インタビュー
2月に再スタートする「三國志 Online」は,第二次プレオープンでどのように変化するのか。コーエー上野氏/松本氏にロングインタビュー
フィールド/大陸マップ/合戦場での結果が,それぞれに影響を及ぼす
4Gamer:
イメージが掴みづらいのですが,マップ上の領土を取り合うのか,先日発表された信On(争覇の章)のように,別のエリアがあってそこを取り合うのか……。
まず,既存の3Dフィールドからちょっと切り離してもらって,中国全土の全体マップがあって,その中に分けられた領地があり,さらに,そのマップ上の領地が塗り替わっていくと考えてください。そして取った領土に応じて国力が変動し,ゲーム内のいろいろなフィーチャーに関わってきます。
4Gamer:
んー……なるほど。ある意味別ゲームみたいなものでしょうか。領土を取り合った結果が,そのまま感じられるわけではないですよね。例えば,ある日突然街の旗が変わっているというような。
上野氏:
そういうことはないです。別ゲームというのもちょっと違いますね。三国制覇は,通常の3Dフィールドがあり,大陸マップがあり,そしてそれぞれに合戦場がある。
松本氏:
そこで取った結果が,それぞれに影響するわけです。
上野氏:
つまり,合戦の結果(勝敗)が,大陸マップに反映(領土の変化)され,大陸マップの状態が,3Dフィールドに影響する。そして3Dフィールドでの行動が,合戦場に影響(初期状態の変化)するということになります。このように影響がグルグルと回っていくわけです。
松本氏:
フィールド,大陸マップ,合戦場のそれぞれが関わり合ってますので,別ゲームというよりは,各要素が結びつきながら,重なっているとご理解ください。
4Gamer:
あー,なるほど。そういう三層構造になっているのですか。
上野氏:
構想10年,制作20年の超大作とかだったら,中国全土を作ったりすることも可能かもしれませんが(笑)。プレイアビリティとゲーム世界の成り立ちを考えたときに,いまある荊州(けいしゅう)や司隷(しれい)というのが,プレイフィールドとして存在する。それと中国全土のマップを使った合戦を,同じフィールド上でするのは,ちょっと無理があると考えました。
4Gamer:
確かに現実的ではないですね。
上野氏:
それより,中国全土のマップを用意して,その中に各地のフィールドがあるという形の方が,スマートなゲームを作りやすいですよね。
4Gamer:
たしかに,アップデートや機能追加/連携などの管理も楽そうですね。三国制覇と聞いて,Lineage IIの城みたいにフィールドを取り合うのかなと思いました。
上野氏:
どちらかといえば,シミュレーションの三國志シリーズに近い感じでしょうか。状況として三国志のマップがあって,戦闘マップは別。あのような感じです。
4Gamer:
なるほど,分かりやすい例えです。では,合戦の結果に影響されるというのは,ネガティブな結果も影響されるんですか?
上野氏:
ネガティブということはなく,ポジティブな状況が,ネガティブな結果によって,差し引きゼロ,つまりなくなることはあります。
4Gamer:
ということは,マイナスになることはないということでしょうか。では,連勝することによるメリットはありますか?
上野氏:
逆に連勝しないときついでしょう。一勝一敗だと,勢力の拡大は進みませんから。
4Gamer:
例えば……そうですねぇ,勝利すると街のNPCのアイテムが安くなるようなメリットがあると仮定して,もう一勝するとそれがさらに安くなるというようなメリットはありますか?
上野氏:
そこは,連勝は関係ないです。おそらく国力パラメータを使うと思います。
4Gamer:
国力パラメータというのは,いかにもコーエーのタイトルらしくて興味をひかれますね。
上野氏:
よりコーエーの三國志という意味が強くなる気はします。
4Gamer:
開墾とか治水コマンドも出てきたりとか。
油断すると“イナゴ”とか?
一同:(笑)。
上野氏:
実際に多数のユーザーが参加する三國志 Onlineでは無理でしょう。イナゴを出した瞬間に,ショックで次の月にはその勢力のプレイヤーが居なくなってしまうかもしれません。
4Gamer:
ホントに何も残らなかったりとか(笑)。では,順当に進んだとして,三国制覇が始まるのは第二次プレオープン開始から何か月くらいを想定していますか?
上野氏:
実はこのゲームを始めるときから,日本でのサービスにおいては日本人の生活サイクルにできるだけ合わせたいと思っていました。なので,ずばり4月の新学期,新年度で始めたいと思っています。
4Gamer:
……そうなると,割とすぐですよね。
上野氏:
ええ,すでにキャラクターがレベル20まで育っている方がいますし,始めたばかりでも,レベル20まではあっという間に上げることができますので。
松本氏:
三国制覇が始まるまでは,勢力の移動ができると思いますので,これからプレイを始める方も,いろいろな勢力を試してみてください。
第二次プレオープンは2月の初旬から中旬あたり?
4Gamer:
なるほど。そうすると,第二次プレオープンが,2月のいつ頃になるのかが気になりますね。実は2月28日だとかはないですよね(笑)。
実は来年の2月は29日までありますよ(笑)。そうですね……2月の遅くない時期とだけお話ししておきます。たぶん,皆様がされていた想像とは違うと思います。
4Gamer:
お? ということは,初旬から中旬あたりなんでしょうか,続報を待ってます。
ところで,第二次プレオープンでは,レベルキャップはどうなりますか?
上野氏:
どれくらい上げるかは未定ですが,キャップは上げます(編注:先の発表でLv30までと公開された)。
4Gamer:
キャップといえば,生産で素材を掘っているだけでレベルが上がるというのは斬新でしたが,プレイヤーからの反応はどうですか?
上野氏:
そんなに大きな反響ではなかったです。やはり楽に総合Lvを上げられますので受け入れていただけたのではないでしょうか
4Gamer:
なるほど。
上野氏:
ゲームバランス的にはどうなんだという意見や見方は,確かにあります。
4Gamer:
でも,黙々とレベルを上げていくゲームではないですしね。
上野氏:
ええ,さっさとレベルを20とか30まで上げていただいて,メインコンテンツに触れていただくほうが,レベル10あたりで「なかなか上がらない」状況を作るよりは良いと考えています。
4Gamer:
そうですね。RvRタイトルをやっていて一番プレイヤーが感じるストレスは,対人戦までの期間だということが多いです。私もこれは良いなと思いました。
上野氏:
何度も申し上げているように,時間があまり大量にとれないサラリーマンの方でもストレスなく遊べるようにしたいと考えているのです。合戦の時間も45分となっているのはそういうところから来たものです。この時間だと平日/週末に,例えば仕事から帰ってきて一息ついて,短時間で出来るわけです。
4Gamer:
たしかに長時間は,時間を多く取れる学生さんなどでないと,やや辛いですね。
上野氏:
はい。週末で時間があるときには,長いコンテンツやダンジョンに行ってみてください。
4Gamer:
しかし,このレベルアップの仕方は史上初じゃないですか?
上野氏:
前代未聞じゃないでしょうか。
4Gamer:
いやいや,意味は近いですが,ネガティブな単語じゃないですか。史上初ということにしましょう(笑)。
上野氏:
でも確かにそうかもしれません。
4Gamer:
しかしそうなると「合戦」も,完全に位置づけそのものが変わるんですねえ。
上野氏:
そうです。合戦は三国制覇に組み込まれることになります。また,合戦の中も演出を三国志らしくしようかなと考えています。
4Gamer:
ドラをジャーン!ジャーン!とか?
一同:(笑)。
どのような演出ですか? あとは武将が「げぇっ!」と言うくらいしか思いつきません。
上野氏:
いやさすがにどうなんでしょうかそれは(笑)。……ああでも,プレイヤーが「げぇっ!」と言うかもしれません。
4Gamer:
おお,気になりますね。その演出というのはスクリプトで制御されるような何かですか? それともエフェクトっぽい何か?
上野氏:
両方入ります。エフェクトという言い方はちょっと違いますが,合戦が始まるときはこうだろうみたいなのを,入れてみたかったのです。
4Gamer:
合戦の開始というと,武将の名乗りが聞こえてきたりするのでしょうか。どのようなものか楽しみです。
部曲に武将が訪れて手助けしてくれる“客将”システム
上野氏:
あとは,客将が合戦のときに助っ人で登場します。前回までは各勢力7人の武将が時々出てきて,すぐ去っていくみたいな感じでしたが,滞在時間を調整しようと思っています。
4Gamer:
武将の強さはプレオープンから,そのままですか?
上野氏:
それは……どっちを気にしています? もっと上なのか下なのか。
4Gamer:
いやあ,文字通り武将って一騎当千じゃないですか。もうバッサバッサと切られるのが楽しかったですし(笑)。
上野氏:
客将は,あれらの武将ほどではないです。が……,たしかあの武将達は“パワーアップする……”ような。
4Gamer:
パワーアップ!?
松本氏:
レベルキャップも上がりますしね。
4Gamer:
とはいえ,あの強さは尋常じゃない気がしますが。当時の人はあんな気分だったんでしょうね。
上野氏:
本当に「げぇっ!」っというのは,そんな感じだったのでしょう。
4Gamer:
確かに……。ちなみに,客将というのはどのあたりの武将を想定しています? あとそれは,呼べるものですか? 来るものですか?
上野氏:
上から下まで……です。そして合戦のときは来るものです。
4Gamer:
なるほど,いわゆる――言い方が変ですが――召喚獣みたいな扱いではないんですね。
上野氏:
そうです。ただ「こういう場合は呼びたい」ということもあると思うので,それは今後考えて膨らませていきたいです。
実は,この客将を検討しているときは,本当に大変だったのです。開発のスタッフは三国志が好きなので,さまざまな妄想が炸裂するんです(笑)。これをさせたい,あーしたいなど出てきて。それを作っていたらリリースまでにあと3年掛かるからと。プレイヤーの方々も三国志ファンが多いのですが,開発メンバーもやっぱり三国志ファンなので,自分の三国志を主張しちゃうのです(笑)。とにかく今は「三國志 Online」の話をしようと,抑えないといけなかった。
4Gamer:
そうでしょうね(笑)。
上野氏:
なので,第二次プレオープンの最初の段階では合戦で手助けをしてくれて,さらにもっといろいろなことを……と考えています。
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