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[OGC 2009#03]月間1億PVを達成した「発言小町」。デジタル版井戸端会議が巨大なコミュニティに成長した理由とは?
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印刷2009/02/03 19:28

インタビュー

[OGC 2009#03]月間1億PVを達成した「発言小町」。デジタル版井戸端会議が巨大なコミュニティに成長した理由とは?

[OGC 2009#03]月間1億PVを達成した「発言小町」。デジタル版井戸端会議が巨大なコミュニティに成長した理由とは?
 いきなり「『発言小町』という掲示板サイトが……」といわれても,4Gamer読者だとなんのことやらサッパリという感じの人も多いかもしれない。発言小町は,読売新聞社が運営する「YOMIURI ONLINE」に設置された,主に女性をターゲットとしたお悩み相談掲示板だ。
 投稿される記事のタイトルは,「不倫で悩んでいます」「義母との距離について」「子供につける名前」など,どう見ても女性視点のものが多く,実際,30〜40代を中心に下は10代から上は70代に至るまで,ユーザーの9割近くは女性だ。正直,ゲームにまつわる情報を扱い,その性質上,読者の8〜9割が男性である4Gamerとは正反対のベクトルにあるコミュニティといっていいだろう。
 しかし,発言小町が2008年5月に月間最大1億PV(ページビュー)を記録したと聞いたら,どんな内容なのかちょっと覗いてみたくならないだろうか。そこで発言小町がどのような成長を遂げたコミュニティなのか,OGC 2009で講演を行う読売新聞東京本社 メディア戦略局編集部 次長 神崎公一氏に話を聞いてみた。

発言小町

http://komachi.yomiuri.co.jp/

女性が本音で相談できる“安心”な井戸端会議の場を提供


読売新聞東京本社メディア戦略局編集部次長 神崎公一氏
 発言小町のスタートは,今から10年前の1999年に遡るという。
 「当時も今も,ニュースサイトの読者は30〜50代の男性,つまり,もともと新聞を読んでいる層が中心でした。そこで女性読者向けにファッションやグルメ,化粧についてなどを取り扱う場所として『大手小町』を作り,その掲示板として『発言小町』を設置したわけです」(神崎氏)
 1995年の「Windows 95」の登場と,その後1997年頃のメールを中心としたインターネットブームという背景があったものの,設置当初の投稿は少なかったという。これはおそらく,ターゲットとなる一般女性と当時のPC文化の相性があまりよくなかったからではないかと推測できる。

 しかし,発言小町の投稿数とPVは徐々に増加していく。これは「運営体制が与える“安心感”が理由だったのではないか」と,神崎氏は分析する。というのも,発言小町の投稿記事は,すべて運営スタッフによってチェックされているからだ。誹謗中傷や営利目的の投稿は排除され,また住所や職業など投稿者を特定できてしまうプライベートな内容に関しては,一部修正が施される。
 その結果,(とくにそういった選別を行っているわけではないのかもしれないが)投稿の元記事に対する回答も真摯な内容となり,たとえ議論になるとしても脱線したり,あるいは炎上したりといったことがなくなるのだ。それが読んでいても不快さを感じさせることの少ない,安心感へと繋がっているというわけである。
 「職場や子育てなど誰にも相談できなくて困っている人が,匿名で相談できる。回答する方も大変親身になってくださる。いわば“デジタル版井戸端会議”として機能しています」(神崎氏)

 それでは,肝心の掲載基準はいったいどこにあるのだろう? 神崎氏は「あくまでもサイトポリシーに則ったニュートラル」を貫いているという。また実際に掲載の可否を判断するにあたっては,掲載した投稿にどんな反響があるか,炎上しないかどうかを,スタッフが経験と勘によって予測する部分も大きいそうだ。
 面白いのは,男性よりも女性スタッフのほうが的確に予測できるという事実。これくらいなら大丈夫だろうと,男性スタッフが女性スタッフにやめておいたほうがいいといわれていた意見を掲載したところ,短時間のうちに大量の反論が寄せられ,大慌てしたなんてこともあったそうだ。

 また,チェックする側の姿勢として,投稿内容に深く入り込みすぎないことも重要だという。
 「絵を見るように,文章の塊を読むんです。それで,ここはおかしいという部分をチェックしていくのがポイントです」(神崎氏)
 内容に共感したり,深刻に捉えてしまったりすると,チェックしている人が憂鬱になってしまうこともあるとのこと。とある男性スタッフは,女性読者の赤裸々な投稿を目の当たりにした結果,軽い結婚恐怖症に陥ったそうだ。
 また逆に「女心を知りたいなら発言小町をチェックしろ!」といったような主旨で,男性週刊誌から取材を受けたこともあるそうで,こうしたエピソードからも,いかに女性達が本音を書き込んでいるかが窺い知れる。

 そうした運営体制を継続した結果として,投稿者に独特の雰囲気が生まれてきたとのこと。投稿の内容や書き方によっては,常連から「発言小町にふさわしくない」といった意見が挙がるなど,コミュニティの自浄作用が見られるそうだ。また投稿の内容自体も,排除に繋がるものは少なくなっているとのこと。こうしたユーザー主導の動きは,長きにわたって運営されてきた掲示板ならではの特徴の一つといえるのではないだろうか。


急成長の要因は“とっつきやすさ”に重点を置いたリニューアル


 さて2008年5月,発言小町は月間1億PVを記録する。これはPCと携帯電話からのアクセスを合計したもので,現在は8000万PV前後で安定しているそうだが,それにしても膨大な数字である。神崎氏は,この数字の理由として2007年3月のリニューアルを挙げる。

 「それまで皆さんが抱いていた最も大きな不満は,投稿してもなかなか掲載されないということでした。ひどいときは,投稿から掲載まで2日ほどかかっていたのですが,今は数時間に短縮されています」(神崎氏)
 1日に3000件を超えることもあるという発言小町への投稿。それを逐一チェックするのだから時間がかかって当然だが,投稿者はそんなスタッフの事情など知らない。そのため,いつ載るのか,なんらかの理由でボツになってしまったのだろうかとヤキモキするだろう。そこでシステムを一新し,掲載までの時間を一気に短縮したことでユーザーの不満を解消。それが投稿率を上げたというわけだ。

 また,インタフェースを改良し,読みやすさや検索しやすさを重視したことも大きな理由だ。
 「それまで一つにまとまっていた投稿を,「子供」「男女」「働く」などジャンル別に表示できるようにしたんです。またランキングやブックマークされた数なども表示して,遊び心を入れてみたりもしました」(神崎氏)
 つまり自分の興味がある話題にアクセスしやすくなったのはもちろんのこと,今,他人がなにに関心を抱いているのか,世間はなにに注目しているのかが一目で分かるようになったのだ。
 以上,システム的に“とっつきやすさ”を高めるリニューアルを施した結果,2007年の夏からPVは急激に増加。神崎氏は5000万,8000万,そして1億PV突破と社内報告用の資料を何度も作り直したという。

 それでは神崎氏は,今後,発言小町をどのように発展させていこうとしているのだろうか? まず,発言小町とコミュニティを広告に結びつけられないかという模索が一つ。確かに,これだけ巨大なコミュニティを擁しているのだから,大きな広告効果が見込めるだろう。
 また,投稿から掲載までの編集管理システムを,YOMIURI ONLINEに活かせないかという部分も模索している。それは例えば男性向け,年配の方向けの掲示板設置というのもそうだが,「編集部発」という形で特定の議題に関する議論を募ったり,あるいは新聞紙面と連動させて特集記事を組んでみたりといったようなことだ。実際,すでに一部記事では連動を試みており,今後はさらに拡大していくとのことである。

 発言小町が1億PVを超えたことで,掲示板サイト運営に関するアドバイスを求められることも増えたという神崎氏。無論,ゲーム関連の掲示板運営に携わる人達も,ぜひそのアドバイスを聞きたいところだろう。神崎氏によると,発言小町が成長してきた背景には,運営スタッフの尽力がある一方,それに応える「ここは皆が楽しくやっていくために,しっかり守るべきものがある場所」という常連投稿者の意識が確実に存在するとのこと。
 ほかのOGC 2009関連のインタビュー記事でも触れているとおりだが,コミュニティを成長させ,また長期にわたって継続させていくためのポイントは,いかに運営とユーザーがお互いに協力する体制を作り上げていくかという部分にありそうだ。

OGC 2009

http://www.bba.or.jp/ogc/2009/
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