ツンデレボイスが会場内に響き渡った。秋葉原PCゲームフェスタ「AILA Online」イベントでは，5月に行われる最新アップデートの内容が公開に

　2010年5月4日，PCゲームイベント“秋葉原PCゲームフェスタ”が開催中のベルサール秋葉原にて，「AILA Online」のイベントが実施された。「AILA Online」は，WeMade Onlineが運営を手掛ける，4月28日に正式サービスが開始したばかりのMMORPGだ。今回のイベントでは，この5月に行われる予定の，本作のアップデートの内容が公開された。

左から，米澤 円さん，胡桃咲姫さん，荻原優希氏

　イベントが始まるとステージには，本作のプロダクトマネージャーである荻原優希氏，テレビアニメ「けいおん！」の平沢 憂役などを務め，AILA Onlineではプレイヤーキャラクターのボイスを担当している声優の米澤 円さん，そして今回イベントの進行役を務めた胡桃咲姫さんが登場した。
　冒頭で荻原氏は，現在本作で，サーバーの不具合を修正するためのメンテナンスを繰り返してしまっていることや，一部のユーザーがうまくログインできない状態が発生してしまっていることについて，プレイヤーに対してお詫びを述べた。サービス開始直後のオンラインゲームでは良く聞く話であるとはいえ，まだ一部に不具合が残っている状態でイベントを行うことに対して，運営側としては心苦しく感じる部分があったのであろう。荻原氏は現状を率直に説明した。

　そして話題は，この5月に行われるアップデートの内容へと移っていった。このアップデートで追加される主な要素は，以下の二つになるという。

・“ランキング称号システム”の実装
・新たな冒険地域“ディネ”の実装

新システムと新地域「ディネ」の特長

　「ランキング称号システム」は，一定期間内に，そのサーバーで“最も多く経験値を稼いだ人”や“いちばん多くお金を貯めた人”などに，「狩り名人」「お金持ち」といった称号が授与されるというものだ。
　集計は一定期間ごとに行われて，称号が移動した場合は「二代目狩り名人」や「三代目お金持ち」といったようなかたちで引き継がれていくという。中にはちょっと不名誉な称号も用意されているらしいが，そのような称号でも“ネタ”としては（ひょっとしたら名誉ある称号より）面白そうだ。米澤さんは，ゲーム内で今回“ツンデレ”なキャラボイスを担当した自分としては，「駆け出しのツンデレ」や「名もなきツンデレ」といった称号があったら，それをぜひ狙いたい――と楽しそうに語っていた。

　新地域「ディネ」は，乾いた地面に青い空と海，そして椰子の木のような植物が特徴的な南国風のゾーンで，そこには多種多様なモンスター達が生息している。ゲーム内に現在存在するゾーンよりも，さらに上級者用として設計されており，既存地域でレベル50までの冒険が楽しめるのに対し，ディネはレベル70までの冒険者を対象として作られているという。
　プレイヤーはこれまでの冒険で，この地域に「イモータルトーチ」という不吉な集団が巣くっているという噂を聞きつけている。そして，大陸全土に災厄をはびこらせようとたくらむこの集団について調査するために，「ディネ」に足を踏み入れることになるのだ。


　北西部にあるバドム村は現在「シャークパイレーツ」の一団に悩まされており，冒険者達は村を守るために，この無法者達と戦うことになる。
　北東部を占める古戦場では，戦死者達のなれの果てである「スケルトンソルジャー」達が冒険者を待ち受けている。彼らにかりそめの命を吹き込んでいる人物がどこかに存在するはずで，その人物は「イモータルトーチ」となにか関係がある――のかもしれない。

　ゾーン中央部の鉱山には「モルモット」達が生息している。本作の現役プレイヤーである胡桃さんによれば，モルモット達はチュートリアルや既存ゾーンにも登場している，比較的ポピュラーな敵だそうだ。彼らは，姿はコミカルだけれども，レベル相応の強さを持っているので，侮ってはいけないとのこと。もちろんその教訓は自らが何度か倒されてしまったことから得たものだと，胡桃さんは笑いつつ，自身のゲーム体験を語っていた。

　ゾーン南西部は「イモータルトーチ」達の根城だ。そもそもは自分達の国を再興することを目指して作られた集団だったらしいのだが，現在では山賊になり果ててしまっているらしい。
　南東部はどこからかやってきた牛型のヒューマノイド「タウルス」達に制圧されている。獰猛な彼らを駆逐することも，冒険者の仕事となるようだ。


　それぞれのモンスター集団には，彼らを束ねる強力な“ボス”が存在し，貴重な素材アイテムをドロップする。それらを集めていくことで作成可能になるのが“ボス装備”だ。このイベントでは独特な見た目を持つ「クレイジーブル」装備と「スケルトンジェネラル」装備のイメージイラストが紹介された。

新地域の様子を実際にプレイしつつ紹介

　資料を使った説明の後は，新地域での実際のプレイの様子が紹介された。
　新地域ディネへは，既存の地域に存在する「城」の東側にある，巨大な門から移動できる。しばらく進んで海岸のような場所に出ると，そこには海賊の様な風貌のモンスターがおり，武器を振りかざしてプレイヤーキャラクターに襲いかかってきた。

　米澤さんは，この敵が持っていたカジキマグロのような形の武器がいたく気に入った様子。また，プレイヤーキャラクターが身につけていた新しい“ボス装備”に対しても興味津々で，「いいですね！ この装備，絶対領域がありますね！」と発言して会場を湧かせていた。ここで荻原氏はゲームに実装されている米澤さんのラジオチャットボイスを紹介。さらに会場では米澤さんがそのボイスを生で実演してくれるというファンサービスも行われた。

　プレイのほうはゾーンを移動して，こんどは「モルモット」のいる地域へ。「モルモットをペットにすることはできないんですか？」という質問に対し，荻原氏は「ペットにはできないが，モンスターがドロップする変身呪文書を入手すれば，変身することはできるようになります」と返答。そしてさらに「今度実装される新ペットの姿をお見せします」と言って，画面にかわいい羊のキャラクターを登場させた。
　この羊の女の子のキャラクターは「ロビン」という名前で，プレイヤーと一緒に戦ってくれるペットだそうだ。これまでのペットは敵を攻撃するのみだったが，このロビンは支援魔法でプレイヤーキャラクターをサポートしてくれるところが新しいという。

　デモプレイの後には，AILA Onlineではゲーム内のいくつかの場所に，現実世界の広告が掲載されていることが紹介された。こういった試みがうまくいけば，ゲームをもっと“おサイフにやさしい”ものにできるという。萩原氏は，今後ゲーム業界でもこういったものが広がっていくのではないかと考えているとのことだ。


　ここで胡桃さんが米澤さんに「ゲーム内にこんなものがあるといいな，と思うものはありますか？」と質問を振ると，米澤さんはいくつか非常にユニークなアイデアを提案した。

・その1　　プレイヤーがデザインした衣装を，ゲーム内でも着られるようにしてほしい。とくに自分はインコが大好きなのでインコの着ぐるみがほしい！

・その2　　ゲーム内でバカンスを楽しみたい！ 季節が夏になると，暑いのでモンスターがみんなどこかにいってしまう。そしてプレイヤーはのんびりと海水浴やバーベキューパーティーが楽しめるというのはどうでしょう？

・その3　　モンスターをかっこよく倒すと“モテる”ようにしてほしい。必殺技でとどめをさすと，モテ度が上がって，レベルも上がって，モテモテになるといいかも！

　萩原氏は少し苦笑いしつつも，「お客様の意見はできるだけ採り入れていきたいので，提供できますよう努めて参ります」と返していた。


　その後，レアなゲーム内アイテム（乗用ペット「メカロボ（永久）」）と，米澤さんのサイン入りAILA Onlineポスターがもらえるジャンケン大会が行われ，イベントは終了となった。また参加者全員にイベント限定のゲーム内アイテム「バーサーカソウル 1セット（3個）」が配布された。

　サービスを開始したばかりの「AILA Online」では，いくつか残念な不具合も発生してしまったようだが，それでも本作で体験できるゲーム世界が，新しく魅力的な場所であることに変わりはないだろう。新しいフィールドでの新しい冒険を求めている人は，AILA Onlineを試してみてはどうだろうか。

「AILA Online」公式サイト