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[AMショー2011]これからのゲーセンに必要なものとは? さまざまな意見が交わされたパネルディスカッションをレポート
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印刷2011/09/17 00:00

イベント

[AMショー2011]これからのゲーセンに必要なものとは? さまざまな意見が交わされたパネルディスカッションをレポート

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 2011年9月15日,AMショー2011内の主催者イベントとして「今のゲーセンにモノ申す! 9.15 緊急ディスカッション」が行われた。緊急というのは少々仰々しさが過ぎるが,最近元気がないと言われ続けているアミューズメント施設が生き残るためにはどうしたらよいのかを,伝える側,作る側,遊ばせる側,そして遊ぶ側と,それぞれの立場のパネリストが意見を取り交わすというイベントだ。

 進行役を務めたのは,アーケード専門雑誌「アルカディア」総編集長の佐渡雅史氏。メーカーを代表して,セガ上席クリエイティブオフィサーの片岡 洋氏と,バンダイナムコゲームス上席執行役員 第一本部 本部長の相木伸一郎氏が,ゲームセンターを運営するオペレーター(ゲームセンターの運営者)代表としては,プレビの梶 修明氏が登壇。加えて,お笑いコンビ・スピードワゴンの小沢一敬氏,ものまね芸人のホリ氏が,プレイヤーの立場からの意見を述べた。

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佐渡雅史氏。アルカディア(とその前身のゲーメスト)で編集長を歴任。アミューズメント業界に精通する人物
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片岡 洋氏。AM2研にて「バーチャファイター」「セガ4人打ち麻雀MJ」など,多数のヒット作の開発に関わる

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相木伸一郎氏。バンダイナムコゲームスでAM事業に従事。「戦場の絆」などのヒット作を生み出す
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梶 修明氏。ゲームセンターの店番を物心がついた頃からやっており,業界に45年以上関わっている

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小沢一敬氏。ゲーム通として知られ,こうしたイベントへの出席も多い。過去にはゲームセンターで働いていたこともあるそうだ
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ホリ氏。ゲームについてはライトに遊ぶスタンス。得意のモノマネをトークの合間に挟み,来場者を笑わせていた

 最初のテーマは「アミューズメント業界に元気がない原因は?」だ。お客の減少やインカムの減少の原因はなにかという質問に対し,「今のゲームセンターはコアな(高額を投じる)お客を対象とした機械が増えている。逆に,ショッピングセンターなどファミリー層が来場する施設では,プライズが売上の主軸となっており,2極化している」と,梶氏が現状を説明。そのため,いわゆる“街のゲームセンター”では機械の高騰化により設備投資が難しくなっていることが,一般客が離れてしまっている原因の一つだと,梶氏は分析する。

 プレイヤーの視点としては,「ゲーセンに行けば楽しいのだけど,難しいゲームはできない」(ホリ氏)「ルールが分からず1プレイ数百円するゲームにお金を投じるのは勇気がいる」(小沢氏)と,共に,今のゲームセンターに入りづらさを感じているという。

 その意見に対して片岡氏は「コアなタイトルは元気ではある。ただし,“気軽に遊べるゲーム”を送り出してもセールスがうまくいかず,メーカーとしても悩みどころ」なのだと語る。相木氏も同様に,「ゲームが一般化したため,ゲームセンターの価値が落ちている部分がもあるかもしれない。しかし,ホリさんのように“ちょっとさわってみたら面白い”と感じる客に来てもらえる機会は必要」と,問題意識を持って取り組んでいることをうかがわせた。

 続いてのテーマは「今のゲームセンターの客層」について。梶氏は店舗の現場からの視点で「若い人は減っている気がする。新規のお客さんが増えるときはUFOキャッチャーやプリクラ,キッズカードゲームといった大ヒット作が出たとき。それが近年小ぶりになってきている感じはする」と,なかなかに厳しい。「どんな新製品があるのかわからない」(ホリ氏)という声もあるように,話題性のあるタイトルや,それに繋がるプロモーションの必要があるということなのだろう。

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 ここでちょっと趣向が変えられ,「ゲームセンターにモノ申してください」という質問で収録されたVTRが上映された。「男性向けの場所」「機械のメンテナンスをしっかりして」「初心者講習会などを行ってほしい」「人が集まりやすい場所に」「ICカードを共通化してほしい」と,さまざまな街の声が噴出。中には「ゲームセンターはお金のムダ使い」と言い切る女性もいて,パネリストが苦笑いする一幕もあった。

 こうした現実の声を踏まえ,テーマは「今後のゲームセンターに必要な方向性は」へと移っていく。片岡氏は一つの例として,「携帯電話やPCを使って無料で麻雀ゲームを遊べるのに,『MJ5』はヒットしている。わざわざお店に来ていただけていることにヒントがあるのでは」と発言。相木氏も「ネットが発達した今だからこそ“どうしたらみんなが楽しく集まれるか”が軸になるのでは。直接人に会いたくなるのではないか」と,ゲームセンターにおけるコミュニティの重要性が鍵であろうと同調する。

 梶氏からは「プリクラの例もあるが,ゲーム機だけを置いて人を呼ぶ時代でなくなってきてるのかもしれない」と,幾分ショッキングな意見。だが,まずお客に来てもらわなければ始まらない店舗の意見としてはまっとうであるし,従来の“ゲームセンター”とは違った空間作りへチャレンジする意識の表れでもあるのだろう。メーカーに「こういったものを作れないか」と意見することも必要になるというオペレーターの発言が,それを裏付けているのではないだろうか。

 再びVTRが流れると,今度は「ゲームセンターの魅力を教えて下さい」というテーマでのインタビューだった。「知らない人と対戦や情報の共有ができる」「少ないお金でたくさん遊べる(メダルを遊ぶカップル)」「人の対戦プレイが見られる。技量の高い人間の戦いを見られる」「一人ではなくみんなで遊べる」と,コミュニケーションの場として魅力を感じている意見が多い。先ほどの「ムダ使い」と答えた女性も「彼氏と一緒だったら行くかな」と続けていた。

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 約1時間の中で,さまざまな立場から,さまざまな意見が飛び出たこのイベント。その最後には,片岡氏,相木氏が以下のようなエピソードを語っていたので,締めの言葉として記しておきたい。ボールの投げ方,投げる場所次第でまだまだ反応はあるのだ。


片岡氏:印象的な出来事として,「Project DIVA Arcade」を雪まつりで賑わう札幌の地下街に持っていったら,すでに稼動しているゲームなのに大観衆に取り囲まれました。ゲームが珍しいんですね。だからこっちから人がいるところに出向いて行って「こんなゲームがあるんだよ」って知ってもらう機会ができたらいいですね。

相木氏:「戦場の絆」のテレビCMを大量投下した結果,興味がある人を店までは来させられました。しかし,多くのお客さんが,怖くて遊ばずに帰ってしまっていたようです。そこで,筐体の横にコンパニオンをつけて案内をした(背中を押した)ら,遊んでくれる率が6割を超えた,なんていうデータが残っている。

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