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徳岡正肇の これをやるしかない!:簡単導入で低コストなゲーム実況システムの構築を目指す(前編)
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印刷2015/04/18 00:00

テストレポート

徳岡正肇の これをやるしかない!:簡単導入で低コストなゲーム実況システムの構築を目指す(前編)


いますぐゲーム実況でニコ生配信したい人に,あえて遠回りしつつ解説

「簡単導入で低コストなゲーム実況システム」の構築を目指す(前編)


 以前と比べてハードルが大きく下がった「ゲーム実況」だが,ゼロから始めようとした場合,なにかとハードルがあったりするのも事実だ。そんな2015年4月にあって,「とにかく簡単に,とにかく低コストでゲームの配信を行う」ことを考えてみようというのが,不定期連載「徳岡正肇の これをやるしかない!」における,今回のテーマである。
 徳岡氏が絡んだ時点で,「ゲーム実況でニコ生デビューしたい? ならこの順番でソフトをセットアップしてね♪」という,通り一遍な感じの記事にならないことは想像できると思うが,気がつくとPCメーカーも巻き込む話となった企画の顛末を,前後編でお届けしたい。

 動画共有サイトを利用し,ゲームプレイを生放送しながら,プレイヤーによる実況も行う「ゲーム実況(番組)」は,依然として若干のグレーな要素は残しつつも,ゲームの楽しみ方の1つとして定着してきた。日本ではニコニコ動画がゲーム実況の環境として有名だが,Youtube LiveやTwitch,Ustreamなど,ユーザーがゲーム実況配信を楽しんでいるプラットフォームは,世界規模でいくつもある。

ゲーム実況配信中の例
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 また,ゲームプレイを配信する手段も充実しつつあり,PlayStation 4は[Share]ボタン1つででプレイムービーの配信が可能になっている。Steamも,最近になって「Steam Broadcasting」というゲーム実況環境を用意してきた。プラットフォーム側の準備は整いつつあると言っていいだろう。

 とはいえ,エンドユーザーが実際にゲーム実況を行うとなると,まだまだいろいろとハードルが高い部分があるのも確かだ。インターネット経由でゲームを実況するということは,実況するゲームを動作させながら,その映像(および音声)を配信用の「ビデオストリーム」と呼ばれるデータへ変換することとほぼ同義なので,少し古めのPCには若干荷が重い。「絶対無理」というわけではないものの,肝心のゲームプレイが微妙,もしくはかなり“重く”感じられるケースが生じ得る。
 動きの緩やかなゲームならともかく,アクション性の高いFPSやTPS,MOBAなどをプレイするとなると,どうにも普段とプレイ感覚にズレが生じてしまう。それが原因で「ゲーム実況はもういいや」となってしまうケースも,少なくないのではなかろうか。

徳岡正肇の これをやるしかない!:簡単導入で低コストなゲーム実況システムの構築を目指す(前編)
 ただ実のところ,この問題は,一般的に言えばハードウェアの強化で解決できる。最新かつ高スペックのゲームPCを用意すれば,ほとんどのゲームを不快感なく実況可能だ。
 とはいえこの「最新かつ高スペックのゲームPC」というのは,上を目指せば際限がないため,なかなか悩ましい。また,そこまで本気になってゲーム実況したいのではなく,ただ「不快にならないレベルでちょっとやってみたい」という人も(というかそういう人のほうが)多いのではないかと思う。

 この場合,最も簡単な解決策は,いわゆる「ハードウェアエンコーダ」を使うことだ。PCの画面をビデオストリームへ変換する,まさにその部分を,PCではなく専用のハードウェアに任せてしまえば,PCにかかる負荷はぐっと低くなる。
 かつてハードウェアエンコーダは非常に趣味性の高い商品であり,したがって価格も操作の難度も高かったのだが,ゲーム実況の広がりに合わせて安価な商品も増えてきた。また,HDMI出力付きのPCと組み合わせて使えたりするような外付け型も増えてきている。

 そこで今回は,前後編に分けて,外付け型のハードウェアエンコーダを使い,実際にゲームをお手軽に配信するところまでの手順を説明してみたいと思う。この話を持ちかけたところ,PCシステムビルダー(※世間で言うところのショップブランドPC)であるパソコン工房が「なんなら要求仕様に合わせて,実際に購入できるPC用意しましょうか」と言ってくれたので,後編ではそのあたりも紹介する予定だ。


使うキャプチャデバイスは「AVT-C875」

「オール・イン・ワン」と言いたいが……


AVT-C875(Live Gamer Portable)
メーカー:AVerMedia Technologies
問い合わせ先:公式サイト
実勢価格:1万8000〜2万2000円程度(2015年4月18日現在)
徳岡正肇の これをやるしかない!:簡単導入で低コストなゲーム実況システムの構築を目指す(前編)
 というわけで,今回の配信に用いるハードウェアエンコーダは,台湾AVerMedia Technologies(以下,AVerMedia)の「AVT-C875(Live Gamer Portable)」(以下,AVT-C875)である。これは別にAVerMediaからスポンサー料が出ているから……ではなく,4Gamerのレビュー記事で“素性”が明らかになっており,とりあえずこれとPC,そしてマイクがあれば,ゲーム実況に必要な環境が揃うことが判明しているからだ。

AVerMediaのサポートページ。RECentralはここからダウンロードできる
徳岡正肇の これをやるしかない!:簡単導入で低コストなゲーム実況システムの構築を目指す(前編)
 付け加えると,録画および実況用の専用ソフトも「RECentral」として用意されており,AVerMediaのサポートページから無償でダウンロードできる。RECentralは大部分を“おまかせ”で設定できるため,「とりあえず実況できればいい」というのであれば,RECentralをAVerMediaからダウンロードしてインストールし,AVT-C875を接続すれば,ほぼ即座にゲーム実況が可能となる。

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インストーラの起動後は,日本語による説明に従っていけば,とくに問題なくセットアップを終えられる。「使用するセットアップタイプをクリックしてください」のダイアログでは,「カスタム」も選べるが,こちらを選んでもほかの選択肢が出てくるわけではないので,「完全」一択と述べてしまっていいだろう
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 ……というコンセプトなのだが,残念ながらそこまで美味しい話は転がっていないものである。

初回起動時のRECentral
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 このあたりはやはりAVerMedia製となる「AVT-C985」のレビュー記事に詳しいのだが,簡単にいうと,配信ソフトとしてのRECentralは,その完成度に難がある。世間で流行っているゲーム実況を見て,「あんなのをやってみたい」と思ったとしても,AVT-C875とRECentralだけでそこまで到達するのは,事実上,無理だと考えたほうがよい。

 ただ,「ではRECentralには意味がないのか」と言われれば,それもまた極論だ。
 ゲーム実況が現在のような形へと完成していったなかでは,無数の試行錯誤がなされている。AVT-C875+RECentralという環境では,そのすべては手に入らないというだけであって,「とりあえずやってみる」には必要十分なのである。

 というわけで今回は,「とりあえずやってみる」ところまでのルートを紹介したい。まずは話を簡単にするために,PCゲームの実況を動画共有サイトで生配信することを目標にしてみよう。


何はともあれマイクを入手


 さてさて,AVT-C875+RECentralでゲーム実況と言うには言ったが,これで本当に最低限が揃っているわけではない。PCゲームをプレイするPCは当然必要であり,また,AVT-C875におけるメインのビデオ入力はHDMI(Type A)なので,HDMI出力で画像を受け取る都合上,PC側にもHDMI出力が必須となる。

 そして,そのあたりを踏まえたうえで,さらに欠かせないのがマイクだ。これなしでは,無言でゲームプレイを垂れ流すしかない。

安価な“Skype用ヘッドセット”を装着したところ。一見,良い位置に見えるが,マイクが近すぎて呼吸音が入りがちな場所に固定されてしまう。あと,写真で見てもらうと分かるのだが,筆者の場合は髭が干渉する
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 このとき問題になるのは,必ずしも「マイクならなんでもいい」というわけにはいかない,ということだ。
 最近ではSkype用など,ヘッドフォンとマイクが一体化した安価なヘッドセットが販売されている。だがこういった安価なヘッドセットは,マイクと口元の距離の調整がまったくできないか,ほとんどできないことが多い。

 一方で実況する場合,この「マイクと口元の距離」は,意外と重要だ。近すぎると音が割れたり呼吸音が入って悩ましい感じの放送になったりするうえ,遠すぎるとやたら小さな音声での実況になってしまうことがある。
 前者と比べて後者は意外と厄介で,「音声が小さい! 何の設定が悪いんだ!」と散々悩んだ挙句,「実は口からマイクまでの距離が遠いだけでした」ということは決して珍しくない。オンラインの通販サイトにおけるユーザーレビューで「マイク入力の音量が小さい」なんて文句を見たことがある人もいると思うが,筆者の経験上,たいてい原因はこれだ。

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1000円クラスのヘッドセットでも,「ブーム」と呼ばれる“さお”の部分を調整すれば,マイクを口元から遠ざけられる。られるのだが,安価なヘッドセットだと,時間経過とともに,元の位置に戻るケースが頻発してしまう
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マイクの根元は安価なヘッドセットでも回転させることができるため,こんな感じでマイクを口の上に持っていくことはできる。これだと会話には問題ないが,視界の一部を覆ってしまうので,ゲーム実況だと不便だ

 となると,やはりここはマイクと口元の距離を調整できる,しっかりしたゲーマー向けヘッドセットを……と言いたいところだが,これらの商品は決して安いものではない。今回のコンセプトの1つである「お手軽に」を満たそうとすると,ちょっとばかり財布に痛い。

典型的なアナログ接続型ヘッドセットの接続端子。片方がマイク用,片方がヘッドセット用になっており,PCのサウンド入出力端子と接続することになる
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 そこであらためて検討したいのが,先ほど半ば否定した,安価なヘッドセットである。
 まず押さえておきたいのは,ゲーム実況にあたって,マイクは,アナログ接続でAVT-C875と接続する必要があるということだ。幸いにして,いま紹介したようなPC用の安価なヘッドセットは,「3.5mmミニピン」と呼ばれるピン端子経由のアナログ接続型であることが多いので,AVT-C875と互換性がある。
 そして,PC用の安価なアナログ接続型ヘッドセットは一般に,マイク出力とヘッドフォン入力という2系統の端子を持つのだが,ここで,マイク出力のほうだけをAVT-C875と接続するのだ。つまり,安価なヘッドセットを事実上,マイクとしてのみ利用するのである。

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1000円程度で買える安価なヘッドセットを首からかけて,マイク部を口元に持ってきたところ。この位置はかなり良い
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音をはっきり聞きつつ,マイクの位置を維持する場合,最も安価な解決策は,「手持ちのヘッドフォン(やイヤフォン)を装着しつつ,安価なヘッドセットを首からかける」ことだ。間抜けな見た目だが,実用性は申し分ない
 マイクと口元の距離は,ヘッドセットをヘッドフォンとして装着しなければ――「ヘッドフォン部を耳にかける」ことを無視すれば――かなり自由になる。要はヘッドセットを首にかけて,マイクが口元にくるように調整すればいい,というわけだ。

 マイクだけ使うのであれば安価なピンマイクや,机上に設置できるマイク単品でいいのではないか,と思うかもしれないが,これらはこれらでいろいろと扱いが面倒なので,最初の1台としては,1000〜2000円程度で購入できるアナログ接続型ヘッドセットをお勧めしておきたい。見た目はとても不格好になるが「Webカメラを使って実況している自分も画面に入れる」というのでなければ,実況者がどんな格好をしているかなど,問題ではない。

ちょっと分かりにくいかもしれないが,これがヘッドセットとヘッドフォンのAVT-C875接続イメージ。ヘッドセットは2系統ある接続端子のうち,マイク入力だけをAVT-C875とつなぎ,AVT-C875のヘッドフォン出力端子には,ヘッドフォンやイヤフォンをつなぐ格好になる。極端なことをいえば,ヘッドフォンではなく,スピーカーをつないでも構わないが,スピーカーをつないだ場合は,マイクがその音を拾わないよう配慮したりする必要が出てくるので,ヘッドフォンやイヤフォンのほうがいい
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ニコ生デビュー! といきたいけれど


 PCにRECentralをインストールし,AVT-C875も接続してマイクもつなぎ,いざ実況者デビュー! といきたいところだが,まずは少し落ち着いてほしい。

 RECentralは,その仕様上,ニコニコ生放送(以下,ニコ生)への出力にも対応している。だが実際にRECentralからニコ生に出力しようとすると,とてもではないが「簡単」とは言いかねる手順を取らねばならなくなる。

 というわけで,いきなりニコ生デビューするのではなく,まずはRECentralから簡単に接続できるTwitchへのデビューを考えてみたい。
 Twitchでもゲーム実況の基本的な技術的ノウハウは獲得できるうえ,とにかく設定すべき要素が少ない(というか事実上なきに等しい)ので,練習先としては最適だからだ。

本体側面に用意される動作モード切り替えスイッチ。向かって左側がPC録画モード
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 「RECentral以前に,AVT-C875の使い方を教えなさいよ」という向きもあろうが,それは思い切って端折らせてもらいたい。というのも,本体側面の動作モード切り替えスイッチを「PC録画モード」に切り替えたうえで,製品ボックスに付属のUSBケーブルでPCとAVT-C875をつなぎ,さらにこれまた付属のHDMIケーブルで,PC側のHDMI出力端子と,AVT-C875側の「HDMI−IN」(HDMI入力)端子をつなぐだけだからである。

今回のテーマは「お手軽」なので,難しいことは何もない。AVT-C875に付属するケーブル2本でPCとつなぐだけだ。音声を入力したい場合は,ここに前段で紹介した感じでヘッドセット(とヘッドフォン)を接続すればいい
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 というわけで以下,スクリーンショット中心で,Twitchデビューまでの流れをまとめてみたい。今回はTwitchのアカウント取得から行うので,アカウントをすでに保持している人は,適宜,読み飛ばしてもらえればと思う。

まずは,RECentralの「ライブ配信」内,画面中央から少し左下にある「ログイン」をクリック
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最初は左のようなダイアログが出るので,「配信サービス」が「Twitch」になっているのを確認したら,「プロクシー」のプルダウンから「Asia: Tokyo, Japan」を選択する。この状態で一度,「アカウントが無い場合はここから登録して下さい。」をクリックする
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Webブラウザが起動し,Twitchのアカウント登録を求められるので,ユーザー名とパスワード,誕生日,eメール情報を入力する(※Facebookアカウントがあるなら,それをTwitchのアカウントとして使うこともできる)。Twitchのアカウント登録および利用は無料だ
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アカウント登録が終わったらさてRECentralからログイン……の前に,RECentralからTwitchのアカウントを利用できるよう許可を与える必要がある。といっても,難しいことはなく,ダイアログから[承認を得る]をクリック
続いてポップアップするTwitchのダイアログに対し,上で登録したTwitchのユーザー名とパスワードを入力し,[ログイン]ボタンを押す。ユーザー名とパスワードが正しければ「正常に接続しました」というダイアログが表示される
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これにてRECetralのTwitch放送準備はひとまず完了。RECentralを見ると,「ログイン」のところに,どのサービスへ,どのユーザー名でログイン中かが表示されるようになる(※ここで示したユーザー名はこのIDは本記事用に新しく取得したもの)。中央より少し右のところに特徴的な丸いボタンがあるのだが,実はこれ,ユーザーの習熟度に合わせたユーザーインタフェースの選択項目だ。個人的には「中級者向け」の使い勝手が最もよいと思うので,今回はこれを使おう。というわけで「中級者向け」をクリック
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「中級者向け」のユーザーインタフェースがこちら。ここで[準備完了]をクリックすれば,Twitch配信の準備が完了する(※即座に配信が始まるわけではない)。念のため,「ビデオソースを選択」「オーディオソースを選択」のタブを確認し,ちゃんとAVT-C875とRECentralが動作しているか確認するのがいいだろう
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というわけでこちらが「ビデオソースを選択」タブ。「キャプチャーデバイス」は迷わず「HDMI」にしておこう。なお,右下部分に「いまどんな画面がキャプチャされているか」が表示されるようになっているので,もしここが真っ黒なら,何か問題があるということになる
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こちらは「オーディオソースを選択」を選んだところ。「キャプチャーデバイス」はやはり「HDMI」がひとまず正解。適当な動画共有サイトを立ち上げて音を鳴らしておけば,ゲームを起動しなくても「音声が撮れているかどうか」は,青いバーでモニタリングできる。マイクの音量調整や,マイクのON/OFFコントロール設定もここで可能だ。ヘッドセットにマイクのミュートの切り替えスイッチが付いているなら,マイクは「常にON」を推奨したい
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左:これは「映像設定」タブ。プレイ動画配信にあたっての細かな設定を行える。ただ,とりあえずは何も弄らなくていいだろう
右:各種ショートカットキーの設定。「ライブ配信の配信の開始/停止」機能は,プレイ中,うっかり触らないようなキーに設定しておいたほうがいい。デフォルトは[F7]キーだが,たとえば「Minecraft」だとこのキーは「Twitchでの配信」に割り当てられているので,変更しておくことを勧める。なお,ここからはマイクの有効/無効も切り替えられるが,ヘッドセット側にスイッチがあるなら,RECentral側で変更するメリットがそれほどないので,有効化のチェックは入れないほうがいいだろう
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話を戻して,[準備完了]ボタンを押したところ。これでTwitchに接続された。ここで[OK]ボタンを押すと,続いて「<現在のPC>がプレビューに対応しておりません」という注意が表示されるが,とくに気にする必要はない。再度[OK]ボタンをクリックしよう
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すべての準備ができたら[F7]キー,もしくは設定した配信用ショートカットキーを押す
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 ここで,マイクを口のところへもっていき,ゲームを起動。タイトル画面になったあたりで,RECentral標準のビデオ配信開始用ショートカットである[F7]キー,もしくは設定済みの配信用ショートカットキーを押そう。回線状況にもよるが,おおむね10秒前後遅れて,配信がスタートするはずだ。
 このタイムラグは(RECentralを使う限り)避けられないので,配信用キーを押したら,少し待ってみるといいだろう。


「サブPC」(ないしスマホ,タブレット)のススメ


 さて,上記の方法でRECentralを使ってTwitchでの放送を行う場合,1つだけ大きな面倒ごとが発生する。それは,ゲームの生配信だと事実上,全画面表示しか行えないため,視聴者からのコメントなどをリアルタイムで確認できないということだ。同様に,各種SNSとの連携状況など確認は難しい。実況するゲームタイトルによっては,プレイ中に各種Wikiをチェックしたいという切実な状況も発生するだろう。

 個人的には,これを解決する最良の方法は「別のPCないしスマートフォン,タブレット端末で片付ける」に尽きると思っている。とくに,異なる画面での実況状況確認は,別のPCであれモバイルデバイスであれ,とても便利なので,積極的にお勧めしたい。このとき,スマートフォンやタブレットはLTEや3Gではなく,家庭内の無線LANに接続しておいたほうが何かと無難だ。

筆者手持ちのAndroidタブレット「Xperia Z2 Tablet SO-05F」でWebブラウザを開き,Twitchの配信状況を確認しているところ
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 オンラインでの実況には「音が出ていない」「画面が止まった」「BGMは入っているが声が入っていない」といったトラブルがつきものである。放送状態を客観的に確認できる「もう1台」があれば,「せっかく実況を見に来てくれた人を楽しませようと思って一生懸命喋ったけれど,音声が入ってませんでした(あるいはずっと画像が止まってました)」といった悲劇を回避できる。

 ちなみに,Twitchでの実況状況を確認する場合は,(専用アプリを使っても良いが)Webブラウザから直接見るのが便利だろう。自分が実況しているページは「http://www.twitch.tv/(自分のユーザー名)」となるので,ブックマークしておくといい。

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 なお,RECentralを使ってTwitchでの実況を開始する場合,「実況開始のショートカットキーを押すと,即座に配信が始まる」というわけではないので,この点も注意しておきたいところだ。サブPCやスマートフォン,タブレット端末のWebブラウザでTwitchの配信ページを開いておいて,そこにゲームの画面が表示されたら――されていないときは「OFFLINE」と表示されている――実況を開始するといいだろう。


RECentralからのステップアップ


 さてさて,無事にTwitchデビューは果たせただろうか?
 ここまでくると,AVT-C875+RECentralは革命的と言えるくらいにお手軽な環境を提供してくれることが分かり,また,いろいろと細かな不満を覚えたり,小さな問題に直面したりしているのではないかと思う。

 技術的な面から先に言うと,ゲーム実況初心者にとって最初のネックになりがちなのは,画面のアスペクト比と音の2点である。

 現在,動画共有サービスは基本的に16:9というアスペクト比(=横縦比)の画面を前提としている。要するに高解像度テレビと同じアスペクト比ということになるが,ここに,4:3という,PCゲームではまだ相応に使われているアスペクト比の映像を持ってくると,横に変な形で引き伸ばされてしまったり,上下がカットされたりする。
 また音回りは,ゲームの音が大きすぎてバランスを欠いたり,しゃべった声が動画に対してズレたりといった問題が生じうる。

 現状,こういった問題は,RECentralを使う限り,解消が難しい。

Stream Engineのスクリーンショット。これを起動させておけば,OBSのビデオデバイスとしてStream Engineを選択できるようになる。このあたり,詳細は後編で説明したい
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 そこで活用したいのが,「Stream Engine」だ。
 Stream Engineは,AVerMediaのAVT-C875用RECentralダウンロードページで一緒に公開されているアプリケーションで,簡単にいうと,RECentral以外の配信ソフトからAVT-C875を利用できるようにするためのものだ。Stream Engineを用い,フリーの配信ソフトである「Open Broadcaster Software」(以下,OBS)を組み合わせれば,先ほど指摘したような,RECentral利用時に生じがちな不満や問題を,ほぼすべて解消してくれる。RECentralに慣れきってしまう前に,移行することを強くお勧めしたい。

 OBSの導入方法は後編で紹介したいと思うが,OBSを使えるようになれば,AVT-C875を使ってニコ生を放送するのもぐっと楽になる。またOBSと似た機能を持つ「Niconico Live Encoder」(以下,NLE)を使うにあたっても,勘所をつかみやすいと思うので,後編では,NLEなどについても言及する予定だ。


録画とゲーム実況動画


 さて,ここまではPCゲームを実況することばかり解説してきたが,AVT-C875にはもう1つ,大きな強みがある。それは,据え置き型ゲーム機用タイトルも実況できるということだ。
 これは,据え置き機でゲームを遊んでいる人にとって,大きな魅力となりうる。なにしろPCにはほとんど負担がかからないから,PCのスペックが多少低くても,据え置き型ゲーム機とPC,AVT-C875の組み合わせで快適な実況環境を構築可能だ。

 また,ここまでは実況生放送にこだわってきたが,AVT-C875は録画にも使用できる。
 ゲーム画面を録画する場合,それを後ほど動画編集ソフトで編集し,ゲームプレイ動画として動画配信サイトに投稿することも可能だ。またマイク音声を同時に録音できるので,実況風のプレイ動画を作ることも容易にできる。
 マイクの音声は動画本体と別のmp3ファイルとして保持することもできるため,喋りが上手くいかなかったところは後からあらためて声を充てる(アフレコする)といった加工にも向いている。

 加えてAVT-C875はSDカードスロットを有しており,AVT-C875単体でSDカードにプレイ動画を保存していくこともできる。これが先に軽く紹介した単体録画モードで,このモードだと映像の流れは,

  • 据え置き型ゲーム機→HDMIもしくはコンポーネントケーブル→AVT-C875→HDMIケーブル→テレビやディスプレイ

先に,USBケーブルとHDMIケーブルが付属するという話はお伝え済みだが,AVT-C875にはそのほかにも,PlayStation 3との接続用となる専用アナログケーブルや,コンポーネントビデオ入力に対応するアダプターなどが付属しているので,HDMIに対応していないPCやゲーム機の映像も録画・配信できる
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という形で,ゲーム機とディスプレイデバイスとの間にAVT-C875が挟まる格好になる。ゲームをプレイするメインのプラットフォームは据え置き型機で,PCを使うことはめったにない,という場合は,こちらのやり方をするのが便利だろう。PCレスでの動作は,本体に用意されたスライドスイッチから,一発で変更できる。

 ただし,PCレス動作させた場合,録画中にマイクで音声を乗せることはできないので,実況動画を作る場合は,アフレコが必要になる。この点は注意が必要だろう。

左は筆者手持ちのMHL−HDMI変換アダプター。グリーンハウスの「GH-MHL-HDMIK」という製品で,USB Micro-Bによる外部給電に対応している。こういうアダプターを使えば,Androidスマートフォンやタブレットの映像を,単体録画モードで動作させたAVT-C875で簡単に録画することができる。ただ,利用するためには,スマートフォンやタブレットがMHLをサポートしている必要があるので,この点だけはご注意を
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 実際にやろうとするとすぐに思い知ることになるが,生放送でのゲーム実況は意外と大変だ。
 そもそも人間,30分ひたすら1人でしゃべり続けるというだけでも,なかなか苦労する。目の前でプレイしているゲームをネタにしてしゃべるだけじゃないかというのは正論なのだが,ゲームは必ずしも常に新しいことが起こり続けるわけではない。たとえば,アクションゲームだと,ミスしてチェックポイントからやり直し,なんてことは当たり前のように生じうる。対戦系タイトルでも,巡り合わせによっては,狙撃にあたって何もせず待つ時間が発生したりすることがあるだろう。時間が経過するに連れて,だんだん実況者の口数が少なくなっていくというのは,そう珍しいことではない。

 加えて言えば,ゲーム実況における厳粛な事実として,「そもそもそんなに人が見に来るわけではない」というものが挙げられる。誰も見ていないのにしゃべりながらプレイするのはあまりに虚しく,かといって黙ってプレイしていると,つい最後まで黙ってプレイし続けてしまうという,もの悲しい循環が生まれる。いや,趣味でやってることなんだから,そんなのどうでもいいだろうと,個人的には心の底から思うが,割り切れない思いをすることも多いだろう。

 ともあれ,まずは生放送の実況ではなく,録画したプレイ動画にアフレコするところから始めてみるというのは,ひとつの選択肢のように思える。そういった「実況動画」は,ゲーム動画における大きなジャンルの1つでもあるわけだから。


ゲーム実況の現在


 前編の最後に,あくまで私見(+識者の意見)の範囲で,「こんなゲームが実況向け」というリストを組んでみた。
 言うまでもなく,「これ以外は実況してもウケない」というわけではない。あくまでも,2015年4月段階における傾向として読んでもらえればと思う。


●ホラー系ゲーム

「RPGツクールVX」を使って制作された「魔女の家」。フリーソフトウェアのホラーゲームとして,非常に高い人気がある
徳岡正肇の これをやるしかない!:簡単導入で低コストなゲーム実況システムの構築を目指す(前編)
 一般に,ゲーム実況はテレビ同様,「ながら見」されるコンテンツとなっている。そのため「何をして・何が起こった」の関係が複雑だったり,関係が完成するまでに時間がかかりすぎたり,起きたことが分かりにくかったりするゲームは,実況向けとしては若干厳しい。要するに,ある程度集中して見ていないと何が起きているか分からないゲームの実況は,多くの視聴者にとって厳しいのだ。
 その点ホラーゲームは,「何かをすること」と「何かが起きること」の間が短く,かつ「何かが起きたこと」の変化の度合いが鮮烈だ。そのため,見ている側も「何をやって」「何が起こったか」を容易に把握できる。また,ホラーというジャンルでは,「プレイしてみたいが,一人で遊ぶのは恐い」という人も多いと言われる。加えて,ホラーの怖さは演出の怖さという側面が大きいため,「何が起こるか分かっていてもなお恐い」というネタバレ耐性が高いのも強みだ。
 付け加えると,「怖い話」というのは比較的流通性の高い情報であるため,「ゲームとは関係ないけど,そういえばこういう恐い話があってね」という話題が視聴者との間で共有しやすいのもポイントだ。


●クラフト系ゲーム

「Minecraft」や「Terraria」といったクラフト系ゲームは,実況との相性が良好だ。最近では「Besiege」なども人気
徳岡正肇の これをやるしかない!:簡単導入で低コストなゲーム実況システムの構築を目指す(前編)
徳岡正肇の これをやるしかない!:簡単導入で低コストなゲーム実況システムの構築を目指す(前編)
 「Minecraft」に代表される「何かを作る」ゲームは,ホラーとは逆に,「何かをすること」と「何かが起きたこと」の間がとても遠いゲームだ。もちろん段階的な達成はあり,「何かが完成する」ときには大きな達成感も得られるが,それは往々にしてゲームの「究極のゴール」ではない。言葉は悪いが,「とにかくダラダラとプレイし続けられる」ゲームジャンルなのだ。
 こういったゲームは,視聴者と雑談をしやすいだけでなく,ゲームの展開に合わせた話題を提供する必要がないという魅力がある。自分の喋りに自信があるならば,間違いなく最も実況向けと言える。
 一方,壮大な完成品を自慢したり,あるいはそのメイキングを見せるという方向性もある。この方向性は実況動画に向いているだろう。


●現代的なブラウザゲーム全般

さまざまな理由でブラウザゲームは手軽。実のところ,麻雀のようなカジュアルなブラウザゲームも実況向けと言える
徳岡正肇の これをやるしかない!:簡単導入で低コストなゲーム実況システムの構築を目指す(前編)
徳岡正肇の これをやるしかない!:簡単導入で低コストなゲーム実況システムの構築を目指す(前編)
 一昔前の,「数アクション入力したら次は2時間後」といったペースのブラウザゲームはともかく,現代的なブラウザゲームの多くは,ホラーゲーム同様,「何かをすること」と「何かが起きること」の間隔が短い。そのため,情報共有が重要なゲームも多いため,視聴者との間でゲーム専門の雑談(ないし作戦会議)が盛り上がりやすいのが魅力となる。
 しかしそれ以上に,ゲームの起動が素早く,準備に手間がかからないことは,非常に大きなメリットとして挙げられる。些細なことに思えるかもしれないが,数クリック少ないだけでも,人間はクリック数が少ないほうを選びたがるものなのだ。
 実際,とくにゲーム実況に特化していない実況主が,生放送の間を持たせるためにブラウザゲームを使ったりすることもあるという。こういった,さまざまな意味における「手軽さ」は,ブラウザゲーム実況の最大の強みと言えるだろう。


ブームを越え,定着しはじめた「ゲーム実況」


 ゲーム実況は,決して,スーパープレイを見せるコンテンツではない。むしろどちらかと言えば,視聴者の多くは実況者個人の喋りを聞いているか,さもなくばBGV(ないしBGM)としての利用が多いという統計が出ている。
 ゆえに,「実況するためにゲームの腕を磨くぞ!」というのは,ダメだとまでは言わないものの,現状における「ゲーム実況の消費のされ方」を見て,そしてそこから想定できる未来を見据えるに,少なくとも日本の「ゲーム実況」という文化とは微妙にフィットしていないようにも思える。

 一方で,ゲーム実況はいま,ゲームデベロッパやパブリッシャによるプロモーション手段として注目を集めている。ゲームをプレイすることで収入を得る,いわばプロゲーマーのポジションを有名実況者が獲得しつつあるというのが,まさに現状だ。

 だがそれはそうとして,ゲーム実況や動画配信という文化がさらに根付いていくためには,まずはそこに横たわる技術的障壁がクリアになることが,大前提であろう。「実況をやってみたい」と思った人が,とくに気負うこともなく,数クリックで実況できるようになる。そんな未来は,少なくともPlayStation 4やXbox Oneにおいては実装されており,Steamもまたその路線に舵を切っている。

 AVT-C875のような機材は,今はまだ「ややニッチ」なポジションかもしれない。だがゲームの世界がそちらに向かって全力前進しているというのは,ゲームレビュワーとして偽らざる感触である。
 その流れの中の1人になるもよし,その先を見定めるもよし。いずれにしても当面,「実況」の持つ熱は下がらないだろう。

徳岡正肇の これをやるしかない!:簡単導入で低コストなゲーム実況システムの構築を目指す(前編)

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