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ジャンクハンター吉田のゲームシネシネ団:第4回「夏だカンフーだジャッキーだ!」<後編>
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印刷2008/07/12 12:00

連載

ジャンクハンター吉田のゲームシネシネ団:第4回「夏だカンフーだジャッキーだ!」<後編>


 前編では,セリフの少ない役で出演しているってだけで「カンフー・パンダ」をジャッキー・チェン映画だと力説したり,ジャッキー・チェン出演映画のゲーム版などを紹介した。だが,ジャッキー映画&ジャッキーゲームはこれだけじゃない! ってことで,後編ではジャッキー・チェンとジェット・リーが共演を果たした「ドラゴン・キングダム」や,ジャッキー・チェンそのものを題材にしちゃったゲームを,前回に引き続きフリーライターの灸怜太氏との対談形式で紹介していこう。

映画のゲーム化だけでなく,本人までもがゲームになるジャッキー


灸怜太(以下,灸):
 前回までの話で,映画界はもちろんゲーム界もジャッキーを中心に回っていることがお分かりいただけたと思いますが……。

ジャンクハンター吉田(以下,J):
 そんな話だったっけ? ジャッキー映画のゲームにはダメな感じなのが多いってことだったような気がするけど。

灸:
 ダメっていうとアレですけど……。でもジャッキー自身も大のゲーム好きですから,しょーもないタイトルが出回っていることには本人だって心を痛めていたはずです。そこでジャッキーは,映画版権モノでなく,自らをゲーム化するという暴挙に出るわけです!

J:
 暴挙って! それ,ハドソンがファミコンとPCエンジンでリリースした「ジャッキー・チェン」のことでしょ?

1991年にハドソンからPCエンジン用に発売された「ジャッキー・チェン」。「魔界村」と「スーパーマリオブラザーズ」を足したような内容。左が北米版,右が日本版のパッケージ。共通するのはなぜか眉間にシワを寄せるようなジャッキーの表情。いつものジャッキー・スマイルがない! さらに日本版は蛇拳をイメージしたポーズであるが,よく見てほしい。左手の拳を握り締めるポーズは「バトルクリーク・ブロー」? そもそも,右手が蛇拳で左手がグーパンチな拳のポーズなんて……
画像集#001のサムネイル/ジャンクハンター吉田のゲームシネシネ団:第4回「夏だカンフーだジャッキーだ!」<後編>

灸:
 ジャッキーとガールフレンドが遊んでいると空が暗くなって魔王が降臨! そのまま彼女が拉致られるという「魔界村」さながらのオープニングが,好事家にはたまらない逸品ですね。この作品によって,ジャッキーの「ご当人ゲーム」時代の幕が開いたんです。

J:
 俳優自身がゲーム化されたモノですぐに思い出せるのって,あとは「ブルース・リー」ぐらいしか思い浮かばないからなぁ。そういう意味では「ご当人ゲーム」というジャンルそのものがレアかもしれない。

灸:
 しかもですね,このゲームのリリース後から長いことジャッキー映画がヒットしなかった暗黒時代が続いたんですが,その後,「レッド・ブロンクス」がハリウッドでまさかの大成功を収めました。その結果,ジャッキー株が一気に跳ね上がったんですよ。そしたら,ますます映画の版権料が高くなっていき,ジャッキー関連のゲームはほとんどが「ご当人モノ」になっていったんです。アーケードでリリースされた「カンフーマスター ジャッキーチェン」とか。

J:
 あぁ,ジャッキー版の「大江戸ファイト」ね?

灸:
 そんな香ばしいゲームと一緒にしないでくださいよ! せめてジャッキー版「ツインゴッデス」と表現してください!

J:
 そのゲームのほうが誰も知らないよ!
 ジャッキーご当人ゲームは,ほかにどんなのがあるの?

灸:
 えーと,北米と欧米でしか発売されませんでしたが,ジャッキーがモーションキャプチャーで全面協力した「Jackie Chan: Stuntmaster」もかなりヤバい出来ですね。あと,ジャッキーが主役のアニメシリーズをゲーム化した「Jackie Chan Adventures」も押さえておいてください!

2000年にMidway Gamesからプレイステーション用に発売された「Stuntmaster」。ジャッキーがモーションキャプチャーや,自身のポリゴンキャラの吹き替えまで行った意欲作。キャラクターの角ばったテクスチャーは時代遅れ感満載で辛かったものの,「ダブルドラゴン」のようなベルトスクロールアクションを意識して作ったゲームシステムは遊びやすい
画像集#002のサムネイル/ジャンクハンター吉田のゲームシネシネ団:第4回「夏だカンフーだジャッキーだ!」<後編>
画像集#003のサムネイル/ジャンクハンター吉田のゲームシネシネ団:第4回「夏だカンフーだジャッキーだ!」<後編>
2001年にActivisionからゲームボーイアドベンス用に発売された「Jackie Chan Adventures Legend of the Dark Hand」。ジャッキー特有のスピーディで機敏な動きこそできないが,周辺にあるモノをなんでも武器にできる戦闘システムは,まるでジャッキー映画のようで完成度高し
画像集#004のサムネイル/ジャンクハンター吉田のゲームシネシネ団:第4回「夏だカンフーだジャッキーだ!」<後編>
2004年にソニー・コンピュータエンタテインメントアメリカがプレイステーション2用に発売した「Jackie Chan Adventures」。オンエアされていたテレビアニメの終了に伴い,人気が沈静化してしまった北米では発売中止となったため,欧州のみでの販売となった


「ドラゴン・キングダム」では,ついにジャッキー×ジェットが実現


画像集#006のサムネイル/ジャンクハンター吉田のゲームシネシネ団:第4回「夏だカンフーだジャッキーだ!」<後編>
7月26日より全国公開される「ドラゴン・キングダム」。もうちょっと早くジャッキーとジェットの共演が実現していたら,もっともっとキレの良い闘いを魅せてくれていたんだろうと思うと少し切ない。そういえば,ジェットのゲームといえば過去にDOSで「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ」のベルトスクロール系アクションがアジアのみで発売されていた。遊んだことはないのだが,どうやら無版権モノらしい。ちなみにジェットは,1973年の映画「ブラッド・ブラザース 刺馬」のリメイク作「投名状」で金城武と共演予定。映画公開に合わせ,ゲーム化の企画が進行していることを,二人とも楽しみにしているらしい
画像集#005のサムネイル/ジャンクハンター吉田のゲームシネシネ団:第4回「夏だカンフーだジャッキーだ!」<後編>
以前から共演の噂が出ては消え……を繰り返していた二人。ついにというよりようやくといった感じか。ジャッキーがハリウッドへ行ったにも関わらず,スタントマンの職を奪うべく(!?)自ら危険なスタントをやろうとすることを,ジェットが批判していたことがあったため,犬猿の仲であると囁かれていた
J:
 なんかその言い方から察するに,ゲーム自体はアレな感じっぽいね。“ご当人ゲーム”というと聞こえはいいけど,本当はジャッキーが「オレが主役じゃないと気が済まない!」ってワガママを言ってるだけだったりして。

灸:
 確かにジャッキーのオレオレ主義は有名ですね。だからこそ,この夏に公開される映画「ドラゴン・キングダム」でジェット・リーと共演するって聞いたときは,本気でビビりましたよ!

J:
 よくある顔合わせ的な共演かと思ったら,けっこう本格的なバトルシーンがあるんだってね。

灸:
 かなりバチバチにやりあってますね。ジャッキーは酔拳使うし,ジェットはワイヤー系の動きを見せるし,もう大サービスですよ。しかも武術指導がユエン・ウーピンですから。いろんな意味でカンフー映画の集大成といえますね!

J:
 ジェット・リーもゲーム好きなんだよね。プレイステーション2で,これまた海外のみでしか発売されなかった「Rise To Honor」では,モーションから関わってるし。

灸:
 元々はリュック・ベッソンがプロデュースした映画「キス・オブ・ザ・ドラゴン」のシネマゲームとして開発されたというヤツですね。

J:
 でも当時の技術ではジェットのスピード感のあるアクションが再現できなかったんだよね。

画像集#007のサムネイル/ジャンクハンター吉田のゲームシネシネ団:第4回「夏だカンフーだジャッキーだ!」<後編>
2004年にソニー・コンピュータエンタテインメントアメリカから,プレイステーション2向けに発売された「Rise To Honor」のパッケージ。左が欧米版で右が北米版。よく見ると写真を裏焼きしてるだけ。どことなくリュック・ベッソンが好みそうなパッケージデザインになっているのは,「キス・オブ・ザ・ドラゴン」のゲーム化を目論んでいたジェットの意向を反映したものなのか? ちなみに本作のアクション・シークエンスを担当したのは,実写版「デッド・オア・アライブ」のコーリー・ユン監督
画像集#008のサムネイル/ジャンクハンター吉田のゲームシネシネ団:第4回「夏だカンフーだジャッキーだ!」<後編>
アクションムーブのパターン数は大変多く,二丁拳銃でダイビング撃ちをしながらのスローモーション効果は,まさにジョン・ウー先生をリスペクト!? アジア系の人々による銃撃戦は,このスタイルが定番化されている。「ストラングルホールド」よりもこちらのほうが先に世に出たのだが,日本では未発売。ジェットはそのことに不満を抱いているのだとか。一方,ストラングルホールド(Xbox 360版)のセールスが日本では芳しくないことについて,ジョン・ウー先生はたいそうご不満らしい
「Rise To Honor」を一度でもクリアすれば,コスチュームチェンジや製作舞台裏映像のロックも解除される。とくに「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ」のウォン・フェイフォンの衣装で闘えるのは最高! ゲーム性は変わらないが,変更した衣装はムービーシーンなどにも反映されるので,雰囲気がガラっと変わる。真ん中の写真はジェットのはずだが,ユン・ピョウに見えなくもない
画像集#009のサムネイル/ジャンクハンター吉田のゲームシネシネ団:第4回「夏だカンフーだジャッキーだ!」<後編>

灸:
 もったいないですよね。ジャッキーもそうですけど,彼らのアクションなんて重要無形文化財みたいなモンですから,いまのうちに全部キャプっておけばいいんですよ。

J:
 データなら年月によって衰えることもないしね。それをミドルウェアみたいに売り出せば,格闘ゲームの開発者はこぞって買うかもしれないな。ジェット・リーにインタビューしたとき,彼はモーションキャプチャーの技術にえらく感動したらしく,自分自身の体力が衰える前にすべてのムーブを収録して保存したいって言っていたし。

灸:
 お,そうなんですか。

J:
 なんでもCGのキャラクターが映画やゲームで活躍する時代が本格的に到来したら使ってもらいたいということらしいんだけどね。どこまで需要があるのか現段階では分からないけど,未来を見据えているのはジャッキーよりジェットかもしれないな。

灸:
 ジャッキーは今を生きているからいいんですよ! ジェットは完全に役者ですけど,ジャッキーは自分でスタントもこなすし,監督もやるし,なんていうか昔から生き急いでいますからね。「サンダーアーム」で頭蓋骨骨折しても頑張るところなんか泣けてきますよ!

J:
 確かにアレは泣ける。ジャッキー頑張りすぎだよ! って。

灸:
 でもまあ,ジャッキーの各種ムーブをモーションキャプチャーしてデータ化できたら面白そうですよね。それを使って「バトルロイド」みたいなツールを作れば,一般の人もそれ使って勝手に格闘アクションゲームが作れるし。

J:
 そうなったら,ジャッキーの遺伝子が永遠に受け継がれていくことになるかもね。

灸:
 でしょ? 過去も未来もすべてはジャッキーを中心に回ってるんですよ! ジャッキーの偉大さを日本人は,というよりもアジア人であるならばもっと新旧の映画を観て理解してもらいたいですね。ジャッキーは永遠に不滅です!

J:
 とりあえず,7月26日(土)になったら「ドラゴン・キングダム」を見に行くわ。

画像集#010のサムネイル/ジャンクハンター吉田のゲームシネシネ団:第4回「夏だカンフーだジャッキーだ!」<後編>
1990年にハドソンからファミコンで発売された「ジャッキー・チェン」。日本版と欧米版はパッケージはほぼレイアウトのみ変えられているだけで一緒だが,なぜか北米版だけは髪型が七三分けのアジア人特有な雰囲気で,良〜く見るとどことなくチョウ・ユンファっぽくて全然ジャッキー臭さがないシリアスなテイスト! だが,北米版トップ画面にはジャッキー・スマイルが…まさにカオス!
画像集#011のサムネイル/ジャンクハンター吉田のゲームシネシネ団:第4回「夏だカンフーだジャッキーだ!」<後編>
1990年にアイレムからゲームボーイ用に発売された「スパルタンX」。ポジション的にはシリーズ第二弾らしく,それではファミコンの「スパルタンX2」は一体……? と細かいことはおいておくとして,なんと「ストリートファイターII」の1年前に,ジャッキーはサマーソルトキックで飛んできた敵を迎撃していた! 国内版パッケージは残念ながら持ち合わせていなかったので,北米版「Kung-Fu Master」を掲載。顔が加藤雅也みたいでカッコいい!
左がWebブラウザで遊べる,映画「シャンハイ・ナイト」のFlashゲーム。簡単すぎ。右はジャッキーがプロデュースした,フィットネスをしながら健康維持を試みるザビックス・エアロステップ。Wiiフィットの数年も前に,ジャッキーはゲームによる健康管理に注目していたのだ
画像集#014のサムネイル/ジャンクハンター吉田のゲームシネシネ団:第4回「夏だカンフーだジャッキーだ!」<後編>
画像集#012のサムネイル/ジャンクハンター吉田のゲームシネシネ団:第4回「夏だカンフーだジャッキーだ!」<後編>
2004年にHipゲームスからゲームボーイアドバンスで発売された「80デイズ」。驚くべきは等身大のジャッキーが主人公のアクションゲームである。デフォルメされていないんですよっ!! でも,ちょっと顔が小さいような,背が高いような……
画像集#013のサムネイル/ジャンクハンター吉田のゲームシネシネ団:第4回「夏だカンフーだジャッキーだ!」<後編>
金子製作所が作った実写取り込みのアーケード版ジャッキーゲーム。「ジャッキーがプレイヤーキャラとして使えないのはおかしい!」と,敵のボスキャラというジャッキーの役柄に,プレイヤーの不満は爆発。結果,「レッド・ブロンクス」公開のタイミングに合わせ,プレイヤーがジャッキーを操作できるようになった続編が登場

ドブ漬けGAMEスープレックス(4)

ニンテンドーDS「スペクトラルフォースジェネシス」(アイディアファクトリー)

 アイディアファクトリーと筆者の出会いは,まだ3DOが現役時代にフォトCDゲーム(だったかな!?)としてリリースされた,「犬王」なるエキセントリックなゲームにさかのぼる。かつては「アイディアファクトリーで働きたい!」と本気で思っていたほど,同社が送り出すゲームの数々(イジメっ子に復讐をする内容「厄 友情談義」や「CG昔話 じいさん2度びっくり」など)が大好きだった。
 そんなアイディアファクトリーが1997年,プレイステーション用に発売したシミュレーションRPG「スペクトラルフォース」は,同社にしてはマジメなゲーム。それでもかなり気に入ったため,プレイステーションでリリースされたシリーズ作品は,ほとんど遊んできた。

 そしてこのたび,ニンテンドーDS用に「スペクトラルフォースジェネシス」なる最新作が登場。シリーズを重ねるごとに複雑なシステムになっていたスペクトラルフォースだったが,今作を遊んでみると……昔のようないい意味での単純さが復活! 複雑なゲームが苦手なオヤジゲーマーである筆者にとっては,かなり嬉しかった。
 携帯型のゲーム機ということもあり,移動時間に気軽に遊べるのもいい。悲しいかな,移動中に複雑なゲームを遊ぶのは,年齢的にこたえるようになってきているのである。タッチペンでの操作によって,直感的に軍隊を動かすことができ,難度も低くサクサク先に進める。筆者は一度もつまることなく,最後までクリアできた。
 コアなゲーマーには,ちょっと物足りないかもしれないが,個人的にはこれぐらいがちょうどいい。

 なお,限定版にサウンドトラックや設定資料集も同梱されている。シリーズのファンなら,ぜひ押さえておきたいところだろう。

画像集#015のサムネイル/ジャンクハンター吉田のゲームシネシネ団:第4回「夏だカンフーだジャッキーだ!」<後編>
アイディアファクトリーの黒歴史なゲーム達(ウソ)。でも,20世紀当時のなんでもありな同社の姿勢には,本気で感銘を受けていた。「厄惨」の発売中止が今でも悔やまれる
画像集#016のサムネイル/ジャンクハンター吉田のゲームシネシネ団:第4回「夏だカンフーだジャッキーだ!」<後編>
「スペクトラルフォースジェネシス」は,ニンテンドーDSらしいライトな作りになっているので,個人的にはアリ。キャラクターゲームっぽい雰囲気もあるが.オッサンにはそんなこと関係ない。国取りシミュレーションのゲーム性が好きなのだ

「スペクトラルフォースジェネシス」公式サイト



■■ジャンクハンター吉田(シネマゲーム研究家)■■
吉田氏が文化放送のデジタルラジオでパーソナリティを務めている,「シネゲーラヂオ塾」では,現在KONAMIの小島秀夫監督をゲストにした映画トークが繰り広げられているとか。小島監督のファンは必聴です。放送時間などの詳細は,こちらをご覧ください。



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