プレイレポート
「ハースストーン」,ナスリア城殺人事件“セオリークラフトイベント”参加レポート。気になる“吸魂”や“場所”の使用感はいかに
セオリークラフトとは,プロプレイヤーやインフルエンサーを招待し,新カードを採用したデッキを使って戦う様子を配信するイベントだ。各プレイヤーは専用のアカウントで,新たに登場したカードを一定数以上採用したデッキを使って戦わなければならない。
今回のセオリークラフトには4Gamerも参加できたので,実際に新環境をプレイしてみての感触や,気になる新カードの使い方,使われ方を紹介していく。なお,ナスリア城殺人事件のカードリストは公式サイトで確認できるので,そちらも参考にしつつ読み進めていただきたい。
「ハースストーン」公式サイト
「ナスリア城殺人事件」カードリスト
「ハースストーン」公式サイト
まずは,今回の拡張セットで登場する新要素でとくに大きなものとして,キーワード能力「吸魂」とカードタイプ「場所」について,軽くおさらいしておこう。
新キーワード「吸魂」を持つカードは,手札に存在する間に規定数の味方ミニオンが死ぬと,より強力な効果にアップグレードされる。敵のミニオンが死亡してもカウントされないので,自陣にミニオンを並べて戦うデッキと相性が良い。
新カードタイプ「場所」は,コストを払って自陣に配置した後,1ターンに1回だけマナコストを消費せずに効果を発動できる特殊なカードだ。効果を起動すると耐久力が減少し,ゼロになると破壊されてしまう。ミニオンとは違ってヘルスを持たず,攻撃や呪文によって除去できないのが特徴だ。
イベントの時間は限られているので,すべての新カードに触れることはできない。今回のプレイでは,いくつかの気になるカードを中心としたデッキを考えつつ,上記の新要素の手触りをチェックしていくことにした。なお,以降はカードのステータスを攻撃力/体力という形式で表記する。
「ハースストーン」,最新拡張版“ナスリア城殺人事件”を8月3日にリリース。新カードタイプ“場所”や新キーワード“吸魂”が登場
Blizzard Entertainmentは本日,デジタルカードゲーム「ハースストーン」の最新拡張版「ナスリア城殺人事件」を8月3日にリリースすると発表した。殺人事件の容疑者となるレジェンドミニオン10体や,新カードタイプ「場所」,新キーワード「吸魂」などを含む,135種類の新カードが登場する。
「ハースストーン」最新拡張セット“ナスリア城殺人事件”合同インタビュー。新たなカードタイプやキーワードの詳細が明らかに
Blizzard Entertainmentは本日(6月28日),デジタルカードゲーム「ハースストーン」の最新拡張セット“MURDER AT CASTLE NATHRIA”(ナスリア城殺人事件)を発表した。本稿では,新要素たっぷりの新パックについて,開発チームのCora Georgiou氏,Valerie Chu氏に聞いた合同インタビューの模様をお届けしよう。
強力ながらも計画性が求められる
「吸魂」と「場所」の使い勝手をチェック
とりあえず,デッキのコンセプトになりやすそうな新要素「吸魂」を核として考えてみる。吸魂のルールを聞いてパッと思いつくのは,やはり小型ミニオンを大量展開するトークン系デッキとの組み合わせだろう。
伝統的なトークンデッキということで,今回は「生きている根」「イバラ生えの番兵」でミニオンを展開し,全体バフで一気に勝負を決めるアグロドルイドを採用。ここにクラス固有の新カードと,複数の中立の吸魂ミニオンを投入して,いざ実戦へ。
数試合ほど戦ってみて,吸魂の意外な扱いの難しさに驚かされた。正直なところ「アグロドルイドなら雑に吸魂を突っ込んでも機能するだろう」と考えていたのだが,ところどころで条件を達成しきれないことがあり,達成前にカードを出さざるを得なくなるシーンも少なくなかった。
吸魂はその性質上,効果を発揮させるためには長期間にわたってカードを保持している必要があり,可能な限り早く手札に加えたいところ。しかし,マリガン(※ゲーム開始時に任意のカードを交換できるルール)で吸魂持ちのカードをキープすると初動が不安定になり,条件の達成前に吸魂を出さざるを得ない状態に陥りやすい。このジレンマをいかに解消するかが,新環境でのウデの見せどころになりそうだ。
いくつかある吸魂カードの中でも,とくに役立ってくれたのが5マナミニオンの「貪欲な道化師」だ。素の状態ではカードを1枚引けるだけだが,条件を達成することで3枚ものカードを引けるようになる。
本体は5マナ3/5と貧弱なので,場に出す前にボードアドバンテージを得ておく必要があるが,アグロデッキであればそれも難しくはない。「堆肥化」を持つアグロドルイドではドローソースとして過剰気味だったが,手札リソースに悩むデッキの心強い味方になってくれそうだ。
吸魂に続いては,新カードタイプ「場所」にも触れていこう。今回のプレイで注目したのは,ウォーロックの場所「悪徳の図書館」だ。
起動時に味方のミニオン1体を選択して+1/+1を与え,自陣にいるインプの数だけ効果を繰り返してくれる。インプが自陣にいなければ繰り返しの効果は発揮しないが,新パックではインプ関連カードが多数収録されているので,それらを投入してデッキを組んでみた。
場所カードは一度場に出してしまえば起動時にはマナを必要とせず,ミニオンと違って除去される可能性が低いこともあり,かなり使い勝手が良い。場に出てすぐに効果を発揮する必要もないので,とりえあえず出しておくだけでも問題なく働いてくれる。
1ターン目に「炎のインプ」,2ターン目に「悪徳の図書館」を出せば,それだけで強力な盤面を作り上げられる。また,「悪徳の図書館」は最大で2回まで起動できるほか,インプ以外も効果の対象にとれるので,「炎のインプ」が対処された後につなげやすいのもポイントだ。
1マナ1/3の新カード「むしゃくしゃ司書」は,自陣のインプ1体につき攻撃力+1を得る常在能力を持ち,「悪徳の図書館」とも非常に相性が良い。後攻1ターン目に「むしゃくしゃ司書」と,1/1のインプを2体召喚する「罪深き積荷」を使用し,2ターン目に「悪徳の図書館」を使用すれば,相手にかなりのプレッシャーをかけられる。
そのほかにも,生命奪取を持つカードを対象にとってライフを取り戻したり,挑発を持つカードを対象にとって一時的に守りを固めたりと,かなり柔軟な扱い方ができた。使っていて楽しいカードだったので,正式リリース時にはクラフトして使ってみようと思う。
今回のイベント中,対戦相手としてもっとも多く出会った場所カードは,ローグの「罪石の墓地」だ。
普通に使用すると,隠れ身を持つ1/1のミニオンを召喚する効果しか持たないが,召喚されるミニオンのステータスは,ターン中に使用済みの手札1枚ごとに+1/+1される。大量に手札を消費した後に発動することで,特大のミニオンを生み出せるというわけだ。
普通のクラスで1ターンに10枚も20枚もカードを使うのは簡単ではないが,ローグであれば話は別。次に場へ出す断末魔ミニオンを即座に死亡させる「シャッターシャンブラー」,コインを2枚獲得できる断末魔ミニオン「シャー金取り」,呪文を使うごとにカードを1枚引く「ガジェッツァンの競売人」などのコンボが決まれば,1ターンに大量のカードを使うことができる。
また,「罪石の墓地」以外のキーカードがミニオンに偏っているため,デッキからミニオンを2枚引く「隠蔽の帳」を使えば必要なカードを揃えるのも難しくない。新たな秘策「二枚舌」も“相手がマナを使い切る”という緩めの条件でカードを2枚も引けるため,コンボの成功率はかなり高かった。
ただ,成功してもデッキを大量に消費して巨大な隠れ身付きミニオンを2体出すだけなので,1枚でも全体除去を握られていたら簡単に対処されてしまう。対処される前提のサブプランを用意したり,必要十分なサイズを確保した段階で早めに「罪石の墓地」を起動したりと,実際のスタンダード環境で活躍させるためには,やや工夫が必要になるかもしれない。
「ハースストーン」,“ナスリア城殺人事件”のローグ向け新レジェンド“ネクロロード・ドラカ”(Necrolord Draka)を4Gamer独占公開
Blizzard Entertainmentは,デジタルカードゲーム「ハースストーン」の最新拡張セット「ナスリア城殺人事件」を8月3日にリリースする。今回は,4Gamer独占でローグの新レジェンドミニオン「ネクロロード・ドラカ」(Necrolord Draka)の情報が届いたので紹介しよう。
とくに吸魂は,先行後攻や相手ヒーローによってマリガンの考え方が大きく変化し,戦闘やドローのタイミングにも考慮の余地が生まれる,パッと見の印象以上にプレイしていて面白いキーワードになっていた。
吸魂や場所以外にも,指定された条件のカードを言い当てる“推理”や,互いに強化しあうデーモンハンターの“遺物”,ランダムに休眠状態のミニオンを生み出すハンターの“野生精種”など,初登場となるギミックが山盛りだ。拡張セットがリリースされたあかつきには,ぜひ新要素を組み込んだデッキを考えてみてほしい。
ハンターの“野生精種”は,強力なミニオンほど休眠の時間が長く設定されている。狙い目は3マナ5/4「鹿の精霊の野生精種」で,目覚めると同時に4/2の強力な武器を提供してくれる |
“推理”の効果を持つカードは少なく,扱いがやや難しい。「怪しい案内係」はレジェンドミニオンを発見できるが,相手が推理を的中させると,発見したミニオンが相手の手にも渡ってしまう |
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(C)2017 BLIZZARD ENTERTAINMENT, INC.
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