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「Ryzen 7 7700X3D」レビュー。遅れてきたZen 4世代の3D V-Cache搭載CPUは電力あたり性能が優秀ではあるものの価格がネックに
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印刷2026/07/16 22:00

レビュー

遅れてきたZen 4世代の3D V-Cache搭載CPUは電力あたり性能が優秀ではあるものの価格がネックに

AMD Ryzen 7 7700X3D

Text by 米田 聡


 2026年7月16日,AMDのSocket AM5プラットフォーム向け新型CPU「Ryzen 7 7700X3D」のレビューが解禁となった。
 発売は翌日の7月17日で,税込のメーカー想定売価は6万3980円前後である。

Ryzen 7 7700X3D
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 Ryzen 7 7700X3Dは,1世代前のZen 4アーキテクチャを採用するRyzen 7000シリーズの新製品で,大容量L3キャッシュ「3D V-Cache」を搭載したCPUだ。Ryzen 7000シリーズでは,3D V-Cache搭載CPUがすでに3製品登場しており,本製品はそれらの下位モデルに位置付けられる。

 1世代前のアーキテクチャを採用しているため,技術面での目新しさはない。それでも,3D V-Cache搭載CPUらしい高いゲーム性能を発揮するのであれば,比較的手頃な価格で購入できるゲーマー向けCPUとして有力な選択肢になりそうだ。
 Ryzen 7 7700X3Dを試用する機会を得たので,定番のベンチマークで実力を確かめていこう。


最も安価な3D V-Cacheのエントリーモデル


 AMDの3D V-Cacheは,64MBの高速なSRAMを集積したシリコンダイ「Cache Die」を積層して,L3キャッシュ容量を拡大する技術だ。
 CPU側のL3キャッシュと一体化することで大容量のL3キャッシュを実現し,とくにゲーム性能を大きく引き上げる効果がある。

 Ryzen 7 7700X3Dが搭載するのは,第1世代の3D V-Cacheだ。この世代では,CPUコアを集積した「CPU Complex Die」(CCD)の上にCache Dieを積層するため,CCDの熱を逃がしにくい。そのため,第1世代の3D V-Cache搭載CPUは,「Precision Boost Overdrive」(PBO)を含むCPUコアのオーバークロックに対応しない点は注意してほしい。

第1世代3D V-Cacheのダイ構造
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 Ryzen 7 7700X3Dは,8コア16スレッド対応のCPUだ。Ryzen 7000シリーズでは,同じく8コア16スレッド対応で3D V-Cacheを搭載する「Ryzen 7 7800X3D」が,2023年に登場している。

 Ryzen 7 7700X3Dは,Ryzen 7 7800X3Dの動作クロックを引き下げたモデルといっていい。ブースト最大クロックは4.5GHzで,Ryzen 7 7800X3Dより500MHz低い。その分,価格を抑えて,ユーザーが手に取りやすいのが利点というわけだ。

「CPU-Z」でRyzen 7 7700X3D(左)とRyzen 7 7800X3D(右)の仕様を確認したところ。動作クロック以外では,SteppingとRevisionが変わっている程度の違いだ
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Ryzen 7 7700X3Dの表面(左)と裏面(右)
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 主な仕様を表1にまとめた。

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 動作クロックが低い分,消費電力と発熱を抑えられる可能性がある。冷却機構や電力にかかるランニングコストまで含めれば,扱いやすいCPUになりそうだ。3D V-Cacheによって十分に高いゲーム性能を発揮するなら,新たな選択肢として価値を持つだろう。

 それでは,テストの概要を説明しよう。比較対象には,上位モデルのRyzen 7 7800X3Dと,3D V-Cacheを搭載しない「Ryzen 7 7700X」を用意した。
 ゲーム性能でRyzen 7 7700Xを上回り,Ryzen 7 7800X3Dに迫るなら,Ryzen 7 7700X3Dは有力な選択肢になるだろう。
 テストに使用した機材は,表2のとおりだ。

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 Ryzen 7 7700X3Dは,CPUコアのオーバークロックには対応しないものの,メモリのオーバークロックには対応している。
 AMDによると,性能面で推奨する設定はDDR5-6000だが,より高いクロックを狙う場合はDDR5-8000が望ましく,DDR5-6000よりもメモリレイテンシをわずかに短縮できるという。

 そこで今回は,DDR5-8000対応のG.Skill International Enterprise製メモリモジュール「TRIDENT Z5 NEO RGB」(16GB×2,型番:F5-8000J3848H16GX2-TZ5NR)を使用し,DDR5-8000で動作させた。

 マザーボードには,ASUSTeK Computer(以下,ASUS)製の「ROG CROSSHAIR X870E HERO」を使用した。
 AMDによると,Ryzen 7 7700X3DはRyzen 7000シリーズ対応のUEFI(BIOS)で起動できるという。Socket AM5対応マザーボードであれば,基本的にUEFIの更新を気にせず導入できそうだ。

 グラフィックスカードには「GeForce RTX 5080 Founders Edition」を使用した。CPUクーラーは,ASUS製の大型液冷クーラー「ROG RYUJIN II 360」で,冷却性能を重視したTurboプリセットを選択している。

 テストは,4Gamerベンチマークレギュレーション32に基づき,3DMarkとゲームを使ったベンチマークテストのみを実施した。
 技術面で目新しい製品ではないため,ゲーム性能に絞ってもゲーマーにとって参考になるだろうという判断だ。

 ゲームのテスト解像度は,3840×2160ドット,2560×1440ドット,1920×1080ドットの3種類。画質はエントリーGPU向けの設定を基準とし,超解像技術も併用して描画負荷を大幅に下げている。
 GPU負荷を抑えることで,3D V-Cacheによるフレームレート向上の効果を確認しやすくするためだ。具体的な設定は,各タイトルの項目で必要に応じて説明する。


一部の未対応タイトルを除き,順当なゲーム性能を発揮


 まずは,「3DMark」(Version 2.32.8874)から,物理シミュレーションによってCPU性能を測定するCPU Profileの結果を見ていこう。
 結果はグラフ1のとおりだ。

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 今回テストしたCPUは,すべて8コア16スレッド対応なので,CPU Max ThreadsとCPU 16 Threadsのスコアは,ほぼ同じになる。
 Ryzen 7 7700X3Dのスコアは,Ryzen 7 7700Xの約0.83倍,Ryzen 7 7800X3Dの約0.95倍だ。スレッド数によるスコア比の変動も小さい。

 CPU ProfileはL3キャッシュ容量の影響を受けにくいテストで,主に演算性能と動作クロックでスコアが決まる。
 Ryzen 7 7700X3DのブーストクロックはRyzen 7 7800X3Dの約0.9倍だが,スコア差はそれより小さく,健闘しているといっていい。
 両製品とも,Cache Dieを積層した構造によって動作クロックを上げにくい面があるため,Ryzen 7 7800X3Dもブーストクロックを維持しにくいのだろう。その結果,Ryzen 7 7700X3Dとの差が縮まったと考えられる。

 一方で,3D V-Cacheを搭載せず,高い動作クロックを維持しやすいRyzen 7 7700Xは,他の2製品を明確に上回った。CPUコアの演算性能が重視される処理では,第1世代の3D V-Cacheが足かせになることが分かる。

 グラフ2は,3DMarkの「Fire Strike」の総合スコアとPhysics scoreをまとめたものだ。

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 Fire Strikeの総合スコアで首位となったのは,3D V-Cacheを搭載しないRyzen 7 7700Xだった。
 Fire Strikeの総合スコアには,CPU性能を測定するPhysics scoreやCombined scoreも反映されるため,3D V-Cache搭載CPUが必ずしも有利になるとは限らない。
 CPU性能のみを測定するPhysics scoreでは,Ryzen 7 7700X3DがRyzen 7 7700Xの約0.85倍,Ryzen 7 7800X3Dの約0.98倍となった。これは,CPU Profileの結果とおおむね一致している。

 グラフ3は,DirectX 12対応ベンチマークである「Time Spy」の総合スコアだ。

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 Time Spyの総合スコアも,Fire Strikeとほぼ同じ傾向を示した。CPU性能を測定するCPU scoreが総合スコアに反映されるため,3D V-Cache搭載CPUが必ずしも有利にならないためだ。

 では,よりゲームに近いDirectX 12対応ベンチマークとされる「Steel Nomad」の結果(グラフ4)を見てみよう。

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 描画負荷の高いSteel Nomadと,より軽量なSteel Nomad Liteは,いずれもスコア差が1%以内に収まった。Ryzen 7 7700X3Dがわずかに高いものの,誤差の範囲だろう。

 DirectX 12 Ultimateの性能を測定する「Speed Way」でも,同じ傾向が見られた(グラフ5)。

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 Speed Wayは,GPU負荷の高いレイトレーシング処理を含むため,スコアに対するCPU性能の影響は小さい。GPU性能を重視するテストなので,各CPUのスコアが横並びになるのは妥当だ。

 ここまでの3DMarkの結果だけを見ると,3D V-Cacheを搭載していても,動作クロックの低さがスコアを押し下げているように見える。しかし,これは3D V-Cache搭載CPUでは珍しくない傾向だ。
 3D V-Cacheが本領を発揮するゲームで,性能を確認していこう。

 まずは,「Call of Duty: Black Ops 7」(以下,CoD:BO7)から見ていこう。
 CoD:BO7では,グラフィックス品質をベーシック,超解像技術を「DLSS」に設定した。さらに,「NVIDIA DLSSプリセット」で「性能」を選び,描画負荷を大幅に下げた状態でフレームレートを測定している。
 結果は,グラフ6〜8のとおりだ。

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 Ryzen 7 7700X3Dの平均フレームレートは,3つの解像度すべてで最も低かった。トップはRyzen 7 7800X3Dだ。
 Ryzen 7 7800X3DとRyzen 7 7700X3Dの主な違いは動作クロックなので,本来ならRyzen 7 7700X3Dも,Ryzen 7 7800X3Dをやや下回る程度の平均フレームレートを示すはず。その点で,今回の結果は奇妙だ。

 一方,Ryzen 7 7700X3Dの最小フレームレートは,3つの解像度すべてでRyzen 7 7800X3Dに次ぐ結果となった。こちらは想定どおりの傾向なので,平均フレームレートだけに何らかの問題が生じた可能性がある。原因については,現時点では判断を保留したい。

 続いて,Battlefield 6の結果を見ていこう。グラフィックス品質を中,超解像技術のプリセットを超高性能に設定し,描画負荷を大幅に下げている。
 結果はグラフ9〜11にまとめた。

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 描画負荷が高い3840×2160ドットでは,Ryzen 7 7800X3Dがわずかに上回ったものの,平均フレームレートはほぼ横並びだった。
 一方,2560×1440ドット以下では,Ryzen 7 7700X3Dが想定どおり2番手につけている。Ryzen 7 7800X3Dに対する平均フレームレートは,2560×1440ドットで約0.94倍,1920×1080ドットで約0.93倍と,その差は小さい。
 Battlefield 6では,3D V-Cacheが期待どおりに効果を発揮したようだ。

 続いて,モンスターハンターワイルズの結果を見ていこう。グラフィックス品質を低,レイトレーシングを「OFF」,超解像技術を「NVIDIA DLSS」に設定した。
 さらに,アップスケーリングモードをウルトラ性能として,描画負荷を下げている。結果はグラフ12〜14となる。

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 Ryzen 7 7700X3Dは,3つの解像度すべてで2番手につけた。3D V-Cacheを搭載しないRyzen 7 7700Xとの差は大きい。Ryzen 7 7800X3Dに対する平均フレームレートは0.93〜0.95倍で,動作クロックの差を考えれば優秀な結果だ。

 次にFortniteの結果を見ていこう。グラフィックス品質を中,アンチエイリアス&スーパー解像度をDLSS,NVIDIA DLSS設定を性能として,描画負荷を下げた。
 結果はグラフ15〜17のとおり。

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 3840×2160ドットでは,Ryzen 7 7700Xが平均フレームレートと最小フレームレートの両方で首位となる,やや不自然な結果になった。
 一方,GPU負荷が低い2560×1440ドットと1920×1080ドットでは,Ryzen 7 7800X3Dが首位,Ryzen 7 7700X3Dが2番手となり,CoDと似た傾向を示している。両解像度で,Ryzen 7 7700X3Dの最小フレームレートが2番手だった点も同様だ。

 Fortniteは,発売前のCPUで不自然な結果を示すことが,これまでもあった。今回も,同じ現象が起きた可能性がある。CoD:BO7でRyzen 7 7700X3Dの平均フレームレートが伸びなかったのも,同じ理由かもしれない。
 ゲーム側がRyzen 7 7700X3Dに最適化されていないか,未知のCPUとして処理したため,オーバーヘッドが増えた可能性が考えられよう。
 逆にいえば,FortniteとCoD:BO7は,Ryzen 7 7700X3Dの発売後に,平均フレームレートが改善する可能性がある。

 「ファイナルファンタジーXIV 黄金のレガシー ベンチマーク」(以下,FFXIV黄金のレガシー ベンチ)を見ていこう。
 本ベンチマークは,3D V-Cacheの効果が表れやすいタイトルだ。グラフィックス品質は「最高品質」,グラフィックスアップスケールタイプは「NVIDIA DLSS」,「適用するフレームレートのしきい値」は「常に適用」として,描画負荷を下げている。
 まずは総合スコア(グラフ18)を見てみよう。

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 Ryzen 7 7700X3Dは,すべての解像度で2番手となり,想定どおりの傾向を示した。GPU負荷が高い3840×2160ドットでは,Ryzen 7 7800X3Dとのスコア差は約1%にとどまる。
 描画負荷が軽い1920×1080ドットでも差は約7%で,3D V-Cacheが効果を発揮していることが分かる。

 参考までに,グラフ19〜21に,FFXIV黄金のレガシー ベンチにおける平均および最小フレームレートをまとめた。

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 Ryzen 7 7700X3Dは,最小フレームレートでも高いレベルを維持しており,Ryzen 7 7800X3Dと遜色のない快適さが得られることが分かる。

 次の「F1 25」では,グラフィックス品質のプリセットを「中」,「アンチエイリアス」を「NVIDIA DLSS」,「アンチエイリアシングモード」を「性能」に設定し,GPU負荷を大幅に下げている。
 結果はグラフ22〜24のとおりだ。

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 F1 25でも,3D V-Cacheが期待どおりに効果を発揮した。3D V-Cacheを搭載しないRyzen 7 7700Xは,2製品の足元にも及ばない。
 3840×2160ドットでは,Ryzen 7 7700X3DとRyzen 7 7800X3Dの平均フレームレートがほぼ同等だった。2560×1440ドット以下でも,両製品の差は約3%にとどまる。
 動作クロックほどフレームレートに差がつかない点は,3D V-Cacheが効果を発揮したほかのタイトルと同じ傾向だ。

 ゲームテストの最後に,「Cities: Skylines II」の結果を見ていこう。グラフィックス品質のプリセットを「低」,「アップスケーラー」を「NVIDIA DLSS Super Resolution」の「最大性能」に設定し,GPU負荷を大幅に下げている。
 結果はグラフ25〜27のとおりだ。

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 結果の傾向は,3D V-Cacheが効果を発揮したほかのタイトルと同じだ。Ryzen 7 7700X3Dは,3つの解像度すべてで2番手となった。
 ただし,Ryzen 7 7800X3Dとの平均フレームレートの差は4〜7%程度で,ほかのタイトルよりやや大きい。Cities: Skylines IIはCPU負荷が高いため,動作クロックの差が表れやすかった可能性がある。

 以上の結果から,CoD:BO7とFortniteを除けば,Ryzen 7 7700X3DはRyzen 7 7800X3Dに迫るゲーム性能を備えているとまとめられよう。また,3D V-Cacheを搭載しないRyzen 7 7700Xに対しては,多くのタイトルで大幅に高いフレームレートを記録した。
 CoD:BO7とFortniteは,Ryzen 7 7700X3Dを未知のCPUとして処理したことで,性能を十分に引き出せなかった可能性がある。発売後にゲーム側の対応が進めば,ほかのタイトルと同じ傾向に落ち着くのではないか。


2桁W台の消費電力としては高性能なRyzen 7 7700X3D


 続いて,ベンチマークレギュレーション32に準拠した消費電力を見ていこう。アプリケーション実行中におけるCPU単体の最大消費電力を,グラフ28にまとめた。

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 Ryzen 7 7700X3Dの最大消費電力は,FFXIV黄金のレガシー ベンチで記録した84Wが最高で,100Wを超える場面はなかった。
 Ryzen 7 7800X3Dも消費電力は低いが,FFXIV黄金のレガシー ベンチでは100Wを超えている。また,Ryzen 7 7700Xは多くのテストで100Wを超えており,ほかの2製品より電力効率で劣る。

 アプリケーション実行中の典型的な消費電力を示す中央値をグラフ29にまとめた。最大値よりも,実使用時に近い傾向を確認できる。

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 Ryzen 7 7700X3Dの中央値は,Battlefield 6で記録した約70Wが最大で,ほかのテストではおおむね60W程度に収まった。Ryzen 7 7800X3Dも低く,最大はBattlefield 6における約78Wだ。
 一方,Ryzen 7 7700Xは同テストで120Wを超えており,3D V-Cache搭載の2製品とは大きな差がある。

 最後に,ログを取得できるワットチェッカー「Watts up? PRO」を用いて測定した,テスト実行時のシステム最大消費電力をグラフ30にまとめた。

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 システム全体の消費電力はGPUの影響が大きいため,CPUごとの差は小さい。それでも,Ryzen 7 7700Xはほかの2製品より高い傾向を示した。
 例外はモンスターハンターワイルズで,Ryzen 7 7700Xの消費電力が低くなっている。フレームレートが低かったため,GPUの消費電力も下がったのかもしれない。

 以上の結果から,Ryzen 7 7700X3Dは性能のわりに消費電力の低い,扱いやすいCPUと評価できる。


現時点では価格面で厳しいRyzen 7 7700X3D


 Ryzen 7 7700X3Dは,ゲーム側の対応に問題があると思われるCoD:BO7とFortniteを除けば,3D V-Cache搭載CPUらしい高いゲーム性能を発揮した。
 とくに,消費電力を70W台に抑えながら,Ryzen 7 7800X3Dに迫る性能を示した点は注目に値する。冷却機構を簡素化できるため,PC全体のコストを抑えられる可能性もあるだろう。

Ryzen 7 7700X3Dの製品ボックス
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 一方,Ryzen 7 7700X3Dの最大の問題は価格だ。
 より高性能なRyzen 7 7800X3Dの国内実勢価格が5〜6万円程度で推移する状況で,下位モデルのRyzen 7 7700X3Dが6万3980円前後では,現時点で積極的に選ぶ価値は見いだしにくい。

 Ryzen 7 7700X3Dの国内価格は,現在の為替レートを反映したものと考えられる。そのため,円安の影響を受ける新製品は,国内在庫が残る従来製品より価格面で不利になりやすい。
 Ryzen 7 7800X3Dの在庫が減れば,相対的にRyzen 7 7700X3Dの割安感が高まる可能性はある。そういう状況になるまでは,積極的に選ぶ理由に乏しいCPUというのが実情だろう。


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