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[TGS 2008#046]3Diが目指す仮想空間の相互運用「インターバース」の世界
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印刷2008/10/10 23:25

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[TGS 2008#046]3Diが目指す仮想空間の相互運用「インターバース」の世界

画像集#003のサムネイル/[TGS 2008#046]3Diが目指す仮想空間の相互運用「インターバース」の世界
 OpenSimは,「Second Life」のオープンソース版から派生したバーチャルワールドであり,OpenSimの開発のコアとなっているのが日本の3Diという会社。そんな3Diが東京ゲームショウ2008に出展し,特別イベントとして「仮想空間における3Dデータのインポート活用」と題した講演を行った。

 3Di取締役/CTOの鎌田卓氏は,冒頭なぜバーチャルワールドが注目されているのかについて語り,インターネットでビジネスになっているものはネットショッピングだけだとしたうえで,現状のネットショッピングは十分ではないとした。
 ネットショッピング市場は年々拡大しているとはいえ,リアルのショッピングに比べると,まだまだ規模が小さい。現状のインターネットで扱えるのは,リアルワールドのごく一部にすぎないため,バーチャルのショッピングをもっとリアルにすれば,リアルでショッピングをしている人をすべて取りこめるはず,という仮定に基づいて行動するのがバーチャルワールド屋さんの特性である。たいていの人は眉に唾をつけながら聞いているとは思うのだが,Second Lifeでは一部成果を挙げているのも事実で,普通のWebインタフェースに馴染めない人を取り込むことで,ある程度市場を広げていけるのは確かである。
 また,インターネットで発生するモラルの低下や誤解の発生といった問題点は,表現力を上げることで解決できるとしている。表現がリアルになれば,リアルワールドでの作法でネットワークを利用できる,それがメタバースの利点であるとする。

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 鎌田氏は,Second Life以来,雨後のタケノコのように乱立しつつある現状のバーチャルワールド(メタバース)を,昔のパソコン通信にたとえている。パソコン通信では,それぞれのホストが独立して存在しており,オンラインコミュニケーションとはいっても,ホストごとに閉じたものを基本としていた。
 これが,HTTPというプロトコルとマークアップ言語により規格統一され,相互運用できるようになったのが,現在のインターネットである。メタバースも,相互運用ができるようにならないと,本格的な普及はありえないという意味で,メタバース間の運用プロトコルの策定に率先して加わっているのが3Diでもある。メタバースが相互運用可能になった状態を鎌田氏はインターバースと呼んでいる。

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 同社のインターバースへの取り組みを端的に示すものとして,世界初のOpenSimの商用パッケージ,「3Di OpenSim」がある。これは,Linuxでいえばredhatのようなもので,商用として使えるクオリティのパッケージだ。元がオープンソースソフトウェアなので,フリーでほぼ同じ機能のプログラムを入手できるわけだが,商用版のメリットはというと,まず,入念にテストされた安定版となっていることと,マーケティング用の管理ツールなどが加わっていることだという。

 ちなみに,3Di OpenSimの価格は,1年間で52万8000円。これはお試し版といった位置づけで,大規模に本格運用をする場合には別契約となるようだ。用途としては,現在,教育用や不動産用などが見込まれている。Second Lifeのようなシステムを一から開発するのではいくら予算があっても足りない。現状でのOpenSimの機能は,Second Lifeの8割程度の機能をサポートしていて,3Dツールから,Second Lifeよりも高品質なオブジェクトを取りこめるという。
 バーチャルワールド運営に乗り出したい人にとって,どの程度の需要があるのかはちょっと読みにくい。どのような企業でどのように運用されていくのかが注目されるところだ。

3Di OpenSim公式サイト

http://3di-opensim.com/
  • 関連タイトル:

    Second Life

  • 関連タイトル:

    Second Life(Macintosh)

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