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  • 発売日:2013/07/13
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任天堂の宮本 茂氏に聞く,「ピクミン3」の魅力――「インタラクティブメディアは,“自分”が関わっていることが一番面白い」
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印刷2013/07/13 00:00

インタビュー

任天堂の宮本 茂氏に聞く,「ピクミン3」の魅力――「インタラクティブメディアは,“自分”が関わっていることが一番面白い」

このゲームの主人公は

キャラクターではなくプレイヤー自身


4Gamer:
 ピクミンの生き物っぽさが増したことによって,ピクミンがチャッピーなどの原生生物に殺されてしまったときに感じる悲しさも,ぐっと増したように思います。
 ドライに考えると,死んだら増やせばいいだけの話なんですが,なかなかそうもいかなくて。

画像集#010のサムネイル/任天堂の宮本 茂氏に聞く,「ピクミン3」の魅力――「インタラクティブメディアは,“自分”が関わっていることが一番面白い」
宮本氏:
 戦争映画より心に来るでしょ(笑)。
 そういうことを考える機会もあっていいと思うんですよ。映画の「プライベート・ライアン」でも,一人を助けるために大勢が死んでしまうかもしれないという,究極の決断が描かれていますけど,決断をした人は,どんな思いだったんだろう? とか,会社で仕事をしているときでも考えることがあるんです。
 ピクミンは,そういうことを考えて作ったわけじゃないんですけど,自然の摂理のようなものを忠実に作ると,やっぱり起きてしまうことがあって,それを見たときにこれまでのゲームとは違うものを感じたと言ってもらえるのであれば,それは商品として魅力があるということではないかと思うんですよ。
 1を作ったときも,赤ピクミンにぼーっと見つめられたときとか,飛んでいくロケットを見上げているピクミンを見ているときに,複雑なものを感じるわけですよね。そういうのはやっぱり,あっていいと思うんですよ。

4Gamer:
 そうですね。しかも,どこか淡々とした描き方なのに,とにかく複雑な気持ちになるんです。

宮本氏:
 そういう,複雑な気持ちになるものとか,ともすれば残酷と言われかねないものなんかを,子供に見せるべきじゃないみたいなのは間違いで,現実にも似たようなものはあるのだから,極端な演出はせずに,そのままに見せられれば良いと思ってるんです。

4Gamer:
 ピクミンを通じて,生命の尊さみたいなものに気付くことだってあるかもしれませんし。

宮本氏:
 そこでまあ,言い訳じゃないんですけど,一匹も殺さないプレイができるかというのは,ちょっと気にしているところもあるんです。
 1では幸いなことに一匹も殺さないプレイができたんです。3ではちょっと無理じゃないかとも思って,デバッグをする人達に「一匹も殺さずに」といった注文を出したりしていました。最終的には,チームのメンバーによって,一匹も殺さないプレイができるという確認をとれたので,それでROMを出しても大丈夫と判断しました。
 一応,こういう対応はしつつも,何かを感じてくれるのであれば,そこに何らかの意味はあると思っているんですけどね。

4Gamer:
 例えば一日が終わるときに,一匹だけピクミンを地上に残してしまったとき,惨劇を予感させる描写が淡々と流れるだけなので,それがまた不安をあおるというか。

宮本氏:
 GamePadで残っているピクミンを探せるんですよ。ただ,助けに行くには間に合わないところにいたりもするんです。なので,そういうときにはその日をやり直せばいいということですね(笑)。
 昔,一番はまったゲームで,ちょっと遊んで気に入らなかったらリセットをして,自分がパーフェクトと思うところまで繰り返し遊んでいたことがあるんですけど,今でもそういう遊び方があってもいいと思うんですよ。

4Gamer:
 消費するタイプの遊び方ではなく,とにかく味わい尽くす遊び方ですよね。

宮本氏:
 はい。それと演出については,必要以上のものは入れていません。ストーリーモードのエンディングにしても,盛り上がりが足りないという意見が出てくるかもしれないんですが,あえてそういう風にしています。ここでヴァイオリンの音を聴かせれば涙が出るでしょ,みたいな演出方法はあるんですけど,そういうことよりも遊んだ人が自分で何かを感じたら,それが一番面白いんじゃないかと思うところがあるんです。
 つまり主人公はキャラクター達ではなくてプレイヤー自身で,キャラクター達は主人公の代理みたいなものじゃないでしょうか。

画像集#011のサムネイル/任天堂の宮本 茂氏に聞く,「ピクミン3」の魅力――「インタラクティブメディアは,“自分”が関わっていることが一番面白い」

4Gamer:
 このご時世,ゲームに限らずあちこちで説明過多になっているケースが散見されますが,ピクミンはその逆の手法ですよね。ただ,そういったものをきちんと形にしていくのは,並大抵のことではないと思うんです。

宮本氏:
 それはきっと,チーム全体の“ピクミン理解”が進んでいるからこそできたという部分がありますね。
 今,デザインから全体を見るディレクターと,プログラムから全体を見るディレクターの2人体制なんですが,彼らも10年やっていますし,目的がはっきりしているんですよ。ライターのメンバーも,ピクミンを深く理解して作っていますし。

4Gamer:
 1を作られた頃は,そういった“ピクミン理解”は共有しきれてはいなかったということでしょうか?

宮本氏:
 そうですね。作りながら分かってきたというところがありますから。
 今回は,2のようにストーリー上のオチみたいなものは必要なのか? ということも検討したうえで,プレイヤーがスコアを極めるために必要なもの以外はできるだけ排除していこうという形で,方向性もまとまりましたし。

4Gamer:
 排除,ですか。

宮本氏:
 ええ。主人公の3人にしても,個性や役割をどうやって付けるかとかではなく,単純に投げられる道具のように描いているんです。それで高さの違うところを攻略できればそれでいい,みたいに。つまり,ストーリー上の必要性というよりは,ゲームの機能として3人が入っているという感じなんですね。

4Gamer:
 なるほど。

宮本氏:
 例えば1人を動かして残る2人を投げて次の場所へ移っていくというのが出来たときに,主人公を3人用意する意味がはっきりしました。例えば高さが違うところへ行くにしても,2人だったら1人を投げて1段上までしか行けませんけど,3人だと2人を投げて2段上まで行けます。
 それに2では,2人の主人公を切り替えるだけで,仕事の効率を上げるとか,工夫をするといったことはあんまりなかったんですね。でも今回は,GamePad上で3人を勝手に歩かせたりもできるんです。ピクミンを引っこ抜くのも分業できますしね。細かい部分ではあるんですが,スコアを極めていこうとしたとき,効率に大きく影響してきますよ。

画像集#012のサムネイル/任天堂の宮本 茂氏に聞く,「ピクミン3」の魅力――「インタラクティブメディアは,“自分”が関わっていることが一番面白い」

4Gamer:
 そうした機能上の要請があって,この人数になっていった,と。

宮本氏:
 そうですね。作っていくうちにいろいろと固まっていって,これは3人いると面白いなということに。
 ……実は去年のE3で発表した段階では,主人公が4人いたんですよ。でも,切り替えて操作するにあたって4人となると,かなり複雑になってしまうということがあって,最終的に3人に落ち着きました。

4Gamer:
 複雑になりすぎないギリギリの数が,3人だったということなんですね。
 では,これまでのシリーズとは違う3人の主人公を立てることになったのには,どういった狙いがあったんでしょうか。

宮本氏:
 それは僕もよく分からないんですよ。現場で決めていったことなので。僕も途中まで,オリマーが出てくるものだと思っていたぐらいですから(笑)。

4Gamer:
 おっと,そうだったんですね(笑)。


新種のピクミンを追加することで

遊びに深みが生まれた


4Gamer:
 今回,主人公だけでなくピクミンの種類も増えました。
 岩ピクミンに羽ピクミンと,それぞれ異なる機能を持つピクミンを追加することによって,ゲームが複雑になりすぎてしまうという懸念はありませんでしたか?

画像集#013のサムネイル/任天堂の宮本 茂氏に聞く,「ピクミン3」の魅力――「インタラクティブメディアは,“自分”が関わっていることが一番面白い」
宮本氏:
 それはなかったですね。2で追加した紫ピクミンと白ピクミンもストーリーモードにいたら,ちょっと種類が多くて複雑になってしまったかもしれませんが,羽ピクミンと岩ピクミンは非常にうまいバランスで入っていると思います。
 ピクミンって,言ってみればルートを開拓するゲームなんです。ただ,それは橋をかけるとか,壁を崩すとかばっかりで。ところが羽ピクミンだけはちょっと特殊で,こいつだけが行けるルートというのが出てきます。
 これまでも,青ピクミンだけは水中を移動できたんですが,羽ピクミンはさらに青ピクミンですら行けないようなところを通れるわけで,ルートを開拓する遊びに深みが生まれるんです。

4Gamer:
 なるほど。

宮本氏:
 それと,ピクミンを投げる場所をWiiリモコンのポインターで狙えるようになったことで,アクションゲームの面白さを“狙って投げる”という形で足しやすくなったんです。それの一番分かりやすい形が石を投げつけることだと思うんですね。だから,そのために岩ピクミンがいるんです。

4Gamer:
 岩ピクミンをガラスにぶつけると気持ちいいですよね。

画像集#014のサムネイル/任天堂の宮本 茂氏に聞く,「ピクミン3」の魅力――「インタラクティブメディアは,“自分”が関わっていることが一番面白い」

宮本氏:
 でしょう? ピクミンは植物だって言ってるのに,岩はあかんやろって何度も思ったんですけど,ほかに代案がなくて,割り切って岩ピクミンということにしたんですよ。でも,名前が付くと意外と自然で,誰もおかしいと思わなくなるんですよね,面白いもので(笑)。
 こういう具合に,新しいピクミンも役割がはっきりしているので,複雑にはなっていないと思うんです。青ピクミンの価値はちょっと下がりましたけど,まずは羽ピクミンで攻めておいて,青ピクミンをあとから行かせるみたいなことができるようになりましたし。
 戦略性というものが,それほど複雑にならずに深まったんじゃないかなと思うんですよ。

4Gamer:
 そういう意味では,ネーミングから役割を想像できるというのも大きいかもしれないですね。

宮本氏:
 たぶん,初めて遊ぶ人が見ても意味が分かると思うんですよ。どっちかというと,紫ピクミンは一匹でものを運べるというほうが,見た目で意味が分かりづらいですからね(笑)。

4Gamer:
 確かに。

宮本氏:
 使い方だって,徐々に理解してもらえればいいんです。
 例えば,岩ピクミンはぶつけた瞬間に一番大きなダメージを与えられるので,できるだけ回収して何回も投げたほうがいいとか,羽ピクミンは攻撃力は弱いけど,空中のモノに対しては効果があるとか。
 黄ピクミンにしても,もともと穴を掘るのが速いんですが,今回は,穴掘りネタがけっこうあるんですよ。トンネルを掘ったり,アイテムを掘り出したりと。そういうのも,使っているうちに適材適所が見えてくるような作りにはしてあります。

4Gamer:
 遊んでいて適材適所を掴めるようになってくると,自然と効率を考えるようにもなりますよね。

宮本氏:
 そう。ピクミンって,時間の効率を競っていくゲームなんで,それをできるだけ見えるようにしてるんですね。
 例えば1だと,橋と壁って一緒だったんですよ。橋のような場所にピクミンをくっつけると橋ができるし,壁にピクミンをくっつけると崩れていくという,いわば伸びるか縮むかという話でしかなくて。
 でも今回,橋の部品を運ばせるという要素を加えたことで,例えば近くの部品には少ないピクミンで,遠くの部品には多めのピクミンで……とやってバランスをとると,だいたい同じぐらいのタイミングで両方の作業が終わったりするんです。そのあたりを,見た感じで掴めるようには配慮しました。

画像集#015のサムネイル/任天堂の宮本 茂氏に聞く,「ピクミン3」の魅力――「インタラクティブメディアは,“自分”が関わっていることが一番面白い」

4Gamer:
 効率を上げるために,ピクミンの適切な配置を検討して,それがばっちりはまると嬉しいんですよね。

宮本氏:
 ええ。うまい人なんかだと,2〜3匹ずつをあちこちにくっつけて同時に仕事をさせておくんです。仕事が終わるとピロロンと音が鳴るので,どこの仕事が終わったのかを確認して回収に行って……と。
 でも時々,「ヒャーッ」という声が聞こえて,どこかで死んでいたりしてね。そうしたら,誰がどこで死んでいるかをチェックしなきゃいけなくて。

4Gamer:
 目の届かないところで死なせてしまうと大きな罪悪感が……。

宮本氏:
 自分のことが情けなくなるんですよね(笑)。
 ピクミンにフルーツなんかを運ばせておいて,自分はどっか別の場所で違うことしているときに悲鳴が聞こえてきて,確認に行ったらオニヨンの近くにフルーツがごろごろ転がっていたりして。ああ,このあたりにチャッピーがいたのに,なんでそれを放っておいてしまったんだ……という。
 そういうときはもう,リセットしてその日をやり直したほうが,気持ち的には楽になります。


「ピクミン」はあくまでアクションゲーム

そのうえに,戦略性が乗っている


4Gamer:
 実際に遊んでいると,ここでこういう工夫をすれば良さそうだと思いついても,その筋道がうまく立てられなくてもどかしいようなことがありました。でも,少し時間が経つと突然ひらめいたりして,そういう喜びの多いゲームだとも思ったんです。

画像集#017のサムネイル/任天堂の宮本 茂氏に聞く,「ピクミン3」の魅力――「インタラクティブメディアは,“自分”が関わっていることが一番面白い」
宮本氏:
 アクションゲームって遊んでいるうちに余裕が出てきて,周りが見えるようになってくるんですよね。すると,段取りが分かっているのにできなかったようなことも,冷静に処理できるようになっていくんです。
 こういった部分もアクションゲームがもたらす快感の一つで,なおかつアクションゲームが上手じゃなくても味わってもらえるものだと思っています。

4Gamer:
 遊ばせていただくまで,主人公もピクミンも増えているし,今回はストラテジー的な要素が強くなっているのかな? とも思っていたんです。
 アクションゲームとしてではなく,そういった要素を強めようと考えたことはありませんでしたか?

宮本氏:
 実はニンテンドーDSやニンテンドー3DS用のピクミンを模索してテストをしていたこともあるんですが,ペンを使ってマネージメントするだけのものになりがちで,どうしてもピクミンらしくならなかったんですね。
 やはりピクミンは,操作におけるアクション性が軸になって,そこに戦略性が乗っているゲームなんです。だから戦略は立つのに思うようにいかない部分があっても,上達していくことでなんとかなったりもする。この一体感が,ピクミンの大事な部分なんですよ。

4Gamer:
 その一体感は,ほかにはなかなかないものだと思います。

宮本氏:
 ええ。それに指示を出すだけで終わると,数字ゲームになってしまいますよね。ピクミンは数字を扱いはしますが,記号的じゃない部分が面白いと思うんですよ。ただ眺めたり,自分で動かしたり……。

4Gamer:
 自分で動かすという点についても,ピクミンはちょっと変わっていますよね。自分で動かすんだけど,見ているだけのことも多いというか。

宮本氏:
 実は1を作ったときに,世の中で一番操作の易しい3Dゲームを目指そうと思っていたんです。
 要は,オリマーって画面では歩いているんですけど,ほとんどカーソルを操作してるみたいなものなんです。どこにもぶつからないですし。あそこまで簡単に移動できる3Dゲームって,そんなにないんですよね。カメラの操作をしなくたって遊べますから。

4Gamer:
 言われてみれば,確かに。

宮本氏:
 今度も難しそうに見えるかもしれないんですが,操作してみると単純なんですよ。ポインターの使い方が苦手でもそれなりに遊べますし,GamePadを使った昔のゲームキューブのような操作方法でもちゃんと遊べます。
 そういう意味では,気軽なアクションゲームと思ってもらっても間違いないんです。

画像集#016のサムネイル/任天堂の宮本 茂氏に聞く,「ピクミン3」の魅力――「インタラクティブメディアは,“自分”が関わっていることが一番面白い」

4Gamer:
 昨今のアクションゲームと比べると,使用するボタンなども少なめですし。
 そういった,操作の簡単な気軽なアクションゲームという部分に,考えれば考えるほど効率を追求できるような戦略性が乗っかっていると。

宮本氏:
 ええ。先ほども言いましたけど,自分でハードルを上げたり,ハードルそのものを見付けながら遊べる部分が面白いと思うんですね。
 ある意味,お金と一緒ですかねぇ。1円のありがたみを分かるかどうかというか。たくさんあると雑に遊ぶんですけど,どこかで1円が足りなくて困ることがあると,100円持っているときから1円を大事に使うようになったりして。

4Gamer:
 ああ,はい。分かります。

宮本氏:
 で,ちゃんとしなきゃって思うんだけど,ちゃんとしようとするあまりに焦ってしまって,余計なことをしちゃったりするんです。
 例えば,必要最小限のピクミンに何かを運ばせたいのに大勢が運んでいるから,一度呼び戻して適正な数を……とかやっている間に,余計なものまで呼び戻してしまったりして。

4Gamer:
 それはしょっちゅうやっちゃいますね。お前らは呼んでないよ! という。

宮本氏:
 そのあたりがアクションゲームらしい部分なんですよ。
 ただ……作ってみて気付いたことなんですけど,アクションゲームなのに,大半のことはピクミンがやってくれてるんですよね。プレイヤー以外のものが,こんなにあれこれやってくれるゲームって,ないと思うんです。
 普通のアクションゲームだったら,主人公が一人で何かを持って運ぶ操作をするような場合でも,このゲームではピクミン達がやってくれます。結果,主人公が100匹同時に動いているようなアクションゲームになっていて。
 ある意味,スポーツゲームのようですよね。一人しか動かしていないのにみんなちゃんと配置について,全部やってくれるっていう。

画像集#018のサムネイル/任天堂の宮本 茂氏に聞く,「ピクミン3」の魅力――「インタラクティブメディアは,“自分”が関わっていることが一番面白い」

4Gamer:
 野球ゲームやサッカーゲームのようなイメージですね。それは気付かなかった……。
 ちなみに,ピクミンをRTSの一種として見る向きもありますが,それについての考えも聞かせていただけますか?

宮本氏:
 海外でRTSが人気ということは知っていますが,作るときにそこからスタートしないでおこうとは思っているんです。
 振り返ると,大昔にPC用に「M.U.L.E.」というゲームがあったんですね。僕はアクションゲームをずっと作ってきたけれど,いつかああいうタイプのゲームを作りたいなって,漠然と思っていたのが,ピクミン1につながった部分はあります。

4Gamer:
 あの惑星を開拓するストラテジーが!

宮本氏:
 まあ,M.U.L.E.を追いかけたわけじゃないですけど,成り立ちの一つにああいうものがあったというぐらいで。
 それに,はやっているものを見て何かを作るんじゃなくて,あくまで独自に作っていって仕上げてみたら,シンプルなことをやっているのに,RTSに近いぐらいの深さが出てきたような気はするんですよね。でもピクミンはRTSというわけではなくアクションゲームですし,類似するもののない新ジャンルになっているとは思うんです。
 ただそういう意味でピクミン3は,アメリカでPC用のRTSを熱心に遊んでいる人達なんかにも,受け入れてもらえる可能性はあるんじゃないかと思っています。

4Gamer:
 もともとピクミンって,アメリカで広く愛されていますし。

宮本氏:
 そうなんですよね。日本よりアメリカのほうが人気があるぐらいで。今回は日本もアメリカと同じくらい期待していますので,よろしく。

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