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印刷2017/06/02 11:29

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[COMPUTEX]240Hz表示+残像低減機能付きディスプレイをBenQ ZOWIEが公開。新スイッチ採用で復活のキーボード「CELERITAS II」も

 台湾時間2017年6月1日,BenQは,台北市内にある同社本社で,ゲーマー向け製品ブランド「BenQ ZOWIE」の新製品となるディスプレイ「XL2546」とキーボード「CELERITAS II」の2製品を披露した。CELERITAS IIは同日付けで正式発表となったばかりの製品だ。

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XL2546。高速TNパネル搭載モデルとなる
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CELERITAS II。外観を見る限り,1月のイベントでしれっと展示されていたキーボードこそが開発途上版の本製品だったようだ

会場となったのはBenQ本社内ショウルームだ
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 4Gamerでは,BenQでゲーマー向け製品部門を率い得るChris Lin(クリス・リン)氏に話を聞きつつ,短時間ながら両製品を試すことができたので,その概要とファーストインプレッションをお届けしたい。
 なお,会場では写真撮影が一部制限されていたため,掲載している写真の点数が少ないので,その点はご了承を。


24.5インチワイドフルHD,ネイティブ240Hz対応で「DyAc」対応。「CRTより速い」XL2546


 XL2546を一言で紹介すると,従来製品の「XL2540」に,ZOWIE独自の残像感低減技術「DyAc」(ダイアク)を追加したものである。事実上の後継製品と紹介しても,おそらく問題ないだろう。

 「Dynamic Accuracy」(ダイナミックアキュレシー)の略となるDyAcについては,以前,西川善司氏によるレポートで詳しくお伝えしているが,子細を省略して簡単に紹介するなら,バックライトスキャニング(※)と液晶応答速度の隠蔽による合わせ技で,体感上の応答速度を速める技術のことだ。

※映像が伝送されてきたタイミングから液晶画素の書き換えを行い,「応答している当該画素の領域のみでバックライトを消灯させ,応答完了後に再点灯させる」制御系のこと。液晶テレビで広く採用されている。

世界初のDyAc機能搭載ディスプレイとして登場したXL2735
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 DyAc採用のディスプレイとしては,27インチ,解像度2560×1440ドットで垂直リフレッシュレート144Hz対応の製品「XL2735」がリリース済みだが,Lin氏によると,世界市場における売り上げは今ひとつだという。いわく,「DyAcの効果を最も体験して欲しかった『Counter-Strike: Global Offensive』のプレイヤーにとって,27インチ,解像度2560×1440ドットはいずれも大きすぎたのが敗因だ」とのことである。

 そこでZOWIEは,Counter-Strike: Global Offensive(以下,CS:GO)のプレイヤーにとって最も標準的な,24.5インチ,解像度1920×1080ドットに焦点を当てることにした。ZOWIEのラインナップには,その仕様を実現したうえで,しかも垂直リフレッシュレート240Hzネイティブ対応のXL2540がすでにある。そこで,XL2540にDyAcを搭載して誕生させたのが,ビッグマイナーチェンジ的な存在のXL2546というわけだ。
 垂直リフレッシュレート240HzとDyAcの組み合わせにより,その速度性能は明らかにCRTディスプレイを上回ると,Lin氏は言い切っている。

 なお,こうした誕生の経緯もあり,XL2546の基本仕様はXL2540と完全に同じ。搭載するパネルも同じものだそうなので,そのあたりの紹介は割愛する。詳しく知りたい人はXL2540のレビュー記事を参照してほしい。

XL2540(左)とXL2546(右)を見比べながらのテストを行っている例
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 というわけで,会場のデモ機で,Lin氏に促されるがまま,下にビデオで示したようなリコイルコントロールのテストをCS:GOで行ってみたのだが,結論から言うと,違いは確かに体験できる。アサルトライフルの中でもとくに反動の大きなAK-47で連射してみると,XL2540と比べて,XL2546では画面の揺れがマイルドに感じられるのだ。
 筆者の腕の問題もあり,「リコイルコントロールが明らかにやりやすくなった」とまでは言えないものの,画面は明らかに見やすくなった。Lin氏は,「ビデオで撮影して簡単に分かるものではないため,体験してもらうしかない。」と言っていたが,確かに,目よりも肌で感じる効果という印象がある。


DyAcの設定項目
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 なお,DyAcは常時有効というわけではなく,OSD(On Screen Display)メニューから簡単に有効/無効を切り換えられる。無効化した場合,その挙動はXL2540と完全に同じになるそうだ。
 ちなみに,DyAcの有効化設定には「Premium」と「High」があるのだが,これは,前者を有効化すると,ごく一部のゲームタイトルでアーティファクト(artifact,正しくない陰影)が知覚されるケースが存在するためだという。「これはBenQ側の問題ではなく,ゲーム側の問題なのだが,問題なのは確かなので,設定(でDyAcの効果を弱めることが)できるようにした」とはLin氏の弁である。

 ちなみに,ZOWIEはXL2546をXL2540の後継と明言してはいないのだが,XL2546のメーカー想定売価はXL2540と変わらないとLin氏が述べていたので,XL2546が事実上,XL2540を置き換えるものと見て問題ないだろう。
 世界市場における発売予定は「たぶん8月」(BenQ)とのことである。


数年振りに復活のCELERITASは,「Optical Switch」の採用でチャタリング問題に対策


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 CELERITAS IIは,ZOWIE初のキーボードとして2010〜2011年にかけて世界市場で発売となり,日本でも一定の人気を集めたメカニカルキースイッチ搭載キーボード「CELERITAS」(セレリタス)の後継という位置づけのフルキーボードだ。
 旧モデルは「Cherry MX」キースイッチを採用していたが,「CELERITASは,数年前に生産修了となった。e-Sportsプレイヤーの基準では,キー入力時にチャタリング出たらそのキーボードは『終わり』だが,CELERITASでは,プロユースのレベルで,その問題を解決できなかったからだ」と率直に述べていたLin氏によると,CELERITAS IIでZOWIEは,台湾Wooting製スイッチ「Flaretech red switch」をカスタマイズして搭載しているという。

Flaretech red switch
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 Flaretech red switchは,スイッチの内部にセンサーと発光体を設け,光の反射によって「キーがどれくらい押されたか」を判定するタイプのキースイッチだ。押下圧は一定で,かつアクチュエーションポイントの手応えもないというCherry MX Red風の押下感を実現するメカニカル機構自体にスイッチとしての機能はない。そのため,キーレベルのチャタリングが原理上生じないというのが,採用の決め手となったそうだ。
 「ただし,単なるOEMではない。ZOWIEとしてカスタマイズを加えている」(Lin氏」そうだ。

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試した限り,アクチュエーションポイントはかなり浅い。写真の状態で,CSGO内ではキャラクターが移動していた
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10キーの奥には何もない
 現時点でストロークおよびアクチュエーションポイントは未公開。ただし,実際に押した限りだと,かなり浅いところで入力がオンになった。また,キーを仮に奥まで押したときの反力は強い印象だ。短時間のテストで体感まではできていないが,いわゆる「返りの速い」仕様になっている可能性もある。

 展示機は中国語配列だったが,[Space]キーが十分に長い一方,全体としてはシンプル。小さなパームレスト部にZOWIEの「Z」ロゴがワンポイントとしてある一方で,トップカバー上にはLEDインジケータが1つもなく,10キー部がのっぺりしているのが外観上の特徴である。
 インジケータの代わりとなるのは,特定のキーに埋め込んであるLEDだ。CELERITAS IIのLEDイルミネーションは無段階で明るさ調整を行える赤一色ながら,たとえば[Num Lock]キーを押してNum Lockを有効化すると,[Num Lock]キーが白くなってインジケータとして機能するという仕様になっている。

Num LockとCaps Lockを有効化したところ
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 CELERITAS IIは,まもなく世界市場で出荷が始まるそうなので,日本でもそう遠くない将来,販売が始まるのではなかろうか。光学センサーの完成度も含め,期待して待ちたい。

ZOWIE公式Webサイト(英語)

ZOWIEのCELERITAS II製品情報ページ(英語)

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  • 関連タイトル:

    ZOWIE(旧称:ZOWIE GEAR)

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    XL,XR,RL

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