パッケージ
Wizardry Variants Daphne公式サイトへ
  • ドリコム
  • 発売日:2024/10/15
  • 価格:基本プレイ無料+アイテム課金
レビューを書く
準備中
お気に入りタイトル/ワード

タイトル/ワード名

最近記事を読んだタイトル/ワード

タイトル/ワード名

LINEで4Gamerアカウントを登録
WizardryとFFが紡いだ日米RPGの半世紀――「Wizardry Variants Daphne」FF11コラボ記念,Robert Woodhead氏×田中弘道氏スペシャル対談【PR】
特集記事一覧
注目のレビュー
注目のインタビュー

メディアパートナー

印刷2026/07/24 14:42

広告企画

WizardryとFFが紡いだ日米RPGの半世紀――「Wizardry Variants Daphne」FF11コラボ記念,Robert Woodhead氏×田中弘道氏スペシャル対談【PR】

画像ギャラリー No.034のサムネイル画像 / WizardryとFFが紡いだ日米RPGの半世紀――「Wizardry Variants Daphne」FF11コラボ記念,Robert Woodhead氏×田中弘道氏スペシャル対談【PR】

 1981年,Apple IIのフロッピーディスク1枚に収められた小さなダンジョンが世界を変えた。20×20マス×10フロア,わずか4000歩の迷宮――「Wizardry #1 - Proving Grounds of the Mad Overlord」である。

 その生みの親,トレボーことRobert Woodhead氏が,久方ぶりに我々の前に来日した。目的は,「ファイナルファンタジー」シリーズ(以下,FF)の初期3作で当時のスクウェアを支え,現在はガンホー・オンライン・エンターテイメントで開発担当本部長を務めている田中弘道氏との対談である。本稿では,その模様をお伝えしていく。

画像ギャラリー No.001のサムネイル画像 / WizardryとFFが紡いだ日米RPGの半世紀――「Wizardry Variants Daphne」FF11コラボ記念,Robert Woodhead氏×田中弘道氏スペシャル対談【PR】

 きっかけは「Wizardry Variants Daphne」PC / iOS / Android,以下,Daphne)で2026年7月30日に予定されている「ファイナルファンタジーXI」(以下,FFXI)とのコラボレーションだ。
 かたやWizardryの血脈を受け継ぐスマートフォン向けダンジョンRPG,かたや本邦におけるオンラインゲームの新たな地平を切り拓いたMMORPG。一見意外にも思えるこの組み合わせだが,その根底には共通した原点がある……のかもしれない。

関連記事

「Wizardry Variants Daphne」×「ファイナルファンタジーXI」コラボイベントの開始日が7月30日に決定

「Wizardry Variants Daphne」×「ファイナルファンタジーXI」コラボイベントの開始日が7月30日に決定

 ドリコムは本日(2026年7月24日),3DダンジョンRPG「Wizardry Variants Daphne」と,スクウェア・エニックスが手掛けるMMORPG「ファイナルファンタジーXI」のコラボイベントを7月30日に開始すると発表した。

[2026/07/24 13:50]

 話題は縦横無尽に広がった。コンピューターゲーム黎明期の裏話から,理想のオンラインゲームについて,また未来の開発者に託すメッセージまで。二人のレジェンドが,RPGの過去・現在・未来を語り尽くした2時間半だ。「書いてはならぬ」と言われた極秘情報は泣く泣く削除したが,それらを差っ引いてもまだ興味深い対談なので,ぜひご一読いただきたい。

画像ギャラリー No.028のサムネイル画像 / WizardryとFFが紡いだ日米RPGの半世紀――「Wizardry Variants Daphne」FF11コラボ記念,Robert Woodhead氏×田中弘道氏スペシャル対談【PR】



冒険の始まり――Wizardryとの邂逅


4Gamer:
 今日は遠いところまで足を運んでいただき,ありがとうございます。今回はレジェンドのお二人にお集まりいただいたわけですが,お二人の面識は?

田中弘道氏(以下,田中氏): 
 実は39年前にお目にかかってるんですよ。私が初めて作ったRPG――「ジェネシス」っていうんですけど,そのパッケージにサインしてもらったんですよね。

4Gamer:
 おお,そんなことがあのSF RPGの裏に。39年前というと1980年代末ですよね。何の機会でお会いしたんでしょう?

田中氏:
 何かのゲームショウだと思うんですけど,私たちが海外に行った覚えはないので,Robertさんが日本に来てたんだと思います。自分のゲームを普段持ち歩いたりしないので,多分旧スクウェアも出展してたんじゃないでしょうか。
 そのサインをすごく大事にしていたんですが,今回探しても見つからなかったんですよね。数年前に見た覚えがあるので,家のどこかにあるはずなんですけど。きっと大事にどこかにしまい込んでしまったんでしょう。

Robert Woodhead氏(以下,Woodhead氏):
 当時はWizardryのローカライズ関連でよく日本に来ていたので,恐らくそのタイミングだと思います。ちょうどこっちで開発をやってみようと思ってた頃で,結果としてそれはうまくいかなかったんだけど。
 でも追いかけてた女の子は捕まえたから,まあいいかって(笑)。

画像ギャラリー No.016のサムネイル画像 / WizardryとFFが紡いだ日米RPGの半世紀――「Wizardry Variants Daphne」FF11コラボ記念,Robert Woodhead氏×田中弘道氏スペシャル対談【PR】

4Gamer:
 ああ,今の奥さんですね(笑)。

Woodhead氏:
 そうです(笑)。でもパッケージにサインするのはあまり好きではないんですよ。綺麗なパッケージを汚してしまって,価値が下がってしまうじゃないですか。

4Gamer:
 だから以前サインしてもらったとき,箱ではなくマニュアルに書いてくれたんですね。

関連記事

Wizardryは,連綿とつながる文化の鎖の1ピース――生みの親,狂王ことRobert Woodhead氏に聞く,その源流と80年代アニメの話

Wizardryは,連綿とつながる文化の鎖の1ピース――生みの親,狂王ことRobert Woodhead氏に聞く,その源流と80年代アニメの話

 「Wizardry」の開発者の一人であるRobert Woodhead氏。作中に登場する狂王・Treborその人としても知られる同氏は,コンピュータゲーム黎明期の裏側を知る,数少ない証人の一人でもある。その氏が「AnimeJapan 2016」のために来日するとの情報を聞きつけた4Gamerは,さっそくコンタクトをとり,会場で話を聞いてみることにした。ぜひご一読を。

[2016/04/09 00:00]

Woodhead氏:
 真っ白だからサインしやすいですし,そのほうがいいと思いまして。

田中氏:
 当時の旧スクウェアのゲームは,全タイトル真っ白なボックスパッケージでしたから,サインしやすかったと思いますよ。

4Gamer:
 世代的にも,田中さんはWizardryをプレイしたと思いますが,触れたのはどういう経緯だったんですか。

田中氏:
 私は,大学時代に初代を遊んだクチですよ。ま,それでほぼ大学に行かなくなったんですけどね(笑)。
 で,ちょうど同時期に求人誌でスクウェアの募集を見て,アルバイトを始めたという。だから当時は,大学に行かないでWizardryとスクウェアのバイトばかりやってました。

4Gamer:
 Apple II版の。

田中氏:
 そうそう(笑)。

Woodhead氏:
 僕の場合,それが「ダンジョンズ&ドラゴンズ」だったんですよ。いろんなクラスを試しながらプレイしていて,それと趣味のプログラミングが組み合わさって,自然とゲーム開発の方向に流れていきました。

4Gamer:
 今日はそんなお二人に,共通のネタを持ってきました。全部Apple II版で,Robertさんが関わったWizardryだけ持ってきました。これ(Wiziprint)覚えてます?

上段左から#1,#2,Fold版#2,下段左から#3,#4,Wiziprintの各パッケージ
画像ギャラリー No.026のサムネイル画像 / WizardryとFFが紡いだ日米RPGの半世紀――「Wizardry Variants Daphne」FF11コラボ記念,Robert Woodhead氏×田中弘道氏スペシャル対談【PR】

Woodhead氏:
 ええ,どうしてこれを?

田中氏:
 おお,すごい(笑)。

4Gamer:
 これ(Wizardry#2の薄っぺらいパッケージ)なんかも,おもしろいパッケージですよね。Wizコレクター的には「Fold版」って呼んでますけど。

Woodhead氏:
 なんでこのデザインにしたのか……覚えてないですね。クレジットを見れば……いや,これはSirotech(販売元であるSir-Techの旧社名)に聞かないと分からないな。
 でも改めてこれらを見てみて,年を取るにつれて思うんですが,,この“ボックスパッケージ”がWizardryが成功した理由の一つだったんじゃないかということです。

田中氏:
 昔はビニール袋で,棚に吊るしの状態で売ってるのが普通でしたよね。

Woodhead氏:
 ええ。箱売りのゲームは,アメリカでは恐らくこれが初だったんじゃないかな。Wizardryはそうした中の一つに過ぎなかったはずが,これで差別化ができたんだと思います。

4Gamer:
 そもそも当時なぜボックスで販売しようと?

Woodhead氏:
 僕は関わってなかったけど,Sirotechの話だと,確か彼ら(共同創業者であるNorman Sirotek氏とRobert Sirotek氏の兄弟)の父親の知り合いに,ボックス製造を請負う会社を持ってる人がいて,それで「箱で売ってみよう」ってなったみたい。
 つまり,偶然とタイミングが重なっただけなんだよね。僕自身はどちらでもいいと思ってたけど,結果的にはすごくいいアイデアだったわけだ。

4Gamer:
 今見てもかっこいいですもんね,このパッケージ。どなたの仕事なんでしょう。

Woodhead氏:
 Rick Austinがこのドラゴンのイラストを描いて,Will McLeanがマニュアルのイラストとロゴデザインを担当したんです。うん,いい仕事ですよね。

画像ギャラリー No.027のサムネイル画像 / WizardryとFFが紡いだ日米RPGの半世紀――「Wizardry Variants Daphne」FF11コラボ記念,Robert Woodhead氏×田中弘道氏スペシャル対談【PR】

4Gamer:
 いちいち可愛いんですよね。ほらこれなんか,ちゃんとドラゴンが巻物を書いてる。

Woodhead氏:
 これは印刷の関係で,独特なラインアートにしなくちゃいけなかったんだよね。いわゆる箔押しだから,熱でプレスしないといけなくて。線が細すぎたらダメとか,いろんな制限があったはず。

田中氏:
 スクウェアでもこの箔押しを真似したんですよね。とはいえ,全面にやっちゃうとすごく高くついちゃうから,タイトルのところだけ。白いパッケージのここだけ箔押しなんです(編注:「ウィル デス・トラップII」「ジェネシス」など,初期のPC向けタイトルのこと)。

これが田中氏のSF RPG「ジェネシス」だ。プロジェクトEGG版(PC-88版 / PC-98版)なら今でも遊べるので,興味を持った人はぜひ
画像ギャラリー No.029のサムネイル画像 / WizardryとFFが紡いだ日米RPGの半世紀――「Wizardry Variants Daphne」FF11コラボ記念,Robert Woodhead氏×田中弘道氏スペシャル対談【PR】 画像ギャラリー No.030のサムネイル画像 / WizardryとFFが紡いだ日米RPGの半世紀――「Wizardry Variants Daphne」FF11コラボ記念,Robert Woodhead氏×田中弘道氏スペシャル対談【PR】
画像ギャラリー No.032のサムネイル画像 / WizardryとFFが紡いだ日米RPGの半世紀――「Wizardry Variants Daphne」FF11コラボ記念,Robert Woodhead氏×田中弘道氏スペシャル対談【PR】 画像ギャラリー No.031のサムネイル画像 / WizardryとFFが紡いだ日米RPGの半世紀――「Wizardry Variants Daphne」FF11コラボ記念,Robert Woodhead氏×田中弘道氏スペシャル対談【PR】

4Gamer:
 Wizardryは,日本の開発者にいろんな影響を与えましたけど,パッケージにまで影響を及ぼしていたとは,初めて聞きました(笑)。

Woodhead氏:
 当時はとにかく何でもやってみようという時代で,誰かがうまくいくと,皆がそれを真似して発展させていったんだよね。だから偶然といえば偶然なんだけど,そうした幾つもの試行の中で,必然的に生まれてきたものなんだと思いますよ。

4Gamer:
 なるほど。今回,家の倉庫からこれを掘り出したときに思ったんですけど,このソフト(Wiziprint)ってWizardryのキャラクターをプリントアウトするだけのツールですよね?

Woodhead氏:
 そう,みんなキャラクターの情報を手元に置いておきたかったから。ダンジョンの中にいるとき,何を持っているか確認できる方法が欲しかった。そんなアイデアを形にしたものですね。

4Gamer:
 自分は当時これを持ってなくて,直接使ったことはないんですが,改めて当時のプレイヤーがいかに自分のキャラクターを大事にしていて,真摯にゲームに向き合っていたか良く分かるツールだなと思いました。

Woodhead氏:
 「キャラクターを印刷できるといいな」という手紙を,何人かからもらって作ったんですよ。ただ商業的に成り立つほどの需要があるかも分からなくて,だからこれも「とりあえず出してみよう」で生まれたものなんです。
 結果的にトントンくらいには売れたと思いますが,こういう実験は失敗するのが普通でした。皆が本当に求めているものが何なのか知る術がありませんでしたから。

4Gamer:
 やはり,当時ならではの発想ですね。

Woodhead氏:
 僕から見ると,いかに当時の自分たちが手探りでゲームを開発していたかを示しているソフトだと思います。今ならゲームが出て2日後には,誰かが便利なModを生み出しているでしょうし,ちょっと間抜けなアイデアでした(笑)。

4Gamer:
 むしろ,今なら誰も思いつかないんじゃないでしょうか。

Woodhead氏:
 でもこういう実験が,たまにうまくいったりする。そこから学んでいくんですよ。
 Wizardry#4も同じで,何か新しいことを試したくて生まれたのが,あのゲームを完全にひっくり返すというアイデアでした。だから今でも一番満足しているタイトルです。評価は,あまり芳しくなかったですけどね(笑)。

画像ギャラリー No.023のサムネイル画像 / WizardryとFFが紡いだ日米RPGの半世紀――「Wizardry Variants Daphne」FF11コラボ記念,Robert Woodhead氏×田中弘道氏スペシャル対談【PR】

4Gamer:
 #4は飛び抜けて難しかったですからねえ……。Cosmic Cubeとか尋常じゃなかった。田中さんはやりました? 

田中氏:
 ハハハ,やりましたよ(笑)。

4Gamer:
 あのダンジョンは誰が作ったんですか。

Woodhead氏:
 Roe Adamsです。彼は天才的なゲームデザイナーであり,かつアメリカ屈指のゲーマーの1人でした。とくにアドベンチャーゲームが好きで,例えば「Time Zone」という非常に長大かつ複雑なタイトルがありましたが,あれを最初にクリアしたのが彼なんですよ。

※Robert Woodhead氏と共に「Wizardry IV: The Return of Werdna」を開発したアメリカのゲームデザイナー。本名はRoe R. Adams III(ロー・アダムス3世)。ほか「Ultima IV: Quest of the Avatar」「The Bard's Tale」など数々の名作を手がけ,現代に続くコンピュータRPGの基礎を築いた。

4Gamer:
 ロー・アダムズ! お噂はかねがね。ちなみに大学1年生だった僕は最後までクリアできなかったんですが,田中さんはどうでしたか。

田中氏:
 いや普通に挫折しました(笑)。その頃には作る方がメインになっちゃってましたし。

4Gamer:
 あぁそりゃそうですよね……。僕は終盤のHawkwindのところまでは行けたんですけど,そこから進めませんでした。

Woodhead氏:
 ああ,Hawkwindは,Roeが「ダンジョンズ&ドラゴンズ」で使っていたキャラクターから来ているんですよ。つまり制作者にやられたというわけですね(笑)。

4Gamer:
 なんてこった(笑)。

Woodhead氏:
 彼はWizardryの大ファンでもあってね。それでゲームを逆転させるというアイデアを思い付いて,僕たちは2年をかけて共同開発することになったんです。
 あれは間違いなく,自分が手がけた中で最も困難なプロジェクトでした。人間関係とかではなく,純粋に技術的な――作りたいものが本当にディスクに納まるのかといった意味での難しさです。

4Gamer:
 なるほど。世界観的にも,#4はピュアなファンタジーからだいぶ離れましたよね。当時プレイしたときも,いきなりクレジットカードみたいなもの(Mordor Charge Card)が出てきてびっくりした覚えがあります。

※なおここで言う「Mordor」は,言うまでもなく「指輪物語」に出てくる国の名前だ。

田中氏:
 なんでもありな世界観でしたね(笑)。

Woodhead氏:
 ファンタジーから逸脱したのは,より複雑でエモーショナルな物語を提供したいという思いからですね。とくにゲームの終盤,プレイヤーに選択を迫ることで変化する結末を用意したかったのです。
 そしてその選択を,重要かつ影響力のあるものにしたかった。例えば最後に,自分が間違いを犯したのではないかと考えさせるような。

田中氏:
 ああ,よく分かります。ただ,かつて私たちがWizardryで好きだったのは,むしろ不思議な日本文化のほうだったんですよね。ムラサメブレードとか,あの辺の。

4Gamer:
 ああNinja(忍者)とか,Champ Samurai(チャンプ侍)とか。

田中氏:
 ええ。そういう設定がすごく好きでした。恐らくそれが後の作品にどんどん影響していったんじゃないかと思うんですけど。

Woodhead氏:
 それは「将軍(Shogun)」からの引用ですね。島田陽子,三船敏郎……Andy(Andrew C. Greenberg氏)がそういう要素を入れたら面白いんじゃないかって言って,結果的にそれがうまくはまった感じ。

※イギリスの作家,James Clavell(ジェームズ・クラベル)による戦国時代の日本を舞台とした歴史小説。1980年にはNBCによるミニシリーズのドラマ化が行われ,全米で大ヒットを記録した。また2024年にも,FX/Huluによる真田広之主演の再ドラマ化が行われている。

田中氏:
 ゲームだけじゃなく,映画とかでもこう……日本刀が神格化されて出てきたりするじゃないですか。これって概ねWizardryの影響なんじゃないですか。

Woodhead氏:
 確かめる術はないけど……個人的には過大評価なんじゃないかと思う。
 ただ,そういった影響を日米が及ぼしあってるのは確かだと思います。例えば,今やアメリカでは日本のコミケから来たコスプレ文化が大人気だし,日本も昔はハロウィンなんてやってませんでしたよね。

4Gamer:
 ところで日本文化といえば,マニュアルのこのイラストなんですけど……侍?

(一同笑)

画像ギャラリー No.025のサムネイル画像 / WizardryとFFが紡いだ日米RPGの半世紀――「Wizardry Variants Daphne」FF11コラボ記念,Robert Woodhead氏×田中弘道氏スペシャル対談【PR】

4Gamer:
 こんなイメージだったんですか?

Woodhead氏:
 いやこれは……僕に回ってきた時点でこのイラストだったんだよ。当時は手元にある素材で最善を尽くすしかなかったんだから(笑)。

4Gamer:
 なるほど(笑)。
 いまWizardryの影響っていう話が出ましたが,じゃあ田中さんから見て,WizardryからFFに引き継がれたものって,何になるんですか。

田中氏:
 FFIのジョブに忍者があるのは,あれは完全にWizardryの影響ですよ。あとは「Ultima」の影響も大きいですね。どっちもApple IIでやり込みましたから,双方から総合的に影響を受けていると思います。
 でもやっぱり中世ファンタジーの世界観――もちろん元は「ダンジョンズ&ドラゴンズ」なわけですけど,これをコンピューターに持ち込んだのは,やっぱりWizardryの功績なんじゃないですか。それが我々の原動力になったわけですから。

Woodhead氏:
 ずっと思ってたけど,Ultimaのほうがずっと日本のゲームに近いですよね。初期の日本のコンピューターがタイルグラフィックスを得意としていたからだと思うけど,とくにビジュアル面ではUltimaとのつながりのほうがずっと強い。

田中氏:
 ファミコンがそういう構造でしたからね。でも,私たちも擬似3DグラフィックスのダンジョンRPGを作ろうとしてたんですよ。
 当時Lucasfilm Gamesが,ほぼWizardryな3DダンジョンゲームをCommodor 64向けに作ってて(編注:「The Eidolon」のこと),それと同じようなものをファミコンのディスクシステム用に開発していたんです。……残念ながら,途中でメインプログラマーが事故で離脱してしまい,お蔵入りになっちゃいましたけどね。
 完成していれば,恐らく「ドラゴンクエスト」より先に発売できてたろうし,日本初のコンシューマー向けRPGになっていたかも。商標も取ってて,それが初代「聖剣伝説」なんですけど。

4Gamer:
 そんな裏話があったんですね。

田中氏:
 だからまあ,3DダンジョンRPGを世界に広めたWizardryは,やっぱり金字塔ですよね。

4Gamer:
 でもゲームシステム的にもいろんなものを受け取ってませんか。ジョブとか,あと白魔法や黒魔法のように,体系化された魔法というのもWizardryの影響かと思ってました。

田中氏:
 FFは魔法というより,どちらかといえば火とか水とかの属性が軸なんですよね。だからちょっと違うというか。やっぱり全体的な雰囲気の影響が大きいですよ。そういう意味では,ありとあらゆるものが影響下にあるとも言える。

4Gamer:
 ドラゴンクエストとの差別化は意識していたんですか? 初代のFFって,「ドラゴンクエストII」の1年後ぐらいでしたよね。

田中氏:
 そうですね。ドラゴンクエストはWizardry風のバトルシーンで,FFはどちらかというとUltima寄り。より視覚的なビジュアルは意識していました。ゲームシステムでいうなら,やっぱりベースは「ダンジョンズ&ドラゴンズ」なんだと思います。経験値でレベルアップするところとか,命中の判定とかも内部でサイコロを振ってますからね。

4Gamer:
 なるほど。……いま話しててふと思ったんですけど,初代Wizardryって1作目にしてすべての要素が揃ってますよね。クラスに転職,経験値,魔法など。これってシステムありきで制作した結果,生まれたものなんですか。それとも先行する別なものから落とし込んでいったものなんでしょうか。

Woodhead氏:
 「ダンジョンズ&ドラゴンズ」や,PLATO上で動いていたオンラインゲームを遊んだ経験が元になっているので,もちろん先行するタイトルの影響は受けています。
 パーティの人数を6人にしたのも,1人のプレイヤーが全員に指示を出すのではなく,各自が自分のキャラクターを操作するスタイルで遊ぶことを想定したからですし。
 つまり,それがどんな風に遊ばれるのか,よく分かっていなかったわけです(笑)。

※イリノイ大学が中心となって構築した汎用コンピュータ支援教育システム。1972年に稼働したPLATO IVでは,世界中の端末をつないだネットワークが構築され,学生たちの手によって,さまざまなオンラインゲームが生み出されていった。

4Gamer:
 そうだったんですね。しかしファイナルファンタジーでさえ,I,II,IIIと毎回ゲームシステムを作り直していったわけじゃないですか。そこへいくと最初からすべて揃っていたWizardryは,かなり特殊なケースに思えます。しかもそれが3作続くって,なかなかないのでは。

Woodhead氏:
 #1は運が良かっただけで,#2と#3は単に手抜きだっただけだね(笑)。さっきも言いましたけど,Wizardryは#4が完成形なんです。これには最初の3作を合わせたのと同じくらいの労力を注ぎましたから。
 #1で大変だったのは,むしろディスク容量との戦いかな。プレイヤーに最低限楽しんでもらうために,必要な要素を絞り込んでいくという。

田中氏:
 ああ,当時は5インチフロッピーディスクですし。

4Gamer:
 しかも当時は1D(約140KB)ですよね。

Woodhead氏:
 こう,ディスクをひっくり返してね,差し直すんですよ。それでコンピューターに容量を誤認させる。実に悪質な方法でした。

4Gamer:
 ああ! やってましたね。端っこを切って。

田中氏:
 爪切りでね(笑)。2D(約280KB)のディスクとして無理矢理使うっていう。

画像ギャラリー No.014のサムネイル画像 / WizardryとFFが紡いだ日米RPGの半世紀――「Wizardry Variants Daphne」FF11コラボ記念,Robert Woodhead氏×田中弘道氏スペシャル対談【PR】

4Gamer:
 懐かしいですね。話を戻しますけど,FFはどうなんですか。IからIIIまで,全然違うシステムですけど。

田中氏:
 FFはとにかくIをまず全力で作って,IIではそれを全部捨てるみたいな作り方をしてましたから。だからIは経験値制なのに,IIは熟練度制なんですよ。そこでまた一度反省して,IIIでまたまったく違うシステムにする。なので,そのときやりたいことをやっただけの,新作みたいなものなんですよね。

4Gamer:
 でも,以前IIIで完成したみたいな話してませんでした?

田中氏:
 私はそこまで言ってないですよ(笑)。

(一同笑)

田中氏:
 あと,それとはまったく違う路線で,聖剣伝説とかのアクションRPGのラインがあって,私はFFIIIのあとターン制RPGから一時的に手を引いちゃったわけですけど。でも「聖剣伝説2」はアクションRPG風に見えますが,内部的にはコマンド形式のRPGとして設計しました。

4Gamer:
 うーん,なるほど。しかしドラゴンクエストもIIIが集大成で,IVからいわゆるJRPGへの道を歩み始めたと思ってるんです。Wizardryも#4でガラッと変わるので,初期の3部作には何かあるんじゃないかという気がしてならない。

田中氏:
 FFはIVからスーパーファミコンになったので,そこで作り方ががらっと変わったというのはありますね。同じようにPlayStationに移ったタイミングのVIIも大きく変化しているので,やっぱりメディアの容量の変化が大きく影響している気がします。

4Gamer:
 ああ,容量との戦いですね。先ほども話題に上った。ただドラクエもFFも,IIIまでは主人公がプレイヤーに委ねられてますよね。

田中氏:
 ああ,そうですね。一部のメディアの方には酷評されましたけどね。FFIIIでキャラクターに名前つけなかったのは失策だって(笑)。そんなわけでIV以降は,キャラクターが名前を持つようになったわけです。IIにはデフォルトの名前があったんですけどね。

4Gamer:
 しかしRPGとしては,名前がないほうが正しいのでは?

田中氏:
 今のオンラインゲームだったら,それが当たり前なんですけどね。シングルプレイでストーリーを重視するとなると,名前をつけたほうが宣伝を展開する上では都合がいいんじゃないですか。

4Gamer:
 Robertさんはどう思いますか。

Woodhead氏:
 名前の有無は,確かにゲームのスタイルに大きく影響するでしょうね。でも結局は,どんなストーリーを伝えたいか次第なんじゃないかな。どちらが優れてるとかではないと思います。

4Gamer:
 Wizardryのキャラクターに名前がないのは,物語が希薄だからですか? 個人的には,そちらのほうが正しい気がするんですけど。

Woodhead氏:
 そうですね。名前がない――つまりキャラクターに個性がないと,プレイヤーが自己を投影しやすくなるよね。一方で,はっきりした個性を持つキャラクターを操作するタイプだと,どうしてもレール上を走らされている感が出てしまう。
 でも,それってどうなんだろう? 結局のところ,どちらもゲームデザイナーが許容する範囲でしか動けないのだから,それもゲームデザイナーの選択の一つに過ぎないんじゃないかな。

4Gamer:
 ご本人的には,どっちがお好きなんですか。

Woodhead氏:
 ……RPGをプレイすると,僕はどうしても悪人にはなれないんだよね。どんな選択肢でも常に「いい人」であろうとしてしまう。困ってる人は助けようとするし,意地悪なこともできない。
 それはそれで楽しいからいいんだけど,でも今,作ってみたいのは,じわじわと気付かないうちに,自分が悪人になってしまうようなゲームなんです。正しいことをしているつもりなのに,いつの間にか酷い人間になっていることに気付かされる。それって,すごく面白そうじゃないですか?

田中氏:
 面白いアイデアだと思いますよ。ピカレスクというか,ダークヒーローものですよね。

Woodhead氏:
 実は昔,そういう仕掛けのゲームをデザインしたことがあるんだけど,けっこうな数の苦情が来ちゃったんですよね。だからやっぱり,大衆ウケはしないのかもしれない(笑)。

画像ギャラリー No.005のサムネイル画像 / WizardryとFFが紡いだ日米RPGの半世紀――「Wizardry Variants Daphne」FF11コラボ記念,Robert Woodhead氏×田中弘道氏スペシャル対談【PR】

 
  • 関連タイトル:

    Wizardry Variants Daphne

  • 関連タイトル:

    Wizardry Variants Daphne

  • 関連タイトル:

    Wizardry Variants Daphne

  • 関連タイトル:

    ファイナルファンタジーXI

  • 関連タイトル:

    Wizardry: Proving Grounds of the Mad Overlord

  • 関連タイトル:

    Wizardry: Proving Grounds of the Mad Overlord

  • 関連タイトル:

    Wizardry: Proving Grounds of the Mad Overlord

  • 関連タイトル:

    Wizardry: Proving Grounds of the Mad Overlord

  • 関連タイトル:

    Wizardry: Proving Grounds of the Mad Overlord

  • 関連タイトル:

    Wizardry: Proving Grounds of the Mad Overlord

  • この記事のURL:
4Gamer.net最新情報
プラットフォーム別新着記事
総合新着記事
企画記事
スペシャルコンテンツ
注目記事ランキング
集計:07月23日〜07月24日