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[OGC 2009#10]プロジェクトマネージャーが明かす「真・女神転生IMAGINE」運営の舞台裏とは?
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印刷2009/02/06 18:06

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[OGC 2009#10]プロジェクトマネージャーが明かす「真・女神転生IMAGINE」運営の舞台裏とは?

「真・女神転生IMAGINE」プロジェクトマネージャー 新川はるか氏
画像集#002のサムネイル/[OGC 2009#10]プロジェクトマネージャーが明かす「真・女神転生IMAGINE」運営の舞台裏とは?
 すでにお伝えしているとおり,Webサービス全般を対象とするカンファレンスとなったOGC 2009。その代わりといってはなんだが,オンラインゲームに関する議題が減ってしまったのは,4Gamerとしては少々寂しい限りだ。そんな中,ケイブで「真・女神転生IMAGINE」のプロジェクトマネージャーを務める新川(にっかわ)はるか氏が,「オンラインゲームの舞台裏」というタイトルで講演を行った。

 今回,新川氏が講演のテーマとして掲げたのは“サービスとしてのオンラインゲーム”である。真・女神転生IMAGINEの運営において,コミュニティを意識した姿勢を前面に打ち出しているという新川氏は,伝えることよりも“伝わること”に基準を置いているという。これは,一方的に伝えた気になっていても,その実,きちんと伝わっていないのであれば不十分という話で,我々メディアにとっても少々耳の痛いところだ。
 また,ユーザー間,あるいは運営とユーザーの間の相互補完や相互作用を強く意識しており,その中で求められるものは,楽しさを含めた価値であると定義づけている。ゲームが楽しいのは当たり前で,そのうえで利便性や希少性,あるいは独自性といった価値を作り出さなければならないというわけだ。

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 以上を踏まえ,話題は真・女神転生IMAGINEの現状に移る。簡単なゲーム概要の紹介のあと,公開されたのはユーザーの傾向だ。2008年7月の調査では男性が約7割に対して女性が約3割。一般的にオンラインゲームユーザーの男女比は9:1といわれているので,本タイトルにおける女性比率はかなり高い部類に入る。
 ところが新川氏は,体感的にもっと女性比率が高いイメージがあると発言。これは,女性ユーザーによるSNSやブログなどの書き込みが多いことを受けての印象で,裏を返せば,本タイトルは女性が言及したくなるようなコンテンツであるともいえそうである。

 ユーザーの年齢層は,26〜35歳がボリュームゾーンとなる。これは社会人としてある程度の可処分所得を持っていることもそうだが,かつて「真・女神転生」シリーズをプレイした経験のある人が多いのではないかと新川氏は分析。加えて,根幹にある奥深いストーリーも,社会人を惹きつける理由となっているとした。
 またプレイ頻度に関しては,オンラインゲームらしく“ほぼ毎日”プレイするユーザーが過半数を占める。しかし新川氏はそうした傾向を促進するよりも,むしろ週2〜3回のプレイでも十分楽しめる環境作りに注力したいと発言。これは,上記のとおり社会人ユーザーが多いという現状を踏まえたものだろう。

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 新川氏は,真・女神転生IMAGINEを考える際に,売り切り販売をするコンテンツではなく,サービスとして捉えているという。オンラインゲームなら当たり前ともいえるのだが,長く売り切り型のビジネスしかしていなかったケイブには新しい展開だったのだろう。
 この考え方は,冒頭で掲げたコミュニティを意識した姿勢をベースとしており,「話題性」「持続性」「浸透しやすさ」「行動を想起させる環境」の提供が重要であると指摘した。具体的には,ゲーム内におけるクラン(ギルド)の存在意義向上や,あるいはゲーム外においてもブログマガジンを設置し,コミュニティへの参加を促すような活動に注力しているとのことだ。
 そのうえで,新川氏は付加価値をつける努力を怠ってはならないと指摘。あくまでも意気込みのようなものと前置きしながら,「求められたことを完遂しただけで満足しない」「発生した事実を迅速に伝え,先の見えない状況を作らない」「学習能力を高め,同じ失敗を繰り返さない」といった姿勢が重要であるとした。いずれも主にユーザーが運営/開発に対して不満を抱いたり,批判したりしがちな部分であり,非常にうなずける部分であろう。

 また真・女神転生IMAGINEは自社開発,自社運営を行っているが,それであるがゆえのメリット/デメリットも披露された。メリットとしては,相互の連携の取りやすさとユーザーの意見をリアルタイムに取り入れやすい部分が挙げられる。その半面,そうした意見に対して「アレもできる,コレもできる」となってしまい,優先順位が付けられなくなったり,あるいは見切りで企画をスタートして失敗に繋がったりといったデメリットがあるという。
 この点に関して,新川氏は,個々の企画が実現できるできないという問題なのではなく,ユーザーが求める部分に対して内容が適正であるか否かの判断が重要になると指摘。さらに,そうした判断の適切さがコミュニティを拡大する要因にもなると付け加えた。

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2008年には,イラスト投稿を中心とするコミュニティサイト「pixiv」とコラボレートしたイベントを実施
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ニコニコ動画とコラボレートしたイベントには,開発責任者が生出演。ユーザーからの高い反響があった

 最後に,新川氏は真・女神転生IMAGINEにおいて「現在発生している問題と対応策」に言及。公式サイトでユーザーから注目される部分に注力していくのは当然として,ほとんど見向きもされない部分をどう扱うか。あまり人気が出ず,その後もほとんど使われる気配がないコンテンツを整理すべきか否か。あるいはゲーム内のインフレを抑えるために,消費のサイクルとトレンドのバランスをどう取るか。あるいは,RMTやBOT,不具合の悪用といった不正行為に対してどう対応していくべきか,などなど。
 さまざまな課題があるが,不正行為に毅然とした態度で臨み,ゲーム内のモラルを高めること以外については,具体的な対応策を提示するというよりも,慎重に模索中というところだった。

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公式サイトの各コンテンツに対するユーザーの注目度を,サーモグラフィのように表示するツールの存在も明らかになった
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Windows付属の「ソリティア」のように飽きられないコンテンツとは何か? といったような,少々深い議論も交わされるとのこと

 今回の講演は,真・女神転生IMAGINEを事例に挙げてはいるものの,あらゆるオンラインゲーム運営に通ずる内容であろう。多くの人が,この講演で挙がったような高い意識を持って運営に臨み,オンラインゲーム業界をよりよいものに発展させることを期待したい。
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