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TITAN
  • NVIDIA
  • 発表日:2013/02/19
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「TITAN X」搭載ゲームPC「GALLERIA ZK」をテスト。Pascal世代のフラグシップGPU,その圧倒的な性能(と価格)に迫る
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印刷2016/10/14 00:00

レビュー

GP102コアのフラグシップGPU,その圧倒的な性能に迫る

NVIDIA TITAN X
(サードウェーブデジノス GALLERIA ZK)

Text by 宮崎真一


TITAN Xリファレンスカード
TITAN
 北米時間2016年7月22日,NVIDIAはPascalアーキテクチャに基づくGeForce GTX 10シリーズの最上位モデル「NVIDIA TITAN X」(以下,TITAN X)を発表した。
 発表当時の記事でお伝えしているとおり,TITAN Xは当初,北米および欧州市場限定出荷で,個人輸入に頼るなどしない限り,日本では購入できなかったわけだが,あれから約3か月。ようやく,QuadroやTeslaなどNVIDIAブランドの製品を手がける販売代理店,菱洋エレクトロが国内展開を行うことになり,Amazon.co.jpにおける単体販売と,ドスパラおよびマウスコンピューターによる搭載機の販売が始まったというのが,10月中旬時点におけるTITAN Xのステータスということになる。

 4Gamerでは今回,サードウェーブデジノスから,TITAN X搭載のゲーマー向けデスクトップPC「GALLERIA ZK」を貸し出してもらうことができた。欧米メディアによるレビューから遅れに遅れてというタイミングではあるが,ここでTITAN Xが持つゲーム性能に迫ってみたいと思う。

GALLERIA ZK
メーカー:サードウェーブデジノス
問い合わせ先:ドスパラ(販売店)
BTO標準構成価格:35万6378円(税込,送料別)
ドスパラのGALLERIA ZK販売ページ
TITAN


GPUコアは「GP102」。シェーダプロセッサ3584基を集積


TITAN X GPU。ダイ上の刻印は「GP102-400-A1」だった。デジタルノギスを用いた実測値だと約19.7×24.4mmでダイサイズは約480.7mm2。実際のダイサイズはこれより若干小さくなるはずだが,相当に大きいのは確かだ
TITAN
 TITAN Xは,Pascalアーキテクチャに基づき,TSMCの16nm FinFETプロセス技術を用いて製造されるGPUコア「GP102」を採用するGPUだ。GeForceでもQuadroでもTeslaでもない,“ただの”TITAN Xにした理由を,NVIDIAは「ゲームだけでなく,ディープラーニング(深層学習)をはじめとするさまざまな研究,そしてコンテンツ制作にも利用できるため」としている。
 ただ,それを言うなら,そもそも旧GeForce GTX TITANシリーズから同じようなコンセプトであり,初代「GeForce GTX TITAN」に至っては事実上のTesla化にも対応していた以上,NVIDIAの主張はやや弱い。

 第2世代Maxwell世代では,「GeForce GTX TITAN X」(以下,TITAN X Maxwell)がフラグシップという位置づけでありながら,基本的にNVIDIAのリファレンスカードしか選択肢がなく,カードベンダーが独自設計でチューンした「GeForce GTX 980 Ti」搭載製品に性能面で後塵を拝すというケースが少なくなかった(関連記事)。そういう不都合を解消するためのブランディング変更というのが,真の理由か,それに近いのではないかと筆者は考えている。

最後までブランディングは二転三転したのだろうなあ……と思う根拠がカードのデザインで(※詳細は後述),TITAN Xのクーラー側面には「GEFORCE GTX」のLEDイルミネーションがあり,背面側の放熱板兼補強板には「GEFORCE GTX TITAN X」という刻印すらあった。かなりギリギリまで,TITAN Xは“GeForceだった”のではなかろうか
TITAN TITAN

 一応弁護しておくと,GP102は,「GeForce GTX 1080」(以下,GTX 1080)が持たない命令セットとして,8bit整数演算命令をサポートしており,高速に処理可能だ。なので,「4桁型番を持つPascal世代のGeForceとは,確かに違うGPUだ」とは言えたりもする。

これはGP104におけるSMブロック図だが,おそらくはGP102も同じはず。CUDA Coreを使って8bit整数のSIMD演算を行っているものと思われる
TITAN
 さて,そんなGP102コアだが,“ミニGPU”的に機能する「Graphics Processing Cluster」(以下,GPC)数は6基と,GTX 1080の4基と比べて2.5倍となっている。GPCに内包される演算ユニット「Streaming Multiprocessor」(以下,SM)数が5基で,SMは128基のシェーダプロセッサ「CUDA Core」を統合することから,GP102のフルスペックだと,総シェーダプロセッサ数は3840基という計算だ。

 ただしTITAN Xの場合,総シェーダプロセッサ数は3584基。なので,GPUの世界ではよくあるように,TITAN Xでは,GP102のフルスペック比でSMが2基無効になっているわけである。
 NVIDIAはどういうパターンでSMの無効化を許容しているのか明言していないが,これまでと同じなら,どれか1基のGPCでSMが2基無効になっているか,2基のGPCでSMが1基ずつ無効になっているかで性能の違いは生じないから,とくに言及していないということなのだろう。

 なお,テクスチャユニットはSMあたり8基なので,その総数は224基と,GP104の160基と比べて40%増し。また,L2キャッシュ容量は3MB,ROPユニット数は96基,32bitメモリコントローラは12基と,メモリ周りのスペックは軒並みGP104比で1.5倍になっている。

TITAN Xのブロック図(※4Gamer推測。2基のGPCでSMが1基ずつ無効になっている場合)
TITAN

 一方,GPUの動作クロックはベース1417MHz,ブースト1530MHzで,GTX 1080のブーストクロックが1733MHzなのと比べると,かなり抑え気味だと言える。なお,後述するテスト環境において,「3DMark」(Version 2.1.2973)の「Time Spy」実行中に「GPU-Z」(Version 1.11.0)でGPUの動作クロックを追ってみたところ,1746.5MHzまで上昇しているのは確認できた。

搭載するGDDR5XメモリチップはMicron Technology製のGDDR5X「MT58K256M32JA-100」(※パッケージ上の刻印は「6IA77 D9TXS」)。10Gbps品で,チップ12枚で容量12GBを実現する
TITAN
 TITAN Xが採用するグラフィックスメモリはGDDR5Xで,メモリクロックはGTX 1080と同じ10000MHz相当なので,384bitメモリインタフェース効果もあってメモリバス帯域幅は480GB/sと,GTX 1080比で1.5倍になっている。ちなみにこれは,TITAN X Maxwellの336.5GB/sに対しても約43%高いスペックだ。
 そんなTITAN Xの主なスペックを,GTX 1080,そしてTITAN X Maxwellのそれと比較する目的でまとめたものが表1となる。



外観は「黒いGTX 1080 Founders Edition」だが,電源部はかなり手が入ったTITAN X


GALLERIA ZK。207(W)×520(D)×450.2(H)mmという,よくあるミドルタワーといった大きさになっている
TITAN
 入手したGALLERIA ZKは,GALLERIAシリーズ専用のミドルタワー筐体「KTケース」を採用するデスクトップPCだ。CPUに「Core i7-6700K」,メインメモリにPC4-17000 DDR4 SDRAM 8GB×4,さらにストレージとしてM.2タイプでNVMe/PCI Express x4接続,容量256GBのSSDと,Serial ATA 6Gbps接続で容量3TBのHDDを搭載するというBTO標準構成になっている。
 PCの安定性を左右する1要素である電源ユニットは,Enhance Electronics製で定格出力800W仕様の「EPS-1780GA1」だった。

本体左サイドパネルを外した状態で横から見たカット。筐体内はまずまずゆったりとした印象だ
TITAN
TITAN
CPUクーラーはいわゆるサイドフロー型。背面の排気ファンと合わせてストレートなエアフローになっている
TITAN
SSD用のM.2スロットは,マザーボード上,グラフィックスカード用となるPCI Express x16スロットのすぐ近くにある

TITAN
 そんなGALLEIRA ZKから取り出したTITAN Xカードだが,その外観は,GTX 1080 Founders Editionをベースとしつつ,カラーリングを(TITAN X Maxwellと同じ)黒基調へ変更したもの,といった印象を受ける。今回NVIDIAはTITAN XでFounders Editionを設定していないが,カード,そしてクーラーの基本設計は,GTX 1080 Founders Editionと同じと見ていいだろう。ちなみにカード長は実測約267mm(※突起部含まず)なので,「GTX 1080 Founders Editionとほぼ同じ長さ」と紹介して差し支えない。

ポリゴンをイメージしたという,三角形を多用したクーラーデザインは,Pascal世代のFounders Editionカードと同じだが,黒基調になっている。カード背面を覆う放熱板兼補強板の色は変わっていないが,前段で指摘したとおり,そこにある刻印は「GEFORCE GTX TITAN X」となっていた
TITAN TITAN

TITAN
 クーラーが2スロット仕様で,80mm角相当のブロワーファンを搭載する外排気タイプなのも,GTX 1080 Founders Editionと同じ。ただし補助電源コネクタは6ピン,8ピン各1で,GTX 1080 Founders Editionと比べて6ピン×1が増えた格好になっている。

TITAN
外部出力インタフェースはDisplayPort 1.4×3,HDMI 2.0b×1,Dual-Link DVI-D×1で,GTX 1080 Founders Editionと変わらず
TITAN
2本のPCI Express x16スロットが詰まった配置のシステムで2-way SLI構成するときにエアフローを改善すべく,背面カバーの後方側は(保証の範囲内で)取り外せる

 GPUクーラーの取り外しはメーカー保証外の行為であり,取り外した時点でメーカー保証は失効する。その点はくれぐれも注意してほしいが,今回はレビューのため,特別にクーラーを取り外してみることにした。

GPUクーラーを外してみたところ
TITAN TITAN

電源フェーズ数は見る限り7+2。GTX 1080 Founders Editionは5+1だったので,かなりのスケールアップだ
TITAN
 すると気付くのは,基板上の電源部が,かなりみっしりと詰まった配置になっていることだ。そもそも基板デザインが異なるので一概には言えないものの,GTX 1080 Founders Editionだと,電源部の設計には余裕が感じられたのに対し,TITAN Xではそういうことがない。空きパターンがあるので,ひょっとするとさらに電源部の豪華なバリエーションモデルが存在する可能性もある――フルスペックのGP102コアを搭載すると見られる「Quadro P6000」かもしれない――が,いずれにせよ,それだけTITAN Xの電源要求が厳しいとは言えるだろう。

TITAN Xの電源部
TITAN
 その電源部だが,GTX 1080 Founders Editionだと,GPU用電源フェーズには「470」という刻印入りのコンデンサをコイルあたり2基搭載し,別途メモリ用電源フェーズには「330」刻印入りのものを採用していたのだが,TITAN XではGPU用も含めて330刻印入りで統一となった。また,MOSFETもOn Semiconductor製の「NTMFD4C85N」(4C85N)からAlpha & Omega Semiconductor製の「AOE6930」(E6930)へ変わっているので,MOSFETあたりの容量に若干の余裕が出ていて,かつゲート容量が小さくなって駆動が楽になっているとも言えるだろう。

電源フェーズを構成する部材とその近くに寄ったところ。写真中央部付近には「53603A」というチップもいくつか見えるが,これはVRMとして用いているチップのようだ
TITAN
TITAN
電流センスアンプにはTexas Instrumentsの「INA3221」を採用
TITAN
カード背面側に,デジタルデジタルPWMコントローラと思われる「μP9511P」を搭載していた


GTX 1080およびTITAN X Maxwellと比較。最上位モデルとしての立ち位置を探る


 今回,TITAN Xの比較対象には表1先ほど挙げたGTX 1080とGTX TITAN X Maxwellを用意し,GALLERIA ZKをベースシステムとして,グラフィックスカードを差し替えてテストを行うことにした。つまり,Pascal世代のGeForce最上位モデル,そして一世代前のTITANと比べてどれだけの優位性があるかを確認してみようというわけである。
 用いたグラフィックスドライバは,テスト開始時点の最新版となる「GeForce 373.06 Driver」。そのほかテスト環境は表2のとおりで,もちろんこれは入手したGALLERIA ZKそのものである。


 テスト方法は4Gamerのベンチマークレギュレーション18.0準拠。ただし,3DMarkにおいては,DirectX 12版テストである「Time Spy」も実施した。その具体的なテスト方法はレギュレーションで規定する「Fire Strike」と同じで,「テストを2回行い,総合スコアが高いほうを採用する」というものだ。
 テスト解像度は,2560×1440ドットと3840×2160ドットと2560×1440ドットの2つを選択している。

 なお,筆者のテストだと,いつもはCPUの自動クロックアップ機能「Intel Turbo Boost Technology」をマザーボードのUEFI(≒BIOS)から無効化しているが,GALLERIA ZKが搭載するASRock製マザーボード「Z170 Pro4S」のUEFIには当該項目がなかったため,有効のままテストを行っているので,その点はあらかじめお断りしておきたい。


GTX 1080を2割以上引き離すTITAN X


 以下スペースの都合で,グラフ中に限り,TITAN X Maxwellを「TITAN X MW」と表記する
 では,順にテスト結果を見ていこう。グラフ1は3DMarkのDirectX 11版テストであるFire Strikeの総合スコアをまとめたものだ。TITAN XのスコアはGTX 1080に対して28〜31%程度高いが,シェーダプロセッサ数と動作クロックの違いを考えると,おおむね妥当と言っていいのではなかろうか。
 対TITAN X Maxwellだと,スコアは58〜62%高い。世代の違いは明らかと言っていいだろう。


 続いてグラフ2は同じく3DMarkからTime Spyのスコアをまとめたものである。
 ここでは,GTX 1080とのスコア差が約22%に縮まる一方,TITAN X Maxwellとのスコア差は約72%に広がったのが見どころだ。PascalアーキテクチャでNVIDIAはグラフィックス描画とGPGPU処理の両スレッドをCPU並みの細かさで切り換えて実行できる機能を採用したので,旧世代のGPUに対しては優位性を見せる一方,現行世代同士の比較では動作クロックの低さが足枷になっている印象だ。


 グラフ3,4は「Far Cry Primal」の結果だ。ここでTITAN XとGTX 1080のスコア差は23〜31%程度高いという,3DMarkをおおむね踏襲する結果になった。「ノーマル」プリセットとはいえ,シングルGPU仕様のカードがFar Cry Primalにおいてレギュレーションが合格ラインとする60fpsを超えてきたのは,なかなかインパクトが大きい。
 なお,TITAN X Maxwellだと43〜67%程度というスコア差であり,こちらも3DMarkとおおむね同じ傾向と言えるだろう。


 「ARK: Survival Evolved」(以下,ARK)のスコアをまとめたものがグラフ5,6となる。
 「Low」プリセットでは180fps手前で相対的なCPUボトルネックが発生しているため,今回は「High」プリセット時のスコアを見たいと思うが,ここでTITAN Xは,GTX 1080に対して26〜27%程度,TITAN X Maxwellに対して72〜75%程度高いスコアを示した。TITAN X Maxwellとのスコア差はやや開いたが,全体としては3DMarkやFar Cry Primalと似た傾向にある。


 続いてグラフ7,8は「Tom Clancy’s The Division」(以下,The Division)のテスト結果だ。The DivisionでもTITAN X PascalとGTX 1080との開きは22〜27%程度,TITAN X Maxwellとのスコア差は44〜52%程度なので,こちらは「スコア差はやや詰まり気味ながら,全体的にはここまでと同傾向」といったところか。


 「Fallout 4」の結果がグラフ9,10だが,解像度2560×1440ドットではCPUの相対的なボトルネックにより,TITAN XとGTX 1080のスコア差が詰まってしまった。
 なので今回は3840×2160ドット条件のほうを見ていくが,対GTX 1080でTITAN Xは20〜26%というスコア差を示し,4GamerがハイエンドGPUの合格ラインとする平均80fps以上を「中」プリセットで易々とクリアし,「ウルトラ」プリセットでもあと少しという,強烈なスコアを叩き出している。
 筆者はGTX 1080のレビュー時に,GTX 1080は4K解像度でFallout 4をプレイできる史上初のシングルGPUだと評したが,その意味でTITAN Xは,4K解像度でウルトラプリセットを選択しても,Fallout 4をほぼほぼ快適にプレイできるGPUということになりそうだ。


 「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド ベンチマーク」(以下,FFXIV蒼天のイシュガルド ベンチ)の結果がグラフ11,12である。FFXIV蒼天のイシュガルド ベンチでも「標準品質(デスクトップPC)」の2560×1440ドットではスコアの頭打ちが確認されるため,それ以外のテスト条件を見ていくが,TITAN XはGTX 1080に対して21〜26%程度,TITAN X Maxwellに対して58〜73%程度高いスコアを示した。
 スコア傾向は3DMarkなどと似ているが,「最高品質」の4K解像度で,スクウェア・エニックスの示すベンチマーク指標の最高評価「非常に快適」の水準であるスコア7000を大きく上回っているのは見事と言うほかない。
 なお,下のグラフ画像をクリックすると,平均フレームレートベースのスコアも表示するようにしてあるので,興味のある人はそちらもチェックしてもらえればと思う。

※グラフ画像をクリックすると,平均フレームレートベースのグラフを表示します
TITAN
TITAN

 グラフ13,14は「Project CARS」の結果だ。2560×1440ドットでCPUボトルネックによってTITAN XとGTX 1080のスコア差が縮まるという点ではFallout 4とよく似ている。
 では3840×2160ドットのスコアはどうかというと,両者のスコア差は26〜29%程度あるので,ここまでのテスト結果と同じく,TITAN Xが確実に高い性能を発揮できているということになるだろう。
 また,TITAN X Maxwellに対しては83〜75%程度と,圧倒するスコア差を示した。



GTX 1080比で消費電力は最大90W近く増大。TITAN X Maxwell比でも最大40W大きい


 GTX 1080と比べて3D性能が大きく向上したTITAN Xだが,気になるのはその代償としての消費電力増大だ。規模の大きなGP102というGPUコアを採用,TDP(Thermal Design Power,熱設計消費電力)も250Wまで上がっているため,消費電力がどの程度増大するのか心配という読者も少なくないだろう。今回も,ログの取得が可能なワットチェッカー「Watts up? PRO」を用いて,システム全体の消費電力を測定,比較してみよう。
 テストにあたっては,ゲームでの利用を想定し,ディスプレイ出力が無効化されないよう指定したうえで,OSの起動後30分放置した時点を「アイドル時」,各アプリケーションベンチマークを実行したとき,最も高い消費電力値を記録した時点を,タイトルごとの実行時とした。

 その結果はグラフ15のとおりで,アイドル時の消費電力だと,TITAN XとGTX 1080はほぼ同じ。一方のアプリケーション実行時だと,TITAN XはGTX 1080比で79〜89W,TITAN X Maxwellと比べても14〜40W,いずれも大きいという結果になった。GP102という巨大なGPUコアを採用することの影響は,決して看過できない印象だ。


 搭載するリファレンスGPUクーラーの冷却能力を見るべく,3DMarkにおけるFire Strikeテストの30分間連続実行時を「高負荷時」として,アイドル時ともども,GPU-Zから温度を取得した結果がグラフ16となる。
 いつもだと,テストシステムはいわゆるバラック状態のまま机上に置くのだが,今回は同じ場所のGALLERIA ZKを置いての検証になっている。室温は24℃で(いつものテスト条件と)揃えているが,テスト条件としては揃わないので,その点は注意してほしい。

 今回は広義のリファレンスカード同士による比較なので,横並び比較を試みてみるが,アイドル時,高負荷時ともGPU温度は揃っており,NVIDIAのGPUコンセプトはTITAN Xでも従来どおりということが分かる。いずれにせよ,GPU温度をとにかく抑えるというコンセプトにはなっていないのが分かるだろう。


 なお,筆者の主観であることを断ったうえで述べると,動作音はそれほどうるさいわけではないものの,決して静音性が高いとも言えないレベルだ。外観からも想像できるように,GTX 1080のFounders Editionと大差ない印象を受けた。


誰の目にも明らかな絶対王者だが,税込単体17万円超という現実は重い


TITAN
 以上,TITAN Xの性能はGTX 1080を圧倒しており,2016年10月時点における世界最速GPUの座にあることはまったく疑いようがない。消費電力はGTX 1080と比べてかなり大きく,前世代モデルであるTITAN X Maxwellと比べてすら大きいものの,このクラスの性能を求める人からすれば,気になるレベルではない可能性のほうが高いだろう。

TITAN
 ただし,北米市場におけるメーカー想定売価が1200ドル(税別)のところ,現時点で国内唯一の購入窓口であるAmazon.co.jpにおける税込価格は17万1204円(※2016年10月14日現在。リンクはAmazonアソシエイト)で,ブランドをえり好みしなければGTX 1080カードを2枚購入できてしまうという事実は重い。搭載PCであるGALLERIA ZKもBTO最小構成で税込35万6378円(※送料別,2016年10月14日現在)であり,大多数のPCゲーマーにとっては高嶺の花になってしまうだろう。
 その意味でTITAN X,そしてそれを搭載するGALLERIA ZKは,性能のためならコストなどどうでもいいと断言できるような人のための選択肢ということになるはずだ。

 ちなみに,NVIDIAがそう言っているわけではないものの,第2世代Maxwellのときと同じことが繰り返されるのであれば,おそらく今後NVIDIAは,パートナーであるカードベンダーにオリジナルのカード設計やクロック設定を許可した“下位モデル”を出すことになると思われる。
 それが“GeForce GTX 1080 Ti”になるのかどうかはともかく,「TITAN Xより価格が高い」ということはないはずなので,純粋なゲーム用途においてGTX 1080より高性能のGPUを求めているのであれば,欧米市場での発売から3か月も経ってしまったような製品よりは,そちらを待ったほうがいいような気もするが,どうだろうか。

ドスパラでGALLERIA ZKを購入する

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