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[gamescom]WargamingのCEO,Victor Kislyi氏にインタビュー。変化するゲーム市場に対する方針や,「World of Tanks」フランチャイズの未来などを聞いた
そんな同社のCEO,Victor Kislyi氏は現在,いちプレイヤーとして「World of Tanks」で日本の重戦車ツリーを鋭意開拓中とのことで,もうすぐ四式重戦車が買えるようになるという。そんなKislyi氏に短時間ながら話を聞いたので,その模様をお届けしよう。
変化するゲーム市場にWargamingがどう対応していくのか,相変わらずエネルギッシュに語ってくれている。
「World of Tanks」公式サイト
「World of Warships」公式サイト
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。gamescomに合わせるようにして,いくつか発表がありましたが,これらを含めて,最近のWargamingの動きを教えてください。
Victor Kislyi氏(以下,Kislyi氏):
おかげさまでWargamingも大きくなり,現在も成長を続けていますが,やはり最大の変化はタイトルの数が大きく増えたことでしょう。ただ,6年めを迎えた「World of Tanks」も,多くの開発チームがアップデートを加え続けており,プレイヤーを飽きさせないために,日々努力を重ねています。
4Gamer:
やはり,Wargamingといえば「World of Tanks」だと思うのですが,はやり廃りの激しいオンラインゲームで6年も続いた理由は何であると思っていますか。
Kislyi氏:
やはりFree-to-Playであること,そして,オンラインで世界中のプレイヤーと競えるところが大きいと思っています。また,対応プラットフォームを増やし,スマホやコンシューマ機でも遊べるようになりましたが,それもまた,このタイトルが長く続いてきた理由なのかな,と私は考えています。
ゲーム内のコンテンツに関しては,日本を含めて400両以上の戦車が登場します。それらはすべて,可能な限り資料を調べて正確に再現しています。そういった,多くのリサーチや,我々がゲームにかける情熱といったものをプレイヤーが感じ取り,受け入れてくれたのではないかと思います。そして,多くのアップデートを重ね,どこかで完成とせず,日々進化しているのも,長く続いている秘訣ではないでしょうか。
4Gamer:
なるほど。ただ,アップデートが続くことによってコンテンツも増え,現在,ビギナーにはちょっとハードルが高くなっているのではないですか。
Kislyi氏:
そうですね,確かに最初のシンプルなゲームに比べて,難しくなっているところがあるかもしれません。しかし,一番大切なのは,基本的な部分を崩さないことだと私は考えています。柔道や相撲のようなスポーツでは,細かなルールが変わったりすることもありますが,本質的なところは変わっていません。「World of Tanks」も,基本的な部分は変わっていません。
4Gamer:
スマホ向けタイトルの「Smash Squad」と「Gods and Glory」がブースに展示されていましたが,これはWargamingにとってどういう意味があるものですか。
Kislyi氏:
私達はこれまで,PCやコンシューマ機など,それまで一般的だったプラットフォームに向けてゲームを作ってきました。現在,スマホ向けタイトルは急速に成長しており,正直なところ,我々はその市場への参入が若干遅れていました。発表したタイトルのいくつかは,我々が遅れていたスマホ向けゲーム市場にWargamingが参入するという目的があります。そのため,1年ほど前から先行するさまざまなメーカーに声をかけ,共同で研究したりしていたんです。
当然ながら,事はそれほど簡単ではないでしょう。いきなり大ヒット作が出せるとは思っていませんが,プレイヤーの喜ぶタイトルをリリースし続けることで,いずれ,市場大手のメーカーに追いつけるようになれたら嬉しいと考えています。
もちろん,Wargamingは「World of Tanks Blitz」を持っており,十分な人気を獲得しました。アジア,とくに日本でもいい成績を収めていますが,私達はこれをさらに超えるものを作りたいですね。私が思うに,モバイルゲーム市場の興味深い点は,地域性が高いところです。アジアでもアメリカでも受け入れられる世界的なヒット作というのは多くない。私達は「World of Tanks Blitz」がアジア市場で受けたことで,いくつかのノウハウを培うことができました。今後,これを活かしていきたいと考えています。
4Gamer:
1998年にWargamingを設立したときに比べて,ゲーム市場は変わりましたか。
Kislyi氏:
大きく変わりました。1998年当時,ゲームをプレイするのはオタク,とまでは言わないものの,まあ,そういう人達に限定されていました。ところが今では,誰もがゲーマーです。私の秘書や近所のおばさん,子供達がスマホで手軽にゲームを楽しんでいる。昔と今とでは,大きく変わりました。
4Gamer:
そうした市場の変化に対応するため,Wargamingとしてはどのような方針を持っているのですか。
Kislyi氏:
まず,ゲームのプレイヤーがどういう考えを持っているかを知ることが重要だと考えています。どういったことに興味があり,例えばデバイスは何を使っているのか,どういうタイトルをプレイしたいのか。アジアやアメリカ,ヨーロッパ,それぞれの地域でプレイヤーの考えは異なるので,それらを詳しく知り,彼らの期待に合わせていくことが大切です。
そのうえで,社内にプロジェクトチームを作り,それぞれの地域に適したタイトルを開発していく。もっとも,口で言うのは簡単ですが,実際にやっていくのは難しいでしょう。
また開発だけでなく,マーケティングやゲームの提供方法も,各地域に適したやり方で行う必要があります。
4Gamer:
分かりました。少し話題を変えますが,Wargamingは「World of Tanks」を中心にe-Sportsに力を入れている印象です。先ほどの地域別の話にからめて,日本で何か特別の施策を行うことは考えていますか。
Kislyi氏:
日本独自で,となると今のところはとくにありません。e-Sportsについてなら,これは1年ほど前から考えていることなんですが,現在,我々の運営しているWargaming.net Leagueは,野球でいうならプロ野球であり,サッカーならプレミアリーグでしょう。ゲームのトッププレイヤーが集まって技術を競う。これはこれで重要だとは思うのですが,裾野となるべき「草野球」が無いなと。
そこで,プロではないアマチュアの方々にe-Sportsを知ってもらうために,ゲーム内に「トーナメントシステム」を用意しました。これにより,より簡単に多くのトーナメントが行えるようになるはずです。
まず,「World of Tanks Blitz」で導入しようと考えていますので,おそらく,近々なんらかの発表があるはずです。多くのトーナメントが同作で行われることを期待しています。
4Gamer:
ところで,今年も東京ゲームショウにいらっしゃるんですか。
Kislyi氏:
もちろんですよ。私は東京ゲームショウを愛しているんです。ステージに立っていろいろな発表をしますし,日本のプレイヤーの方々と直接お話したり,「World of Tanks」で遊んだりしたいと思っています。
4Gamer:
大きな発表もありそうですね。そしてやはり,神戸牛。
Kislyi氏:
神戸牛です。そして,シイタケマッシュルーム。
4Gamer:
そんなにお好きなら,いっそのことベラルーシで神戸牛レストランを開業したらいかがですか。
Kislyi氏:
いいアイデアですが,私達はゲームの会社で,レストラン経営には経験がありません(笑)。
4Gamer:
分かりました。本日はありがとうございました。
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