ないのではないか?」と思わせる部分もある。バーチャルワールドビジネスに期待をする人は多いものの,あまりに水物であって,当たればラッキー程度の期待値しか見込めないのも事実であろう。非常に重要なロビー機能を不確実なサービスと一体化してしまったことは,かなりリスキーな選択のようにも思われる。同社にとってロビーとバーチャルワールドは,ともにまだ手がけたことのないサービスである。二兎を追う者にならなければよいのだがと,生温かく見守りつつ,この春に登場するというサービスに期待したい。
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