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「メトロ ラストライト」のレビューを掲載。核戦争後の荒廃した世界と,苦悩する主人公アルチョムの緻密な描写が心に響くドラマチックFPS
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印刷2013/08/10 00:00

レビュー

こだわり抜かれて創造された世界観に刮目せよ

メトロ ラストライト

Text by 馬波レイ

 スパイク・チュンソフトより2013年8月1日に発売となったサバイバルFPS「メトロ ラストライト」PlayStation 3 / Xbox 360)のレビューをお届けする。ロシアの作家ドミトリー・グルホフスキーの小説を原作に,ウクライナの4A Gamesが制作しているだけあって,ほかのFPSとは一味違った雰囲気を持つ本作の魅力を紹介していこう。

メトロ ラストライト

「メトロ ラストライト」公式サイト



「メトロ2033」待望の続編

物語主導のドラマチックさは変わらず


 本作は,2010年に発売された「メトロ2033」の続編だ。前作では,最終戦争により地上が汚染されたモスクワの地下鉄網(メトロ)を舞台に,主人公のアルチョムとその仲間が,敵対する勢力や,狂暴なミュータント(突然変異種)「ダークワン」と戦う姿が描かれた。

 本作の舞台はそれから1年後。主人公アルチョムのもとに,壊滅させたはずのダークワンに生き残りがいるという知らせが入る。しかも,その情報を持ってきた人物によれば,そのダークワンを保護することこそが,人類が生き延びるための希望だというのだ……。

メトロ ラストライト メトロ ラストライト

 なかなかに凝った世界観と設定からも分かるように,本作はストーリー重視型のFPSとなっている。近年のFPSとしては珍しくマルチプレイモードを搭載しない代わりに,厚みのある物語とドラマチックな展開で,プレイヤーをグイグイと引っ張ってくれるのだ。

 ストーリー重視,しかも続編なので,前作をプレイしていないと説明不足を感じるシーンもある。前作未プレイの筆者は,聞きなれないロシアの地名や本作独特の用語が続くと,脳内が「?」で埋まることもあった。
 それでも先の展開見たさについついプレイしてしまったので,物語の“引きの強さ”は本物だと自信をもってオススメできる。詳しい紹介はネタバレとなってしまうので避けるが,終末後のかすかな希望を巡って展開する謎多き物語は,SF好きならグッとくるはずだ。

メトロ ラストライト
アルチョムとダークワンの数奇なつながりを巡ってドラマが展開する
メトロ ラストライト
カットシーンも一人称視点で展開する臨場感の高さも特徴

 その物語性をさらに高めてくれるのが,シーンの変わり目に挿入されているモノローグだ。アルチョム自身が綴る手記の形で現在の状況が説明されるモノローグは「この先どうなるのだろう?」と,期待や不安感を高めてくれる。
 また,その落ち着いた雰囲気が,「やるかやられるか」のシューター部分と絶妙のコントラストを成しているところも印象的だ。

メトロ ラストライト
幕間に表示されるアルチョムのモノローグ。声優・てらそままさきさんの深みのある声に思わず聞き入ってしまう
メトロ ラストライト
マップに落ちている日記を拾うことで,メインの物語以外のエピソードや世界設定などを知ることができる


メトロ内の細かな生活描写や独自のシステムで形作られる世界観


 メトロ内で暮らす人々の緻密な描写も,本作の特徴だ。日の光がさすことのない,薄汚れた地下道のビジュアルは,それだけでもかなりのインパクトだが,そこで身を寄せ合うように暮らす人々の会話に耳を傾けると,現在この世界がどうなっているかが,断片的ながらも分かってくる。
 会話の多くは悲壮感に満ちており,「明るい未来が見えません!」とでも言いたくなるのだが,それと同時に,生きることを諦めない人間のしぶとさのようなものも感じられて,それがいい味付けになっている。
 会話の聞こえ方も,自分の目の前にいる人の声に紛れるようにして,後ろにいる人たちのやりとりが入ってくるなど,地下の狭い空間に大勢の人間がいるという雰囲気がリアルに再現されていると感じた。

メトロ ラストライト
大勢の人々が暮らすメトロ内。息が詰まるほどに狭苦しい空間である様子が伝わってくる

メトロ ラストライト
人々が生活する姿や会話から,世界観がにじみ出ている。音声は日本語に加えて英語とロシア語を収録。英語はロシアなまりという凝りようなので,ぜひ聞いてみてほしい

 人々が放射性物質から逃げるために駆け込んだ地下鉄網で,駅ごとに都市国家が形成されているという設定も面白い。アルチョムが暮らすポリス駅などは民主的な政治体制だが,共産主義者やファシストといった組織もあり,ときには抗争も勃発する。
 アルチョムはそういった争いにも振り回されることになるのだが,核戦争を経てもなお,主義主張の違いで殺し合うという,人間のエグさを描いているところも見逃せないところだろう。

ゲームのスタート地点であるポリス駅。メトロの中ではかなり平穏な場所で,外界の探索を受け持つレンジャーも多数いる
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ファシスト(純血主義者)の巣窟となっているモスクワ。自分たち以外の人間を排除しようとする危険な思想を持つ
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生き残った芸術家たちが暮らすシアター駅。しかし文化的な色合いは失せ,下世話な出し物がいつ終わるともなく上演されている
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 こうした細かな世界観描写は,ゲームシステムにも生かされている。代表的なものがガスマスクだ。汚染された地表や地下の一部ではマスクを着用しないとダメージを受ける……という設定ならほかのタイトルにもありそうだが,本作では一定時間ごとにフィルターまで交換しなければならないのだ。泥水や返り血などで汚れれば視界が遮られ,手でぬぐう必要が出てくるし,敵の攻撃でマスクが破壊されれば窒息死の危機もある。

汚染された地域ではマスクが必須。フィルターの有効時間は腕時計で確認できる
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汚れて視界が悪くなったら,マスクを手で拭ってキレイにする。息でマスクが曇ることも
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 ほかにも,フラッシュライト用の電気を起こすには,携帯発電機のグリップを何度か握ることが必要だったり,視界を遮る蜘蛛の巣をライターで 焼き払ったりと,アクションに付随する“手続き”はなにかと多い。だが,こうした(下手をすれば面倒な)手続きの数々が,「行動を一歩間違えたら死ぬ」という過酷な世界のリアリティを生み出しているのだ。

携帯発電機はライトの充電やエンジンの始動など,さまざまな用途に使える
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現在の目的や進行方向は手持ちのクリップボードで確認。右手にあるライターは,火をつける以外にも明かりとして役立つ
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カスタマイズできる多彩な銃器

敵の目から逃れるステルス要素もあり


メトロ ラストライト
 物語や世界観ばかりについて述べてきたが,シューティングゲーム部分も十分に魅力的だ。アサルトライフルやショットガン,スナイパーライフルなど,豊富な種類の武器は3つまで所持できて,それらにストックやサイレンサー,各種スコープなどを追加するカスタマイズ機能も用意されている。
 なお,銃の売買やカスタマイズ,弾薬の購入には「軍用弾」が必要となる。この世界で通貨代わりになっているこの銃弾は,実際に弾薬として使えて,しかも高性能なのだが,入手できる数には限りがあるので,むやみに撃ちまくっていると,命に関わるうえ,経済的なピンチにも陥ってしまう。

お手製感丸出しの各戦争後産から,ロシア銃といえばコレのAKシリーズなど,多彩な銃器が登場
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銃や弾薬はマップ内を探索したり倒した敵から入手できたりする
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銃はライフル,ショットガン,拳銃などに大別され,使用する弾薬は異なる。サイレンサーや照準器,ストックなどの各パーツはカスタマイズ可能だ
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 本作の戦闘における特徴がステルス要素だ。アルチョムは防弾アーマーこそ着用しているが,数人の敵に囲まれれれば,たいていの場合は太刀打ちできずに力尽きてしまう。そこで,暗闇に身を潜めて敵の目から逃れることが重要となるのだ。
 ランプの明かりを消すなどして暗闇を作り出していけば,敵と交戦せずに進んでいくことも可能だ。回避不能な敵は,背後から忍び寄れば音もなく一撃で倒すことができる。とくにゲーム序盤は,敵との交戦を避けたほうが楽(というか,見つかったら死亡確定)なケースが多いので,ステルス行動は必須といえる。

暗闇を進めば敵に気づかれにくい。抜け道を見つけて戦闘を回避することも重要だ
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ランプの明かりを消したり電源を切ったりして暗闇を作り出せる。明るい場所では,即座に敵に見つかってしまう
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敵に気づかれず背後をとれれば,ステルスキルが可能。気絶させるか殺すかが選べる
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スローナイフやサイレンサー付きの銃を使えば,音を立てずに敵を倒せるが,遺体が敵に見つかれば警戒されてしまう
メトロ ラストライト メトロ ラストライト

 「コソコソばっかじゃいやだ」という人向けには,ミュータントたちとバリバリ撃ちあうシーンも用意されている。ヌメッとした体のミュータントは,アルチョムを見つけるとわき目もふらずに襲い掛かってくる。敵がみるみる群がってくるマッチョな戦いは,本作のいいスパイスとし て機能しているといえるだろう。ちなみに,ステルスが必要なシーンで正面から敵と戦うこともできるが,賢い敵AIと弾切れにはくれぐれも注意を。

派手な銃撃戦が楽しめるミュータントとの戦い。光を怖がるもの,空を飛ぶものなど多数の種類がいる
メトロ ラストライト メトロ ラストライト


核戦争後の悲壮な世界観にどっぷりと浸れる文学系FPS


 物語性が強いタイトルだけに,ストーリーや世界観に興味を持ったのなら,かなりの満足度が味わえるはず。「死の淵に追い込まれた人はどう生きるのか」という文学的なテーマは,プレイする人の胸に刺さるものだと強く思う。
 ゲーム的に見ても,進行こそリニアだが,シーンごとにメリハリの効いた仕掛けが用意されているので,飽きることなく楽しめるだろう。グラフィックスもかなりのクオリティで,重いテーマがリアリティたっぷりに描かれている。
 アメリカンなヒーロー物ではなく,叙情的なヒューマンドラマを楽しめるFPSとして,オススメしたくなる逸作だ。

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