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[GDC2008#05]IntelにAMD,NVIDIA,MSらの大連合,「PC Gamimg Alliance」設立が正式発表
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印刷2008/02/20 19:25

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[GDC2008#05]IntelにAMD,NVIDIA,MSらの大連合,「PC Gamimg Alliance」設立が正式発表

 コンピュータ業界が,「ゲームプラットフォームとしてのPC」の復活に動き出した。2008年2月15日に掲載した筆者の連載記事で“さわり”をお伝えしていたが,PCゲームの振興を目的とする「PC Gamimg Alliance」(以下,PCGA)の発足が,GDC08の2日めとなる北米時間2008年2月19日,正式に発表されたのだ。

PCGA公式サイトより
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 PCGAとは,マーケティングデータのシェアや販売奨励システムの安定化,海賊版対策といった,広義的な“PCゲームの販促活動”における指標作りを推し進めようという非営利団体で,発足時点におけるメンバー企業(アルファベット順)は以下のとおりとなる。

  • Acer/Gateway
  • Activision Blizzard
  • AMD
  • Dell/Alienware
  • Epic Games
  • Intel
  • Microsoft
  • NVIDIA

発足時点でのPCGA参加企業
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 各社は説明するまでもなく,PC業界の各分野でリーダーとしての存在感を示す企業。“発起人”がIntelであるにもかかわらずAMDが名を連ねるなど,文字どおり「PCゲーム業界のリーダー達」による,前代未聞の大連合となる。
 この8社(Acerの子会社であるGatewayと,同じくDellの子会社であるAlienwareを入れると10社)は,「Promoter」(プロモーター)として役員的な地位にあり,PCGA運営に当たっての資金提供を含め,PCGAの活動へ積極的にかかわっていく。また,PCGAに賛同するメーカーは「Contributor」(コントリビューター),PCGAの活動を受け入れるメーカーは「Adopter」(アダプター)としてリストアップされる仕組みで,発足前日には,ゲーマー向け周辺機器メーカーのRazerがContributorとしてPCGAに加わっている。

Randy Stude氏(Director of Gaming Strategy,Intel)
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 ところでこの大連合が組まれることになったのは,以前MicrosoftでWindowsやXboxのゲーム部門を統括していたEd Fries(エド・フリーズ)氏による,アライアンス設立の働きかけがあったからだという。Fries氏はMicrosoftを辞めたこともあって現在は表舞台に立っていないが,その後は氏の友人であるIntelのRandy Stude(ランディ・ストゥード)ゲーム戦略部門ディレクターが引き継ぎ,GDC07のタイミングで各社の要人と接触を重ね,PCGA誕生につなげたとのことだ。
 Stude氏はPCGAの第1期CEOに就任し,会長にはDellのゲームアーキテクチャ部門シニアマネージャーであるRick Carini(リック・カリーニ)氏が選出されている。さらにいうと,予算委員長にはAMDのRitche Corpus(リッチー・コーパス)氏,そして技術主任にはNVIDIAのRoy Taylor(ロイ・テイラー)氏らが選出されるなど,Promoter各社におけるゲーム部門の責任者達が顔をつきあわせることになる。


PCゲーム関連の統一市場データ収集を目指すPCGA

具体的なロードマップ作成が急務か


 「現在のPCゲーム市場では,オンラインゲームの台頭や流通体系の変化により,現実的な市場データが不足してしまっていることが,大きな足枷(かせ)になっている」と,発表会でStude氏は述べた。ゲーム機の場合,そのハードウェアを製造&販売する企業,いわゆるプラットフォームホルダーに統計データが集まるのに対し,PCゲーム市場の場合は,先の理由のため,リサーチ会社によって調査結果がまちまちとなり,結果,どのデータを採用するかによって,小売店やエンドユーザーに与える印象が異なってしまう,というわけだ。この問題を是正するため,PCGAが旗振り役となって,統一された市場データを集計しようというのが,活動の主軸の一つとなるようである。
 Stude氏は,「『どのゲームタイトルをプッシュするか』を選ぶときの重み付けが各パブリッシャによって異なり,それがエンドユーザーの混乱を招いている」とも指摘していたので,ゆくゆくは統一マーケティングプログラムのようなものを行うビジョンもあるようだった。またもちろん,ゲーム産業が拡大することによって否応なしに規模が大きくなる海賊版への対策も,今後はPCGAが主導していく予定だという。

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 もっとも,「では,PCGAは具体的に何をするのか」というと,まだ明確な活動指標はなく,あまりにも朧気(おぼろげ)に過ぎるという印象が否めない。今回の発表会でPCGAは,“調査結果がまちまちとなる”はずのリサーチ会社から,DFC Intelligenceという特定1社のデータを引いて,現在でもPCゲーム市場は拡大していると強気の姿勢を見せていたが,ゲーマーの体感からすると,ショップでの販売規模などからしても,PCゲーム市場の縮小は厳然たる事実だ。ゲームデベロッパの代表として途中から参加したEpic GamesのMark Rein(マーク・レイン)氏も,このあたりほかの役員達とは意見がかなり異なるようで,PCGA内部でも意見は統一されていないようだった。
 不安要素はほかにもある。例えばインターネットカフェを中心として,オンラインゲームが盛んなアジア,あるいは独特なPCゲーム文化が花開いている東欧などを抜きにPCゲーム市場は語れないはず。この点について筆者は質問をぶつけてみたのだが,PCGAの影響力を北米地域以外でどのように浸透させていくのかなどは不透明で,なんとも頼りない。現在は1か月に1回程度のミーティングを行っているそうだが,PCGAのロードマップが具体化するには,まだまだかなりの時間がかかりそうな気がする。

 ただ,PCハード&ソフトウェアメーカーがこういった問題を長いこと放置し続けてきたのは確か。そんな状況に対して,業界のビッグネームが「どうにかしたいと思います」と連名で発表したことは,相応に有意義といえるかもしれない。
 我々PCゲーマーにとって大いに関係のある話だけに,PCGAの今後の活動については,注意深く,そして期待して見守っていきたいところだ。
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