プレイレポート
想像以上に直感的な操作感。PS3版「大航海時代 Online」を先行体験プレイ&コーエーの二人にインタビュー
4月28日にいよいよ「大航海時代 Online 〜Cruz Del Sur〜」(以下,大航海時代 Online)のPLAYSTATION 3版(以下,PS3版)が発売される。今回,コーエー本社で発売前のPS3版をプレイしてきたので,PC版との違いなどを含めてレポートしよう。また,開発ディレクターの竹田智一氏と運営プロデューサー渥美貴史氏から,PS3版の開発にあたっての苦労話なども聞いてきた。PC版を踏まえて,ゲーム内容の違いなどを聞いているので,PC版のプレイヤーも一読してほしい。
そもそも,「大航海時代 Online」ってどんなゲーム?
PS3版のプレイレポートの前に,まずはPC版をプレイしたことがない読者に向けて,本作について軽く説明しておこう。
それぞれの職業で,プレイヤーが大勢集まって楽しめるコンテンツも充実している。中立国に投資して,自国の影響力を高める大投資戦では,交易職の資金力が見せ場となり,発見物をカードに見立ててカードバトルを繰り広げる論戦/アカデミー大会では,冒険家が世界を旅した成果を披露することとなる。そして,軍人ならば,国家の威信を懸けて大海戦やバトルキャンペーンに参戦できるのだ。
プレイヤーは,すべての生き方に挑戦してもいいし,例えば交易だけで暮らしてもいい。そんな自由度の高さも本作の魅力だ。
本作における,主な移動手段はもちろん船になるのだが,街から街への移動にそれなりの時間が掛かるため,マイペースでまったりプレイしたい人にオススメできるタイトルとして紹介されることも多い。とはいえ,正式サービス当初から比べれば,ログアウト時に特定の港に自動で移動する自動回航,定期船,船のスピードアップ,果ては運河の開通など,移動に関しては,本作のテイストを損なわないように慎重にではあるものの,かなりの改良が行われてきた。
また本作の舞台となる世界も,アップデートや拡張パックによって大きく広がっている。当初,西ヨーロッパからインド洋周辺までだった海域だが,中南米東岸,東南アジアと広がり,オーストラリアを含めた太平洋の追加によりついに世界一周が可能となっている。「Cruz del Sur」のChapter4では,インカ帝国にまつわる中南米西岸が追加され,南極/北極圏と太平洋北側を除く世界中の海域での航海が可能となっている。
なお,本作はPC版/PS3版のどちらも月額課金制となっており,プレイチケットの購入が必要となる。また,より幅広いプレイを楽しみたくなったプレイヤーには,アカウント内共有のアイテム/船の倉庫や,モバイルサービス,といったオプションサービスも数多く用意されている。
以上のように,数々のアップデートが繰り返されてきた本作だけに,とてもではないが,一つずつの要素やサービスを紹介していける分量ではない。詳細を知りたい人は,「公式サイト」の「オンラインマニュアル」や,過去の記事を参考にすると良いだろう。
「大航海時代 Online」(PC版)記事の一覧
さて,4月28日に発売されるPS3版は,そんなPC版がベースになっており,ワールド(サーバー)はPC版と共通になっている。つまりPC版とPS3版のプレイヤーが同時に遊べる,いわゆるマルチプラットフォームのタイトルになるわけだ。MMORPGのマルチプラットフォームは前例の少ないジャンルであり,HDDやネット環境が,コンシューマ機でも標準仕様となってきた現在,マルチプラットフォームタイトルのこれからを占ううえでも重要なタイトルの一つだといえるだろう。具体的には,PC版プレイヤーとPS3版プレイヤーが,同じワールドで遊ぶときに起こるであろう,操作感の違いによる有利不利などが気になるところだ。
そこで,これまで「大航海時代 Online」のさまざまな情報をお伝えしてきた4Gamerだからこその,PC版プレイヤーの視点から操作感の違いなどについて,PS3版のポイントを確認していきたい。
ゲームパッドで直感的に遊べる,PC版プレイヤーには新鮮な操作感
PS3版のメインとなる入力デバイスは,当然ゲームパッドとなる。街中では,プレイヤーキャラクターの移動が左アナログスティック,カメラ操作が右アナログスティックになっており,一般的な3Dタイトルをプレイしたことがあれば,直感的に操作できるだろう。
カメラに関しては基本的にPC版と同じ仕様となっているため,移動時の自動追従などは行われず,右スティックによるカメラの操作が必要になる。そのため,最初のうちは多少,移動しながらのカメラ操作に戸惑う人もいそうだ。ゲームパッドで直感的に移動できるだけに,自動追従など,よりコンシューマ的でスムースなカメラワークの実装にも期待したいところである。
なお,R3(Rスティック)押し込みで正面を向いてくれるので,PS3版ではR3ボタンを多用することになりそうである。
海上の移動も同様で,進みたい方向にスティックを倒すことでその方向に向けて舵を切るようになっている。もちろん,推進力は主に風なので,スティックは一度倒すだけでいい。帆の開閉度はパッドの上下キー,風を受ける帆の方向は左右キーで変更するのだが,イカリを下ろした状態で舵を動かした場合,自動的に帆が全開になる。これは,移動を開始したつもりが,帆が1段階目のままだった……という経験があると思われるPC版プレイヤーにとって,ちょっと羨ましい機能だ。
このほか基本的な操作は,○×ボタンによる決定/キャンセル,□△ボタンでのメイン/サポートメニューの表示,R1トリガーでのキャラクター(オブジェクト)の選択,R2トリガーでのカスタムスロットのオープン,L2トリガーでのショートカットなど,扱いに慣れれば,PC版で必要なほぼすべての機能がゲームパッドだけで実行できる。
チャットは,STARTボタンを押すことでチャット欄にターゲットのフォーカスが移動するので,そこからチャットチャンネルの切り替えやエモーションの選択,チャットの入力を選択する。チャットの入力は,PS3標準のソフトウェアキーボードで入力するか,USBキーボードを利用して入力を行う。MMORPGという特性を考えれば,USBキーボードを利用したほうが楽だろう。今後は,コーエー自身がUSBキーボードの動作チェックを行い「推奨キーボード」の認定もしていくとのこと。「こちら」の記事でも発表されたが,すでにエレコム,サンワサプライのUSBキーボードが推奨キーボードとして発表されている。
ちなみに,会話しやすいように,ボイスチャットに対応しないのかを聞いてみたところ,現在はその予定はないが,PS3ユーザーの要望や市場状況を見つつ検討していきたい,とのことだ。
以上のように,まずは基本的な操作方法とその感触を紹介してみたが,思った以上に操作しやすいというのが第一印象。続いて,PS3版特有の操作について,少し踏み込んだレポートをお伝えしよう。
カスタムスロットがパワーアップ
PS3版では使用したスロットの履歴欄が追加
まずは,PS3特有のユーザーインタフェースとなる,メイン/サポートメニューのポップアップだが,これはキャラクターや船のステータスの確認など,さまざまな設定,そしてスキル/アイテムの使用を行うために呼び出すもので,PC版プレイヤーには右上の各種メニュー(もしくはファンクションキーに登録したメニュー)としてお馴染みのものだ。PS3版では,キャラクターの頭上にメニューのリングが表示され,右スティックで回転させて選択する方式になっている。
スキル/アイテムを使うときに重宝するカスタムスロットだが,左端に1列分,PC版では見慣れない四つのスロットが追加されている。これは,使ったスキルなどの最新履歴が残るスロットだ。これに加えて,R2トリガーでカスタムスロットを開くとカーソルは左上,つまり履歴の一番上に配置されるようになっており,R2トリガーと○ボタンを交互に押すことで,連続して同じスキルやアイテムが使えるようになっている。
これによって,PC版プレイヤーが使っている,連続でスキル/アイテムを使いたいときに,カスタムスロットのオープンと,スキルなどの使用を同じファンクションキーに配置するといった小技(?)と,ほぼ同様の操作を行うことができるだろう。
むしろ,PS3版の履歴は別のスキルなどを使えば新しいものに切り替わるので,修理が終ったら,外科医術を連打……という具合に,スロットの中身を瞬時に変更できるのは,PC版と比べてちょっとしたメリットとなりそうだ。
ほかにも,PS3版の発売から新たな機能として,キャラクターリスト,拡大マップなどが導入される。拡大マップは,PC版にも同日に導入されるものだ。
キャラクターリストは,L2トリガー+△ボタンを押すと,現在プレイヤーが選択可能なターゲットのリストが表示される。リストにある名前をフォーカスすると,そのキャラクターがどこにいるのか分かりやすいように,そのキャラクターまでの“線”が表示され,さらにそのリストのキャラクターを選択すれば,その場所まで移動してくれるという便利な機能だ。
拡大マップは,街中でSELECTボタンを押すと表示され,各ポイント(出港所,交易所など)を選択することで,キャラクターが一直線に,障害物を避けて目的地まで移動してくれるという,こちらもまた便利な機能だ。
リスボンの銀行前も安心になりそうなキャラクターリスト。ライブイベントなどで,大勢のプレイヤーのなかからNPCを選択するときにも便利そうだ |
各国拠点でとくに重宝されそうな拡大マップ。PC版にも導入される |
最後に,軍人プレイヤーにとって気になる海戦についてだが,攻撃は敵船をNPCと同様にターゲットした状態で○(決定)ボタンを押すだけ。マウスでの操作に比べて,敵船が密集しているところでの,ミスクリックの可能性が減るのは嬉しいかもしれない。海戦における細かな操作感の違いは,カスタムスロットの履歴の有用性など,より時間を掛けてプレイしなければ判断しづらいものだが,後述のインタビューで渥美氏は「どちらで操作しても優劣がつかない」とコメントしている。
以上のように,PC版とPS3版で大きく違うものといえば,やはりゲームパッドで操作することであり,レポートの大部分が操作感と,ユーザーインタフェースに寄るところとなった。もちろん,グラフィックス面でもすぐに分かるものから,非常に細かな部分まで,あちらこちらに違いが見られる。例えば海上の波は,PC版では波の高さが上下の揺れで表現されていただけなのだが,PS3版では海にうねりが加わった――という表現が妥当だろう。PC版のプレイヤーは,そんな違いを確認してみるのも面白いかもしれない。
また,サウンド面もパワーアップしており,PS3の表現力を生かした5.1chサラウンドに対応。開発ディレクターの竹田氏によると,波の音や街中の環境音,海戦での激しい戦いの音など,非常に臨場感のあるものになっており,中には,PS3用に録り直したサウンドもあるという。5.1chサラウンド環境を持っているプレイヤーは,ぜひ音の波を楽しんでほしい。
このほか,PS3版では,PlayStation Homeとの連動でホームリワードが獲得できたり,数々のゲーム内特典がプレゼントされる。また,トロフィーにも対応しており,プレイヤーの数々の冒険の証が刻まれることになるのである(関連記事)。ホームリワードを含めたHomeとの連動については,今後もいろいろ考えているとのことだ。
一通りの体験プレイが終ったあと,4Gamerではお馴染みの二人,本作の開発ディレクター 竹田氏,運営プロデューサー 渥美氏に,PS3版についての話を聞いてみた。
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