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[GDC07#41]絶好調のEpic Gamesが,「Unreal Tournament 3」のデモを初公開
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印刷2007/03/10 23:43

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[GDC07#41]絶好調のEpic Gamesが,「Unreal Tournament 3」のデモを初公開

 自社製「Unreal Engine 3.0」による「Gears of War」が,Xbox 360エクスクルーシブながら発売から10週間で300万本を記録し,今年のデベロッパーズ・チョイス・アワードのベストゲーム賞を受賞してホクホク顔のEpic Games。今回のGDCでも,Gears of Warだけで3種類のセミナーを開くなど,その絶好調ぶりが伝わってくる。
 そんなEpic Gamesが,プレス用の特別セッションを開催し,近況を報告した。

 Unreal Engine 3.0は,ご存じのようにDirectX 9.0c/10ベースのPCや,Xbox360とプレイステーション3に対応した,同社製ミドルウェア。Gears of Warをはじめ,すでにリリースされている作品を含めて,30種程度の作品にライセンスされていると伝えられる。

今回,プレス向けにデモを行ったビジネス副社長のMark Rein氏(左)と,“テクニカル・アーティスト”という肩書きのAlan Willard氏(右)
 今回,副社長のMark Rein(マーク・レイン)氏が最初に見せたデモは,今年4月にSouthPeak Interactiveからリリース予定の3人称視点型アクションゲーム「Monster Madness」を紹介するものだった。このゲームは,郊外の閑静な住宅地に住む高校生の主人公の家に,親がいない間に突如ゾンビの一群が押し寄せ,気がつけば町中がゾンビや怪奇生物で溢れかえっていたというもの。それらの大群に“家の内部および庭”といった限られた空間内で対峙する,お手軽で痛快なアクションだ。
 このゲームを最初に紹介したのは,レイン氏の説明では「Unrealエンジンは,比較的簡単なゲームをサクっと作るにも役立つことを示すため」だという。

「Monster Madness」は,Unreal Engine 3.0を採用した痛快アクション。PCやPS3でリリースされる予定だ
 Unreal Engine 3.0は,言ってみればすでに完成されたテクノロジーであり,今後は利用者やライセンス先の要望に応じてマイナーな変更を続けていくとは言うものの,大枠で以前のテクノロジーデモ段階から変化していない。ノードを線で結ぶことでテクスチャの重なり具合が目で確認できるといった仕様が最大の特徴ともいえるが,そのシステムはアニメーションやプロダクションマップなどのツールにも幅広く利用されているようだ。

 今回の講演取材で収穫だったのは,「UnrealEd」といわれるエディタが,PC用の「Unreal Tournament 3」に無料添付されるのが分かったことだ。スクリプターの「Kasmit」やカメラ調整の「Matinee」に加え,アニメーションツールである「AnimSet Viewer」や「AniTree」などすべてが含まれる予定であり,レイン氏は「これほど整ったツールを公開するのだから,Unreal系MOD界は活気づくはずだ」と,自信のほどを示した。
 当然のことながら,MODを商業リリースするためにはライセンス料が必要になるものの,ライセンス用に販売するものと同等のソフトが無料で使えるようになるのだから,アマチュア達に損はない。最近は「Half-Life 2」のSourceエンジンにMODタイトルを奪われがちだが,Unreal系MODでも「Red Orchestra」以来の超大作が誕生するのは時間の問題かも知れない。



 さて,リリース日が2007年第2四半期から第3四半期と,まだはっきりしないUnreal Tournament 3だが,驚くべきことにGDCのエキスポ会場にはひっそりと出展されていた。SCEIブースにおいて,プレイステーション3で動作しており,実際にキャプチャー・ザ・フラッグモードを楽しめるようになっていたのである。これは試してみるほかあるまい。
 キャプチャー・ザ・フラッグなのになぜか,1 vs. 4というアンフェアな設定になっていたので,早速変更を試みると,係員に「まだデモだから」と制止されたという話はさておき。マップは,外に宇宙空間が見える大きなガラス窓の用意された宇宙ステーションらしきところのみで,開発も相当初期段階のものと思われる。
 武器はDual Enforcer(アサルトライフル)しか利用できず,まだ実際にゲームを楽しめるほど出来上がってはいないようだ。乗り物もなかったようだが,それでも天井から吊るされたバナーの布がリアルにはためく様子が再現されていたり,窓ガラスに映りこむような独特のパーティクル効果が確認できたりと,リアルな表現の片鱗は確認できた。

 高い場所から飛び降りたときに,足を傷めて苦しむといったアニメーション表現が凝っている一方で,AIの性能もかなりのもの。闇雲に前進してくる敵もいたが,実際にデモを試した当初,その挙動は(筆者の反対側にいた)別のプレイヤーがしていると思ったほどだ。声を掛け合ったりといった,人間っぽい行動をいくつか実装していた点も,特筆に価しよう。
 スポーツ系FPSの真打Unreal Tournamentの最新作が,ようやく本格的に開発され始めたのは確かだろう。ちなみに,旧名「Unreal Tournament 2007」の年号を外したのは,来年へ持ち越すという意味なのかと聞いてみたら,「完成したときが発売(When it's done)としか今は言えない」とお茶を濁されたものの,PS3のα版デモでも,十分に期待させられるものだった。(ライター:奥谷海人)

  • 関連タイトル:

    アンリアル トーナメント 3 英語版 日本語マニュアル付き

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